藤本研究室説明会のお知らせ(11/4)

東京大学大学院学際情報学府 文化・人間情報学コース(文人コース)の冬季入試説明会特設ウェブサイトを公開しました。このウェブサイトでは、文人コースの紹介や入試の説明、各教員からのメッセージや研究室紹介動画を掲載しています。

冬季入試に受けて、藤本研究室を希望する方を対象とした研究室説明会を11月4日(水)17時から開催します。開催方法はzoomを使用したオンライン開催です(事前登録をした方にオンライン開催情報(zoom会議室へのリンク)をお送りします)。

来年度から学際情報学府に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。 参加希望の方は、それぞれ参加申込フォームから申し込んでください。

藤本研究室を希望する方向けの説明会です。どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。

日時:
2020年11月4日(水)17:00-18:00
内容:
・研究室の活動紹介
・質疑応答
・(終了後)個別面談

参加申込: 下記の参加申込フォームに必要事項を記入して申し込んでください。
https://forms.gle/xyYjgyTDwNUzPCgs9

下記の動画は、文人コースの説明会ウェブサイトに掲載した研究室の活動テーマについての紹介です。短い動画ですので、研究室説明会に参加する方は事前に視聴して、自分の研究の関心とどのような点が合っているか、よく検討してから参加してください。

【参加者募集】Ludix Lab オンライン夏期集中講座「デジタルゲーム研究の領域探索」開催のお知らせ(9/17, 18, 23)

Ludix Labオンライン夏期集中講座「デジタルゲーム研究の領域探索(全3回)」を開催しますのでお知らせします。

このオンライン講座では、最近のゲーム関連の話題で興味深いテーマを設定して、それぞれの分野で活躍中のゲストをお招きしてトークセッションを行います。デジタルゲームの新たな研究領域を模索したい方や、ゲーム業界の諸側面について学びたい方を対象とした、3回シリーズの集中講座です。

第1回は、「eスポーツ」という言葉がまだ浸透していなかった2000年代初頭から、先駆的に国内外eスポーツ分野で活躍してこられた松井悠氏に、eスポーツ分野の近年の動向についてお話しいただきます。

第2回は、長年国内でフォローされていない海外のゲーム情報を日本に紹介し、多くのレビューでゲームの魅力を掘り起こしてこられた徳岡正肇氏に、海外の盛り上がりに比して日本ではあまり知られていないLive Action RPG(LARP)の系譜や近年の展開についてお話しいただきます。

第3回は、セガ、DeNAでゲームプロデューサーを歴任し、広くゲーム開発人材育成で活躍されている馬場保仁氏に、ゲーム開発を成功させるチームの運営のあり方や伸びる人材の育て方についてお話しいただきます。

Zoomを使ってリモート参加できる環境をお持ちの方は、どなたでも無料でご参加いただけます。3回通しでの参加でも、関心のあるテーマの回のみでも参加できます(3回通しで参加して、所定の課題を提出された方には、LudixLab夏期講座参加証を発行します)。

日程:
・第1回:「eスポーツ」
日時:2020年9月17日(木)18:30-20:00
ゲストスピーカー:松井悠氏(グルーブシンク代表取締役)

・第2回:「LARP」
日時:2020年9月18日(金)18:30-20:00
ゲストスピーカー:徳岡正肇氏(アトリエサード)

・第3回:「ゲーム開発人材育成」
日時:2020年9月23日(水)18:30-20:00
ゲストスピーカー:馬場保仁氏(ファリアー代表取締役)

講師/モデレーター:
藤本 徹(東京大学 大学院情報学環 講師)

開催方法:zoomによるオンライン開催
参加費:無料
主催:Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)&東京大学 大学院情報学環 藤本研究室

参加申込方法:
参加ご希望の方は、下記のサイトからお申し込みください。
https://forms.gle/KvNV9uj3cuADJWJz7

ゲストプロフィール:
松井 悠(まつい ゆう)
株式会社グルーブシンク代表取締役。『Red Bull 5G』、『World Cyber Games』、『International E-sports Festival』などの大規模イベントをはじめ、ゲームコミュニティの構築、プロモーション企画、ゲーム開発イベントの運営など、「ゲームを作ること以外はなんでもやる」チーム groovesync gaming を率いる。著書に『デジタルゲームの教科書』、『デジタルゲームの技術』がある。

