先週末、Dr. Peckと奥さんのCatherineから、日本の大学から客が来るので顔を出さないかと連絡があったので、ミーティングに顔を出してきた。行ってみると、日本の大学で教えるアメリカ人教授の女性と、その教え子の若者2名、それと教授の友だちのミュージシャンあがりの学校教師の気さくなおじさんが訪ねてきていた。特にアジェンダはなかったらしいが、始まってみればDr. Peckのいつものファシリテーション芸が光り、単なる放談に終わらずに、それぞれが次の一歩に進む力を得たようなよい議論の場となっていた。
Dr. Peck夫妻とその教授とおじさんたちはヒッピー世代で、若い頃に共有した文化をベースに話が盛り上がる。若い頃に世代で共有していた理想の世界のようなものをまだ今も胸に持っていて、それがこのような場で蘇ってくるかのようである。スピリチュアルなものへもオープンであり、科学的世界とは異なる力の存在を否定せずに、いろんな可能性をオープンに考える。よりよい教育の実現のためには、どんな突飛なアイデアも考慮の範囲内であるし、全ての子どもたちの幸せのための教育、ということを本気で実現したいと考えている。かといって、悲壮感を持って臨むのでも、無茶をするわけでもなく、現実に絶望することなく、日々をまったりと楽しみながら、静かに理想を抱えて前向きに生きている。ジョンレノンやウッドストックのような世界観が、マンガの頭の上のふきだしの中に描かれているのが見えてくるようである。
弁護士のリアリティショー
最近TVでは、リアリティショーラッシュでいろんなのをやっているが、また今週から新たにThe Law Firm (NBC系)というのが始まった。これは名前の通り、弁護士もののリアリティショーで、12人の若手弁護士が、有名弁護士のロイ・ブラックのもと、賞金25万ドル獲得とロイに有能であると認められることを目指して、毎週本物のケースで裁判で争い、ダメな人が脱落していくという形式のTV番組である。プロデューサーは「ザ・プラクティス」「シカゴホープ」「ボストンリーガル」で評判の高いデビッド・E・ケリーである。
中毒の法則
先週からずっと質的データ分析の最終課題に追われていて、さっきやっと終わった。これで夏学期のコース関連の課題はめでたく全部終了。やっと今度の日本ツアーの準備やらゲーム開発のための勉強やらに時間を使えるようになった。
今週机に向かっている時のパターン。
ペーパー書かないと、でもめんどくさ。=>だったら進みそうな他の作業やるか=>でもそれも時間かかるから、やっぱペーパー書くか=>うーむ、はかどらん。ちょっとだけネット巡回=>ワロタ2キとかくだらないのを見てしまう=>楽しんだ、でも二時間とか時間経ってる=>_| ̄|○
そんな感じのことを繰り返しながら、何だか息抜きの合間にペーパーを書くような状態が続きつつ、かろうじて片付けた。その中で、中毒状態が起きやすいものの性質について少しだけわかった。
(1) ものすごい強い刺激と、不全感が組み合わさっていること。
読んでて腹がよじれるくらい面白いものがあったかと思えば、微妙につまらないのが続いてたりして、次は次はと読みすすめるうちにどんどんはまっていく。パチンコとかギャンブルもそういう勝って、うおーとなる刺激と、負けてむむっとなる不全感が連なっているという点では共通すると思う。
(2) 終わりそうで終わらない、手の届きそうな終りが見えるが届かない、あるいは次のゴールが用意されている
読み物は全部読み終われば一応終りなのだが、区切りがつくまでがんばってしまったり、ゲームだったら一つクエストを終えたらすぐ次のクエストが用意されてて、それがほどよく楽なものだったりする
(3) 簡単にやれる、次の手順がわかっている
次に何をすればいいか見つけるのに時間がかかるものや、読んでて頭を使う必要があるものが続くと、たいがい疲れてやめたくなるが、中毒性のあるものというのは、手順の部分がシンプルで、望む限り次に進めて、レベルも簡単か、程よく難しいもので、達成のその成果やみかえりもすぐ得られる。
というようなことが中毒を起こす読み物やゲームなんかには含まれているなと思った。うまく使えば役に立つ法則かもしれない。
料理人修行のリアリティショー
今テレビ番組はシーズンの谷間で24とかアメリカンアイドルとかThe Apprenticeとかの人気番組はお休み中で、短めのシリーズや、目先の変わった番組をやっている。その中で二つ気に入って楽しく見ているのがあって、そのうちの一つが料理人修行のリアリティショー「ヘルズキッチン」(Fox系列)だ。イギリス人スターシェフのゴードン・ラムジーがアメリカでレストランを開業するために、その店を任せる弟子を12人のコンテスタントの中から一人選ぶという設定で、毎週チャレンジしながら一人ずつ脱落していく。番組の構成的には、ドナルドトランプのThe Apprenticeが一番近い感じで、それと違うところは、トランプはお題を与えたら最後に出てきて結果を判断するだけだが、こちらはラムジーが張り付いてガミガミ言いながらコンテスタントたちを鍛え上げるところ。この部分のテンションが番組としての面白さを増している。The Apprenticeでドナルドトランプとその部下がそうだったように、ラムジーと彼のスタッフのキャラクターが生きている。その道のプロというのは魅力があって、それに加えてテレビ映えするキャラはテレビにとって魅力的なリソースとなっている。
