年頭のご挨拶 2014

 今年もスロースタートですが、新年あけましておめでとうございます。
 年末年始は仕事から完全に離れて、実家で家族とゆっくり過ごして充電してました。中途半端に休むと疲れが出るようで(あるいは単に飲み疲れか)、東京に戻ってからも休養優先でおとなしく過ごしていました。
 昨年は前厄の年でしたが、特に不運な事故なく、大病もせず健康に仕事に励むことができてよかったです。
 一番大きな出来事は、東京大学のコーセラ参加、MOOCの新規立ち上げがどうにか無事に完了したことでした。大学教育の大きな変化の契機に立ち会えて、その動きに貢献できたのはとてもありがたいことでした。2月に準備でコーセラを訪問し、また4月に参加大学が一同に集まるパートナーカンファレンスに参加した際に、世界の大学の活発な動きや、それを設立されたばかりのベンチャー企業が起こしている状況を目の当たりにして、その動きの激しさに圧倒されるばかりでしたが、得難い経験でした。
 MOOCの今後については、国内外でいろいろと議論されていますが、現在のスタイルでそのまま拡大して定着するということはないと思います。前にも述べましたが、今提供されているものは完成形ではありませんし、今見えているものだけでその価値を評価すると行く先を見誤ると思います。今の盛り上がりがクールダウンして、体力のないところや意欲を失ったところから淘汰され、形を変えつつも、公開型オンライン教育サービスという手法自体は社会に定着することになるでしょう。その時には現在のように意欲の高い学習者しか続かないサービスではなく、学習支援方法や利用される技術も今とは異なるものが提供されていると思います。ゲーム学習、ゲーミフィケーション的な手法もその中で貢献できるところがあるはずです。
 さて、昨年は職場も変わって、業務内容や仕事に関わる立場も変化して、変化に対応しながら合間を縫って、研究者としての活動に残りの体力を全投入して過ごした一年でした(一年分の勤勉さを前半で使い果たして、後半はかなり出涸らし状態でした)。ゲーム学習の研究拠点を創ることを目指し、Ludix Labを立ち上げて活動を開始しました。フェローや研究会にお招きした講師の方々とのコラボレーションの機会を得て、学会や周辺の活動で一緒に活動できる仲間も増えてきました。手応えは感じていますので、今年もさらに研究拠点としての受け皿を拡げていきたいと思います。
 40代に入り、だんだんと頑張れなくなる自分とどうつき合っていくかが課題に思えてきました。何かを我慢して続ける気力や、とにかく無理やり前に進める馬力のような力が落ちてきている分、別の力で補わなければ良い仕事を続けていくことができない気がしています。それに今の自分の力量では、50代になっても研究者として活躍できているイメージがわかないので、40代前半のうちにもう一段階、自分の頼みとするスキルを磨いておこうと思います。学びたいことも研究として進めたいこともたくさんありますが、何をしようか考えるにつけ、実は手持ちの時間は案外多くないことを思い知らされます。
 今年も変化ある一年になりそうですし、仕事を詰め込み過ぎずに、大事なことにリソース投入できるように、なるべく身体を空けて地道にインプットとアウトプットを進める方向で身を処していこうと思います。
 それでは皆さま、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

