BBT「ITライブ」のサンプル映像

 先週21日にビジネスブレークスルー(SkyPerfecTV 757ch)の「ITライブ」に出演してきました。1時間の生収録でしたが、緊張しながら話していたらあっという間の1時間でした。
 個人的にとても良い経験をさせてもらいましたし、村井純さんに直接シリアスゲームの可能性についてさまざまなご示唆をいただいたことが何よりの収穫でした(関係者の皆さま、ありがとうございました)。
 ビジネスブレークスルーウェブサイトのトップページでも告知されてて、ちょっとだけサンプル映像が見れます(番組紹介ページ)。

「シリアスゲーム論」プロジェクト最終報告会

 東京工芸大学の「シリアスゲーム論」、試行錯誤しているうちに早くももう来週が今期の最終回です。
 毎回の授業準備にだいぶ慣れてきた後半は、現状の学生のレベルに応じた学習支援をどこまでやれるかをチャレンジしてきた感じで進んできました。この辺のさじ加減の調整は事前設計だけで対応できないところがたくさんあると改めて痛感した一方で、事前設計がしっかりしてないとさじ加減のブレが大きくなるし、場当たり的な対応しがちで知見として蓄積しにくくなるので、やはりベースとなる設計はきちんとやっておく必要があると再認識した次第です。この3か月ほどの取り組みの結果、ねらい通りの手ごたえがあったところの何倍も反省点があって、次回担当する時には内容も構成もバージョンアップしてさらにhard funな授業にしたいと思います。
 7月23日の最終回の授業では、これまで40数名の受講生たちがグループプロジェクトで取り組んできたシリアスゲーム企画の最終報告を行います。
 当日は次のような企画発表が予定されています。
・動物愛護をテーマとした育成シミュレーションゲーム
・ゴミ分別をテーマとしたパズルゲーム
・就農をテーマとしたシミュレーションゲーム
・おせち料理の知識普及をテーマとしたアクション&クイズゲーム
・ファーストフード店の研修用ゲーム
・就職活動支援をテーマとしたクイズゲーム
・排気ガス削減をテーマとしたカーナビ搭載型ゲーム
・色彩の知識普及をテーマとした色彩コーディネートゲーム
 どれもアイデアは良くて、あとはゲームの面白さや企画の質をどうあげていけるかが課題で、あと1週間でどこまでのものにできるかが楽しみなところです。この中の「カーナビ搭載型環境学習ゲーム」は、先週のNHK「おはよう日本」でゲームの話題が取り上げられていた中で紹介されていた、立命館のサイトウ教授とクラリオン社が実際に共同開発しているゲーム企画と全くかぶっていました。実際に採用されて開発が進んでいるゲームのアイデアを学生たちがどう料理して自分たちなりのユニークさを企画に盛り込めるかに期待しています。
 本授業は学外の方も聴講受け付けていますので、シリアスゲームにご関心ある方、どうぞお気軽にお越しください。人数把握のため、聴講をご希望の方はメールにて、藤本(tfujimt <atmark> anim.t-kougei.ac.jp)までお名前とご所属(またはご職業)をご連絡ください。
日時: 2009年7月23日(木)16:40~18:10(5限)
場所: 東京工芸大学厚木キャンパス
(小田急線本厚木駅よりバスで約15分)
教室: 1121教室(11号館2F)※キャンパス正門入ってすぐ左手の建物です。
アクセス情報詳細:
http://www.t-kougei.ac.jp/guide/campus/access/#atugi

ビジネスブレークスルー番組「ITライブ」に出演

 最近シリアスゲームジャパンと同じネタを使いまわしてて手抜きで申し訳ないですが、いちおうこちらでもお知らせです。
 今度7月21日に、スカイパーフェクTVの経営情報チャンネル「ビジネスブレークスルー(757ch)」の番組「ITライブ」に出演して、シリアスゲームの話をしてきます。ビジネスブレークスルーチャンネルは、一般にはあまり知名度がないかもしれませんが、大前研一さんのビジネスブレークスルー大学院大学でも知られる、経営関連のセミナーや情報番組をやっている衛星放送チャンネルです。
 出演する番組「ITライブ」は、慶應義塾大学教授の村井純さんをホストに、毎月ゲストがIT関連の話題提供をして、村井さんとその話題について語り合うトーク番組形式の番組のようです(サンプル映像を見ての印象)。村井さんは、慶應の常任理事を経て今度は慶應SFCの環境情報学部長になられるそうです。そのような方に自分の取り組むテーマについて語る機会がいただけるというのはありがたいことで、どんな話になるかとても楽しみです。番組は生放送とのことでかなりプレッシャーですが、国内のシリアスゲームの普及を盛り上げるためにしっかり語ってこようと思います。
「ITライブ」(SkyPerfecTV・757ch)
放送日:2009年07月21日 (火) 21:00-22:00
(再放送:7/25(土)23:00, 27(月)12:00)
ビジネスブレークスルーのWebサイト:
http://bb.bbt757.com/
番組表
http://www.bbt757.com/servlet/ShowTimetableWeekly

