なんか7月に入って急にうちのサイトへのアクセス数が増えたなと思ったら、どうやら原因はこれらしい。日程順で出てるので仕方ないのだけども、なんかゲーム業界のカンファレンスによそ者が出張って申し訳ないっすという心境。いいセッションやりますので勘弁してください。
今回の日本ツアーは、CEDECでの講演&パネル(8/29、10:00-14:00@明治学院大学)と、教育システム情報学会全国大会での発表&セッション座長(8/26、9:30-11:30@金沢学院大学)をやります。CEDECの方は「シリアスゲーム研究・開発の最新動向」と題した講演と、「ゲーム業界にとってのシリアスゲームの可能性と課題」と題してゲーム開発者の方々とご一緒するパネルセッションです。金沢の方は、「オンラインゲーム世界における学習コミュニティ:eラーニング環境デザインへの示唆」と題して、ここしばらく続けてきたMMOG研究の成果を発表します。どうぞ皆さま、お誘い合わせの上お越しください。
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めんどくさい病
今週はどうも調子が出なくて、ゴルフとか飲み会とか遊びは順調だったのだが、山ほどたまってた読まなきゃいけないものや作業を前にするとどうしてもやる気が出ない。こういうめんどくさい病とでも言うような状態に定期的に入ってしまう。どうにもならないので昨日の晩は酒飲んで早寝した。10時間くらい寝て、今朝起きたらモチベーションが回復していた。寝不足で疲れがたまってたらしい。あと、昨日の夕方に、今度の期末テストのスタディグループで集まって勉強会をやって、状況確認ができて気分的に楽になったのもよかったらしい。最近改めて自分の勉強嫌い加減を意識するようになって、こんなんでほんとに研究者やっていけるんかいなと不安になる今日この頃である。とりあえずめんどくさい病から抜け出せたのはよかった。やはり寝ないとダメらしい。頭の中のもやもやが晴れて、雨上がりの夕方に外を歩いたら、まだ日の高い青空がきれいに見えた。
学びは果てしなく
再来週に「イノベーション普及と導入」の期末テストがあるので、クラスで手分けして文献読みの作業をここしばらくやっている。日本にいるときにちょっとかじったチェックランドのソフトシステムズ方法論(SSM)の文献「Systems Thinking, Systems Practice (新しいシステムアプローチ)」がリストに入っていたので、これ幸いと担当した。前にちょっと読んでるから楽だろうとたかをくくっていたら、それがどうにも難しくてここ数日はずっとこの本と格闘していた。
変化を起こすための学問
2週間にわたる「イノベーション普及と導入」の集中コースが終わった。このコースのテーマは、いかにシステムに変化を起こすか、組織変革や新しい技術の導入を成功させるには、何に気をつけないといけないか、ということである。講師は今期でプログラム長の任を終えるDr. Ali Carr-Chellman。彼女が初日の冒頭に言ったことがこのコースの存在意義を示している。曰く、「インストラクショナルデザインは、分析もデザインも開発も評価も、どれも研究が進んでいるし、専門家も多いけど、導入は研究が進んでいなくてとても弱い。問題の分析はよくできるし、出来上がってくるプロダクトやコンテンツはとてもいい、評価もきちんとした手法でみんないろいろやってる。学会でもすごいのを作りましたとみんな発表している。でもそれをうまく導入するにはどうすればいいかについて考えている人はとても少ない。」このコースはその、いかに導入を成功させるか、についてを教える数少ないコースである。
オンラインゲームと学習の接点
MMOG(多人数参加型オンラインゲーム)の研究を始めて数ヶ月がたった。メインの研究の舞台はA Tale in the Desertというプレイヤー数2000人ほどのマイナーなMMOGである。このゲームは戦闘がまったくなくて、プレイヤーは古代エジプトのゲーム世界でひたすら農作業や土木工事や料理や花火作りなど、ひたすら労働をする。人と交わらずにソロでやると、もともと周りに人がいないゲームなので孤独であり、作業量が膨大なので投げ出したくなるのだが、いったんギルドに入れてもらうと、長老や先輩メンバー達が蓄積した資源や設備を使わせてもらえて、ギルドチャットの交流の輪にも入れてもらえるので、モチベーションを持続できて、もうちょっと続けようかという気になってくる。
もともと研究のためにやっていたので、私のキャラクター、Kinjiroを育てるつもりもなくやっていたのだが、ある程度やりこんで世界を理解しないと、集めたデータの意味も深く理解できないことに気づいて、プレイヤーとして参加する時間を増やした。この間は、ギルドメンバーで石の掘り出し(10人とかで分業しないといけない)をやっていたので手伝った。自分の住むエリアで獲れる魚(ティラピアとナマズ)が物々交換所で他の魚よりもずいぶん高く売れるというのに気づいて、魚を売って花火の材料を買い込んだ。ゲームクリアのための試練の一つであるアート制作(下記画像)もやってみた。そうこうしていてある日、ギルドの長老がKinjiroを新入りからアソシエートに格上げしてくれた。最近私から知識をシェアする機会も出てきたりして、それがギルドへの貢献として認められたらしい。チャットで仲間がみな祝福してくれた。なんかちょっとうれしかった。