40歳になりました

 誕生日を迎えた瞬間は、職場からの帰り道の最寄り駅辺りを歩いてました。去年のおみくじで出た「一心に仕事に励みなさい」という教え通りに、一心に仕事に励んできた今年の状況をよく表している場所で誕生日を迎えた感じです。
 三十代最後の1年は、おかげさまで面白い仕事がたくさんできて、一年前の自分よりちょっとはましな人間になっているかなという気はします。今年も同じように仕事中心で過ごすだろうと思います。仕事とひと言で言っても、勤務先の業務と研究の両面がありまして、今の自分としての課題は、業務のパフォーマンスを最大限あげつつ、研究活動のパフォーマンスも最大化するペースを作っていくことです。研究者というのはライフ=研究なところがあり、業務と研究のペースを作ることがある種のワークライフバランスへのケアのようなものだと思います。
 その点、最近バランスが崩れ気味なところはありますが、優先順位順にどんどん仕事をこなしていきつつ、自分の研究の時間を隙間にねじ込んでいく感じでペースができてしまってます。そうすると通常の趣味的な活動にはあまり手が回らず、酒飲んでテレビ見て過ごすくらいの元気しか残らないのは悩ましいですが、自分の人生に欲張ってあれこれ詰め込まずに生きるのも一つのバランスの取り方かなと思います。
 新しい職場で働き始めてひと月ほどが経ちましたが、思えば、新卒の頃からこれまで関わった仕事は、新規事業や短期のプロジェクトが多かったので、定常的な業務がまわっている部署でスタッフの業務管理をするような立場で仕事するのは新鮮な感じです。新鮮さと面白さに没頭しているうちに日々が過ぎていく感じです。
 四十にして惑わず、と言いますが、たしかに以前よりもベースはあまり惑わずにいるような感じではあります。これまでの経験で対応できることが増えたというか。でも、疲れて雑念が入ったり、予期せぬ苦難に直面すれば、普通に疲れて惑ってます。そういう自分がどこまで不惑なのかわかりませんが、少なくとも30代の日々よりは生き易く、毎日を心穏やかに過ごしている感じはあります。
 そんなことを考えつつの四十代初日ではありますが、さらにまた次の展開を楽しみにしつつ、今日も明日も仕事に励みたいと思います。変わらずこれからもよろしくお願いいたします。

2013年の活動に向けて

 皆様、新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 今年の方針として、個々のプロジェクトや活動については確実に成果にしていきつつ、もう一方では、これまで意識できてなかったことを意識することに気を配りたいと思います。
 昨年も成果を出すことは意識していましたが、自分の力不足でアウトプットの形にできてないことが残る傾向がありました。足りない力を補うには、継続して学習しながら壁を乗り越えていく必要がありますし、そのために時間を取らないと、自分の手持ちのスキルだけで対応できることしかアウトプットできない状況に陥ります。なので昨年以上に、限られた時間を大事に使えるように自分の基準を持ちたいと思います。
 個人的な学習課題として、最近、文章を書くスピード全般が落ちているのを感じるので、ライティングスキルを再点検することと、英語でのコミュニケーションでボトルネックになっているところを改善していこうと思います。新しいアプリやツール類を利用する時間自体が減っているので、実験的にいろいろと試す時間の優先度をあげようと思います。
 自分の苦手なことや弱いところの補強には思った以上に時間がかかるので、その時間をしっかり確保する、そのためには今の仕事の仕方をかなり見直さないといけないと考えています。業務上必要なことや役割的に外せないことは昨年以上に効率重視で対応し、自由に使える時間を増やす、自分でなくてもよい仕事は極力減らす。その一方で、一考して是非の判断がつかない新しい仕事はまず踏み込んでみること、すぐに結果がでなくても大事だと思うことは続けることを判断基準として持ちたいと思います。
 今年は仕事的にいくつか変化がありそうですが、それは長期的には前向きで必要な変化だと思います。楽しいことばかりではないですが、結果として今よりも状況がよくなり、また1年後には今よりも面白いことが見えるようになっていて、今は考えきれないことをもう一歩踏み込んで考え、実行できるようになっているだろうと思います。昨年よりもまだまだ仕事の精度を高められると思うので、今年も健康に留意しつつ、日々の仕事に励みたいと思います。
 当ブログはもう10年くらい続けていることになりますが、ペースはその時々で波がありつつ、細々と続けてきました。これからもその時々のモチベーションに応じて、不定期更新で続けていきたいと思いますので、引き続きよろしくお願いいたします。

