日本教育工学会全国大会@東北大学での発表予定

明日9月28日から東北大学で開催される日本教育工学会 第34回全国大会参加のために仙台へ向かっています。

今年は東大でMOOC開発を担当している荒さんの発表と、担当しているPAGEプロジェクト特任研究員の下山田さんの発表に連名で参加しています。

それと毎年恒例で第4号目の発行になった「SIGレポート2018」の会場配布を行いますので、大会参加される方はSIGブースへお立ち寄りください(PDF版も公開しました。こちらからダウンロードしてご覧ください> https://goo.gl/e1R75g )。私は「学習ゲームデザイン・導入支援ツールの開発」を執筆しました。現在開発中のゲーム学習導入支援ツールについての論文です。最終日の30日のSIG-05「ゲーム学習・オープンエデュケーション」のSIGセッションでゲーム要素を取り入れた授業デザイン体験ミニワークショップを行います。オープンエデュケーション、ゲーム学習それぞれ体験ワークを用意してお待ちしてますので、是非SIGセッションの方もお越しください。


日本教育工学会 会場:東北大学 川内キャンパス
第34回全国大会 2018年9月28日(金)~30日(日)

教育評価 (2) 9 月 30 日(日)9:00 ~ 11:00 会場:講義棟 B 棟 B204
3a-B204-01 複雑な構造の MOOC における学習軌跡の可視化手法の提案, 荒 優,藤本 徹,山内 祐平(東京大学) 789-790.

International Session(3) 9/28 (Fri.) 14:00 ~ 15:20 Place: Lecture Rooms A: A101
I1p-A101-04 Implementation and evaluation of blended workshops on EMI, SHIMOYAMADA, Sho.,KINOSHITA, Shin.,NAKAZAWA, Akiko. FUJIMOTO, Toru.(The University of Tokyo), 943-944.

教育評価 (2) 9 月 30 日(日)9:00 ~ 11:00 会場:講義棟 B 棟 B204
SIG-05: ゲーム学習・オープンエデュケーション
9月30日(日) 14:10〜16:10 会場:講義棟A棟 A102
コーディネーター:重田 勝介(北海道大学),池尻 良平(東京大学),福山 佑樹(明星大学),藤本 徹(東京大学),永嶋 知紘(カーネギーメロン大学),石井 雄隆(早稲田大学)

藤本徹(2018)学習ゲームデザイン・導入支援ツールの開発. 日本教育工学会 SIG-05レポート2018. 3-7.

SIG-05レポート2018
https://goo.gl/e1R75g

LudixLab公開研究会「教育のゲーミフィケーション、これまでとこれから」を開催しました

一昨日の2月13日、久々にLudix Labで公開研究会を開催しました。ご参加者の皆様ありがとうございました。

「教育のゲーミフィケーション、これまでとこれから」と題して、教育分野のゲーミフィケーションの概要と最近の事例やデザイン理論など「これまで」の状況について話題提供して、参加者の皆さんと「これから」についてディスカッションする構成でした。

私からは「教育のゲーミフィケーションとテクノロジー」について、特にデジタルバッジとVRやARの話題でお話ししました。今回あらためて思いましたが、この二つのテクノロジーを取り巻く最近の状況はとても面白くて追及する意義があります。この分野は米国が先導している状況が続いていますが、国内でも今後、開発のリソースや普及のプラットフォーム作りに向けた動きをどうとっていけるかというところです。

海外で研究事例も論文も増えているためなかなかフォローしきれないのですが、このような発表の機会があることで、少しずつ集めた情報や文献を整理してキャッチアップしています。整理しきれず盛り込めなかった話題もありますので、今後も継続的に発表の機会を持ちたいと思います。

気が付けば、LudixLabの結成は2013年1月ですので、もう5年が過ぎました。フェローたちがそれぞれに忙しくなっていて、以前ほど集まれなくなってますが、今後も程よいペースでイベントを企画したいと思います。


Ludix Lab 公開研究会「教育のゲーミフィケーション、これまでとこれから」

■趣旨
2010年に「ゲーミフィケーション」という用語が登場してから8年、教育分野でも様々なゲーミフィケーションの活用が展開され、研究分野ではそのデザイン理論も生まれてきました。