ヒストリーチャンネル
遅めの晩飯を食べてて、いいテレビをやってないので久々にヒストリーチャンネルを見てみたら、「Modern Marvels(現代の驚異)」で、」日本のロケット技術の始まりの話をやっていた。日本産ロケットの父である糸川英夫博士が紹介され、糸川博士が第二次大戦期に設計した戦闘機の話、そこから日本が大戦末期に開発していたジェット戦闘機、オートジャイロの話に展開して、戦後のロケット開発に至るまでの日本の航空技術の歴史が紹介されていた。もし原爆投下で戦争が終結していなければ、1946年に米軍による本州上陸作戦が実施され、その際には日本のジェット機は実戦投入されていたはずで、そうすると米空母と戦闘機は太刀打ちできずに大損害を受けていたであろう、という話は興味深かった。
TVドラマ制作の技術力
質的データ分析の授業で、題材にDesperate Housewives (デスパレート・ハウスワイブス、意味は「堪えきれない主婦たち」という感じ)を見た。このドラマは今一番人気のあるTVドラマの一つで、郊外の住宅地に住む主婦たちの恋愛や不倫や家族問題をちょっとサスペンスっぽく、かつ皮肉な視線で描いたドラマだ。昼にやっているソープオペラの脚本をしっかり書いて夜にやっているようなイメージであり、アメリカの中流家庭の閉塞感あふれる日常を描いた映画「アメリカンビューティ」が醸し出す雰囲気によく似ている。あの映画もそうだったが、見終わった後味が悪いことこの上ないTVドラマである。このドラマを授業で題材に使うという発想もすごいのだが、今日はその話ではなくて、TVドラマについての話。
子育てお助け番組の教育的効果
書こうと思ってたテレビネタがたまっているので、ここしばらくはテレビネタ。アメリカのテレビはほんとにくだらないものは徹底的にくだらないし、面白いものはほんとに面白いなといつも感心させられる。最近見ている中でもお気に入りなのが、「Nanny 911(訳すと子守り110番という感じ)」と「Super Nanny」という子育てお助け番組である。二つの番組は別の局なのだが、どちらも同じコンセプトで、フォーマットもほぼ同じ構成である。子どものしつけが下手で子どもが手に負えなくなった両親が助けを求め、イギリス人乳母が一週間でその家をハッピーにする、そのプロセスを見せるリアリティショーである。
5/29(日) 32歳
3日前に32歳になって、あまりピンと来ないので、今日まで32歳どうよ?と考えてみたけれど、やっぱりあまりピンと来ない。30歳になった時はおー30かー、という気がしたのだが、実は31から34までは、自分の中ではたいした差を認識してないことに気づいた。35になったら少し違うんだろうなという気はしている。
子どもの頃は、自分の親の年代以上はみんなおっさんやおばさんに見えたし、大人というのは、子どもが抱えているような不安や迷いもなくて、みんな成熟して安定した、「立派な大人」なんだろうな、と思ったものだが、それは違うんだなというのは自分が大人になってみてわかった。夏休みの宿題で簡単な書き取りとか計算の部分だけ先に終わらせて、一番面倒な自由研究とか作文を面倒がって、結局最後のぎりぎりまで残してしまうところは、基本的に20数年たった今でも変わっていない。
IDとeラーニングの専門大学院
熊本大学にeラーニングの専門家を養成する専門大学院ができるという話が出ている。日本のインストラクショナルデザイン研究の第一人者である岩手県立大の鈴木先生が関わっているので、インストラクショナルデザイン教育をしっかりやるプログラムになることと期待している。この話題をブログに書いてる中原さんと北村さんにトラックバックなど打ってみたりして、ちょっと挨拶をしてみるテストも兼ねてみた。お元気ですか、こんにちは。
おそらく多くの人の反応と同じように、私も熊本大学と聞いて、へぇーーーという感じで驚いた。きっと旧帝大のどこかが最初に手をつけるのだろうと思っていたが、さにあらず、意外なところから日本最初のeラーニングとインストラクショナルデザインの専門大学院ができるということらしい。公にアンケートをとったりしているということは、実現のめどが立ったということなのだろうか。熊本といえば熊本ラーメン、辛子レンコン、陣太鼓、馬刺しもうまい。最近、九州新幹線も通った。・・というか、自分が育った地元のお隣の県なのに、あまりよく知らなくて申し訳ない。熊本と大分の間は山深くて交通の便が悪いので行き来が少ないのですよ。
大学の世界はいろいろな思惑がうずまいていて、一つのプログラムが立ち上がるとなると、その周りではいろんな政治的なことが起こっているんだろうと思うけれども、ここまでしっかり教育工学系の色のついた旗を立てた大学院課程というのは日本にはあるようで実はなかったりするので、ぜひうまく離陸して成功してほしいと願うばかりである。でも、願うばかりでもしょうがないので、自分がこういう仕事をやるとしたらどんなことに気を遣うかなと、ざっくり考えてみた。