2012年の活動の振り返り

 年末休みに入り、実家に帰省して、温泉につかりつつ1年の振り返りをしています。といっても、頭が休みたがっているのか、あまり生産的なことを考えようとしない感じなので、ひとまずはいつものように今年の業績リストを整理するという作業に付随させて1年を振り返っているところです。
 大学に所属する研究者という職業柄、年度の区切りには所属組織への報告や、何かの申請のための書類を書くたびに最新の業績リストが必要になるので、こういうものは定期的に整理をしておく必要のある性質のものです。税金の確定申告のための伝票整理を普段からしておいた方がよいとわかっていてもなかなかやれないのとちょっと似ていて、自分で区切りを付けてやっておかないとたまって面倒です。僕の場合は、年中に必要がでたときにちょこちょこアップデートした分を年末に一度整理しなおして、報告事項の重なる年度末に差分をアップデートするというペースが定着してきました。
 そんなわけで、2012年は以下のような活動をしてきました。クローズなものや自分で管理してないものを含めればもっとありますが、だいたいこんなところです。ひと通り区切りのついたもの、仕込みだけやって発表してないものや論文に仕切れてないもの、着手だけしたけど手が回らず進んでない仕掛品もいくつもあります。あと、どんなにがんばっても非公開な論文の査読もあります。カウントしてませんが、今年はなんだか査読に時間を取られることが多かった気がします。休みのたびに査読して報告を書いていたような。それに査読もそうですが、あちこちの学会絡みのボランティア活動がだいぶ増えて、来年はさらに増えそうな気配なのがよからぬ傾向です。自分で基準を作って判断しないと、仕事というのはどんどん入り込んでくるし、同じパターンでは対応できないことが増えてくるので、新たな仕事への望ましい対処の仕方を模索する日々が続きます。
 大分県の別府にある実家では、餅をついて、カレンダーを替えてと年末な感じで過ごしています。今朝はずいぶん寒く、軽く雪が舞っていました。来年はどんな1年になるでしょうか。皆さまもよいお年をお迎えください。

★論文(査読無)
藤本徹 (2012) サービスとしてのゲーム. 情報の科学と技術, 62(12), 502-507.
★国際学会発表(査読有)
Yamauchi, Y., Fujimoto, T., Takahashi, K., Araki, J., Otuji, Y., and Suzuki, H. (2012.10) Impact of Using Facebook as a Social Learning Platform to Connect High School Students with Working Adults. Proceedings of E-Learn 2012. Montreal, Canada. (Outstanding Paper Award 受賞)
Fujimoto, T., Misono, T., Takahashi, K., Otuji, Y., Suzuki, H., and Yamauchi, Y. (2012.10) Designing a Game-based Social Application for Mathematics Education. Proceedings of Meaningful Play 2012. East Lancing, MI, USA.
★国内学会発表
藤本徹, 山田 政寛 (2012.9) ゲームを利用した学習の効果とその評価方法に関する検討, 日本教育工学会第28回全国大会(長崎大学)講演論文集. 2012年9月17日
高橋 薫, 荒木淳子, 藤本徹, 野口雅乃, 鈴木 久, 大辻雄介, 山内祐平 (2012.11) Facebookを活用したキャリア教育支援プロジェクトを通しての高校生のキャリア観の変容. 日本教育心理学会第54回総会発表論文集, 琉球大学.
山内祐平, 高橋薫, 藤本徹, 荒木淳子, 大辻雄介, 鈴木 久 (2012.9) Facebookを利用したキャリア学習環境. 日本教育工学会第28回全国大会(長崎大学)講演論文集, 2012年9月15日
高橋 薫, 藤本 徹, 野口 雅乃, 鈴木 久, 大辻 雄介, 山内 祐平 (2012.9) Facebookグループを活用した高校生小論文作成コミュニティの実践. 日本教育工学会第28回全国大会(長崎大学)講演論文集, 2012年9月17日
北村士朗, 藤本徹, 妹尾堅一郎 (2012.8) 知財人財育成のための講師養成手法の開発と実践. PCカンファレンス2012論文集, 341-344, 京都大学.
