日本でEラーニングの研究をしているグループから、アンケート調査の回答依頼メールが回ってきた。前から何度かメーリングリストなんかで依頼が回っていたのだが、どうも回収状況が芳しくないようで、今回は担当者からのかなり悲痛な様子での依頼だった。前に来ていた依頼内容から、この調査はちょっと厳しい結果に終わりそうだなという印象を受けていたが、案の定の事態に陥っている様子だ。アジア各国での同時調査らしく、条件を同じにするために調査票は英語のものをそのまま使っていたそうだが、回答が集まらないらしく、翻訳して再度の依頼となったらしい。あまりに気の毒なので協力しようと思って調査票のWebサイトをのぞいてみたら、一問目の居住国を聞く設問で、アジア諸国しか選択肢がなかったため、私は対象者でないことがわかって断念した。
1/21(金) ペンシルバニアの冬
早いもので1月ももう下旬に入った。月日の経つのは早い早いとずっと思っているのだからそろそろそういうもんだと思って、頭がそれに慣れればよいものなのに、なぜかいつも時間の過ぎる早さを感じる。これは子どもの頃の時間の流れ方が常に基準になっているからなのか。
今年の冬は雪も少なくて、ずいぶん暖かいなと思っていたら、ここ二週間ほどはやたら寒い。5センチほどだが雪も積もっている。氷点下が続くので、あまり雪も解けない。車の窓が凍り付いて開かなくて、駐車場のチケットを取るのに難渋する。これでこそ、ここペンシルバニア州ステートカレッジの冬だなという気候がようやく訪れた。
1/17(月) 今学期の様子
先週から春学期が始まり、一週間のサイクルがあっという間に過ぎていった。インターン先の職場へは週2日終日出勤。残りの3日で4つの授業をとっている。
いろいろCD買い込んで来た
帰国の折に、聴かなくなっていたCDを40枚ほど処分するとともに、数枚新たにCDを買い込んで来た。ただいま聴き込み中。だんだん早くてヘビーな曲が合わない体質になってきたが、メロディックなやつは相変わらずよい。
帰国すると必ず立ち寄るディスクユニオン御茶ノ水へビィメタル館は相変わらず楽しかった。二階に上がるとハードロックが流れてて、三階に行くとデスメタル、四階は古めのスラッシュとかがかかってる。メタルはもういいや、と思いつつこの店に行くと、なんか新しいのを探してみたくなる気にさせてくれる。
あるID留学生の一日
先日、岩手県立大の鈴木研で出しているIDマガジンへ寄稿した原稿をご紹介。
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「あるID留学生の一日」
(岩手県立大学鈴木研究室IDマガジン第8号所収)
8時半起床。キャンパス内のアパートに住んでいるので朝はいつもゆっくり目だが、週3回は朝からソフトウェア会社でインターンの仕事が入っている。コーヒーとドーナツを胃に流し込みつつ車を走らせ、キャンパスから10分ほどのところにあるオフィスへ。仕事内容は、同社主力製品である統計パッケージの日本語版開発のサポート業務。雑務も多いが、大学のアシスタントとして雇われているので、授業料免除とちょっとした月給がでる。自費留学だと年間300万円以上かかってしまうが、大学でアシスタント(リサーチアシスタントやティーチングアシスタントなど仕事内容はさまざま)の口を確保できれば、元手が乏しくても気合で何とかやっていくことはできる。
2005年を迎えて
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
新年を迎えたので、昨年の総括と今年の指針など。
十二年ぶりの父との再会