今回の公開研究会では、ゲーミフィケーションとは何か、どう教育へ導入されていったのかを解説しつつ、最新の事例や展開を紹介していきます。また、研究分野で構築されたデザイン理論についても紹介し、教育とゲーミフィケーションの「これまで」を俯瞰的に見ていきます。

フロアディスカッションではこれまでの展開を踏まえた上で、教育とゲーミフィケーションの「これから」を議論し、登壇者と共に今後の展開を考えていきます。

教育のゲーミフィケーションに興味がある方、教育にゲーミフィケーションを導入したいと考えている方、この分野の今後の展開に興味がある方はぜひご参加下さい。

<タイムテーブル>
(1)イントロ
(2)ゲーミフィケーションと教育への導入
(3)教育のゲーミフィケーションとテクノロジー:デジタルバッジとVR/AR
(4)教育のゲーミフィケーションのデザイン理論と評価理論
(5)フロアディスカッション「教育のゲーミフィケーションのこれからを考える」
(6)ラップアップ

■登壇者:
藤本徹(東京大学 大学総合教育研究センター 特任講師)
福山佑樹(東京大学 総合文化研究科 特任助教)
池尻良平(東京大学 大学院情報学環 特任講師)

■日時:2018年2月13日19:00-21:00

■会場: 東京大学本郷キャンパス福武ラーニングスタジオ1と2(B2F)
■参加費:一般:前売3000円、当日4000円(軽食、飲み物付き)
■定員:25名(定員に達し次第〆切)

■登壇者プロフィール
藤本 徹(ふじもと とおる): 慶應義塾大学環境情報学部卒。民間企業等を経てペンシルバニア州立大学大学院博士課程修了。博士(Ph.D. in Instructional Systems)。専門は教授システム学、ゲーム学習論。ゲームの教育利用やシリアスゲーム、ゲーミフィケーションに関する研究ユニット「Ludix Lab」代表。著書に「シリアスゲーム」(東京電機大学出版局)、訳書に「幸せな未来は「ゲーム」が創る」(早川書房)など。

福山 佑樹(ふくやま ゆうき): 早稲田大学人間科学部卒。東京大学大学院学際情報学府を経て、現在にいたる。首都大学東京での非常勤講師や研修用ゲームの開発などにも取り組んでいる。ゲームを利用した社会問題の学習手法など、ゲームと教育・学習の関係性について研究している。分担執筆に「職場学習の探究」、「対人援助のためのグループワーク2」など。

池尻 良平(いけじり りょうへい): 東京大学大学院学際情報学府で修士・博士課程を経て、2013年より現職。専門は教育工学、歴史学習、転移、ゲームデザイン。社会の問題解決に応用できる歴史のゲーム教材を開発している。共著に『ゲームと教育・学習(教育工学選書Ⅱ)』(ミネルヴァ書房)、『歴史を射つ』(御茶の水書房)、訳書に『学習科学ハンドブック[第二版]第2巻 効果的な学びを促進する実践/共に学ぶ』(北大路書房)、『21世紀型スキル: 学びと評価の新たなかたち』(北大路書房)など。

■主催: Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)

 

HEVGAによるWHOのゲーミング障害指定への反論抄訳

昨日、ゲーム研究者の国際団体「Higher Education Video Game Alliance(HEVGA)」が、先日WHOが発表した「ゲーミング障害」を指定する方針について、共同で反対声明を出しました。この分類指定の趣旨は理解するが、限定的な証拠をもとに早急な結論を出してゲームを不当に貶めることは、この問題への歪んだ見方を広め、問題の改善にはつながらないという趣旨の声明です。

Higher Education Video Game Alliance Opposes World Health Organization’s ‘gaming disorder’

国内メディアでもこのWHOの指定について報道されていますが、特に反論の動きもなく、またいつものゲーム批判かという冷めた目でスルーしている向きも多いと思います。とはいえ、こういう公的機関の動きはゲーム産業や関連分野にダメージにつながりかねず、反論すべきところはきちんと反論しておくべきところです。米国を中心とする研究者コミュニティのこの辺りの動きは速いところは見習いたいです。