2012年の活動の振り返り

 年末休みに入り、実家に帰省して、温泉につかりつつ1年の振り返りをしています。といっても、頭が休みたがっているのか、あまり生産的なことを考えようとしない感じなので、ひとまずはいつものように今年の業績リストを整理するという作業に付随させて1年を振り返っているところです。
 大学に所属する研究者という職業柄、年度の区切りには所属組織への報告や、何かの申請のための書類を書くたびに最新の業績リストが必要になるので、こういうものは定期的に整理をしておく必要のある性質のものです。税金の確定申告のための伝票整理を普段からしておいた方がよいとわかっていてもなかなかやれないのとちょっと似ていて、自分で区切りを付けてやっておかないとたまって面倒です。僕の場合は、年中に必要がでたときにちょこちょこアップデートした分を年末に一度整理しなおして、報告事項の重なる年度末に差分をアップデートするというペースが定着してきました。
 そんなわけで、2012年は以下のような活動をしてきました。クローズなものや自分で管理してないものを含めればもっとありますが、だいたいこんなところです。ひと通り区切りのついたもの、仕込みだけやって発表してないものや論文に仕切れてないもの、着手だけしたけど手が回らず進んでない仕掛品もいくつもあります。あと、どんなにがんばっても非公開な論文の査読もあります。カウントしてませんが、今年はなんだか査読に時間を取られることが多かった気がします。休みのたびに査読して報告を書いていたような。それに査読もそうですが、あちこちの学会絡みのボランティア活動がだいぶ増えて、来年はさらに増えそうな気配なのがよからぬ傾向です。自分で基準を作って判断しないと、仕事というのはどんどん入り込んでくるし、同じパターンでは対応できないことが増えてくるので、新たな仕事への望ましい対処の仕方を模索する日々が続きます。
 大分県の別府にある実家では、餅をついて、カレンダーを替えてと年末な感じで過ごしています。今朝はずいぶん寒く、軽く雪が舞っていました。来年はどんな1年になるでしょうか。皆さまもよいお年をお迎えください。

★論文(査読無)
藤本徹 (2012) サービスとしてのゲーム. 情報の科学と技術, 62(12), 502-507.
★国際学会発表(査読有)
Yamauchi, Y., Fujimoto, T., Takahashi, K., Araki, J., Otuji, Y., and Suzuki, H. (2012.10) Impact of Using Facebook as a Social Learning Platform to Connect High School Students with Working Adults. Proceedings of E-Learn 2012. Montreal, Canada. (Outstanding Paper Award 受賞)
Fujimoto, T., Misono, T., Takahashi, K., Otuji, Y., Suzuki, H., and Yamauchi, Y. (2012.10) Designing a Game-based Social Application for Mathematics Education. Proceedings of Meaningful Play 2012. East Lancing, MI, USA.
★国内学会発表
藤本徹, 山田 政寛 (2012.9) ゲームを利用した学習の効果とその評価方法に関する検討, 日本教育工学会第28回全国大会(長崎大学)講演論文集. 2012年9月17日
高橋 薫, 荒木淳子, 藤本徹, 野口雅乃, 鈴木 久, 大辻雄介, 山内祐平 (2012.11) Facebookを活用したキャリア教育支援プロジェクトを通しての高校生のキャリア観の変容. 日本教育心理学会第54回総会発表論文集, 琉球大学.
山内祐平, 高橋薫, 藤本徹, 荒木淳子, 大辻雄介, 鈴木 久 (2012.9) Facebookを利用したキャリア学習環境. 日本教育工学会第28回全国大会(長崎大学)講演論文集, 2012年9月15日
高橋 薫, 藤本 徹, 野口 雅乃, 鈴木 久, 大辻 雄介, 山内 祐平 (2012.9) Facebookグループを活用した高校生小論文作成コミュニティの実践. 日本教育工学会第28回全国大会(長崎大学)講演論文集, 2012年9月17日
北村士朗, 藤本徹, 妹尾堅一郎 (2012.8) 知財人財育成のための講師養成手法の開発と実践. PCカンファレンス2012論文集, 341-344, 京都大学.
高橋薫, 藤本徹, 野口雅乃, 大辻雄介, 鈴木久, 山内祐平 (2012.3) Facebookを活用した高校生のキャリア教育支援の試み-「移動する子ども」であるベトナム人高校生は自らの学びをどのように捉えていたか―. LICCB2012予稿集.
藤本徹, 御園真史, 高橋薫, 大辻雄介, 鈴木久, 山内祐平, (2012.3) 数学教育のためのゲーム型学習Facebookアプリケーションの開発. ゲーム学会「ゲームと教育」研究部会第5回研究会, 香川大学. 2012年3月9日
藤本徹 (2012.2) 大学教育における「クエスト型授業」の開発と実践, 日本デジタルゲーム学会2011年次大会, 立命館大学, 2012年2月25日
★講演:
藤本徹 (2012.9) ゲーミフィケーションの捉え方, TGSフォーラム2012ゲーミフィケーションセッション, 2012年9月21日, 幕張メッセ.
藤本徹 (2012.8) 海外の健康福祉分野におけるゲーム利用研究の動向, 第26回wellbeing研究会「ゲームを実生活で活かす~シリアスゲームの健康福祉分野での応用~」, 2012年8月30日, セミナー仙台フィンランド健康福祉センター研究開発館.
藤本徹 (2012.5) ゲーミフィケーションの姿をこうつかめ, 日経BP社主催「最前線ゼロから学ぶゲーミフィケーション最新活用セミナー」, 2012年5月30日, JA共催ビルカンファレンスホール.
藤本徹 (2012.3) 学校はゲームから何を学べるか, CIEC北海道支部第5回研究会, 2012年3月30日
★パネリスト登壇:
「教育イノベーションとしてのゲーム:新しい教育哲学から実践までを考える」PCカンファレンス2012, 2012年8月4日, 京都大学.
「ゲーム研究的な視点から見たゲーミフィケーション」ゲーミフィケーションカンファレンス2012, 2012年6月28日, ヤフーセミナールーム.
「シリアスゲームがひらく新しい未来」九州大学シリアスゲームプロジェクトシンポジウム、アクロス福岡、2012年3月2日
「ゲーミフィケーションとは何か」日本デジタルゲーム学会2011年次大会特別公開シンポジウム, 立命館大学, 2012年2月25日
★インタビュー記事:
MSC Infinite no.23:シリアスゲームのインパクト
http://www.msc-net.co.jp/infinite/23.html
MSC Infinite no.24:シリアスゲームと人材開発
http://www.msc-net.co.jp/infinite/24.html
★主催ワークショップ:
「モバイルゲーム型学習ソフトを利用した授業体験と利用方法検討ワークショップ」PCカンファレンス2012, 2012年8月4日, 京都大学.
「次世代専門人材養成プログラムのデザイン」日本教育工学会第28回全国大会, 2012年9月16日, 長崎大学.
「優れたデザインが生み出すデジタルゲームの楽しさ」, CLGセミナー, 東京大学, 2012年3月15日.
★受賞
日本教育工学会2012年度研究奨励賞受賞
★研究助成(研究代表者として採択されたもの):
「ソーシャルメディアを利用した思考図解化支援ツールの開発」日本学術振興会 科学技術研究費補助金(若手研究(B))(研究代表者、2012.4-2014.3, 研究課題番号24700886, 4,420千円)
「ゲームプレイヤーのスキル熟達化と社会生活への転移に至る促進要因モデルの構築」中山隼雄科学技術文化財団 研究開発助成, 平成23年度 (500千円)
「教育のゲーミフィケーションの理論枠組とモデルカリキュラムの開発」科学技術融合振興財団 研究助成事業, 平成23年度 (300千円)
★社会活動
コンピュータ利用教育学会(CIEC) 理事 (2012年8月~現在)
特定非営利活動法人 Educe Technologies 理事(2012年6月~現在)
日本デジタルゲーム学会2012年次大会実行委員
PCカンファレンス2013 大会実行委員

