新学期

 ペンステートに来て、5年目の新学期を迎えた。大学の本屋にも街のスーパーにも、新入生らしき人々が目立つ。寮の仲間とか、新しいルームメイトとかと一緒に買い物に来ているような風の人々も多い。この時期にウォルマートに行っても、定番商品の棚は空っぽだったり、レジはやたら混んでいたりしてあまり快適ではない。夏の間がとても静かなだけに、そのギャップのために人の多さをよけいに感じる面もある。
 うちに避難しても新学期の影響はある。「ジェフ、すぐ電話よこしなさい」なんていう新入生のオカン風の声の留守電が入っていたり、今朝も土曜の朝っぱら、6時半に電話が鳴って、取ってみたら「ジェイソン?」と、これもオカン風の間違い電話である。ちゃんとジェイソンにかかっていたとしても、金曜の夜に新歓パーティとかで遅くまで騒いでいたジェイソンが「母ちゃん、こんな時間になんだよ」と、だるそうに電話を受けていたことだろう。
 こちらも土曜の朝から迷惑だなまったく、と一瞬思ったが、最近また朝がだんだん遅くなってきていたというこちらの事情もあって、起こしてもらってちょうどいいやと思って、そのまま起きて作業開始した。

Don’t bother me, son

 「デジタルゲームベースド・ラーニング」の著者、マーク・プレンスキー氏の新刊「Don’t Bother me, mom – I’m learning (ママ、勉強してるんだからジャマしないでよ)」の翻訳作業を日々進めている。翻訳というのは日々坦々と続けていくことが求められる。少しサボると、夏休みの絵日記や英単語の暗記ノルマのように、ノルマばかりが日々膨れ上がって、そのうち非現実的な計画になってしまって、果ては挫折の道をたどる。今はそうならないように、継続は力なりを念頭に、日々坦々と続けている。自分が好きで選んだ本なので、作業が楽しいのが救いである。
 この本は、ゲームに対して否定的な論調が強い中で、実はゲームで遊ぶ子どもたちは、将来をよりよく生きていくために必要なことを学んでいるんだ、ということを書いた本である。来年春の刊行を目指して準備を進めている。
 子どもの頃にゲームで遊んだ人は、親からゲームを取り上げられたり、小言を言われたりという経験をほとんどの人が持っているだろう。私も、小学生高学年の頃は学校から走って帰って、食事もそこそこにドラクエを夜中までやったり、中学になってパソコンを買ってもらったら、ウィザードリィやブラックオニキスのようなRPGを暇さえあればやっていたし、信長の野望や三国志ももちろんハマった。うちは比較的うるさく言われない方だったので、そんなにゲームやりすぎで叱られた記憶はないけれど、それでも度が過ぎれば注意された。きっと当時ガミガミ言われていたら、今やっているような研究にもたどり着けなかったことだろうと思うので、子どもには大人の理屈で頭ごなしにガミガミ言わないことが大事なのだなと思う。
 先日実家に帰った時、オカンが自分のパソコンに向かって、ソリティアで遊んでいた。もうソリティアはやり飽きたとかで、スパイダーソリティアだかなんだか、私の弟がインストールしてくれたソリティアの派生版のゲームをやっていた。他にも学習ゲームで、都道府県をピースとして日本地図を完成させていくパズルゲームとか、簡単に遊べるゲームをいくつか楽しんでいるという話を聞いた。オカンのソリティアの腕前はかなり上級レベルで、私はとても太刀打ちできない。勝率はかなりのものだった。最近テレビやゲームや書籍など、いろんな形で広まっている「脳トレ」ブームの影響で、中高年層もゲームに親しむようになってきていることを身近な例で感じた次第である。
 うちの母も数年前に全国的に展開されたIT講習事業のおかげもあって、ワープロやメールやネットサーフィンのような簡単なことはできるようになっている。以前から、ネットをもっと活用して何か面白いことをやってみたいと言っているが、たまにしか帰らないので、あまり力にもなってやれていない。年賀状ソフトのデータのメンテのような簡単なことはやるものの、ブログを始めるとか、そういう教えるのに根気がいることは、残念ながら手がついていない。
 そんな状況なのだが、何かネットで新しいことを覚えたいと言っているわりには、いつもソリティアばかりやっているので、ふと「ソリティアやってる時間の何割かでも使って、少しずつネットサーフィンでもしたら?」と言ってみた。するとオカンは「この時間は私の頭の中を整理する時間なのよ。」と言っている。人それぞれ、ジョギングや水泳や編み物や料理などの単純作業をしながら考えを整理する方法は様々だが、うちのオカンにとっては、ソリティアを無心でやる時間が、ある種のリラクゼーションとして機能しているのである。「ママ、勉強してるんだからジャマしないでよ」ならぬ、「息子よ、ジャマしないでおくれ。遊んでるんじゃないんだから。」といった状況である。
 先日、「ゲームの処方箋」プロジェクトを行なっている早稲田大学の河合先生と研究室の皆さん、それにナムコの方々にお会いして話を聞いてきた。ゲームの効能を明らかにする研究をいくつか進めておられて、少し前にシンポジウムの場で中間報告を行なっている。その中で、ゲームをプレイすることによる心理的効果を活かして、サプリメント的にゲームを利用するための研究についての話を詳しく伺った。
 ゲームのタイプやプレイヤーの嗜好によってストレス値や情動反応などに違いがあって、その傾向を上手く利用すれば、短時間のゲームプレイによって「ストレス解消」「疲労回復」「気分晴れ晴れ」「頭スッキリ」といった効能が得られるということがわかった。そしてさらにそのようなゲームの作用や副作用を詳しく研究して、将来は「ゲームの処方箋」を出して、薬のようにゲームを使えるくらいまで、ゲームの効能を詳しく知ろうということだそうだ。
 うちのオカンにとってのソリティアもそういうゲームの効能の一つと言えそうで、本人もそれをある種自覚して使っていた。ゲームをボーっとやっているからと言って、一概に時間を無駄にしているわけではないのである。電車の中でケータイゲームやDSで遊んでる人たちにも、何かそんな効果もあったりするわけなので、頭ごなしに否定するのはよくない。子どもでも大人でも、ゲームばかりやっているのを惰性で叱りつけるんでなくて、ゲームを上手く活かしながらコミュニケーションを深める方向で考える方が望ましい。だんだんとそういう世の中に向かいつつある。