声明のプレスリリースは短いものでしたので、正月休み明けのウォーミングアップを兼ねて抄訳を作成しました。ざっと訳したため、細かい用語の言い回しなど間違いがあるかと思いますがご了承ください。

(以下、前掲のHEVGAのプレスリリース訳)

高等教育ビデオゲームアライアンス(HEVGA)は、世界保健機関の「ゲーミング障害(Gaming Disorder)」指定に反対します。

WHOが提唱する「疾病問題の国際分類(ICD)」での指定は、十分な学術研究の証拠に基づかず、何の解決策や予防法も示さずに世界中の何十億人ものプレイヤーに不当な汚名を着せるものです。

ワシントンDC発-2018年1月4日
ホリデーシーズンのさなか、WHOがICDの分類に「ゲーミング障害」を新たに追加するという提案についての報道は、非常に落胆させられるものでした。既に、大手メディアはこの提案の分類について「精神疾患」や「精神衛生状態」といった表現で報道してます。WHOの提案は、この障害の性質を「ゲームをしたい衝動の抑制ができない」、「重大な問題が生じてもゲームを続ける」と明示して、「再発性のある」ゲーミング行動に限定した慎重な指摘であるものの、ゲーミングを依存障害分類に追加することは、個人的行動に根差した乱用への対策にはなりませんし、特定メディアでの症候ではありません。とりわけ懸念されるのは、ゲーミングを障害として分類することで、世界中で何十億人ものプレイヤーが何の問題もなく楽しむ娯楽に不当な汚名を着せる動きが広がることであり、偏見のない公明な研究が進まず、この分類を所与のものとして証拠を求める歪んだ研究が続けられることです。ゆえに私たちは、WHOのこの分類について最大限に強く反対します。

私たちは、ゲームコミュニティ、ゲーム産業、ゲームメディアの形態や効能についての学術研究コミュニティを代表して、WHOの責任ある計画やコミュニティへの関与、市民行動への関与の考えを強く支持するものの、WHOの提案した分類を支持する論拠となる研究結果は、ごく限られたものでしかありません。むしろ、このような動きは、存在が確認されていないゲームと他のメディアの消費行動(例:過度な視聴のような消費パターン)を区別するものです。さらに、「ゲゲーミング」という表現は、通常意味するギャンブル行動とデジタルビデオゲームのプレイ行動を混同させるものです。おそらく最も重要なことは、この分類は何の予防や改善策を提示していないことです。

何世紀もの間、私たちはこのようなゲームや他のメディアをスケープゴートにする動きを目にしてきました。デジタルゲームの前にも、チェスやソリティア、ペンと紙で遊ぶロールプレイングゲーム、他の形態のメディアや娯楽、放送がこのような扱いを受けてきました。18世紀から19世紀にかけて、性的不平等を維持するために、女性は小説の架空と現実の区別を付ける能力がないと見做されていました。それは今日のさまざまな特定の集団や市場が、社会を騒がす問題として扱われているのと同様です。これまでにもゲームは、暴力や子どもの肥満、教育政策の失敗などの現代社会の抱える問題の原因であると批判されるのを目にしてきました。しかし、ゲームがそうした社会的な問題状況を生み出しているという明確な証拠もなく、より重大で社会構造に内在する要因について慎重に検討することもないままに批判を受けているのです。多くの研究が相反する結果を示しており、科学や医学の専門家コミュニティにおいて統一見解が得られていないにも関わらず、ゲームには「依存性がある」と言われています。世界中で20億もの人々がゲームを楽しんでいるという事実があり、STEM教育や人文社会科学分野での良い効果が示されているにも関わらず、特定のグループや報道機関は、ゲームを名指しで危険なメディアであると意図しているようです。