39歳になりました

 今日が誕生日でした。体組成計に乗ったら39歳に表示が変わってました。Facebookなどでたくさんのメッセージをいただき、ありがとうございました。
 なんだか、自分が若い頃には、30代後半やそれより上の人たちに対して、無意識に精神的な距離を感じるものでした。自分がそう感じたことを振り返れば、若い子たちから自分がそういう風な距離感を持たれていても不思議はなくて、そういうものなのだろうと思います。まだわかりませんが、多分40代でも50代になっても同じようなものなのでしょう。自分の気は変わらなくても相対的に歳だけ取っていく感じ。それと僕の世代くらいまでな気もしますが、なぜか40歳前後になると、バカボンのパパを基準に歳の取り具合を感じる人も多いと思います。僕もあと2年でバカボンのパパに追いつくのか、と思うと何とも言えない気になる反面、歳を取ること自体は大して悪い気はしないです。毎年書いてる気がしますが、若い時分には人生生き辛く感じたものですが、そういうところは年々軽くなっていくのを感じます。若くて生きる毎日もいろいろと嫌なことや面倒くさいことが伴うものだし、若さを手放しで羨ましく思う気持ちはあまりありません。
 あと、最近思うのですが、ゲームをしている自分の様子を振り返ると、自分の性格や生き方の傾向がよく見えてきます。積極的に勝ちに行かないし一番を取りにいかない。負けないゲームは組めても、いざ勝とうとしても勝つゲームが組み立てられない。利己的に勝ちに行っても勝てない一方で、余計な計算を捨てて目の前のことを必死でやると道が開けたりとか、自由度の高いゲームだと、変なスキル上げとか余計なクエストばかりやってレベルがなかなか上がらないとか。ゲームの仕方に自分の生き方が投影されているのだなと思います。なので、政治家が碁をやったり経営者がゴルフをしたりするのは、そのゲームの前後の飯の時間や交流も含めて、人を見るということでは理にかなっているのだなと思う次第です。今思えば、子どものゲームの仕方にもその子の気質が出ていたと思うので、子どもの様子を見れば、案外その子の将来を考える材料になるかもしれません。
 仕事については、新年のおみくじに「一心に自分の仕事大事と励みなさい」と書いてあったので、それを実践しています。自分が大事だと思う仕事を、大事な仲間と一緒に仕事できる環境で仕事に没頭できるのはありがたいことです。これで怠けるのは罰当たりな気がしますので、力いっぱい仕事に励みたいと思います。40歳を迎えるまでもその次の10年も、存分に仕事できたらそれで十分に幸せだろうと思います。
 というようなことを考えつつ、また一年後にはどういう心持で何を考えているのか楽しみにしつつ、この一年を過ごしたいと思います。