ビジネス書の質を落とす5つの方法

 書店で山のように平積みにされているビジネスパーソン向けのノウハウ本的な書籍、たまに手に取って読んでみている。仕事術とか論理思考とか、いいこと書いている本もある中で、タイトルに興味をひかれて買って読んでみたら、ちょっとこれはどうかと、と思うような残念なビジネス書も少なからず並んでいる。やめとけばいいのに余計なことを書いて自ら質を落としているビジネス書には、いくつか共通する問題点がある。たとえば次のようなことだ。
1.ステレオタイプな議論をする
 「アメリカは・・」とか「テレビゲームは・・」とか「ゆとり世代は・・」とか、やたらと括りの大きなカテゴリーで一般論とも自分の主張ともつかないことをとうとうと語る。切り口がユニークだと話が分かりやすくなって面白くする効果はあるかもしれないが、的を外すとダメージは大きい。特に著者が自身の限られた経験の範囲でみたものを拡大解釈して「アメリカ人はこれこれで・・・」というようなことを訳知った風に言うと、またたく間に鼻白んでしまう読者10倍増になる。
 この辺りの傾向は、最近のネット知識人の残念発言にも共通している。ブログ炎上させたければ、ステレオタイプな議論で日本人や特定業界を腐す論法は効果大。広告マンやマーケターならまだしも、コンサルタントとかアナリストとかで飯を食ってる人がそんな血液型占いみたいなステレオタイプで世の中を語っちゃまずいだろうというような大雑把な話も珍しくない。特にブログだと思いついたものをすぐパブリッシュできてしまうので、なおのこと自分を貶める発言を人目に触れさせてしまう危険は大きい。でも書籍にも、それは編集者が止めないとまずいだろというような雑な議論で、人気著者が自分用メモのような内容をそのまま活字にしているものもある。

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アンラーニングの難しさ

 大学で授業を担当していて、毎回学びについて気づきがある。こちらが不慣れなおかげでうまくいっていないこともあれば、一人の教員が週に1度、ある程度の人数(今回は40数人)を教室に集めて一度に教えるという形式そのものに起因する問題もある。教える側の不慣れさから生じる問題は、多分に慣れていけば解消するが、授業の形式からくる問題は、実に悩ましいところがあって、昔から議論されている教育方法上の問題を一つ一つおさらいしている感がある。

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「シリアスゲーム論」の近況

 シリアスゲームジャパンの方で軽く紹介したのみでこちらで語るタイミングをすっかり逸してしまいましたが、東京工芸大の「シリアスゲーム論」全3回のゲスト講演シリーズは無事に終わり、ホッとしました(最新の記事)。無事といっても、ネットがつながらなくて職員の方にイレギュラーな対応をお願いしたり、PCのトラブルでセガの馬場さんになんの資料もなくお話しいただくことになってしまったりと、運営面でバタバタする場面も発生したわけですが、ゲストや学内関係者の皆さんのご協力のおかげで無事に乗り切ることができました(皆様どうもありがとうございました。特にゲスト講師の皆様にはたいへん感謝してます)。
 この授業は学部生の授業だからといって手を抜くところは一切なく、日本で一番のシリアスゲームの学習機会を提供しようと、担当講師は意気込んで授業づくりをしています(このようなテーマで教えている大学は現時点では他にないので、まあ必然的にオンリーワンなわけですが)。今後シリアスゲームを学ぶ場を広げていくためには蓄積が必要なので、時間が許す限り手をかけて教材や資料を準備しています。
 ただ今、受講生たちはシリアスゲームの企画プロジェクトに取り組んでいます。シリアスゲームジャパンでも紹介してますが(紹介記事)、先週プロジェクトの中間報告を行いました。各グループ、テーマもゲーム案もバラエティに富んでいて、予想以上に幅の広がりがありました。学生たちはゲスト講師の方たちのゲーム開発にかける熱い想いに触発されて、プロジェクトにもいい気合いが乗って来ている感じです。中には手加減して中間発表に臨んだら、他のグループに遅れを取っているのに気づいて慌てて気合いを入れ直すグループもあったりして、学生間の相互作用から学ぶ要素も高まってきた感があります。あと1カ月でどこまで仕上げてくれるか楽しみなところです。

野球つく2やってます

 先月セガから出た「プロ野球チームをつくろう! 2」をプレイしだして3週間ほど経った。このゲームは、GMとなって球団経営をして日本一を目指すプロ野球経営シミュレーションゲーム。今週、工芸大の「シリアスゲーム論」の授業にゲストで来ていただく馬場保仁さんがこのゲームのプロデュースをされており、予習も兼ねてプレイしている。

