今回は、日本で仕事以外にくつろぐ時間はほとんどとれずにそそくさと帰ってこざるをえなかったのだが、マンガもまあ読んだし、ニンテンドーDSも買ってきた。飛行機の行きは新書の「ドラえもん学」を時には笑いを、時には涙をこらえながら読破した。やっぱドラえもんは素晴らしい、ということで。
帰りはマンガ「デスノート」を買い込んで長い乗り継ぎ時間中もずっと読んでいた。デスノートは、マンガ喫茶で読み始めたのだが、台詞の長さと話の複雑さもあって、読むスピードが遅く、一冊あたり1時間弱かかっていた。そうすると、少年誌の単行本は価格が安めなこともあって、実は買って読んだ方が安くつくことに気づいた。そこで駅前の本屋で残りの全巻を購入して、道々読むことにした。マンガ喫茶は量をこなせるマンガを読むときに有効なのだなと学んだ。デスノートはかなり面白かった。ルール設定の複雑さで、崩壊するかと思いきや、ストーリー展開のうまさでカバーして、読者を引き込む作品に仕上がっている。超人的な主人公の思考プロセスをかなり詳しく描写しているので、その思考を追うことで、直接的ではないにせよ、間接的には読者の思考力や論理力強化につながるのではないかと思った。24やザ・プラクティスを見て、アメリカのTVドラマがすごいなと感じたように、今回このデスノートやプルートウを読んで、日本のマンガのすごさを感じた。日本では脳を鍛えるのが流行っているようだが、鍛えて脳を活性化した後には、よいマンガを読んで、中身を充実させることをおすすめしたい。いいマンガを読むと頭がよくなる、というのを誰か普及させてほしいものである。
ところで、ニンテンドーDSで話題の「川島教授の脳を鍛えるDSトレーニング」を試してみた。これが人気なのは、プレイ感のよさにあると思った。ペン入力の反応がよくて、トレーニングのテンポもよく、イライラさせられない。初心者にやさしいシンプルなつくりになっているので、敷居も高くない。コンセプトだけでなくて、それを支えるソフトとしての完成度の高さがあってのこの人気なのだなと理解した。注目の脳年齢は、かなりがんばって31歳。ほぼ年齢並み。30過ぎてゲームやってへビィメタル聴いてても、脳の方は大丈夫ということで。
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いまだ時差調整中
10日間のジャパンツアーを終えて帰宅してから一週間経つが、まだ微妙に時差ぼけが抜けず、夕飯の前に寝てしまって、そのまま早朝というかまだ夜中の時間帯に目が覚めて、そのまま一日活動してはまたくたびれて早寝、というパターンが続いている。とりあえず授業も二週目に入っていて、授業への対応で時間をとられる。大学院生活も4年目に突入しており、そろそろ授業はもういいやという気がしてきた。
今回の日本での仕事は、池に石を投げ込むようなもので、日本ではまだ取り組まれてない研究をやってますよ、と数年後に日本で本格活動をする前のショーケースの意味合いが強かった。投じた石の波紋は思ったよりも大きかったようで、あちこちからよい反応があったのはうれしかった。
#今回の仕事の一部は次のサイトで紹介されているのでご参照ください。
CEDEC 2005リポート:“ゲームは有害だ”と言うだけでは社会的にも停滞感が生まれてしまう
次の一歩として目指すは、翻訳と書き下ろし本を一冊ずつ仕上げて、取り組んでいる研究分野への認知のすそ野を拡げることである。冬休みは来期の博士課程の修了テストの準備と並行して、本の執筆に時間を割くことにしたい。ペンシルバニアの冬はどうせ寒すぎで外にも出たくないので、こういう引きこもっての仕事にはとても向いている。
仕事の報酬は仕事
CEDECでの仕事も終わり、残りの日程は、友人宅に泊めてもらった。一週間もホテル生活をしていると気も休まらず、仕事へのモチベーションが下がるが、あたたかく迎えてくれて、いろいろ楽しい話ができると、気力も回復して、元気よく仕事ができるのでほんとにありがたかった。講演で今回の仕事は終わりで、後は買い物と帰ってからの準備に時間が使えるなと思っていたのだが、日本にいるうちに詳しく話が聞きたいとか、個別にディスカッションしたいといったリクエストで、企業数社との打ち合わせが入った。講演がパッとしなかったらこういう話にはならないわけで、そういう意味では今回は上手くいったということなのだろう。まさに仕事の報酬は仕事だなと思った。