2012年に向けて

 さて、引き続いて2012年の抱負を少し記しておきたいと思います。まず、方向性としては、数年先の何か大きなことに向かう準備をしている段階だという気がしています。お金がないからとか、時間がないからとか、任せる人がいないからとか、今はできない理由のせいにできたとしても、そんな制約がなくなった時に自分は本当に口だけでなくてできる人間なのか、今できなくてもすぐにできると言える気構えがあるか、勝負する時に力になってくれる仲間がどれほどいるか、そういう観点で見ると、自分には足りないところが多すぎる。たとえば、信頼できる人から、予算○億出すから君の構想を形にしてくれ、と言われたとして、OK、すぐやれますよ、と即答できて、実際にきちんと体制を組める研究者でありたいわけで、そのための力量的なベースを今年1年かけて作っていきたいと思います。
 具体的な活動としては、抱えているプロジェクトで確実に成果を出すこと。まずはそれに尽きるので、着実に進めたいと思います。Soclaの「ソーシャルメディアを利用した学習環境の研究」は、プロジェクト学習、基礎学習とも今年度の佳境に入っており、これをやりきること。特に基礎学習の方は、ソーシャルメディア×数学×ゲームで進めているアプリ開発が、プロトタイプの段階でどこまで前進できるかが勝負になっていて、これが最優先課題です。この1年で何らかの成果を出せるのは必須としても、後はどこまで質を上げられるかのチャレンジです。
 次に力を入れたいのが、昨年着手した「クエスト型授業」の研究です。2月の日本デジタルゲーム学会でこの題材で発表しますし、来年度の工芸大「シリアスゲーム論」では今年度実装できなかった要素や上手くいかなかったところを修正してバージョンアップを図ります。こちらも今年度後半には論文にできる程度の知見を確立したいと思います。
 ゲームの教育利用研究については、昨年1本解説論文的なものを書いてこれまでにやったところは総括したので、次はさらに各論のテーマを引き続き掘り下げて、次の論文を形にすることが今年の目標です。このテーマを追求する研究仲間が増えたことが大きく、このすそ野を拡げていきながら、コミュニティの基盤を強化していこうと思います。
 ところで、この正月休みは、ちょうど弟の家族が一緒に帰省していたので、3歳の甥っ子とゆっくり接する機会がありました。面白がって母のiPadで遊ばせたり、YouTubeで彼のお気に入りのゴーカイジャーの映像を見せたりして遊んでました。YouTubeにiPadを自在に操る3歳児の映像がいくつも出ていたりして話題になってますが、まさにそんな光景を目にしました。
 一緒に海岸を歩いていてカモメを見つけると、カモメの話をしながら「新幹線のカモメはこのカモメかー」と誰も言わなくても自分で気づける知性がすでに備わっているのでした。日々著しく認知的発達が進んでいる様子に、教育に関わるものとして感じ入らずにはいられませんでした。お子さんをお持ちの方々からすればとうに経験済みのことだと思いますが、僕はこの時期の子どもとこれほど接したのは初めてだったので、子どもの教育についてこれまでとは違った観点から多くのことを考えさせられました。
 この子たちが大人になる頃には人々を取り巻くメディア環境は随分変化しているだろうし、社会の仕組み自体も今からは想像のつかない形に変わっているかもしれない。そんな未来をこの子たちが生きていくためにに必要な学習機会や学習環境を私たちは提供できているか。できているとは言い難いし、現状追認的な研究や教育を維持しているのでは、いつまでたっても彼らが必要とする教育は提供できない。でもはたして、自分の研究も彼らやその次の世代が必要とする教育に向かっていると言い切れるか。そういうことを考えながら、今よりももっと次世代を見据えて、自分の研究の方向性を定めていきたいと考えました。
 初詣で引いたおみくじには「一心に自分の仕事大事とはげみなさい」とあったので、その気持ちでこの一年やってみたいと思います。どこまでいけるか楽しみになってきました。

