11月・12月の主催イベントのお知らせ

今月、来月に開催するイベントの告知が出揃いましたので、まとめてお知らせします。東京大学駒場キャンパスで開催する「メディア創造ワークショップ」特別公開セッション2本、本郷キャンパスで開催するLudix Lab公開研究会2本の計4本を企画しました。
一つ目は既にお知らせ済みですが、12日に駒場キャンパスで山本貴光さんをお迎えしての特別公開セッションです。開催間近で定員はほぼ埋まりましたが、まだ少しお席ございます。

メディア創造ワークショップ・特別公開セッション
「社会のモンダイを遊びに変えるゲームデザインの考え方」
日時: 2013年11月12日(火)18時30分~20時15分
会場: 東京大学駒場キャンパス21KOMCEEレクチャーホール(B1F)
講師: 山本貴光 氏(ゲーム作家)
参加費: 無料
定員: 100名
主催: 東京大学 大学総合教育研究センター 教育課程・方法開発部門
参加申込等詳細:
http://www.todainavi.jp/?p=4710

二つ目も先日からお知らせしておりますが、駒場キャンパスで11月26日開催の、デジタルゲームの開発技術を教育や社会的活動に応用する取り組みについて議論するセッションです。

メディア創造ワークショップ・特別公開セッション
「社会問題に対応したデジタルゲーム開発の技術」
(セッション1) Unity の開発環境が生み出す可能性
講師:
伊藤 周(いとう まこと)氏(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 エバンジェリスト)
(セッション2) Unityを用いた教育コンテンツ開発事例
講師:
清水 宏一(しみず ひろかず)氏(株式会社キャドセンター 取締役社長)
曽我 光厳(そが みつよし)氏(株式会社キャドセンター インタラクティブコミュニケーショングループ)
日時: 2013年11月26日(火)18時30分~20時15分
会場: 東京大学駒場キャンパス21KOMCEEレクチャーホール(B1F)
参加費: 無料
定員: 100名
主催: 東京大学 大学総合教育研究センター 教育課程・方法開発部門
参加申込等詳細:
http://www.todainavi.jp/?p=4796

3つ目は、Ludix Labの公開研究会として企画しました。翻訳者の山本貴光さんに「ルールズ・オブ・プレイ」を使い倒してデザインスキルを高めようという趣旨のセッションです。

Ludix Lab公開研究会:
「意味ある遊び」を生み出すルールとデザイン
-『ルールズ・オブ・プレイ』で学ぶデザインの発想と方法-
ゲスト: 山本 貴光 氏(『ルールズ・オブ・プレイ』翻訳者、ゲーム作家)
日時:2013年11月29日(金)19時00分~20時40分
(18時半開場で簡単なお食事をご用意しています。)
会場: 東京大学本郷キャンパス福武ラーニングスタジオ1・2(B2F)
参加費:
一般:前売2500円、当日3000円
学生:前売1600円、当日2000円
定員: 40名(定員に達し次第締切)
主催: Ludix Lab (NPO法人Educe Technologies)
参加申込等詳細:
http://ptix.co/17OkQaK

4つ目は12月6日、立命館大学のサイトウアキヒロ先生をゲストに、先ごろ上梓された「ビジネスを変えるゲームニクス」(日経BP)でも論じられている「ゲームニクスがビジネスを変える力」について議論します。

Ludix Lab公開研究会: ゲームニクスが変えるビジネスで、日本は世界トップに立てる
ゲスト: サイトウ アキヒロ 氏(立命館大学映像学部教授)
日時:2013年12月6日(金)19時00分~20時45分
(18時半開場で簡単なお食事をご用意しています。)
会場: 東京大学本郷キャンパス福武ラーニングスタジオ1・2(B2F)
参加費:
一般:前売4500円、当日5000円
学生:前売2500円、当日3000円
定員: 40名(定員に達し次第締切)
主催: Ludix Lab (NPO法人Educe Technologies)
参加申込等詳細:
http://ptix.co/1dccFVY

Ludix Labの公開研究会二つは有料となりますが、このテーマに関心のある方にはお得感のある機会になると思います。軽いお食事も用意してお待ちしてますので、ゲームの教育利用、シリアスゲームやゲーミフィケーションに関心のある仲間との交流の機会も兼ねてぜひお越しください。