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「シリアスゲーム論」前回の授業

 シリアスゲームジャパンでも紹介したように、工芸大の「シリアスゲーム論」では、先週から来週までの全3回、ゲストをお招きしてゲスト講演シリーズを行っている。前回は柴田賀盆さんにお越しいただいて、シリアスゲームの企画の仕事の実際についてお話いただいた。授業の模様についてはシリアスゲームジャパンをご参照いただいて(記事リンク)、こちらでは担当講師としての個人的な感想を。
 柴田さんには4年前のCEDECで初めてシリアスゲームのパネルディスカッションを行った時にパネリストとして来ていただいて、当時できたてほやほやだった高校生向け金融教育ゲーム「私の夢&銀行」についてお話いただいた。今回もその「私の夢&銀行」の企画の仕事の話をしていただいたのだが、今回はそれだけでなく「ゼビウス」や「ドルアーガの塔」で知られる遠藤雅伸氏に師事した時の話や、今や伝説となって語り継がれている「エアーズアドベンチャー」の当時の話、そもそもなぜシリアスゲームの仕事に関わるようになったのかなど、一人のゲームクリエイターのキャリアの変遷の話を中心に話していただいたので、さらに興味深い内容となった。
 エンターテインメントゲームから入ってシリアスゲームに関わるようになった柴田さんの視線は学生たちからの目線に近いこともあり、シリアスゲームクリエイターを目指そうかと考え始めた学生たちにも、シリアスゲームにはそれほど本気でもない学生たちにも、自分の将来を考える題材を豊富に提供していただいた。
 シリアスゲームの企画は、クライアントをはじめとする関係者の顔ぶれがゲーム業界の中だけで仕事をする場合とは大いに変わることがあるので、コミュニケーションの仕方や仕事の進め方が従来のゲーム業界の仕事の仕方とだいぶ異なるところがある。これはアメリカのシリアスゲーム業界では常識になりつつあるが、日本ではそこまで一般的ではなくて、これから普及につれて直面する課題の一つとなる。「私の夢&銀行」の事例は、その課題の一つの乗り越え方を示している点が意義あるところだ。
 結局のところどんな業界でも、仕事上の摩擦を回避しつつうまく仕事を進めるためにやるべきことには共通するところがある。企画する側が内輪でしか伝わらない言葉でしかコミュニケーションできない場合は、外の人との仕事はうまく進められない。お互いの勝手がわかるレベルまで説明するのは面倒なことで、面倒なことでも乗り越えないと話が進まない。説明するための企画書の書き方や説明の落とし所の付け方は企画の仕事の基礎的なスキルとして磨いておく必要がある。うちはそういうことはやってないから、というのでは仕事は取れないのだ。それでビジネスが回るうちはそれでやっていけばよいが、回らなくなってからそのためのスキルを身につけようとしてもそれはなかなか難しい。クリエイターとクライアントでも、産業界と学術界でもなんでも、異分野の人間が仕事をする必要が出てくるところでは必ず付いて回る問題だろう。企画の仕事とは、多分にそのような状況で厄介な相手とのコミュニケーションのために汗をかく仕事だという要素が強い。
 今回、柴田さんにはその辺りの企画の仕事の実際についてこの授業で扱う機会を提供していただいたこととともに、クリエイターを目指す学生たちへ貴重なアドバイスをいただいたことに心から感謝しています(柴田さん、ありがとうございました)。

36歳になりました

 ちょうど博論研究の大きな山を一つ越えたばかりのところなので、ここ数年で一番頭が考えようとしない状態で迎えた誕生日かもしれない。そういうタイミングを自分の状態を振り返る時間にあてるのも、気持ちを切り替えるのによいかもしれない。
 ここ最近、限界一杯まで無理な状態を強いて続けると、頭が飽和してパフォーマンスが下がってくる、という現実を身をもって感じている。時間はあっても大事なことを手がける意欲自体がなくなるのだ。ボクシングにたとえれば、ガードが下がって打たれまくりなのがわかってるのに、何も対処できずに棒立ちでラウンドが終わるゴングが聞こえるまでただ耐えているだけのような、そんな感覚。きちんと休む時間をとれば回復して、さらに先に進む意欲が戻ってくることは経験上わかっているので焦ることもないが、これを休みを取らずに無理に繰り返すとバーンアウト状態になるのだろう。

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「シリアスゲーム論」授業経過(第3~5回)

 前の2回分サボってしまったので、3回分まとめての授業日誌。連休前の第3回授業では、前半に「シリアスゲームの対象と領域」について解説をして、後半に「シリアスゲームの発想」と題してのミニワークショップを実施。学生たちに「学校」の意味を考えてもらい、ワークシートを埋めながらゲームの企画アイデアの頭出しをしてもらうという内容。
 どうもシリアスゲームというのは、一般的には「つまらなそうなゲーム」という印象を持たれるようで、学生たちの多くはつまらないのを覚悟してあまり期待せずに履修してくれたみたいなのだが、いろんな事例を知って、企画の練習をしていくにつれて、「遊ぶのも作るのも面白そう」という反応が返ってくるようになったのがうれしいところ。

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