2011年の振り返り

 新年明けましておめでとうございます。昨年中もとても多くの方にお世話になりました。心より御礼申し上げます。今年もどうぞよろしくお願いいたします。
 
 毎年年末に振り返り、年明けに指針について書いてきたのですが、今年は今一つ取りとめない感じで、業績整理しながら振り返りつつも書きかけのままに年を越してしまいました。まだ取りとめない感じですが、考えたことをいくつか記しておきたいと思います。
 今年の大きな変化は、東京大学に移ってきて研究環境が大いに好転したことでした。国内ではこれ以上望みようのない環境で仕事をさせてもらっているので、これで成果が出せないならどこに行っても出せない、今仕事せずにいつするか、という気持ちで、心のままに思う存分働くことができた充実の一年でした。
 その一方で、まだ移行期間の仕事が重なって無理や無駄が生じて上手くいかないところもありました。その辺りは自分の力量の足りなさが結果に表れていて、反省することも多かったです。仕事で出すべき成果のハードルがあがったので、その分仕事の選び方や進め方を相当に工夫しました。これまでの人生、押し並べて及第点レベルでかろうじて乗り切ってきたようなところがあって、球速130キロしか出ないピッチャーが投球術で乗り切るような感じで仕事してきたので、肝心なところでは球威不足で今いちだったり、勝負所でもう一つ踏ん張りが効かない、そういう自分の力量を考えさせられることの多い一年でした。
 今までも大したことなかったわけだし、まあ仕方ないよな、と思う反面、今の自分の立ち位置でこのまま仕方ないなとのん気に言ってるペースでやっていては自分の関わる研究分野の停滞につながるので、小手先の工夫では乗り切れない自分の力量的な課題は一つずつクリアしていく必要性を感じています。力量以上のことを自分に期待するときつくなるし、時々気が重くなることもあります。でも、人と違うことをやろうと志す限りは、このつらさは避けられないものと観念することにしました。
 他にもいろいろと思うところはありますが、振り返りで書くことはこれくらいにして、この後はこれからのことを考えてみます。

2011年の活動実績

 CVを更新するために今年の活動実績を整理しつつ、今年の出来事を振り返っていました。今年は特にいろいろなことがあり過ぎて、これも今年だったのかというな変な感覚です。主だった活動は以下のような感じで、このほかに書ききれませんが、クローズドな企業内研修や各種勉強会講師等も数件担当しました。
 研究論文はゼロではないですが、もっとパワフルなものを書けるような研究成果を出し続けることが当面の課題であります。翻訳書は年内に出せて良かったですが、思った以上に随分と時間をとられてしまって他の活動の足を引っ張ったのが反省点でした。来年も引き続き精進していきたいと思います。