日本で感じたこといろいろ

 毎回、日本に帰国すると面白いことや新たに気づくことにいろいろと遭遇する。もう数年前から起きていることでも、あらためてそういやそうだなと気づかされることも多い。今回の帰国でしみじみ感じたことを、しみじみとメモしておこうと思う。
・気候。暑い。蒸し暑い。年々暑さは増している気がする。特に東京は暑くてしょうがなかった。店の中を冷やしているエアコンの室外機が道に向いているところを歩いてて、熱風がブワっと顔に当たるのを感じて、都会ではこうやってどんどん家の中を冷やしながら外を暑くしてるんだなとつくづく思った。
・お土産屋。毎度、土産物会社の商品開発力には感心させられる。空港とか道の駅とかの土産コーナーは、美味しそうな買いたさをそそるお菓子が多くて目移りする。アメリカの土産ものの貧しさとは対照的。それに、買いやすい金額の物が増えてる。昔は1000円が最低額で、500円とかのチョイスが少なかったのが、今は500円程度でちょっと買いたくなるようなラインナップがすごく充実している。
 ただ、年々どこもオサレな感じにはなっているのだけど、だんだんと均一化が進んでいる気がする。どこどこ限定のお菓子というのは一杯あるけど、似たようなコンセプトで別の地域でも売っている。どこに行ってもレーズンサンドとチーズケーキ系の類似商品がいっぱい。今それだけ売れてるということなのでしょう。
・流行りもの。2年前に2年ぶりに日本に帰ったときは、いきなりみんなが焼酎を飲むようになっていて驚いた。今回はそこまでではないけど、岩盤浴?何なんですか、それは。あと、メイド喫茶?不思議なものが流行ってますね。
・テレビ。情報系の番組が多いのはずっとそうなのだけど、表現技術はどんどん高まっていると思った。事象をわかりやすく切り出して視聴者目線で説明する技術は、昔から同じようなことをしているように見えて、実はかなり進化していると思う。アメリカの同種の番組だと、出演者の口頭プレゼンに依存していて、周辺の映像技術とかプレゼンスキルはまるで発達していない。必要は発明の母というのはまさしくその通りで、Poorなしゃべりを前提に番組を作ると、周辺のいろんな技術が発達するのだなと。出演者のパワー不足は、一概に悪いことではないことがわかる。
 それと、朝のみのさんの番組で、小泉首相参拝の中継画面の画面の隅っこで、スタジオのみのさんがどんな表情をしているのかをずっと映し出してるのには笑った。(ほんとに視聴者がそう感じてるかは知らないけど)そんなものが視聴者を引きつけるリソースになるというのだから、みのさんはすごいですね。
・マンガ。デスノートと蒼天航路はやっとラストまで読めてすっきり。マイナーだけど「キマイラ」もラストまで読んだ。打ち切りなのか、作者の手に終えない展開になって終わらせたのか、かなり唐突な終わり方にはあまりすっきりしなかった。今回も空き時間を見つけるたびにマンガ喫茶へ突入して、読み進めたものの、当然読みたいもの全ては読めず、逆に欲求不満気味。
 今回の収穫は「頭取 野崎修平」、「バーテンダー」、「マネーの拳」の3作品。こういうよいマンガが読めると、日本のマンガ文化バンザイ!とつくづく思う。
 「頭取野崎修平」は、監査役~の続編。銀行業界再編と倒産銀行の建て直しのお話。ビジネスヒーローものの作品の中では一番いい出来だと思う。島耕作がサラリーマンの恋愛ファンタジー化するのを尻目に、この作品はひたすら硬派路線で読者をひきつける。