徳岡正肇(とくおか まさとし)
ゲームジャーナリスト/シナリオライター。ゲーム情報サイト「4Gamer」で海外ゲームのレビュー記事や、国内外のゲームイベントやカンファレンスの情報記事を担当。「コマンドマガジン日本版」でアナログのウォーゲーム関連記事を連載。国内外のゲーム技術カンファレンスで登壇多数。モバイルソーシャル・コンソール・PCインディーゲームなどにシナリオ提供。著書に「ゲームの今」など。

馬場 保仁(ばば やすひと)
株式会社ファリアー代表取締役社長。1997年に株式会社セガ・エンタープライゼス(現・株式会社セガ)に入社し、「プロ野球チームをつくろう!」シリーズなど多数のゲームをプロデューサー、ディレクターとして開発。また、株式会社ディ・エヌ・エーでは、モバイルゲームの開発部長・人事として活躍。著書に『ゲームの教科書』(ちくまプリマー新書・共著)、監修に「ゲームクリエイターになるには?」(金の星社)がある。

【参加者募集】Ludix Lab「ゲーム学習研究者トークセッション」開催のお知らせ

9月3日・4日開催の「LudixLabオンラインデザインキャンプ」の一環で、ゲーム学習関連の研究テーマで博士号を取得した若手研究者をゲストにお招きしたトークセッションを行います。

環境問題における社会的ジレンマを体験するカードゲーム教材の研究で早稲田大学大学院博士課程を修了した福山佑樹氏(関西学院大学准教授)、歴史的事象を現代の問題解決に応用する力を育成するゲーム教材の研究で東京大学大学院博士課程を修了した池尻良平氏(東京大学特任講師)、高齢者向けエクサゲームを用いた運動介入に関する研究で九州大学大学院博士課程を修了した財津康輔氏に、それぞれ取り組まれた博士研究の内容や大学院時代の経験についてお話しいただきます。ゲーム学習研究事例として、音楽ゲームを取り上げたトークセッションも行います。

このテーマに関心のある方はzoomで接続して参加できる環境があればどなたでも参加できます。

Day1:9月3日(木)
16:00-17:00 ゲーム学習研究者ゲストトークセッション(1)ゲスト:福山佑樹氏
17:15-18:00 ゲーム学習研究事例トーク:音楽ゲーム(講演者:藤本徹)

Day2:9月4日(金)
14:00-15:00 ゲーム学習研究者ゲストトークセッション(2)ゲスト:池尻良平氏
15:15-16:15 ゲーム学習研究者ゲストトークセッション(3)ゲスト:財津康輔氏

※本イベントは、主催者の研究活動の一環で行うものです。研究室の広報活動と研究のためのデータ収集、成果発表のための資料として、撮影、録画を行います。これらの点について同意の上でご参加ください。

参加費:無料
主催:Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)&東京大学 大学院情報学環 藤本研究室

参加申込方法:
参加ご希望の方は、下記のサイトからお申し込みください。
https://forms.gle/HYoFi6dVq7GXzQcy6

ゲストプロフィール:
福山 佑樹(ふくやま ゆうき)
関西学院大学 教務機構ライティングセンター 准教授。東京大学大学院学際情報学府修士課程・早稲田大学人間科学研究科博士課程修了。博士(人間科学)。東京大学大学院総合文化研究科・教養学部附属教養教育高度化機構 特任助教・明星大学明星教育センター特任准教授を経て現職。専門分野は教育工学。ゲームを利用した社会問題の学習手法など、ゲームと教育・学習の関係性について研究しているほか、民間企業や行政と共同で研修や教育用のゲーム開発にも携わっている。共著書に「ゲームと教育・学習(教育工学選書Ⅱ)」(ミネルヴァ書房)、「残された酸素ボンベ-主体的・対話的で深い学びのための科学と社会をつなぐ推理ゲームの使い方」(ナカニシヤ出版)など。

池尻 良平(いけじり りょうへい)
東京大学大学院情報学環 特任講師。東京大学大学院学際情報学府博士課程を修了(学際情報学博士)。専門は歴史学習、教育工学、転移、ゲームデザイン。社会の問題解決に応用できる歴史教材を開発し、効果検証を行っている。2009年度東京大学大学院学際情報学府優秀論文受賞。2013年日本教育メディア学会井内賞(優秀論文賞)受賞。