CEDEC二日目
初日のセッションで仕事のヤマも越え、気が抜けて疲れが出た。よく考えたら、日本に着いた日からずっと睡眠時間4,5時間だったのに気付いた。そりゃ疲れもするさ。前日で名刺がそこを尽いて、夜のパーティに名刺なしで出るのはちょっと厳しかったので、早朝キンコーズへ行って、スピード名刺を作成。待ち時間があったのでここぞとばかりにマンガ喫茶へ行って、マンガを読み漁った。しかし何冊も読めずに中途半端で消化不良。
名刺も確保したところで会場へ。セッションも適当にのぞいてみつつ、あまり気合が入らないのでほどほどにして、カフェテリアで大学院の授業の課題などやっていた。実は今週から授業が始まり、すでに事前課題も出ているのだが、そういうのもほったらかしでこちらに来ているので、さすがに着手しないとまずくなった。学会誌に投稿しようと思っていた論文は締め切りまでにあがらず、残念ながら今回は投稿見送りにしてしまった。
シリアスゲームデー
今回の日本でのメインの仕事日。コンピュータゲーム業界のカンファレンス、CEDECにて、シリアスゲームに関する講演と、開発者の方々をお招きしてのパネルセッションを行なった。単なる紹介だけの話は前にやっているし、アメリカではこうですよという話だけではああそうですか、という感じで終わりそうだったので、今回は自分の専門である教育工学的な観点から、シリアスゲームの学習絡みの解説を加えることで内容に深みを持たせた。あとで振り返ると、あれこれ反省点も見えてくるが、金沢での学会発表がよい予行演習になっていたようで、とりあえずは今までに経験したプレゼンものの中では、自分的には一番よくできた部類に入る出来だった。100人以上のオーディエンスの前で90分の講演をやるというのは、これまでほとんど経験がなかったのだが、今回やってみて、なんとかやれそうだなという感触は得ることができた。興味を持ってくださった方も結構いらしたようで、講演後にご挨拶していたら、あっという間に手持ちの名刺がなくなってしまった。ここまでの反応は予想してなかったので、ちょっと在庫の見積もりが甘かった。
東京へ移動
金沢滞在4日目の午前中は犀川沿いや武家屋敷跡の近辺を歩いて見て回った。この2時間ほどが今回の唯一の金沢観光で、昼過ぎに電車で東京へ向けて移動。ホテルに着いてメールを開くと、古い友人から、帰ってるなら連絡よこせこのやろう、とメールが入っていたので連絡を取って焼肉を食いに行ってきた。最近アスリートの間で流行ってるというファイテンの首に巻くやつを買ってくれた。うちに帰ってネットで調べたらたしかに流行ってるらしいことがわかった。なんとなく効いてるような気のせいなような。でも重い荷物を下げて動き回っている割には肩こりが軽い。いいものもらった。ありがとう。
学会二日目
時差のため、朝はやたらすっきり起きれる。ホテルの朝飯はコンビニおにぎりやクロワッサンなどが食べ放題なのがありがたい。安いインスタント味噌汁もやたら美味く感じる。夕飯と違って、朝は胃腸も目覚めているので、朝からおにぎり三つにパン二つも食べて、朝一の発表に向けて体調も万全である。自分の発表をやったあと、後半のセッションの座長をやらないといけなくて、座長担当の4件のうち3件は英語セッションだったので、質問が出ないことを想定してちょっと予稿を読んで予習しておいた。しかしぼやぼやしていて、いざ出かけてみると、バスだと間に合わないかもしれない時間になってしまっていて、やむなくタクった。余計な散財をしてしまってやや気分が曇った。
金沢移動~学会初日