この分類は保険の役に立ち、正しい名称で定義されればさらに有用なのは確かでしょう。しかし、懸命な集団を社会から分断させて被害を与えるおそれがある形で不十分な結論を性急に出すよりも、まずゲームが文化的、象徴的なメディアとして、私たちの生活に与える影響を明らかにするための研究を継続することを推奨します。現代世界におけるデジタルメディアの役割は次世代教育の政策面でも重要なことは明らかです。慎重で中立的でバイアスのない研究報告や、感情的な扇動への批判的な眼を持つことで、このメディアの私たちの生活への影響や、害となりうる行動を抱える人々へのケアについてより良く理解することにつながると考えます。しかし、最善のケアを真に必要とする人々へ提供し、誤りや過度な診断による被害を避けるためには、ゲーミングに障害という無用な汚名を着せることはあってはなりません。限定的な証拠をもとに、特定のデジタルメディアを名指しすることは不当であり、必要とする人々へのケアや対策の発展や、このメディアの社会的、文化的な役割や影響についてのより良い理解にはつながりません。

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HEVGAについて
HEVGAは、専門学校や大学におけるビデオゲーム教育の文化的、科学的、経済的な重要さを支持する高等教育分野のリーダーが集うプラットフォームを形成することをミッションに活動しています。鍵となるのは、21世紀の学習環境におけるこのコミュニティの影響を育てて活かすためには、統一見解の発信や政策立案への関与、メディア広報、外部資金獲得も含む堅固なリソース共有ネットワークを作り出すことです。詳しい情報は、hevga.org, HEVGA のFacebookページへのいいね、または@theHEVGA のTwitterページをフォローして参照してください。

VR英会話学習アプリ「英語でおもてなしガイド」記者発表会

英会話教室大手のイーオンさんのVR英会話学習アプリ「英語でおもてなしガイド(VR対応)」が7月18日にリリースされ、当日開催された記者発表会に出席してきました。

今回の学習アプリには、VR技術を使って、ゲーミフィケーションの要素を取り入れたいとのことで、VR開発に力を入れておられるゲーム開発会社のポケットクエリーズさんの開発で、私がゲーミフィケーション導入の監修をお引受けしました。アプリの詳細は下記のプレスリリースに記載されています。

【プレスリリース】イーオン初となる本格的VR英会話学習アプリが誕生!
「英語でおもてなしガイド(VR対応)」 2017年7月18日提供開始
http://www.aeonet.co.jp/information/newsrelease/170718.html

さすが大手企業さんの新サービスリリースだけあって、強力なPRチームによる入念な準備のもと、とても行き届いた発表会運営とメディア対応で、テレビ、ラジオ、新聞、雑誌各社が集まってとても賑やかな記者発表会でした。イーオンさんから掲載メディアリストをお送り頂きましたが、数が多くてすべてを追い切れないほどです。以下、ネット上で閲覧できるものからいくつかご紹介します。

テレビ東京系「ゆうがたサテライト」7/18
英会話に社員研修まで “VRレッスン”で教育変わる!?
http://www.tv-tokyo.co.jp/mv/you/news/post_136482/

TBSニュース動画 7/18
http://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye3108223.html

日本経済新聞 電子版 :2017/7/18 イーオンがVR英会話学習サービス アプリ提供
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDZ18HLX_Y7A710C1000000/

英会話大手のイーオン、VRで現実感ある学習ができるアプリを公開 (Cnet Japan)
https://japan.cnet.com/article/35104368/

VRで英会話学習の理解度を向上、イーオンがアプリ開発(IT Pro)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/atcl/news/17/071801925/

英会話のイーオン、VR対応英語学習アプリをリリース(Mogra VR:エキサイトニュース、ガジェット通信、Ed Tech速報、GAME OVERに転載)
http://www.moguravr.com/aeon-vr-english/

出だしとしてはとても好反応で、これからどのような展開になるか楽しみです。

「第1回シリアス&アプライドゲームサミット」の講演資料

先日お知らせしましたように、2月24日にオランダ王国大使館で「第1回シリアス&アプライドゲームサミット」で開催されました。DiGRA Japan教育SIGの主催で、東京工科大学の岸本先生、日本大学の古市先生、IGDA日本の小野さん、オランダ王国大使館のドウマさんを中心とした多くの関係者のご尽力のおかげで、大変な盛会で実りのある場となりました。