勉強嫌いの教育工学者
「イノベーション普及と導入」の期末試験がやっと片付いた。朝8時から12時まで4時間、システム思考や変革理論などに関して、よくある「~についてあなたの考えを述べよ」系の出題に答える小論をひたすら書いた。チェックランドは多少知識がついたので、それに引き寄せる形で書ける出題なら何とかなるだろうと思っていたら、幸いそれができる問題だったので、Carrのユーザーデザインと組み合わせれば最強だ、というような流れで4ページ書いた。一緒に受けたクラスメートたちに聞いてみると、みんな6ページとか8ページとか書いてて、私のが一番分量的には少なかった。熟考して、魂を込めて書いたらそんなたくさん書けないだろうと思うのだが、みんなたくさん書いてえらいものだ、とこういう場面ではいつも思わされる。
オンラインゲーム世界探訪記
多人数参加型オンラインゲーム(Massively Multiplayer Onilne Game = MMOG)の世界に飛び込んでもう4ヶ月以上が経った。最初に始めたA Tale in the Desertに加えて、今一番人気のWorld of Warcraftを始めてひと月が経った。コーエーの大航海時代も手をつけたのだが、さすがにMMOG3つを並行してやるのは無理だと悟って、最初の二つに絞った。個人的にやるとしたら一番好きな大航海時代をやりたいのだが、今はそうも言ってられない。それでも多くて時間を食う。そんなに時間がないのでたぶん普通のゲーマーほどにはできてない。ATITDの方は3つくらいしかテストをパスしてないし(全部で50個くらいある)、WoWの方はレベル16(種族:人間、職業:ウォーリアー)である。ギルドにはレベル60の人たちがたくさんいるのだが、どれだけやればレベル60までいけるのか想像もつかない。
ジャパンツアー2005
なんか7月に入って急にうちのサイトへのアクセス数が増えたなと思ったら、どうやら原因はこれらしい。日程順で出てるので仕方ないのだけども、なんかゲーム業界のカンファレンスによそ者が出張って申し訳ないっすという心境。いいセッションやりますので勘弁してください。
今回の日本ツアーは、CEDECでの講演&パネル(8/29、10:00-14:00@明治学院大学)と、教育システム情報学会全国大会での発表&セッション座長(8/26、9:30-11:30@金沢学院大学)をやります。CEDECの方は「シリアスゲーム研究・開発の最新動向」と題した講演と、「ゲーム業界にとってのシリアスゲームの可能性と課題」と題してゲーム開発者の方々とご一緒するパネルセッションです。金沢の方は、「オンラインゲーム世界における学習コミュニティ:eラーニング環境デザインへの示唆」と題して、ここしばらく続けてきたMMOG研究の成果を発表します。どうぞ皆さま、お誘い合わせの上お越しください。
めんどくさい病
今週はどうも調子が出なくて、ゴルフとか飲み会とか遊びは順調だったのだが、山ほどたまってた読まなきゃいけないものや作業を前にするとどうしてもやる気が出ない。こういうめんどくさい病とでも言うような状態に定期的に入ってしまう。どうにもならないので昨日の晩は酒飲んで早寝した。10時間くらい寝て、今朝起きたらモチベーションが回復していた。寝不足で疲れがたまってたらしい。あと、昨日の夕方に、今度の期末テストのスタディグループで集まって勉強会をやって、状況確認ができて気分的に楽になったのもよかったらしい。最近改めて自分の勉強嫌い加減を意識するようになって、こんなんでほんとに研究者やっていけるんかいなと不安になる今日この頃である。とりあえずめんどくさい病から抜け出せたのはよかった。やはり寝ないとダメらしい。頭の中のもやもやが晴れて、雨上がりの夕方に外を歩いたら、まだ日の高い青空がきれいに見えた。
学びは果てしなく
再来週に「イノベーション普及と導入」の期末テストがあるので、クラスで手分けして文献読みの作業をここしばらくやっている。日本にいるときにちょっとかじったチェックランドのソフトシステムズ方法論(SSM)の文献「Systems Thinking, Systems Practice (新しいシステムアプローチ)」がリストに入っていたので、これ幸いと担当した。前にちょっと読んでるから楽だろうとたかをくくっていたら、それがどうにも難しくてここ数日はずっとこの本と格闘していた。
変化を起こすための学問
2週間にわたる「イノベーション普及と導入」の集中コースが終わった。このコースのテーマは、いかにシステムに変化を起こすか、組織変革や新しい技術の導入を成功させるには、何に気をつけないといけないか、ということである。講師は今期でプログラム長の任を終えるDr. Ali Carr-Chellman。彼女が初日の冒頭に言ったことがこのコースの存在意義を示している。曰く、「インストラクショナルデザインは、分析もデザインも開発も評価も、どれも研究が進んでいるし、専門家も多いけど、導入は研究が進んでいなくてとても弱い。問題の分析はよくできるし、出来上がってくるプロダクトやコンテンツはとてもいい、評価もきちんとした手法でみんないろいろやってる。学会でもすごいのを作りましたとみんな発表している。でもそれをうまく導入するにはどうすればいいかについて考えている人はとても少ない。」このコースはその、いかに導入を成功させるか、についてを教える数少ないコースである。