共訳書:
ジェイン・マクゴニガル(妹尾堅一郎監修、藤本徹、藤井清美訳)(2011)「幸せな未来は『ゲーム』が創る」, 早川書房
論文(査読付):
藤本徹(2011)効果的なデジタルゲーム利用教育のための考え方, コンピュータ&エデュケーション, 31
藤本徹(印刷中)シリアスゲーム開発を題材としたゲーム開発者教育の導入, デジタルゲーム学研究, 5(2).
国内学会発表(査読付):
藤本徹・山田政寛(2011.9)近年のゲームの教育利用研究の動向と今後の課題, 第27回日本教育工学会全国大会予稿集(課題研究),181-184, 首都大学東京, 2011年9月19日
国内学会発表:
妹尾堅一郎, 藤本徹(2011.8)マイケル・サンデル教授「白熱教室」の授業法 ~講義形式の可能性と限界等を考察する~, PCカンファレンス2011, 熊本大学, 2011年8月7日
講演・パネリスト登壇、主催ワークショップなど:
藤本徹(2011.12)「シリアスゲーム産業の形成と今後の展開」、九州大学シリアスゲームシンポジウム、東京ミッドタウン、2011年12月7日
「シリアスゲームが起こした変化と新たな機会」九州大学シリアスゲームプロジェクトシンポジウム、アクロス福岡、2011年3月15日
(パネリスト登壇)
「シリアスゲームの産業化に向けて」九州大学シリアスゲームセミナー、東京ミッドタウン、2011年12月7日
「Emerging Opportunities of Serious Games Market」Korea Serious Game Festival, Seongnam City Hall, South Korea, 2011年10月7日
「楽しさと学びを融合するシナリオデザイン」、BEATセミナー、東京大学、2011年9月3日
「マイケル・サンデル教授「白熱教室」のスタイルを検討する-講義形式の限界と可能性の再確認-」PCカンファレンス2011セミナー, 熊本大学, 2011年8月8日
「メディア環境と学び その変容と多様化—教育イノベーションの隠れたイシューを俯瞰するー」PCカンファレンス2011シンポジウム, 熊本大学, 2011年8月6日
「シリアスゲームのビジネスモデルを探る」九州大学シリアスゲームプロジェクトシンポジウム、アクロス福岡、2011年3月15日
(主催ワークショップ)
「ゲーム要素を活かした学習ソフト開発の事例研究」, 第27回日本教育工学会全国大会, 首都大学東京, 2011年9月17日.
「ゲームフルな教育をデザインするワークショップ」, 東京大学, 2011年12月16日.
教育経験:
東京工芸大学芸術学部ゲーム学科「シリアスゲーム論」非常勤講師
慶應義塾大学環境情報学部「環境情報学部の創造」非常勤講師
IPBA 知財ビジネスアカデミー(日本弁理士会主催)「知財関連の研修・授業の講師育成講座(基礎)【ワークショップ】<知財マネジメント編>」副担当講師

38歳になりました

今日で38歳になりました。
今年は新しい職場に移って自分を取り巻く状況が大きく変わりましたが、昨年と比べて今年ずいぶん変わったと感じることは、多くの人とつながった感じがすることと、自分がこれまで学んできた知識が役に立っているのを感じることです。研究を主として仲間と力いっぱい仕事できて、同じ分野で研究を進めようとしている人たちに自分の知識を提供できることで、毎日充実感を感じています。
いろいろなことが始まったばかりで、まだゆっくり振り返るタイミングでもない感じですが、とにかく今は走り続けて、よい成果を出すべくさらに力を入れて仕事に励んでいこうと思います。
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別府と宇治の実家から届いた差し入れ

新しい職場で活動開始

 本日4月1日付で、東京大学大学院情報学環特任助教に着任して活動開始しました。
 BEAT(ベネッセ先端教育技術学講座)所属で、ソーシャルメディアなどのテクノロジーを利用した学習環境デザイン研究プロジェクトを担当します。シリアスゲーム、ゲームの教育利用についても、ようやく国内で腰を据えて研究できる環境で仕事ができるので、これまで以上に力強く進めていきます。
 昨年度の所属先のNPO法人産学連携推進機構の方でも、引き続き客員研究員としてお世話になります。東京工芸大学芸術学部ゲーム学科と慶應義塾大学環境情報学部で非常勤で担当していました授業につきましても、今年度も引き続き担当いたします。
 新しい環境というのはいろいろと覚えたり慣れたりする必要のあることが多くて、情報量に圧倒された感じで初日を過ごしました。大きな組織に所属して働くのは初めてなので、申請書類を提出するようなちょっとしたことも新鮮な経験であります。民間企業とも違うし、米国の大学とももちろん違うし、国内でも私立大学とも違う組織のカルチャーがあって、ルールや慣習に馴染むまでしばらくかかりそうですが、楽しくやっていこうと思います。
 これまで以上に研究に励んで、よい成果を出せるようがんばります。
 これからもよろしくお願いいたします。