財津康輔(ざいつこうすけ)
九州大学統合新領域学府博士課程修了。博士(学術)。ルールを学びルールを創造するボードゲーム教室サイコロ塾主宰、専門は心理学、教育学。現在はボードゲーム教室体験後の子どもの創造性(mini-c)の変化の測定、探究学習の効果測定(企業の委託研究)を行っている。

【参加者募集】Ludix Lab「オンラインデザインキャンプ(9/3-4)」【プログラム詳細追加】

開催日時:2020年9月3日(木)~4日(金)
開催場所:zoomによるオンライン開催

開催趣旨:
シリアスゲームやゲーミフィケーションの研究や教育実践の取り組みについて、関連学会での発表も少しずつ増えており、教育分野での取り組みとして定着してきた感があります。しかし、国内でこの分野の研究指導や教育を受ける機会は少なく、開発途中で有用なフィードバックを受けられる機会も多くありません。

そこで今回は、この分野で活動する方々のために、取り組んでいる研究や実践活動でデザインした学習ゲーム・シリアスゲーム・ゲーミフィケーションコンテンツへのフィードバックを受けて、研究や実践を前進させる機会として公開オンラインワークショップを企画しました。

プロトタイプ段階のデモや、デザイン計画書の段階の題材をお持ちで、zoomで接続して参加できる環境がある方はどなたでも参加できます。

主な対象者:
開発した学習ゲームやゲーム教材を取り入れた授業デザイン計画にフィードバックを受けたい方、プロトタイプ段階でテストプレイをしたい学生、教員、実践者

日程:
9月3日(木)14:00-18:00
14:00-14:15 オリエンテーション、参加者自己紹介
14:15-15:45 参加者デザイン案・デモ発表~フィードバック
16:00-17:00 ゲーム学習研究者トークセッション(1)ゲスト:福山佑樹氏
17:15-18:00 ゲーム学習研究事例トーク:音楽ゲーム(藤本徹)(~初日ラップアップ)
(2日目開始時間まで:参加者デザインブラッシュアップ時間)

9月4日(金)14:00-19:00
14:00-15:00 ゲーム学習研究者トークセッション(2)ゲスト:池尻良平氏
15:15-16:15 ゲーム学習研究者トークセッション(3)ゲスト:財津康輔氏
16:30-17:30 参加者個人ワーク時間
17:30-18:30 参加者デザイン案・デモ案発表~フィードバック
18:30-19:00 ラップアップ(~本編終了後)オンライン交流会

参加条件:
・デザイン計画書や制作物のデモ(ペーパープロトタイプレベルでOK)を準備して、初日のデザイン発表の時間にプレゼンができ、2日目の成果発表時間までフル参加してデザインのブラッシュアップの時間を取れること

・自分の開発テーマを持ち、ある程度開発を進めていること(またはアイデア段階のものでも開催日までに開発を進められる方)。※入門レベルからデザイン方法を学びたい方や、他の方のプロジェクトに参加したい方は対象外です(また別の参加機会をご提供します)。

・ゲストトークセッションのみの参加枠も設定しました。

参加費:無料
定員:最大15名程度
主催:
Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)&東京大学 大学院情報学環 藤本研究室

参加申込方法:参加ご希望の方は、下記のサイトからお申し込みください。
https://forms.gle/sLRHQuenXByxuXcg9

【追記】ゲストトークセッションのみ参加希望の方は下記からお申し込みください。
https://forms.gle/couqZg5LPqudNFCZ8

備考:
・同じグループから複数名参加も可能ですが、参加者各自で参加登録をお願いします。
・営利企業で開発されているゲームや教材については対象外です(別途、共同研究やアドバイザー契約のご相談を承ります)。所属先と関係なく個人の立場で参加される方は、その旨参加申し込みの際にお知らせください。
・本イベントは、主催者の研究活動の一環で行うものです。研究室の広報活動と研究のためのデータ収集、成果発表のための資料として、撮影、録画を行います。これらの点について同意の上でご参加ください。

藤本研究室説明会のお知らせ(6/20, 6/23)

東京大学大学院学際情報学府と、文化・人間情報学コースの夏季入試説明会が、それぞれ6月6日(土)、20日(土)に開催されます。これに合わせて、藤本研究室を希望する方を対象とした説明会も6月20日(土)、23日(火)に開催しますのでお知らせします。

開催方法はいずれも、zoomを使用したオンライン開催です。(事前登録をした方にオンライン開催情報(zoom会議室へのリンク)をお送りします。)

