お引越し~延長戦

 週末はひたすら引越し作業で、契約の切れた前のアパートから今のアパートに移動してきた。帰国までの残りの期間、ステートカレッジ在住の日本人ソフトウェアエンジニアのKさんのアパートをシェアさせていただくことになった。前のアパートの眺めもよかったが、今度も緑の多い景色のよいところで、夕暮れ時にはホタルも飛んでいる。ベッドルームに仕事スペースをセットアップ、ネットにもつながって作業も一段落したので、新居からのブログ初更新。
 以前少し書いたように、博士論文が仕上がるまでの期間、留学は延長戦状態。年初には7月でとにかく帰国のつもりでいろんな段取りを考えていたのだけど、生涯ABD(All But Dissertation、ほかの修了要件を満たしてあとは博士論文だけの身分の人のこと)の回避を優先して、かなり無理やり延長に切り替えた。いろんな依頼を断っては謝ってはの日々が続いているのが悩ましいものの、長い目で見ればこの判断が正しいと信じて論文執筆作業に没頭中(たまにブログの更新頻度が上がってもそれはそれとして。ブログは多分に気分転換なので)。
 というわけで、お待たせしてご迷惑をおかけしている皆さまには心からお詫びしつつ、とにかく集中して作業を進めて帰国しますのでよろしくお願いいたします。

「強いチーム」の抱える大きな問題

 いかに組織を強くするかとか、コミュニティの魅力を高めるかとかいったことは、組織論や経営論などの分野でいつも語られる。何か他者と競争状況があったり、勝ち残らなければいけない環境がある場合には関心を持たれるテーマだ。
 強くなる、というのはその分野やそのチームや組織やコミュニティが抱えている目標によって意味が異なる。営業成績をバリバリあげることだったり、研究費を外部からたくさん取ってきて大きなプロジェクトをこなせることだったり、その分野で日本一になることだったりと、それぞれに手に入れたい強さは異なる。だが、どの分野のチームであっても、共通して強くなればなるほど大きくなる問題がある。

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PC カンファレンス、今年はSFCで開催

 CIEC(コンピュータ利用教育協議会)の全国大会、PCカンファレンスが今年は慶應湘南藤沢キャンパスで開催されます。もう長いこと参加していないですが一応は会員だし、特に今年は母校での開催なので紹介します。ついでに僕がこの大会で最初に発表した頃をちょっと思い出したので昔話も一つ。

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Party like a …

 テレビを見ていたら、「Party like a popstar」というフレーズを聞いた。直訳すれば「ポップスターのようにパーティする」で、意味としては「羽振りよく乱痴気騒ぎをする」とかそういう意味になる。でも、普通はそれを言うなら「Party like a rockstar」じゃないのかな?と思ってちょっと調べてみると、フレーズとしてはやはり「Party like a rockstar」の方が一般的らしい。
 まあどちらでも似たような意味で酒とドラッグとセックスがつきものの馬鹿騒ぎなのだけど、言葉のかもし出すイメージとしてはロックスターの方がよりクレイジーな感じで、ポップスターの方はブリトニー・スピアーズとかパリス・ヒルトンとか、日本で言うと自称セレブタレントみたいなのが出てきて踊ってそうで、クレイジーな感じは同じでもややヘナチョコな感じ。

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産業基盤を支える人材を育てるには

 先週の日経のウェブサイトの新清士さんの連載記事を読んで、いくつか考えさせられた。この新さんの連載では、毎回ゲーム産業の時事的な話題を題材にしつつ、日本のゲーム産業が抱える課題を指摘していて他の分野の人間からも参考になる話が多い。ゲーム産業に関心のある人はもちろん、他の分野の人にもおすすめしたい。
「ベーマガ2.0」が日本のゲーム産業を救う(Nikkei IT+)
http://it.nikkei.co.jp/digital/news/index.aspx?n=MMITew000020062008
 この記事で新さんは、日本のゲーム産業を支える優秀な人材が不足しているのは、アマチュアゲーム開発者が少なくなったことが大きく影響していて、昔は「ベーマガ(マイコンBasicマガジン)」を読みながら自分でプログラムを組んでいたようなアマチュア層がいなくなったが、かたや欧米のゲーム産業はMODコミュニティなどアマチュア開発者の層が厚く、この違いが今日のゲーム産業の状況に現れていると指摘している。