 「バーテンダー」は、「ソムリエ」の原作者による作品。読んでると酒飲みたくなるマンガ。すでに我が家にはハードリカーのボトルが並び始めていたりする。
 「マネーの拳」は、「ドラゴン桜」の著者の作品。ボクシング世界チャンピオンが引退後にベンチャー起業して活躍するという、これもビジネスヒーローもの。「ドラゴン桜」を気に入った人は、これも間違いなく楽しめるし、中途半端なビジネス書やセミナーよりもはるかにためになる。
 あと、前から読んでみたかった「のだめカンタービレ」も1巻だけ読んだ。これもとてもハマった。ストーリーのよさはもちろんのこと、ストーリーとは関係ない小ネタでクスッと笑える描写が多くて、青年誌向けの作品とテイストが違うところが面白かった。次回の帰国時のメインターゲットとなること間違いなし。
 他にもあった気がするけど、とりあえずはこんな感じで。

東大BEATセミナーレポート

 シリアスゲームジャパンWebでもお知らせしてますが、去る8月5日に開催された東京大学BEATセミナー「ゲーム・ルネッサンス:いつか来た道、これからの道」のレポートが公開されていますのでこちらでもご紹介します。
http://www.beatiii.jp/seminar/023.html
 当日の会場で行なわれた、スピーカーによる講演の概要と、参加者とのディスカッションの様子が紹介されています。

いい買い物

 帰宅して4日ほどスロー調整中。時差ぼけで夕方には目が乾いてきて眠くなり、晩御飯を食べずに7時とかには寝てしまい、早朝やたら早起きする毎日が続く。食べてないおかげで日本で巨大化した分がもとに戻ってきたものの、一緒に筋肉も落ちてそうな感じ。また運動生活を再開しないといけない。
 今回日本に帰国した時に訪ねた人々のオフィスや自宅で、いい音のスピーカーを楽しんでいる様子を何度か目撃して、それに影響されてPC用にいいスピーカーがほしくなった。先日の朝、飯を食おうにも食べ物がろくにない状態だったので、朝6時から食料調達もかねてウォルマートへ。
 ウーファーなしで場所をとらないタイプで、小さいのに80W出るPC用スピーカーを見つけて、60ドルで購入した。Boseとかそういう高級なものとは比べ物にならないと思うが、それでも多少はいい音をさせてくれるだろうと期待した。
 早速持ち帰って取り付けてみると、音の奥行きが感じられ、低音もクリアに聞こえる。今まで使っていたおまけのスピーカーではつぶれて聞こえなかった音の粒がきちんと聞こえる。今まで聴いていた音は何だったんだろう、何でもっと早く替えなかったんだろうという気になった。
 いい買い物をした時はたいがい、同じような「何でもっと早く買わなかったんだろう」という気になる。そういう気が強ければ強いほど、そのモノから得られる満足度も高い。きっとそれを買わずに我慢していた時間が長ければ長いほど、その満足も強いものとなるのであって、さっさと買っていたらここまでありがたみを感じないのではないかと思う。
 いい音が楽しめるようになると、いろんなものを聴いてみたくなり、音楽を楽しむ時間も増えてくるし、ボリュームをあげたくもなる。わずか60ドルの投資だが、格段に生活が豊かになった気がする。これで仕事の生産性もあがればよいなと思いつつ。