上野から新幹線と特急を乗り継いで、夜7時過ぎに金沢に到着。宿は繁華街の片町にあるビジネスホテル。ここも4400円で無線LAN無料で朝食付きというお得さである。翌朝、熊本大の北村さんと合流し、学会の会場である金沢学院大へ。バスに揺られて、やあ着いたと思いきや、着いたのは山の向かいにある「北陸学院短大」だった。学院という言葉に反応してバスに飛び乗ったのがまずかった。タクシーを呼んで、山の向こうにある目的地へ急行。北村さんが一緒だったので、やっちまったねーわははは、という感じですんだが、一人だったらいきなりめげてたことだろう。
日本滞在初日
デトロイトからの飛行機が2時間遅れたものの、日本に無事到着。成田のホテルに一泊。朝食付き、ネット接続無料なのがよかった。いまやネット無料のホテルはすぐ見つかるのでありがたい。トイレもシャワーつきトイレが普通になっている。ここは朝食でいい米のご飯と、焼き立てパンを売りにしている。ご飯と味噌汁の朝食は何よりもうまかった。クロワッサンもうまかった。なぜかいつも旅行中の朝飯は果てしなく食える。
自分の携帯を再接続するための書類をうちに忘れてきて、仕方なしに空港で携帯をレンタルしたのだけれど、一日700円とか取られるのが馬鹿らしくなって、翌日返却。午後から金沢へ移動なので上野へ。隙間の時間を利用して御茶の水へ移動、行きつけのディスクユニオンで中古CDを買い込む。帰りに牛タン屋で昼食。牛タンを食べるつもりだったが、品薄で高くなっているのを忘れていた。豚炭火焼で妥協。それでも大満足。今はとにかく和食系へのストライクゾーンが広がっているので、何を食ってもうまいし、何を見てもうまそうに見える。上野駅の構内のレストランも弁当屋もケーキ屋も、どこを見てもうまそうで仕方がない。ウェストの巨大化が懸念されるなか、非常に状況はよろしくない。
本屋に立ち寄り、新幹線で読むための漫画を物色。今回は漫画を読む時間があまりないので、読みたいものの中から厳選した。3巻までしか読んでなかったドラゴン桜が8巻まで出てて平積みになってたり、いつのまにか島耕作が常務になっていたりして、時の経過を感じた。結局、浦沢直樹の漫画「プルートウ」1-2巻を購入。プルートウは評判通りの面白さだった。この漫画の元の話となっている、鉄腕アトムでモンブランとか強いロボットが出てくるシリーズをアニメで見たのをおぼろげに思い出しながら、一気に読んだ。CD購入と昼の定食と、このプルートウを読んだことで、今回の帰国の目的を果たしたような気分に一瞬なったが、まだ仕事は何もやっていない。漫画を読み終わった後はひたすら寝ていて、金沢に到着。何だかあっという間に10日経ってしまいそうな気配である。
トミー・リー大学へ行く
晩飯がてらなにげにテレビをつけると、NBCで新番組「トミー・リー大学へ行く」をやっていた。トミー・リーは、ロックバンド、モトリークルーのドラマーで超有名ロックスターである。その彼がネブラスカ大学に入学して、大学生活を送る様子を描いたリアリティショーである。パリスヒルトンの「シンプルライフ」と同系統で、世間知らずの有名タレントが苦労しながら何かにチャレンジする様子を面白がって見るための番組である。ロックスターのお間抜けぶりを見せるという点では、オジーオズボーン一家の家庭生活コメディ番組「オズボーンズ」とも同系統といえる。
この手の有名人の生活体験リアリティショーはあまり好きではないのだけど、トミー・リーはモトリークルーの頃に結構好きだったので、つい見てしまった。最近、彼の前妻パメラ・アンダーソンが、シチュエーションコメディドラマ「Stucked」で好評を博していたので、そういえばトミー・リーはどうしてる?、と思っていたらこのような形で出てきた。たぶんみんな少なからずそう思っているだろうから、タイミング的にはよい感じである。トミーは40過ぎでも色気のあるロックおやじで、歳を食っても華があってカッコよい。大学の授業でつまらなそうにしているところも、マーチングバンドのドラムがうまく叩けないところも、コインランドリーの使い方をルームメイトに教わっている姿も、笑える一方で絵になっている。スター性があるとはこういうことを言うのだろう。コメディドラマで成功したパメラアンダーソンに続いて、彼も新境地でファンを獲得しそうな雰囲気である。