オランダ大使館の公使やユトレヒト州の州知事が「シリアス/アプライドゲームはオランダの産業において重要なテーマである」といった趣旨の発言をされ、この分野の産業の状況について言及されることに日本の状況との大きな差を感じました。一方で、詳しいデータを基にオランダのシリアス/アプライドゲーム開発会社の状況が紹介されて、規模で日蘭で大きく差があるものの、オランダでも必ずしも順調ではない点や課題も多いことを伺い知ることができました。

イベントでは、多くの事例紹介とともに、デモセッションで学生が参加して開発した作品も紹介されて、各地でシリアス/アプライドゲーム開発に取り組む若い世代の交流が行われていたのがとても良かったです。当日の模様は、古市先生のFacebookページで写真とともに紹介されていますのでご覧ください。

私は基調講演の役目を仰せつかり、これまでのシリアスゲーム小史を振り返りながらこれからの展望について少しだけお話しさせて頂きました。もう私が旗を振らなくてもこのような素晴らしいイベントが開催されるところまでコミュニティが形成されたことをとてもありがたく嬉しく思っております。

私の話は4Gamerさんで記事にまとめていただきましたので、そちらをご参照頂きつつ、スライド資料も下記に公開しましたのでご笑覧くだされば幸いです。

日本とオランダのシリアスゲーム事情を紹介する「第1回シリアス&アプライドゲームサミット」の基調講演および特別講演をレポート(4Gamer)
http://www.4gamer.net/games/999/G999901/20170224135/

第1回シリアス&アプライドゲームサミット開催のお知らせ

第1回シリアス&アプライドゲームサミットが東京のオランダ王国大使館で2月24日に開催されます。教育や医療日本とオランダのシリアスゲームの専門家による講演や作品デモが行われます。私も基調講演を担当します。

これまでにも国内でシリアスゲームに特化した研究会やシンポジウムは行われてきましたが、複数の大学や企業からシリアスゲームの専門家が集まり、オランダでの先進事例も集めたイベントは国内初です。

私がシリアスゲームジャパンを設立して活動を始めたのが2004年ですから、もう13年経ちました。最初の頃は小さなコミュニティでしたが、少しずつこの分野を一緒に盛り上げてくださる仲間も増えてきて、もはや私が旗を振らずとも、このように大きなイベントを仕掛けてくださる意欲ある皆さんが活動されるようになったということを思うと、とても感慨深いです。

参加者募集は既に定員に達しているとのことですが、キャンセル待ちを受け付けているそうです。

詳細は下記の開催概要をご参照ください。

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「ジョブスタオンライン」ワークショップ開催のお知らせ

※(2/20)プロジェクトの都合により、募集内容を一部変更しました。

未来の仕事を創り出すキャリア学習ゲームアプリ「ジョブスタオンライン」のユーザーテストを行います。
この「ジョブスタオンライン」は、LudixLabが開発したカードゲーム「ジョブスタ ~Create Your Star Job~」をもとにしたスマートフォンアプリです。
イベントカードで示された社会状況において「活躍できる仕事」を、手持ちのジョブカードから考え出すゲームをプレイしながら、将来の仕事について考えることができます。ゲームで学ぶことに関心のある方、楽しみながら自分の将来のキャリアについて考える体験をしたい方、どうぞご参加ください。

★参加方法:
今回は一般の方を対象に実施します。
完全オンラインで期間中の都合の良い時間に参加できますので、参加条件を満たす方はどこからでも参加できます。
下記の活動期間に、アプリをインストールして、手順に沿ってプレイし、アンケートにお答え頂きます。プレイ時間は(1)1~2時間程度、(2)2~3時間程度の見込みです。

(1)ユーザーテスト(前半):2月22日(水)~24日(金)
(2)ユーザーテスト(後半):3月3日(金)~3月9日(木)

活動内容:

  • (開始日まで)アプリインストール/ユーザー登録、事前アンケートに回答
  • (期間中)手順に従ってアプリをプレイ
  • (最終日まで)事後アンケートに回答

募集定員:

  • ユーザーテスト(前半):10名
  • ユーザーテスト(後半):20名

参加費: 無料
※アプリインストール、プレイに必要なネット環境、対面ワークショップ参加の方は交通費の負担をお願いしますので、事後アンケート回答まで参加された方へ、謝礼として下記を進呈します。
(1) Amazonギフト券 1000円分
(2) Amazonギフト券 1500円分