学際情報学府に入学して藤本研究室で活動したい方は、どうぞご参加ください。 参加希望の方は、それぞれ参加申込フォームから申し込んでください(主催が別なので参加申込フォームが別々でお手数になりますが、それぞれ申込をお願いします。)

(1)2021年度東京大学大学院学際情報学府入試説明会
大学院入試についての全体的な説明会です。この説明会で入試情報や学府の全体的の情報を確認できます。

日時:2020年6月6日(土)13:30 –14:50
内容:
・学際情報学府・情報学環 全体説明
・2021年度入試説明(教員、学務チームより)
・大学院生のプロフィール&就職・進学情報

開催概要詳細:
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/news/2020052111808
参加申込:
https://iii-admission2021.peatix.com/

(2)文化・人間情報学コース(文人コース)夏季入試説明会
藤本は文人コースの教員ですので、受け入れを希望する方は文人コースを受験してください。学際情報学府全体の説明会では各コースについては詳しく扱う時間がありませんので、この説明会ではよりコースの内容や入試に焦点を当てて説明します。どんな教員がいるかを知る良い機会にもなります。

日時:2020年6月20日(土)10:00-11:15
内容:文人コース紹介/入試概要説明、参加教員によるミニトークとQ&Aセッション http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/news/2020053111853
参加申込: 下記の参加申込フォームに必要事項を記入して申し込んでください。 https://forms.gle/qBDcRjTj7dVCrKcVA

(3) 藤本研究室説明会
藤本研究室を希望する方向けの説明会です。どのような活動をしているか、どのような研究で指導を受けられるかを説明します。

日時:
2020年6月20日(土)11:30-13:00
2020年6月23日(火)17:00-18:30
(20日の回は、文人コース説明会終了次第開始しますので、開始時間が若干前後することがあります)

内容: 藤本研究室紹介、オープンオフィスアワー(受験希望の方との面談の時間です。2回設定しますが、内容は変わりませんので、都合のつく方に参加してください。)

参加申込: 下記の参加申込フォームに必要事項を記入して申し込んでください。
https://forms.gle/xyYjgyTDwNUzPCgs9

(追記:当初の告知で6月23日(火)17:00-18:30の回の日付を間違えていました。22日ではなく23日です。お詫びして訂正いたします。)

採録された論文の掲載誌が出版されました

一昨年に「未来の教室」実証事業のプロジェクトの一環で行なった教育実践の成果をまとめた論文がCIECの「コンピュータ&エデュケーション」に採録されて、出版された冊子が手元に届きました。
制約の多い産官学連携の教育実践において、教育工学の専門的知見がどのように貢献できるかを示す内容です。
実証授業を実施したのは2018年度後半でしたので、論文として成果発信できるまでにしばらく経ってしまいましたが、共著者と関係者の皆さま、ここまでお疲れさまでした&ありがとうございました。

藤本徹, 坂井裕紀, 池尻良平, 井原慶子, 中里忍, 福原正大 (2020) 産官学連携による社会課題を題材としたプロジェクト学習授業の開発と評価 -教育改革事業の課題に対応した教育カリキュラムの開発-. コンピュータ&エデュケーション. 48巻, 64-69.

このプロジェクトの成果としてはもう一本、少し前にJSETの論文誌に採録された下記の論文があります。今回の論文掲載で計2本の論文を出すことができました。先に出た方の論文は既にJ-STAGEでオンライン公開されていますのでご参照ください。

坂井裕紀, 藤本徹, 池尻良平(2019)ゲーム要素を付与したプロジェクト学習が学習意欲とキャリアビジョンに及ぼす影響. 日本教育工学会論文誌, 43(Suppl), 81-84. 
doi:10.15077/jjet.S43048

今年の誕生日の近況2020

今日で47歳になりました。今年もメッセージくださった皆さまありがとうございます。たまに遊んでいる「あつまれ どうぶつの森」にアクセスしたら、いつもの島の住人がおめでとうおめでとうと挨拶してくれて、古株住人たちが3密空間でサプライズパーティしてくれました。

最近あまり近況も書いてなかったですが、会う人には疲れてますねと言われるような状態がしばらく続いていたので、このコロナ禍の外出自粛の中で在宅勤務の中、忙しさは増していましたが、なるべく静かに過ごしたい感が強かったので、役割として対応するものだけやりつつ、お知らせなども最小限にしつつ過ごしていました。

