最近飯がうまい

 夏休みに入り、仕事の方もだいぶマイペースでやれるようになったので、飯をちゃんと作る回数が増えた。厚揚げと椎茸の煮物、大根と鶏肉の煮物、カレー、焼きハンバーグ、最近作った料理はいずれも出来がよく、やたらと食が進む。たいして運動しない日でも快調に腹が減るし、運動不足はいかんと思って中途半端に運動するとなお腹が減って食が進む。このままの調子で行けば結果は言うまでもないので、気をつけようかというところ。

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異常犯罪はゲームのせいでは起きない

 この間監禁事件でつかまった男が、監禁もののエロゲーを多数所持していたことがマスコミで取りざたされている。例によって、ゲームをやり過ぎて現実の世界でやってみたくなって犯罪に走った、こいつをおかしくしたのはゲームのせいだ、というような感じで書かれているが、そんなはずはないだろう。ゲームに影響されてほんとに犯罪に手を染めてしまう人は、ゲームをやる前からすでにおかしいのである。ゲームでなくても、ビデオなりドラッグなり、別の形で問題が生じているはずである。ゲームの異常性を指摘する前に、なぜこの男の父親の異常な行動を叩かないのか。高校生に月10万も小遣いをやって放置し、ろくでもない大人に育ったのが明らかなのに、まだ月40万も仕送りし続けるような親が異常でなくて何なのか?

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「IDやってます」の有効期限

 最近、「インストラクショナルデザイン」という言葉もだいぶ普及してきたようで、「IDやってます」を売り文句に掲げる教育会社や、「高等教育でもIDを導入しよう」と声高に主張される大学人の方も増えてきた感がある。ロジャースのイノベーション普及過程の概念を借りれば、アーリーアダプター(初期採用者)からアーリーマジョリティ(初期多数採用者)の段階に入りつつあるところだろうか。Web上で得られる日本語のID関連情報も私が日本にいた3年前と比べて量的にはずいぶん増えてきたし、教科書類も、片手で数えても指があまるくらいだったのが、今では両手が必要になるほどに増えた。ID学習者の基礎本であるDick & Careyの The Systematic Design of Instructionの訳書もいつの間にか出ていた。こういうのが何冊か出揃うことで、ようやく日本でもIDを学習できる環境が整いつつあると言えるようになる。

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知の源泉

 夏学期のコースは、「定性データ分析」と「イノベーションの普及」の二つを取っていて、この週末から「定性データ分析」の方が始まった。毎週金曜夕方と土曜終日の授業を3週にわたって行なう短期集中コースである。このコースのインストラクターはDr. イアン・バプティスト。うちの学部のお隣の成人教育学科の学科長である。カリブ系の黒人で、見た目は完全にレゲエ兄ちゃんといった雰囲気であまり教授っぽくない定性的研究者である。うちの学部、ラーニング&パフォーマンスシステムズは、定性的研究の研究者の方が勢いがあるのだが、その勢いの源の一人がこのイアンである。

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MOT教育プログラムの調査

 2年ほど前に、三菱総研の技術経営コンソーシアムから受注して手がけた調査の報告書が公開されているのをさっきふと見かけた。ちゃんと世の中の役に立っているようでよかったよかった。
米国大学院における技術経営教育プログラムに関する調査報告書(PDF)
2003年の秋は、まだこっちに来て収入のあてが確保できてなかった頃のことなので、たいへんありがたい仕事でありました。調査期間の3ヶ月ほどはこれにかかりっきりだった気がするが、この調査をやりきった頃は、アシスタントの職が確保できたりしながら生活が軌道に乗り始めた時期で、今思えば一つの節目だったような気がする。今読み返してみると、他の調査者には盛り込めないであろう視点で書こうと努力しているのがにじみでている。この仕事にかける気合、役に立ついいものを書こうという意欲が、知識の少なさやスキルの甘さをカバーしているような印象を受ける。当時は英語もまだぜんぜんダメだったし。
 米国のインストラクショナルデザイン教育について同じような調査をやるとしたら、誰がやるよりもいい調査をする自信があるので、どなたかたっぷり予算を用意して、私に発注してください。