帰宅しました

 数時間前にステートカレッジの自宅に無事帰宅しました。今回の日本ツアーも、いろいろな形で多くの方々にお世話になりました。どうもありがとうございました。今回初めてお会いした皆さま、これからもよろしくお願いします。

 出発の朝、朝いちで荷物をごろごろ転がして、東大の中原さんを訪問。最近のプロジェクトの話や日本の大学周りの状況などを伺った。自分と同世代で近い目線で仕事をしている日本の研究者をあまり知らず、話ができる機会などほとんどないので、中原さんと話をすると、どこから切っても参考になることばかりで、興味は尽きない。
 その後、auのショップに足を運んで、ケータイの契約を一時休止手続きをしたあと空港へ。チェックインは長蛇の列でどうしようかと思ったが、安いノースウェストばかり使っているおかげでメンバーランクが上がっていて、空いている方の列でさっさと手続きできた。しかし今回ショックだったのは、ノースウェスト航空はエコノミークラスの酒類が無料ではなく、一本5ドルになっていたことだ。なので時差調整に酒を飲んでさっさと寝るという手法が使いにくくなった。それに液体類の持ち込みもできないため、仕方なく事前に飲めるだけ飲んで飛行機に乗り込んだ。
 飛ぶ前からさっさと寝て、飯で起こされた後は、テレビを見ながら英語に耳を慣らしつつ、ブログ書いたり、書き物をしたりして暇をつぶした。飛行機の中は退屈で不自由なのだが、逆にそのおかげでゆっくりと何にも邪魔されずに考える時間がある。今回のツアーを振り返り、明日以降に待ち受けている山のような(楽しい)仕事の段取りを考えながら過ごした。
 今回、約3週間の日本滞在、うち六日間の盆のオフ日を除き、二週間足らずでかなりの仕事をこなした。講演2回、勉強会やビジネスミーティングの類も10回以上を数えた。そうした現場でのやり取りを通して、いろんなことがかなり鍛えられた。スキルはブラッシュアップされ、整理仕切れてなかった知識もかなり整理できた。
 私には、エライ先生のように得意技もなく、気を抜く余裕もないので、会議の場はいつも全力で臨むことになる。毎回、頭をフル回転させて参加していれば、その場で思いつくこともあるし、やり取りの中で、それまで考えていなかった切り口から考えさせられることもある。教え、アドバイスする立場で招かれていても、こちらの方が学んでいることが多いし、その場で知識が生産されている面も大いにある。打席に立って実戦経験を重ねることが重要で、しかもしっかりモチベーションを高めて打席に立つかどうかで伸び方はまるで変わるのだなということがよくわかった。
 帰途に着いて、あと少しでうちに帰り着くと考えると、ホッとする。自分の感覚の中で、「日本に帰って、アメリカに行く」というよりも「日本に行って、アメリカに帰る」という感じが年々強くなっている。4年も住んでいればそんなものだろう。
 帰ると休む暇はあまりなく、大きなプロジェクトが待っている。まず博士論文。9月中には三章まで書いて、プロポーザルにOKをもらわないといけない。そして今年中にデータ収集を終える必要がある。次に出版。書き下ろし一冊と翻訳書二冊の出版が決まった。来年早々に一冊出すためには、冬に入る前に一冊仕上げないといけない。その他にもカンファレンスでの発表や生活費確保のための仕事など、尋常でないボリュームの仕事が待っている。インターンの仕事を辞めたことで安定収入はなくなり、以前にも増して貧しく不安定な日々がしばらく続く。
 「視界に陸が見えない長い長い時間を経る覚悟無しには、新しい大陸を見つけることなどできない」などと強がってみても、リスクに身をさらすのは、それだけでストレスが大きい。楽しい仲間や同志がいて、仕事の楽しさや将来のビジョンがあるおかげで、どうにかやっていけるというものである。
 今回はいろんな意味で、ずいぶんパワーアップできた。ツアー前とは、自分の力も、自分を取り巻く状況も大きく変わっており、一年後にはどんなことになっているか、さらに楽しみな状況になってきている。