★応募方法:
下記の参加申込フォームから登録してください(定員に達し次第募集を締め切ります)
https://jp.surveymonkey.com/r/jobstar-onlinews

★参加条件:

  • 開発中のスマートフォンアプリをインストールできる、iPhoneまたはAndroid端末を利用できること(iPhoneの場合は、端末のUDIDをお知らせ頂く必要があります)
  • 参加期間中、スマートフォンからネット接続した状態でアプリを利用できること(Wifi接続でネットにつながればプレイできます)
  • 事前/事後アンケートに回答できること

主催: Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)
実施責任者: 藤本 徹(東京大学 大学総合教育研究センター特任講師)
問い合わせ先: jobstar-info@ludixlab.jp

 

謝辞:本プロジェクトは公益財団法人中山隼雄科学技術文化財団からの研究助成を受けて実施しています。

キャリア学習カードゲームアプリ「ジョブスタオンライン」開発中!

今年度のLudix Labの研究プロジェクトの柱の一つとして、昨年リリースしたキャリア学習カードゲーム「ジョブスタ~Create Your Star Job~」のオンライン版「ジョブスタオンライン」の開発を進めています。今年度前半に仕様検討を重ね、秋口からアプリ開発に入りました。先日プレイアブルなプロトタイプ版ができて、スクリーンショットもご覧頂ける段階まで来ました。
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今回のアプリ開発はSwitch・エンタテインメントさんにご担当頂いてます。経験豊かなデジタルゲーム開発者の方々との仕事を通じて学ぶことが多く、とても実りのあるプロジェクトを進めることができて感謝しています。私の方が大学の担当業務に時間を絡め取られて企画検討や仕様のチェックが思うように進んでない状況でも、手厚くフォローしてくださり、うまく企画の行間を捉えながら開発仕様に整理して、着々と実装してくださっています。おかげさまで予定していた開発期間のうちに、研究のための評価実験は十分にできるレベルまで開発が進んできました。
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現在は関係者でテストプレイをしてフィードバックをもらっている段階で、これからチュートリアルなどのコンテンツを整備して、年度内に評価のための実践ワークショップを行ったのちに一般公開まで行ければというところです。

いつもながらアプリ開発は楽しいのですが、自分自身が期待水準まで動けず忸怩たる思いを抱えながら、力を貸してくれる周りの方々のご厚意に感謝しつつ進めているような状況です。これから残りの期間も粘って、良い作品に仕上げたいと思います。

謝辞:本プロジェクトは公益財団法人中山隼雄科学技術文化財団からの研究助成を頂いて実現しました。重ねて御礼申し上げます。

「財政健全化」をテーマにした日米シリアスゲーム比較

財務省ウェブサイトに掲載されているゲーム「財務大臣になって財政改革を進めよう」がネット上で話題になってますが、折しもちょうど先日、米国で同じテーマのシリアスゲームがリリースされました。日米のシリアスゲーム分野の現状を反映した面白い事例ですので、比較しつつそれぞれ紹介したいと思います。

「財務大臣になって財政改革を進めよう」
http://www.zaisei.mof.go.jp/game/yosansinario/
スクリーンショット 2016-05-01 18.07.22

「The Fiscal Ship」
http://fiscalship.org/

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まず、日本の財務省の「財務大臣になって財政改革を進めよう」は、ゲームとしての作りの甘さが目立つこともあり、ネット上でも批判や皮肉のコメントが多く見られます。実際、試しにプレイしてみると、社会保障費をざっくり削ればあっけなく目標達成できてしまい、その負の側面を感じることもなく、下記のゴール画面が出てゲーム終了します。

スクリーンショット 2016-05-01 15.51.55

社会保障費を削って地方公共投資や教育費を削っても、老いも若きも国民が皆喜ぶハッピーエンド画面になってしまうのですが、実はこの画面の暗さによって、「どの選択でも日本の未来はバッドエンド」ということを表現しているようにも感じられ、自虐ネタともプロパガンダとも取れてしまう、味わい深いパロディゲームテイストの不思議な存在感を放っています。