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食事にあわせたワイン選び支援ツール

 シンプルなワイン選びのウェブツール。少し前に海外の誰かのブログで紹介されていたのだけど、どこで見かけたのか忘れた。どこかのワイナリーのウェブサイトのようだが、これ以外にコンテンツはおいてない感じ。
Food & Wine Paring Guide
http://www.winewebcentral.com/winepairing/
 矢印をスライドさせてメインの食材とその味付けを選ぶと、よく合う種類のワインにチェックがつくという簡単なもの。コンテンツが少なくてナビゲーションがややわかりにくいものの、視覚的に情報を整理してコンパクトにしたデザインなのがよい。
 これだけではワイン通の人には物足りないだろうし、情報がざっくりし過ぎかもしれないけど、一般ユーザーにはこれくらいざっくりしている方がでむしろ気楽だし、導入としては十分用を足す。もっと知りたくなれば次のコンテンツがくればよい。これをよりよいデザインにするにはどうすればよいかとか、ここからどんなものを作るとよいかとか考えると結構楽しい。ウェブツールのデザイン練習ネタによいかも。

世界のNintendo DS TVコマーシャル

 テレビを見ていると、任天堂のTVコマーシャルがしょっちゅう流れている。最近はWii Fitのが多い。たまにDSのもやっている。日本でやっていた有名女性タレントがくつろいで楽しそうにプレイする路線をそのまま踏襲している。「I Play For Me」というウェブサイトを設けて、女性向けのマーケティングを行っている。

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ASTDエキスポの話

 ASTDが終わった翌週も、ASTDのエキスポ出展企業から期限を逸した「ドボンDM」が何通か届いた。郵便事情などの不運な影響もあると思うが、気の毒なことにこれらのDMは何の役にも立たない。仮に1通30円くらいしかかからないとしても、安いからいいやという気持ちで場当たり的に送られたDMは、ちょうど狙ったタイミングに届いたとしてもたいした効果はないし、どうせほとんど読まれない。
 今回初めて訪れたASTDのエキスポは、想像以上に規模が大きくて、にぎやかな印象を受けた。広い会場に連なる企業出展ブースでは、いろんなサービスや製品を紹介していた。製品パンフレットやデモを展示しながら、会社のロゴの入ったシャツを来た説明員たちが熱心に話をしていた。

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ASTD国際会議感想(3): おまけの滞在記

 ASTD国際会議の感想の残りは、さらに個人的な滞在記を少しだけ。
 サンディエゴは寒かった。出発前にチェックしたら案外気温が低かったのだが、メキシコ国境近くだし暖かいだろうとたかをくくって実際行ってみると、やはり寒かった。シャツだけだと長袖でも肌寒く、上着を着てちょうどよいくらい。なぜかかなり北に位置するステートカレッジの方がだんぜん暖かいくらいで、サンディエゴから戻ってみると30度を超える暑さになっていた。屋内については、米国どこでも共通だが、夏はどこに行っても冷房が効きすぎていて寒い。やせ型の東洋人ではなくて、お肉の厚い人々を標準にしているので、半袖ではとてもいられない。ASTDの会場でも同じ。周りの人たちはTシャツだけとかでやたら薄着だが、とても真似できない。長袖にするか羽織るものが必須。

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ASTD国際会議の感想(2): 基調講演の話

 ASTD国際会議の感想の続きで、基調講演について。
 一つ目の基調講演は、ASTD会長のスピーチに続いて、「Tipping Point (邦題:急に売れ始めるにはワケがある)」、「Blink (邦題: 第1感 「最初の2秒」の「なんとなく」が正しい)」の著者のマルコム・グラッドウェル氏が登場した。

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