先日、今度講演するCEDEC関連でメールインタビューしたいと依頼があったので、ざっと答えたものがGameWatchに掲載された。(シリアスゲームジャパンに藤本回答分を抜粋して掲載)
読み返してみると、昨年夏や冬に日本でシリアスゲームの話をした頃よりもだいぶ中身のある話ができるようになったかなという気がする。自分の研究時間のかなりの割合をシリアスゲーム関連に使っているので、1年でだいぶ蓄積ができたという面はあると思う。
シリアスゲームも欧米ではブレイクして情報量が増え、一人ではとてもフォローしきれなくなった。でもまだ同じような立場で研究している人が日本にいない現状なので、もうしばらくは研究資料の整備を続けていく必要がありそうだ。テーマそのものからして面白い研究だし、広くゲーム研究一般をやるよりも焦点が絞れているので、個別の研究課題に切り込みやすいという強みもある。いろんな分野の人にぜひ参入してもらいたいと切に願う日々である。
「Games for Learning」カテゴリーアーカイブ
オンラインゲーム世界探訪記
多人数参加型オンラインゲーム(Massively Multiplayer Onilne Game = MMOG)の世界に飛び込んでもう4ヶ月以上が経った。最初に始めたA Tale in the Desertに加えて、今一番人気のWorld of Warcraftを始めてひと月が経った。コーエーの大航海時代も手をつけたのだが、さすがにMMOG3つを並行してやるのは無理だと悟って、最初の二つに絞った。個人的にやるとしたら一番好きな大航海時代をやりたいのだが、今はそうも言ってられない。それでも多くて時間を食う。そんなに時間がないのでたぶん普通のゲーマーほどにはできてない。ATITDの方は3つくらいしかテストをパスしてないし(全部で50個くらいある)、WoWの方はレベル16(種族:人間、職業:ウォーリアー)である。ギルドにはレベル60の人たちがたくさんいるのだが、どれだけやればレベル60までいけるのか想像もつかない。
ジャパンツアー2005
なんか7月に入って急にうちのサイトへのアクセス数が増えたなと思ったら、どうやら原因はこれらしい。日程順で出てるので仕方ないのだけども、なんかゲーム業界のカンファレンスによそ者が出張って申し訳ないっすという心境。いいセッションやりますので勘弁してください。
今回の日本ツアーは、CEDECでの講演&パネル(8/29、10:00-14:00@明治学院大学)と、教育システム情報学会全国大会での発表&セッション座長(8/26、9:30-11:30@金沢学院大学)をやります。CEDECの方は「シリアスゲーム研究・開発の最新動向」と題した講演と、「ゲーム業界にとってのシリアスゲームの可能性と課題」と題してゲーム開発者の方々とご一緒するパネルセッションです。金沢の方は、「オンラインゲーム世界における学習コミュニティ:eラーニング環境デザインへの示唆」と題して、ここしばらく続けてきたMMOG研究の成果を発表します。どうぞ皆さま、お誘い合わせの上お越しください。
オンラインゲームと学習の接点
MMOG(多人数参加型オンラインゲーム)の研究を始めて数ヶ月がたった。メインの研究の舞台はA Tale in the Desertというプレイヤー数2000人ほどのマイナーなMMOGである。このゲームは戦闘がまったくなくて、プレイヤーは古代エジプトのゲーム世界でひたすら農作業や土木工事や料理や花火作りなど、ひたすら労働をする。人と交わらずにソロでやると、もともと周りに人がいないゲームなので孤独であり、作業量が膨大なので投げ出したくなるのだが、いったんギルドに入れてもらうと、長老や先輩メンバー達が蓄積した資源や設備を使わせてもらえて、ギルドチャットの交流の輪にも入れてもらえるので、モチベーションを持続できて、もうちょっと続けようかという気になってくる。
もともと研究のためにやっていたので、私のキャラクター、Kinjiroを育てるつもりもなくやっていたのだが、ある程度やりこんで世界を理解しないと、集めたデータの意味も深く理解できないことに気づいて、プレイヤーとして参加する時間を増やした。この間は、ギルドメンバーで石の掘り出し(10人とかで分業しないといけない)をやっていたので手伝った。自分の住むエリアで獲れる魚(ティラピアとナマズ)が物々交換所で他の魚よりもずいぶん高く売れるというのに気づいて、魚を売って花火の材料を買い込んだ。ゲームクリアのための試練の一つであるアート制作(下記画像)もやってみた。そうこうしていてある日、ギルドの長老がKinjiroを新入りからアソシエートに格上げしてくれた。最近私から知識をシェアする機会も出てきたりして、それがギルドへの貢献として認められたらしい。チャットで仲間がみな祝福してくれた。なんかちょっとうれしかった。
異常犯罪はゲームのせいでは起きない
この間監禁事件でつかまった男が、監禁もののエロゲーを多数所持していたことがマスコミで取りざたされている。例によって、ゲームをやり過ぎて現実の世界でやってみたくなって犯罪に走った、こいつをおかしくしたのはゲームのせいだ、というような感じで書かれているが、そんなはずはないだろう。ゲームに影響されてほんとに犯罪に手を染めてしまう人は、ゲームをやる前からすでにおかしいのである。ゲームでなくても、ビデオなりドラッグなり、別の形で問題が生じているはずである。ゲームの異常性を指摘する前に、なぜこの男の父親の異常な行動を叩かないのか。高校生に月10万も小遣いをやって放置し、ろくでもない大人に育ったのが明らかなのに、まだ月40万も仕送りし続けるような親が異常でなくて何なのか?