関連知識の補足として、時事的な題材をテーマに世論を喚起することを目的としたシリアスゲームとして、「ニュースゲーム」というサブカテゴリーがあります(wikipediaに英語版解説と事例が紹介されています)。この区分のゲームは、タイムリーさを重視していることもあり、時間をかけた大掛かりなものよりもインパクト重視の低予算ミニゲーム作品が多い傾向があります。この財務省のゲームも実際にはかなり低予算で短期間で開発されていることが推測されることから、図らずしてニュースゲーム的な社会風刺要素を持ったゲームを財務省が自ら提供しているという事例としての面白さがあります。

一方の「The Fiscal Ship」も、財政赤字に苦しむ米国連邦政府の財政健全化のための予算編成を行うゲームで、ゲームを通して国家財政の厳しさを伝えようとするねらいは日本の「財務大臣・・・」と同様です。諸政策の予算を増減させて影響を可視化するというところも共通しています。

しかし、このゲームをプレイしてみると、ゴールとして目指すビジョンの設定と、その実現のための個々の政策判断が財政へ与える影響が可視化されるところは、学習面とパズルゲームとしてのゲームバランス面を慎重に検討してデザインされていることがわかります(下記のプレイ方法説明ビデオは英語ですが、ご覧いただくと言葉がわからなくてもどんなゲームか大体理解できると思います)。

なお、この「The Fiscal Ship」は、非営利研究機関のWoodrow Wilson CenterのSerious Games Initiativeと、Brookings Instituteの財政金融政策の研究センターであるHutchins Center によって開発されました。ピーターソン財団、ヒューレット財団などの支援を受けており、ゲーム開発会社の1st Playable Productionsがゲーム開発を担当しています。Serious Games Initiativeは2000年代前半からのシリアスゲームの展開に大きく貢献してきたプロジェクトです。シリアスゲーム分野では著名なBen Sawyerがプロデューサーとして開発に参加しています。

ゲームの学習要素を比較すると、「財務大臣になって財政改革を進めよう」では、公務員削減や省庁機能の縮小のような提供者側に不都合な選択肢が存在せず、社会保障費、教育費、防衛費といった大枠の予算項目の判断しかできないのに対し、この「The Fiscal Ship」には「コミュニティカレッジ授業料の無償化」、「オバマケア削減」などの現政権が推進している政策や、「教育省の廃止」や「公務員年金の削減」のような公的サービスや公務員の待遇悪化も選択肢に含まれています。

提供者側に不都合な判断も「ゲームだから」試せて、それらの選択が財政的には実際にどれくらいインパクトがあるかイメージできるようになっています。そして個々の政策が思ったより財政面でのインパクトが大きくなかったり、実は意外と大きかったりすることを興味を持って学べる構成になっています。

いずれも同じ財政健全化をテーマとして、予算編成の判断による財政への影響を可視化するという作りでありながら、ゲームプレイから得られる知識や新たな知見の違いが大きく、残念ながらシリアスゲームとして出来の違いは明らかです。

日本の財務省のゲームは、財務省が自ら提供しているという時点で、どんなにすごいゲームを作ったとしても「国民の税金使って何やってんのか」的な批判は避けられない上、予算の制約や多方面への「政治的適切さ」を配慮することが求められれば、真面目にやるにはかなりつらいプロジェクトだろうということが想像されます。

単に海外が進んでいて日本が遅れているという話ではなく、良い事例も、失敗事例も国内外に山のように存在します。せっかくコストをかけて取り組むのですから、過去の事例に学んで、きちんと開発できる体制を作って、成果の出せるプロジェクトとして取り組まないと、いつまでたってもこの分野が進展しないので、改めて何か状況打開のための手を打っていく必要性を感じた次第です。

Ludix Lab編 「入門 企業内ゲーム研修」 4月9日発売

Ludix Lab編集の電子書籍「入門 企業内ゲーム研修」の予約販売ページがオープンしました。4月9日から発売です。

本書はLudix Labで実施したセミナーの内容をもとに、昨年かなりの時間をかけてメンバーで編集活動を続けてきた成果です。少しずつ作業を進めてきて、ようやく世に送り出せるようになりました。限られた時間でしたので、まずは形にすることを優先して作業してきましたが、最終製品にするのは手間がかかります。