昨年から大学院に移ったおかげで、これまでのセンター事業周りの仕事から、研究と教育主体に仕事の軸足が移ったのはとても良かったですが、兼務している二つの組織の運営の仕事が入ってきて、どちらも人手不足で手薄な組織のために、このコロナ禍の中では否応無く仕事が増えていく状況が続いています。

そんななかですが、今年度から始まった藤本研究室の活動は地道に行なっています。研究室ブログで少しずつ様子をお知らせしていて、今年入ったゼミ生も投稿してくれています(研究室ブログはこちら)。来年度入試に向けた藤本研究室の説明会も準備していて間もなくお知らせします。これまでに仕掛かった研究の論文を少しずつ書いています。先日採録された論文も掲載誌がそろそろ出ます。関わっている学会のイベントもアナウンスします。

これからまた少しずつ、皆さんにお知らせできる活動について書いていこうと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」のパブリック・コメントに意見提出しました

 先日来,香川県の「ネット・ゲーム依存症対策条例」の問題が話題になっています。依存対策の必要性自体を否定するものではありませんが,目的に合致しない内容になっています。地方の条例だと見過ごしてこのような内容で制定されてしまうと,停滞した社会をさらなる停滞に向かわせる矛盾したルールが増えることになります。

 県議会はこの4月に急いで条例を通そうとしているため,何もせずにいるとそのまま通ってしまいかねません。このまま制定されてしまうと,香川県だけの問題ではなく,国民全体にとって他人事ではない重大な問題だと認識しています。このような規制を推進する人たちにはどのような意見を出しても伝わらないのでないかと無力感を覚えるところもありますが,この条例を止めようと活動している方たちのサポートとして,少しでも足しになるように論点を整理しました。

 パブリックコメントを募集しているので見てみると,「意見提出できる方」の「第11条に規定する事業者」というのは,ネットで何らかの事業活動に従事していれば誰もが事業者として意見できる定義になっています。ネット上でオンライン講座や学習アプリを提供している私も遠慮せず,非営利の個人事業者として以下のような内容で意見提出しました。


香川県議会事務局政務調査課 御中

「香川県ネット・ゲーム依存症対策条例(仮称)素案についてパブリック・コメント」への意見提出

 この度の条例案に関するパブリック・コメント募集について,教育分野でデジタルゲーム研究を専門とする大学の研究者として,本条例案には以下に示すような重大な欠陥があり,深刻な悪影響をもたらす内容であると指摘します。依存対策自体の必要性を否定するつもりはありませんが,現状の条例案が向かっている規制の内容は,わかりやすく例えれば,危険薬物を問題視するがあまり,医薬品全般の使用を規制するような誤った方向に向かっています。この内容での条例制定は期待される効果よりも悪影響の方が大きく,香川県にとどまらず,日本全体の家庭教育やネット産業全般に望ましくない影響を与えることが懸念されるため,大幅な見直しをお願いする次第です。

問題点1:定義の不適切さ

 まず,第2条(定義)に記載される下記の定義は不適切であり,対象範囲が無制限に拡大解釈されて,本条例が問題視している範囲外で規制する必要のない事業者まで規制の対象とされる内容となっています。

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。 
(1)ネット・ゲーム依存症 ネット・ゲームにのめり込むことにより、日常生活又は社会生活に支障が生じている状態をいう。 
(2)ネット・ゲーム インターネット及びコンピュータゲームをいう。 
(3)オンラインゲーム インターネットなどの通信ネットワークを介して行われるコンピュ ータゲーム

 「ネット・ゲーム」,「オンラインゲーム」という曖昧な記述の仕方では,あたかもゲームと名の付くものであればすべて依存を招くような誤解が生じます。医療従事者がゲームのどのようなところに問題があるか特定できていない段階で一律にゲームとネットの利用時間全体を制限する規制は,国民の日常活動の無用な自粛の助長や,過度な行政の介入を意図したものと受け止められます。
 また,ゲームと一括りに言っても,さまざまなジャンルや用途のゲームがあります。学校や地域で普及している囲碁や将棋などのゲームもネットで提供されています。私たちが研究開発をしている学習ゲームアプリや,ゲームを利用した学習活動についてもこの定義では範囲に含まれてしまいます。これらがどのような観点から規制される必要があるのか理解できません。

