今日はオンラインゲームのリサーチのインタビューで、ペンステートのオンライン大学、ワールドキャンパスで働くインストラクショナルデザイナーのおばちゃんを訪問。オンラインゲームで遊ぶ息子の様子を取材してきた。すごい面白いインタビューになった。その子はワールドオブウォークラフトという150万ユーザーを誇る超人気MMORPGにはまりまくっている中学生で、最近は何かというとゲームばかりやっているそうだ。
だからといってその母親は、ゲームを敵視するのでなくて、ゲームがその子に与えているいい面に関心を持っていた。息子が中国の歴史シミュレーションゲームで遊んでいるうちに三国志に興味を持って本を読み始めたこと、ワールドオブウォークラフトで、自分のギルドを作ってメンバーをリードしたり、経済活動を行なったり、他人とアクティブに交流したりしていることなどを語ってくれた。中毒化してて、表に出ないでいるのは好ましくないが、ゲームをやらなくてももともとこの子は社交的じゃないから、ゲームを完全に悪者にする気にはならないそうだ。それと、この家庭のいい工夫だなと思ったのは、子どものパソコンを子ども部屋でなくて、キッチンの横のオープンなスペースに設置していることだ。それによって子どもの様子がうかがえて、会話のきっかけも作れるし、子どもがいかがわしいサイトにアクセスする抑止力にもなる。子どもがゲームをやり過ぎないように、できるだけ家族のイベントで外に連れ出したりという工夫もしているそうだ。
40分ほどのインタビューだったが(英語だとあまり集中力が続かないので短めにしている)、とても中身の濃い話が聞けた。中学生がギルドを主宰して、大学生や社会人のメンバーたちにリーダーシップを発揮するという現象は特に興味深かった。今回このインタビューは、メインの調査が思った以上に対象者が少なくて、インタビューの数が十分確保できない中で苦肉の策で実施した番外編だったのだが、オンラインゲームで遊ぶ子どもをターゲットにした研究に発展しうるいいデータが集まった。インタビューをベースにした定性的な調査研究は得意な方だし、やっててもとても楽んでやれるのだが、まだ膨大な量のデータ収集と分析が残っている。なのに締切まであと二週間。ヒー。