本書はAmazon Kindle版の電子書籍です。書店には並びませんが、Kindle端末がなくてもKindleアプリを入れればどの端末でも利用できます。

(この業界に明るい方は、タイトルや表紙デザインが似た書籍があるなとお感じになるかもしれませんが、それはたまたまです。)

下記のような内容で、この分野に興味のある方に向けた入門ガイドとして執筆しました。

—–
「入門 企業内ゲーム研修」

目次(節は抜粋)
第一章:最も質問が多いゲーム研修の効果測定
・まずは用語をきちんとつかむことからはじめよう!
・研修における「効果」の捉え方は各人各様
第二章:効果測定の考え方
・ゲーム研修に特別な効果測定手法は必要?
・自ら体験したことは講義と比べて定着しやすいのか?
・「気づき」は実は測定できる
第三章:ゲームの強み
・経験学習ができるという強み
・ゲーム研修の比較対象は講義ではなくOJT
・具体的な状況で転移させる力を向上させる
・講義だけでは1週間後に20%しか思い出せない
第四章:振り返りを促すファシリテーション
・振り返りをして効果を高める
・大人だって「どう考えるか」は習ってないし、わかっていない
・楽しさは研修の目的ではない
・ファシリテーターがいないと学べない?
第五章:研修企画を通す教育学:導入のための説得ツール
・3つの知識の種類~何を学ぶかをまず理解しよう~
・「門前の小僧」はどうやって学んでいるか?
・教育学の言葉が分かれば研修企画の武器になる!?
第六章:「ゲームと学び」についての3つの誤解
・ゲームの学習効果は学術的に実証されている
・ゲームの要素を使うと研修がこう変わる
・ゲームは長所ばかりではない?
第七章:ビジネスゲームってどんなものなの?
・ゲームと学びの変遷と用語の整理
・ゲーミフィケーションはゲームではない!?
・ゲームとシミュレーションってどう違う?

■編著者紹介
Ludix Labは、教育の活動をしているNPO法人「Educe Technologies」のゲームと学習に関する研究ユニットとして2013年に設立。本書はLudix Lab代表と4名のフェローで編集した。
・池尻良平:東京大学情報学環特任助教、Ludix Labフェロー
専門は「学習の転移」。特に、歴史を現代の社会的な問題に応用させることを研究。高校生に歴史の有用性を実感してもらうゲーム教材を使った歴史の授業もし ている。また、企業研修向けのゲーム研修の教材も共同開発している。共著に「歴史を射つ: 言語論的転回・文化史・パブリックヒストリー・ナショナルヒストリー」(御茶の水書房)
・高橋興史:カレイドソリューションズ株式会社代表取締役、Ludix Labフェロー
起業家。アナログゲームの知見や研修企画のノウハウを応用し、国内唯一の企業研修向けにゲームを使った研修内製化教材を提供する会社を創業。多くのビジネスマンが同社のゲームで経営や財務会計、コミュニケーションを学んでいる。
・為田裕行:フューチャーインスティテュート株式会社取締役、Ludix Labフェロー
ICT利用教育のコンサルティングや導入支援を行う。小中高校生向けに、ボードゲームを使って考える力を養う教育活動や、企業研修でのゲーム研修も行っている。
・藤本徹:東京大学 大学総合教育研究センター特任講師、Ludix Lab代表
教育にテクノロジーを活用する「教育工学」分野の研究者。特にゲームを利用した教育の研究をしており、日本でシリアスゲームの普及を進めてきた。著書に「シリアスゲーム」(東京電機大学出版局)、訳書に「幸せな未来は「ゲーム」が創る」(早川書房)など。
・福山佑樹:東京大学教養学部特任助教、Ludix Labフェロー
専門は「教育工学」。特に現代社会の問題を経験学習するためのゲーム教材の開発と実践を行っている。これまで扱ったテーマには、環境問題・組織市民行動・キャリア教育などがあり、一部の開発物は企業研修でも使用されている。共著に「職場学習の探求」(生産性出版)