高橋薫, 藤本徹, 野口雅乃, 大辻雄介, 鈴木久, 山内祐平 (2012.3) Facebookを活用した高校生のキャリア教育支援の試み-「移動する子ども」であるベトナム人高校生は自らの学びをどのように捉えていたか―. LICCB2012予稿集.
藤本徹, 御園真史, 高橋薫, 大辻雄介, 鈴木久, 山内祐平, (2012.3) 数学教育のためのゲーム型学習Facebookアプリケーションの開発. ゲーム学会「ゲームと教育」研究部会第5回研究会, 香川大学. 2012年3月9日
藤本徹 (2012.2) 大学教育における「クエスト型授業」の開発と実践, 日本デジタルゲーム学会2011年次大会, 立命館大学, 2012年2月25日
★講演:
藤本徹 (2012.9) ゲーミフィケーションの捉え方, TGSフォーラム2012ゲーミフィケーションセッション, 2012年9月21日, 幕張メッセ.
藤本徹 (2012.8) 海外の健康福祉分野におけるゲーム利用研究の動向, 第26回wellbeing研究会「ゲームを実生活で活かす~シリアスゲームの健康福祉分野での応用~」, 2012年8月30日, セミナー仙台フィンランド健康福祉センター研究開発館.
藤本徹 (2012.5) ゲーミフィケーションの姿をこうつかめ, 日経BP社主催「最前線ゼロから学ぶゲーミフィケーション最新活用セミナー」, 2012年5月30日, JA共催ビルカンファレンスホール.
藤本徹 (2012.3) 学校はゲームから何を学べるか, CIEC北海道支部第5回研究会, 2012年3月30日
★パネリスト登壇:
「教育イノベーションとしてのゲーム:新しい教育哲学から実践までを考える」PCカンファレンス2012, 2012年8月4日, 京都大学.
「ゲーム研究的な視点から見たゲーミフィケーション」ゲーミフィケーションカンファレンス2012, 2012年6月28日, ヤフーセミナールーム.
「シリアスゲームがひらく新しい未来」九州大学シリアスゲームプロジェクトシンポジウム、アクロス福岡、2012年3月2日
「ゲーミフィケーションとは何か」日本デジタルゲーム学会2011年次大会特別公開シンポジウム, 立命館大学, 2012年2月25日
★インタビュー記事:
MSC Infinite no.23:シリアスゲームのインパクト
http://www.msc-net.co.jp/infinite/23.html
MSC Infinite no.24:シリアスゲームと人材開発
http://www.msc-net.co.jp/infinite/24.html
★主催ワークショップ:
「モバイルゲーム型学習ソフトを利用した授業体験と利用方法検討ワークショップ」PCカンファレンス2012, 2012年8月4日, 京都大学.
「次世代専門人材養成プログラムのデザイン」日本教育工学会第28回全国大会, 2012年9月16日, 長崎大学.
「優れたデザインが生み出すデジタルゲームの楽しさ」, CLGセミナー, 東京大学, 2012年3月15日.
★受賞
日本教育工学会2012年度研究奨励賞受賞
★研究助成(研究代表者として採択されたもの):
「ソーシャルメディアを利用した思考図解化支援ツールの開発」日本学術振興会 科学技術研究費補助金(若手研究(B))(研究代表者、2012.4-2014.3, 研究課題番号24700886, 4,420千円)
「ゲームプレイヤーのスキル熟達化と社会生活への転移に至る促進要因モデルの構築」中山隼雄科学技術文化財団 研究開発助成, 平成23年度 (500千円)
「教育のゲーミフィケーションの理論枠組とモデルカリキュラムの開発」科学技術融合振興財団 研究助成事業, 平成23年度 (300千円)
★社会活動
コンピュータ利用教育学会(CIEC) 理事 (2012年8月~現在)
特定非営利活動法人 Educe Technologies 理事(2012年6月~現在)
日本デジタルゲーム学会2012年次大会実行委員
PCカンファレンス2013 大会実行委員