古代エジプトに家を建てる
マルチプレイヤーオンラインゲーム「A Tale in the Desert」の世界のフィールドワークもだいぶ進んできた。もうあと1週間でペーパーをまとめないといけないのだが、データが十分集まってなくて、なかなか分析に入れない。データを集めるには自分のキャラも育てないとわからないことが多いし、プレイヤー向けのWebにある資料を読み込んで、いろいろ手順を理解しないと前に進めない。
ゲームが子どもに与えるよい影響
今日はオンラインゲームのリサーチのインタビューで、ペンステートのオンライン大学、ワールドキャンパスで働くインストラクショナルデザイナーのおばちゃんを訪問。オンラインゲームで遊ぶ息子の様子を取材してきた。すごい面白いインタビューになった。その子はワールドオブウォークラフトという150万ユーザーを誇る超人気MMORPGにはまりまくっている中学生で、最近は何かというとゲームばかりやっているそうだ。
4/8(金) バーチャル釣り
今週に入ってすっかり暖かくなり、今日は晴天、初夏の趣である。スケボー野郎たちが出没しだして、キャンパス内でもビーチバレーしながらバーベキューやっている若者たちの姿が目に付く。こちらはいい気候を楽しむゆとりも移動の時くらいで、大詰めとなった学期末をいかに乗り切るかで頭を悩ます日々である。まあ、毎度のことなのだが、どのプロジェクトもかなりかつかつのスケジュールで、どいつもこいつも最緊急、最重要の顔をして立ちはだかってくる。帰ったらまずこれからやろう、これからやろう、とそれぞれのミーティングが終わったあとに思うのだが、帰って一息つくと、パワーが出ずに、今研究しているオンラインゲームの世界でなんとなく釣りを始めていた。
サテライTVのこと
ちょっと前の話になるが、仕事の合間をぬって、日本で買ってきたプレステのゲームの中で、「サテライTV」というデジタル衛星放送会社経営シミュレーションゲームを試しにプレイしてみた。デジタル衛星放送の会社を経営するという、なんともニッチでマイナーな香りがしてくるこのゲームにはちょっとした思い出がある。
Serious Games Japanウェブ更新
週末を利用して、Serious Games のニューズレター日本語版をアップ。ニュース見出しの訳はなかなか難しい。MLも10人ほどメンバーが集まり、英語版MLでも健闘を称えてもらった。
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S.N.A.G.G.E.D. Issue 1.4 – シリアスゲームズ関連ニュースクリッピングサービス日本語版
May 16, 2004 (日本語訳2004年7月4日)
目次
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エデュケーションアーケード@E3
・ カンファレンスレポート(ウォータークーラーゲームズ)
・ エデュケーションアーケードBlog(by Ben Sawyer)
・ ワイヤードニュース: ゲームで遊んで、生徒がよくなる?
・ エンターテイメントに教育をもぐりこませる
・ 教育的ビデオゲームが学習促進認定シールによって奨励される
ゲームズ・フォー・ヘルス
・ ちょっとしたセラピーのためのゲーム?
・ マクギル大学が自尊心向上のためのゲームをテスト
・ 外科手術ビデオゲーム
・ コンピュータゲームで自閉症に対峙
・ ゲームで栄養について教える
・ 人間の脳をマシンインターフェース化する可能性
アメリカズアーミー@E3
・ 米陸軍はビデオゲームで戦争捕虜の扱いを教育できる
・ クオンタム3DがE3で装着式訓練システムをデモ
・ 米陸軍がビデオゲームでの新兵募集を奨励
その他関連ニュース
・ 子どもたちが学びを大いに楽しめるようにする
・ ビデオゲームスキルが人生の強みとなる
ゲームと書籍紹介
続きはSerious Game Japan Webサイトで読めます。