仕事に復帰

 東京に戻り、仕事に復帰。友人に会ったりする楽しい時間もある一方で、今後の仕事の進め方を左右する重要な打ち合わせもいくつか入っている。緩みきった盆休みを過ごしたので、頭のねじを締めなおすのに若干タイムラグが発生。思考の切れが悪い。休んで十分に充電したつもりだったが、休み過ぎて漏電したかも。日ごろオンとオフの切れ目のない生活を送っていると、急にオフを意識して休んでも、ちょうどよく休むということができない。
 微妙なダルさを感じているが、このダルさは夏バテや疲れから来るものではなく、「これくらいできるはず」という自分の感覚と、実際の自分の状態のズレをダルさとして認識しているという感じである。しばらく運動してない状態で、急にスポーツをやった時などに感じる鈍った感じと同じ性質のものだ。
 そもそも私は根が勤勉ではないため、ほんとうに勤勉な人と勤勉さで勝負をしてもかなわない。そのためいかに省エネで仕事をこなすかが鍵になってくる。そんな中で、自分の状態を振り返って気になったのは、力を抜く加減をわかっていないことだ。
 最近は、自分の拠って立つことのできる知識が、あるまとまりで出来てきたおかげで、それを軸に仕事の幅を出せるようになった。ただ、自分の中で一般化できた知識というのは、そのまま各論の仕事に持ち込んでも、それだけでは素晴らしい成果にはつながらない。いかにコンテクストを一般化した知識に合わせるか、ではなく、そのコンテクストに一般化した知識を合わせるか、ということが重要になってくる。微妙な違いで、自分の持っているものと個別のコンテクストの間のギャップを修正する作業という点では同じでも、やろうとする方向性が全く異なる。
 自分の拠って経つ知識に依存しすぎると、ありきたりな知識で済ませようとしてしまうので、そこからはいい仕事は生まれにくい。省エネ志向であっても、ここは力の抜き方を間違えてはいけない部分である。この部分をきっちりできた仕事とできなかった仕事は、手ごたえが違う。その手ごたえこそが、仕事の楽しさであって、それを得られない仕事は次に続かない。自分のモチベーションが下がるか、仕事の相手がこちらに愛想を尽かすかのどちらかが、その先にある末路となる。
 どんな状態でもある程度のパフォーマンスが出せるようにするには、そのための技術を高める必要がある。その点、仕事師としての私は大いに開発途上にある。野球であれば、打率の低い代打要員のようなもので、技術の低さをカバーして結果を出すには、一打席ごとの気合と集中力が不可欠になる。ミュージシャンであれば、せいぜい1,2曲聴くに値する曲が書けるようになった程度の存在である。レンタルで済ますか、とりあえず買って聴いてみるか、といった扱いで、常に捨て曲無しのアルバムを出せるミュージシャンとはポジションがまるで異なる。買って手元に置きたいと思ってもらえるような曲を書けるようになり、そんな曲を一枚のアルバムに複数入れられるようにするのが当面の課題だ。

熊大セッションRecap

 私は引き続き完全静養中でありますが、先日の熊大セッションで、コーディネーターをしていただいた北村さんが、ブログでセッションのまとめをしてくださっています。
北村さんのブログ: ゲームとeラーニング(藤本徹氏講演より)
http://kit.cocolog-nifty.com/kits_diary/2006/08/post_93f4.html
 次の記事でも、熊大のGPプロジェクトミーティングに参加させていただいた時の模様を、教育へのゲーム利用という観点からまとめられているので、このテーマにご関心のある方はそちらもあわせてご覧になると良いと思います。