問題点2:問題とする事業活動と適用範囲の曖昧さ

第 11 条 インターネットを利用して情報を閲覧(視聴を含む。)に供する事業又はコンピュータゲームのソフトウエアの開発、製造、提供等の事業を行う者は、その事業活動を行うに当たっては、県民のネット・ゲーム依存症の予防等に配慮するとともに、県又は市町が実施する県民のネット・ゲーム依存症対策に協力するものとする。
2 前項の事業者は、その事業活動を行うに当たって、著しく性的感情を刺激し、甚だしく粗暴性を助長し、又は射幸性が高いオンラインゲームの課金システム等により依存症を進行させる等子どもの福祉を阻害するおそれがあるものについて自主的な規制に努めること等により、県民がネット・ゲーム依存症に陥らないために必要な対策を実施するものとする。

 「~等」という表現が無制限に繰り返されているため,この条例を根拠に,無用な規制が広がる根拠となることが懸念されます。実効性がなさそうな表現の裏に,規制の必要のない事業活動までも「自主的な規制」や「必要な対策」の実施のための行政指導が入ろうとする意図が疑われる表現になっています。何が依存症を進行させる原因なのかわからないままにこのような過剰な規制を行うことは,国民生活への過度な介入であり,この条例が目的とする範囲を大きく超えて,通常のネットを利用した健全な活動を阻害する内容になっています。

問題点3:県民の家庭への過度な干渉

第 18 条 保護者は、子どもにスマートフォン等を使用させるに当たっては、子どもの年齢、 各家庭の実情等を考慮の上、その使用に伴う危険性及び過度の使用による弊害等につい て、子どもと話し合い、使用に関するルールづくり及びその見直しを行うものとする。 
2 保護者は、前項の場合においては、子どもが睡眠時間を確保し、規則正しい生活習慣を 身に付けられるよう、子どものネット・ゲーム依存症につながるようなコンピュータゲー ムの利用に当たっては、1日当たりの利用時間が 60 分まで(学校等の休業日にあっては、 90 分まで)の時間を上限とすること及びスマートフォン等の使用に当たっては、義務教育 修了前の子どもについては午後9時までに、それ以外の子どもについては午後 10 時までに 使用をやめることを基準とするとともに、前項のルールを遵守させるよう努めなければな らない。 
3 保護者は、子どもがネット・ゲーム依存症に陥る危険性があると感じた場合には、速やか に、学校等及びネット・ゲーム依存症対策に関連する業務に従事する者等に相談し、子ども がネット・ゲーム依存症にならないよう努めなければならない。

 この第18条の2について,ここに具体的な時間制限を盛り込む必要性が理解できません。適切な利用時間は1の家庭でのルール作りの範囲で決めればよい話であり,条例によって一概に60分や90分で制限することの必要性を認めません。ルールを決めるための目安のような数値を条例で定めるのは,家庭教育への過度な干渉にあたります。このような不適切な基準の条例化は,行政による家庭教育への過干渉を県として容認するものと受け取れます。本来は家庭で決めるべきことを行政に決めてもらおうとする姿勢が横行して,他の家庭問題にも条例制定を求める事態や,家庭への無用な行政介入の助長につながりかねません。

 現代社会において,インターネットは基本的な社会インフラであり,子どもたちの日常の生活行動全般に関わっています。広範な教育コンテンツがネットで提供されており,利便性の高い学習アプリや健全な娯楽活動もすべてネットで提供される形で普及しています。子どもたちは日々ネットを使って学習しており,この規制により,午後9時以降や10時以降の学習時間まで制限することになり,かえって学力低下を招きやすくなります。

問題点4:規制を行う根拠が不十分

 このような社会的影響の大きい条例を制定するうえで,この条例に利害関係のある医療事業者が実施したアンケート調査のみを根拠とするのは不十分です。これまでの学術研究では,このような条例の根拠となる研究結果は出ていません。WHOの障害認定においても世界中の研究者から多くの疑問が提示されています(下記参照)。この条例の定義などの記載内容からも,具体的に依存の要因となるゲームを特定できていないことが明らかであり,検討が不十分なままに特定の関係者の主張に基づいて制定されようとしていることを伺わせる内容になっています。

参考:ゲーム研究者の国際団体「Higher Education Video Game Alliance(HEVGA)」によるWHOのゲーミング障害指定への反論抄訳:https://anotherway.jp/archives/hevga-who-translation-jp.html