昼前にうちを出て、鈍行電車に乗った。妻の実家を訪ねる以外は特にあてもない二泊三日の小旅行であった。とりあえず、途中に父の田舎があるので、立ち寄ってみることにした。私が19のときに両親が離婚して以来、父とはまったく会っていない。12年会っていないことになる。父の田舎にくるのは14年ぶりくらいだろうか。電車で出発したのはよいが、目的の駅までは電車が2時間に一本もない。しかたないので、ひとつ手前の駅まで行く電車に乗って、ひと駅歩くことにした。歩いたことはなかったが、子どものころの遠い記憶では、歩けないほど遠い距離ではない気がしたからだ。目的の駅に着くと、駅前はなんとも言いようがない田舎の駅前通りである。変な演歌が流れていて、タクシーも暇そうである。ちょっと歩くとスーパーマーケットが見えてきた。昼を過ぎていて小腹がすいたので、食べ物を調達することにして中に入った。入り口には、野菜や果物の特売とともに、ジャージやモンペのような着物が売っていて、田舎風情をかもし出している。店内も、ワンフロアに生鮮品から衣料品から雑貨、レンタルビデオ屋まであって、この街の文化の発信地らしい田舎センスが光っている。惣菜コーナーで、この旅にふさわしい巨大な田舎おにぎりを見つけて購入。さっそくそれをほおばりながら、田んぼ端の道をてくてくと歩いた。天気はすこぶるよく、気候も心地よい。この地方では寒い方らしいが、どうも私は2年間の北国暮らしで寒さへの耐性がついたらしくむしろ暖かく感じる。
12/18(土) 忘年会など
前日の講演が終わって気が抜けたので朝はゆっくり目のスタート。朝風呂に入って、コンビニで朝飯を買って食べながら、前日にお会いした方たちへメールなど書き、午後ゆっくり目に出発。日本に来る前にこんな恐ろしい写真を見てしまったので、道行くおばはんがみんなヨン様の追っかけに見えてしまう。あと、知らないうちに紙幣が新札に代わっていて、お釣りで千円札をもらったときに漱石が紙がふさふさの人になっていて、誰だお前?という感じだった。他に変わったところといえば、街に中国人や韓国人が増えている気がした。安い居酒屋やファーストフード店はみな中国人っぽい。気が利かないものが多いが、日本人でも気が利かない人はきかないし、低価格帯の店ではその程度でもいいんだろうなという気もする。
12/17(金) 講演など
昼に幕張にあるメディア教育開発センターの中原さんを訪問してランチ。豚肉の石焼チャーハンがうまかった。教育工学界を取り巻く事情などについていろいろ話すことができた。放送大学の施設を見学させてもらった。ものすごい贅沢な設備であの番組をとっているのだなと実感。
夕方の講演の前に少し時間があったので、東京駅地下のQBハウスにて散髪。毎度のこと、ここは1000円で腕もよい。アメリカでは1500円とられて毎回何か頭をがちゃがちゃにされるし髪の毛をよくはらってくれないので行くたびに鬱になる。
20分ほど前に会場へ到着。学生さん、ゲーム会社の方など、50人ほどが参加。90分弱くらい話すつもりで準備して行ったのだが、どうもプレゼンのテンポが悪くなってしまって、レクチャーが長いのは厳しそうだったので、ちょっと早めに切り上げて質疑応答に時間を多めにとった。いい質問やコメントをいただいて、こちらが勉強させていただくことも多かった。シリアスゲームに可能性を感じてもらうことはできたんじゃないかと思う。ゲーム会社の方などとのつながりができたのは大きかった。
さっそく、当日の模様がファミ通.comで紹介された。シリアスゲームが日本でも認知される第一歩を踏み出したというところだ。
社会の諸問題をゲームで解決する!? 東大でシリアスゲームの講義が開催!!
12/16(木) 帰国初日
日本についたのは、夕方4時ごろ。今回のメインの滞在場所である神田のホテルに荷物を置いて、留学前に勤めていた丸の内シティキャンパスの講演会を聞きにいった。今回は日本の認知心理分野でも有名な研究者の話だったので楽しみにしていたのだが、これがなかなかぱっとしなかった。日本だと研究者の層が薄いので、わずかな偉い先生に仕事が集中する。そして必ずしもその先生の専門に合わない仕事だったりするので、忙しい上に仕事の精度も鈍りがちになる。今日の先生はそんな真っ只中にいるような印象でもったいないなと思った。