静養中@別府の実家

 今回のメインの仕事、東大と熊大でのセッションは無事に終了。熊本から山岳部を(電車じゃなくてディーゼルの)列車で移動し、別府市の実家にて休養中。
 今回の日本ツアーは、いろいろと楽しい(仕事の)予定がたくさんで(詰め込んだのは他でもなく自分自身なのだが)、せめて盆の間は完全静養モードで、ゆっくり過ごさせていただいております。
 私も「仕事が燃料」な人種に属するようで、楽しい仕事があれば果てしなくモチベーションは続くのだけど、エンジンオイルその他の潤滑油は仕事以外のところで足さないと、ちゃんと走っていけないのだなと、休んでみて改めて認識している。
 今日は昼間に少し時間を作って、別府の市街を歩いてみたのだけど、とにかく暑い。こりゃたまらん、と少し落ち着いて涼めそうな店を探したが、街を歩いてみても、残念ながらちょうど良く落ち着ける感じの店がない。とりあえず街で一番オサレなデパート、トキハに避難。スタバに入って落ち着いた。
 田舎には、ノートパソコンを開いてちょっと作業しながら落ち着ける店が少ない。地元とはいえ、出て行って15年も経っているので、土地勘がなくて、ちょうど合った店を見つけるのに時間がかかる。そもそも店自体も少ない。土地勘のないところでは、何度かハズレの店も経験しながら探すことになるが、そうしょっちゅうこんな時間があるわけでもない。
 良い雰囲気の店であればよいというわけではなく、放っておいてくれるオープン感がほしい。店が小さいと、そこを必要以上に占有するのは気が引けるし、レストラン系の店は、注文取りにたびたび来るので、これまた気が引ける。ファーストフードの店は、その辺りはクリアするものの、うるさかったり貧相な感じだったりで、落ち着かない。インターネットカフェとかマンガ喫茶系の店も悪くないのだが、そこでマンガを読まずに時間を過ごすのは、マンガに申し訳ないし、時間課金なので、いればいるほど金がかかって財布の痛みが気になってくる。
 なので、わざわざ地元でスタバか、と思いつつも、とりあえずは間違いなく今の自分のニーズに合った店なので、これで用が足りる。もう少し地元ならではのところで同じような経験ができればよいのだが、それは次回以降の課題ということにした。
 程よく涼みながら充電できて(かわりにパソコンとipodのバッテリーが切れてきて)、店を出た。帰り道、駅の土産屋の焼酎試飲スタンドでいくつか地元産のむぎ焼酎を味見して、美味そうなどら焼きと地獄蒸しプリンを土産に家路に着いた。

熊大セッション終了

熊本大学「eラーニング連続セミナー」のセッションも無事に終了しました。
熊本大学の北村先生、教材作成室のスタッフの皆さんをはじめ、ご関係者の皆さま、お世話になりました。参加者の皆さま、暑い中ご来場ありがとうございました。
おかげさまで、演者の側としてはとても実りあるセッションになりました。参加された皆さんにとって何か得るもののあるセッションになったようでしたら幸いです。
講演資料はすでに公開してますのでご利用ください。
「シリアスゲーム:デジタルゲーム技術を利用した教育課題への取り組み」資料ダウンロード(PDF)
https://anotherway.jp/seriousgamesjapan/archives/Kumamoto080906-Fujimoto.pdf
今回は2時間ソロでたっぷり時間をいただいたので、ゲームの事例をじっくり見ながら、シリアスゲームのデザインの要素を解説して、それをeラーニングコンテンツのデザインにどう活かしていかせるかという話を中心にしました。できるだけインタラクティブなセッションにして、参加者の皆さんにじっくり考えてもらう機会を提供するのが今回の一番のねらいでした。
スピーカーとしての手ごたえは、今回が自己ベストでした。経験自体が少ない中でやっていて、改善の余地は大きいので、さらにレベルアップして、何度も参加したくなるようなセッションができるよう、研究内容もスピーカーとしての技術も磨きをかけたいと思います。
翌日の教材作成室の皆さんとのディスカッション、プロジェクトのミーティングもとても楽しく参加させていただきました。
最終日の夜は、阿蘇地獄温泉の宿とハードな露天風呂で骨休めまでできました。北村先生、今回はほんとにお世話になりました(ニコニコ饅頭もご馳走さまでした(^_^)。