 以上のような問題点により,次のような社会への悪影響につながることが想定されます。

  • 悪影響1:関連産業の成長阻害
  • 悪影響2:拡大解釈により悪法化する
  • 悪影響3:先例として意図せぬ形で悪用される
  • 悪影響4:香川県のイメージ低下と差別の発生
  • 悪影響5:過剰な不安を煽って,問題ない家庭まで問題を広げる

悪影響1:関連産業の成長阻害

 ネット利用時間の制限は,電子書籍を利用した読書や学習アプリの利用も含め,子どものネットを利用した日常活動を制限し,子ども向けに有用なコンテンツを提供する事業者の経済活動の停滞につながります。60分や90分の利用時間では,将来のデジタル社会に生きる子どもたちが必要とするデジタル活動のための能力開発機会の喪失となります。ゲーム事業者の役割として,子どもの成長につながる遊びを提供している側面があり,ゲーム事業者の社会に有益な側面も否定しようとしています。

悪影響2:拡大解釈により悪法化する

 このように適用範囲が不明確な規制や自主的な協力要請を行うことで,この条例を拡大解釈して,不当な要請や必要のない自粛を促すことにつながります。たとえ県の行政がそのような意向を持っていないとしても,この条例からはそれが読み取れません。定義の曖昧さを逆手にとって,悪意を持った主体が果てしなく行政の介入を働きかけて県民の自由を制限できるため,この内容で条例を通してしまうことで,香川県は逆に将来の地域振興を阻害する問題の種を抱えることになります。

悪影響3:先例として意図せぬ形で悪用される

 上記と同様に,この条例が先例化してしまうことで,他の自治体や国でも同様の働きかけをし易くなり,国民の自由な活動に無用な制限を加えることにつながります。現在ゲーム依存対策を推進されている医療従事者の意図とは関係なく,ゲーム障害を利権化させようとする悪意を持った主体が入り込んで悪用されやすい内容になっているため,そうした悪用を防ぐためにも適切な範囲での条例化を目指して慎重に検討すべきです。

悪影響4:香川県のイメージ低下と差別の発生

 このような条例で誤った形で子どものネット利用を制限することで,香川県の情報産業推進のイメージは低下し,これまでの産業振興策への投資に負の影響をもたらすでしょう。さらに,香川県で育つ子どもたちが情報化後進県出身者のような差別を受けやすくなることが懸念されます。以前,文科省のゆとり教育の失策によって,特定の世代が「ゆとり世代」と不当に揶揄され,長年にわたり偏見や差別を受けているような状況がありますが,この条例によって香川県民に対する偏見や差別を助長するような状況が生じやすくなります。

悪影響5:過剰な不安を煽って,問題ない家庭まで問題を広げる

 この条例の内容では,ゲーム全般を不安視する風潮を助長し,問題のない家庭の保護者の不安を煽ることで,かえって子どもへの親の過干渉による家庭環境の悪化を引き起こし,ゲームにのめりこむ子どもを増やすことも想定されます。ゲーム依存に対処する医療従事者の主張は,ゲーム依存者の周囲で生じている問題の要因をすべてゲームに押し付けているところが散見され,問題点を整理が不十分なままでゲーム規制を推進しているところがあります。 また,たとえ条例制定推進者が善意で取り組んでいるとしても,この条例案は,悪意を持ってゲーム依存の不安を煽り利得を得ようとする事業者の参入を後押しする内容になっています。現状では,依存者の社会環境や家庭環境にある他の要因以上にゲームが問題であるとは断定できない段階であり,より詳細な調査を行ったうえで条例の検討を行うべきです。

 以上のような問題を含んだまま,誤った方向で規制をかけても,条例が目指す問題の解決にはつながらず,むしろ関連産業の停滞や無用な行政介入への社会的批判,人材流出,不必要な社会保障費の増大を招き,困窮する地方経済をさらに厳しい状況に追い込む方向に作用することが懸念されます。

 ここで指摘したような問題点を残した条例案は大幅に見直すべきであり,このまま議会で採択されれば,香川県の停滞を招く失策であったと批判される事態を招くでしょう。そのようなことは誰も望んでいないと思います。このような条例案は県民のためにはならず,条例制定を推進する方々が意図しない形で日本国全体に深刻な悪影響を及ぼすことになることを危惧しますので,このような形でご意見申し上げる次第です。