使えるスキルの教え方と身に付け方

 ここ2週間の忙しい時期に、自分がどういう風に仕事をさばいたかを振り返ると、ここぞという時に頼りにしているのは、いずれも自分が積み上げてきた経験やスキルだった。それがどうやって積み上げられたかというと、自分のできるレベルよりも難しいものを締切に迫られながら、半べそかいて必死になってやったものほど血となり肉となっている。筋肉をつけるのと一緒で、軽いものをいくら持ち上げても力はつかなくて、逆に自分の力量からかけ離れているものは持ち上がらないし、下手をすると筋を痛める。つまり、楽な仕事からは新たなスキルは身につかず、難しすぎる仕事は無理をしてやっても、次につながるスキルは身につかない。楽な仕事ばかりやってると、飽きるのでモチベーションが下がる。同様に、無理な仕事をやりすぎると、その仕事に対する拒否感が植えつけられてモチベーションが下がる。

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潮目の一日

 昨夜から明け方近くまでかかって、ようやくオンラインゲーム研究のペーパーを書き終えた。ペーパーと並行して、今日はID理論の授業の最終課題で、デザインコンペ形式のプレゼンがあって、それも無事に終わった。この二つの課題と、先週までかかりっきりだったゲームデザインの授業の作品もよい具合に仕上がった。ここ二週間ほどは、資料の山に囲まれて生活していて、紙束が積まれたベッドの上に倒れこんでそのまま寝るような毎日だったが、ようやくそれも一息ついた。いつもなら途中で妥協して手抜きして、7割くらいの出来で終わるのだけれども、今回は最後まで粘って、持っている力の9割、ほぼ全力を出し切った。きっちりやりきって、今朝ペーパーを出し終えたところで、何かのスイッチが切り替わったようで、自分を取り巻く状況が変わる節目というか、潮目の変化が見えたような一日だった。

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古代エジプトに家を建てる

 マルチプレイヤーオンラインゲーム「A Tale in the Desert」の世界のフィールドワークもだいぶ進んできた。もうあと1週間でペーパーをまとめないといけないのだが、データが十分集まってなくて、なかなか分析に入れない。データを集めるには自分のキャラも育てないとわからないことが多いし、プレイヤー向けのWebにある資料を読み込んで、いろいろ手順を理解しないと前に進めない。
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ゲームが子どもに与えるよい影響

 今日はオンラインゲームのリサーチのインタビューで、ペンステートのオンライン大学、ワールドキャンパスで働くインストラクショナルデザイナーのおばちゃんを訪問。オンラインゲームで遊ぶ息子の様子を取材してきた。すごい面白いインタビューになった。その子はワールドオブウォークラフトという150万ユーザーを誇る超人気MMORPGにはまりまくっている中学生で、最近は何かというとゲームばかりやっているそうだ。

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4/8(金) バーチャル釣り

 今週に入ってすっかり暖かくなり、今日は晴天、初夏の趣である。スケボー野郎たちが出没しだして、キャンパス内でもビーチバレーしながらバーベキューやっている若者たちの姿が目に付く。こちらはいい気候を楽しむゆとりも移動の時くらいで、大詰めとなった学期末をいかに乗り切るかで頭を悩ます日々である。まあ、毎度のことなのだが、どのプロジェクトもかなりかつかつのスケジュールで、どいつもこいつも最緊急、最重要の顔をして立ちはだかってくる。帰ったらまずこれからやろう、これからやろう、とそれぞれのミーティングが終わったあとに思うのだが、帰って一息つくと、パワーが出ずに、今研究しているオンラインゲームの世界でなんとなく釣りを始めていた。

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