香川県行政担当者,議員各位におかれましては,本条例案についての慎重な検討を,重ねてお願い申し上げます。

2020年1月29日
藤本 徹

2019年の振り返り

今年も振り返りのブログを書く年の瀬となりました。今年は所属組織の改組や異動など忙しなくイベントが続き,組織人として大きな変化を経た一年でした。無事に改組はひと山越えて,ここ何年か荒れて具合の悪かった組織の状態は改善に向かっています。年初の自分の状態を振り返れば,組織の事情から生じるさまざまなナンセンスに長いこと付き合いすぎて,だいぶ消耗していたのだなと思います。今年の後半は,専任の教員として研究を本務として活動できるようになり,調子も少しずつ戻ってきましたが,移籍先の組織でもさらにこじれた組織の問題に心を痛めつつ年末を迎えました。

個人的な出来事として,2週間ほど前に地元の高校時代の友人が癌で亡くなりました。高校で一緒にバンドを組んでいた仲間で,上京後も別の大学でしたが一緒にバンドを続けていて,彼はほどなく病気で地元に戻ることになりましたが,帰省すれば訪ねる数少ない地元の友人でした。もう長くないと連絡があり,年末の帰省を早めて11月末に帰省して,見舞いに行きました。家業をたたんで店を引き払うところだったので,見舞いついでに荷物の片付けを手伝ってきました。高校時代に入り浸って遊んだ彼の部屋の懐かしい荷物を片付けながら,生きていくことの大変さについて考えさせられました。そのような時間を経て,我々中年世代より上はともかくとして,もっと若い世代や彼の遺した子どもたちが生きづらくない社会にできるように貢献していきたいと思います。

今年の活動については,だいぶ研究の時間を増やせたこともあり,徐々に好転しています。論文を読む時間も以前よりも増えて,レビュー論文を書きながら,最近の研究を少しキャッチアップできました。何年もフォローできてなかった間にだいぶ研究が進展していて,とてもフォローしきれないような状態になっているので,とにかく自分の手持ちのネタでやれることをやってみてどこまでいけるかというところです。研究のアウトプットは,自分がファーストの論文は1本,あとは共著論文と国際会議発表が数本で,ここ数年のペースとさほど変わらずといったところでした。今の調子で進めても,年3本程度手がけて,順番に1本ずつ形になる程度にとどまりそうな感じが見えているので,今後は少しやり方自体を変えてみようかと考えています。

気がつけば,留学から帰ってきて10年経ちました。これまでの自分のその時々の選択が今の自分に至っているのだなと思うと,良くも悪くも感慨深くもあり,そう考えると,この先10年はどうなっているだろうかと楽しみでもあります。

今年もお世話になりました。皆さま良いお年をお迎えください。

MOOC「学びのゲーミフィケーション」gaccoで受講登録開始!

連日リリースのお知らせが続きますが,今度は藤本が講師を担当するMOOC開講のお知らせです。教育にゲーミフィケーションを取り入れるための知識を実践的に学べるオンライン講座「学びのゲーミフィケーション:ゲームフルな学習デザイン方法論」を「gacco(ガッコ)」で1月8日(水)開講します。本日12月3日から募集ページを公開して,受講登録開始しました!

この講座では,教育にゲーミフィケーションを取り入れるためのゲームデザインの概要や事例を学んで,実際にゲーム教材やゲーム要素を取り入れた学習活動の計画を立てるための基本的な知識を身に付ける内容です。

構成は,レベル1から4までの全4回で,毎回ミニレクチャー数本の視聴とミニワーク,教育現場のさまざまな問題状況でのゲーミフィケーションデザインのクエスト課題(ゲーミフィケーションデザイン演習の相互評価レポート)に取り組む内容で,実践的な知識を学べるようになっています。

講座の構成:
レベル1:ゲームと学びの接点に目を向ける 
レベル2:学習活動のゲーミフィケーション 
レベル3:教育システムのゲーミフィケーション 
レベル4:ファイナルチャレンジ(総合演習) 

前回5月にこの講座のプロトタイプ版「教育のゲーミフィケーション」を東大の運営するedX edgeで独自配信した際には,私一人でほぼワンオペMOOC状態で運営したのでかなり大変でしたが,今回は前回の修了者の皆さんがTAやコミュニティTAとして運営を手伝ってくださるので,とてもありがたいです(ガイド役のイワタニさんも前回より出番が増えて活躍してます)。 このテーマに関心のある方はどなたでも無料で受講できますので,どうぞご登録ください!