メディア創造ワークショップ特別公開セッション「社会問題に対応したデジタルゲーム開発の技術」(11/26)開催のお知らせ

 先日ご案内しました11月12日の「社会のモンダイを遊びに変えるゲームデザインの考え方」に続き、11月26日に開催するメディア創造ワークショップ特別公開セッション第2回のお知らせです。
 会場は同じく駒場キャンパスの21KOMCEEです。
 ゲーム開発エンジン「Unity」を活用したシリアスゲーム開発の入門編的なセッションです。このテーマにご関心のある方はどうぞご参加ください。

メディア創造ワークショップ・特別公開セッション
「社会問題に対応したデジタルゲーム開発の技術」
趣旨:
近年、ゲームエンジンなどのデジタルゲーム開発のために開発された技術が、娯楽以外の社会的な用途のゲームやシミュレーション(シリアスゲーム)の開発に利用される事例が増えており、ゲーム産業と社会をつなぐ新たな可能性を示しています。中でも近年ゲームエンジン「Unity」が採用される例が多くなり、教育や医療、さまざまな社会活動のためのデジタルゲーム開発にも貢献しています。この公開セッションでは、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの伊藤周氏をお招きして、Unityが提供する開発環境の概要と、教育用ゲームや訓練用シミュレータの開発事例やヘッドマウントディスプレイ等の技術との組み合わせによる新たな経験を生み出す可能性について解説していただきます。
本セッションは、東京大学駒場キャンパスで開講中の「メディア創造ワークショップ」の特別公開セッション第2回です。
学外の方の参加も歓迎いたしますのでどうぞご参加ください。
(セッション1) Unity の開発環境が生み出す可能性
講師: 伊藤 周(いとう まこと)氏(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 エバンジェリスト)
(プロフィール)
株式会社セガでアーケードゲーム「頭文字D」「ガンダムカードビルダー」やモバイルゲーム「三国志コンクエスト」を開発。その後Unity Technologies Japan合同会社に転職し、Unityエバンジェリストとして今に至る。個人(@warapuri)としてもOculus Rift用ゲーム「Titan」を開発。短時間でゲーム開発を競うWEG:ゲームクエスト市川チャレンジの初代優勝者。
(セッション2) Unityを用いた教育コンテンツ開発事例
講師:
清水 宏一(しみず ひろかず)氏(株式会社キャドセンター 取締役社長)
曽我 光厳(そが みつよし)氏(株式会社キャドセンター インタラクティブコミュニケーショングループ)
日時: 2013年11月26日(火)18時30分~20時15分
会場: 東京大学駒場キャンパス21KOMCEEレクチャーホール(B1F)
http://www.komcee.c.u-tokyo.ac.jp/access
参加費: 無料
定員: 100名(学内生を優先しますが、一般からもご参加いただけます)
参加申込方法: 下記の参加申込フォームよりお申し込みください。
http://bit.ly/mcw2013-sp02
主催: 東京大学 大学総合教育研究センター 教育課程・方法開発部門
お問い合わせ:(担当講師:藤本・中原宛)
mcw<at> tree.ep.u-tokyo.ac.jp

IGDA日本オンラインセミナー「欧州教育シリアスゲーム最前線」開催のお知らせ(11/5)

 先週10月30日に「学校をゲームの力で楽しく変えるアイデア創出ワークショップ」を開催しました。参加者の皆さんのこのテーマへの思い入れや熱意のおかげもありとても楽しいワークショップとなりました(ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました)。
 順次告知しておりますが、ここ1か月ほどの間にあと5本の主催・共催イベントを行います。まず明日11月5日(火)18時半より、IGDA日本オンラインセミナー「欧州教育シリアスゲーム最前線」に出演して。先月参加した「ECGBL2013」の報告をUstreamで配信します。
 ECGBL(European Conference on Game-Based Learning)2013はポルトガルで10月3日・4日に開催された教育向けシリアスゲームの国際会議です。このセミナーでは、欧州のシリアスゲーム研究発表が活発に行われたこの会議の模様をご紹介します。
<配信予定日時>
2013年11月5日(火)18:30-20:00(予定)
<配信アドレス>
Ustream http://www.ustream.tv/channel/igda-jp-ustream
<司会進行> 小野憲史(IGDA日本理事長)
<出演> 藤本徹(東京大学、Ludix Lab代表)
*内容は後日USTEAMで録画配信される予定です。なお、機材・回線トラブルなどで予告なく放送を中止・中断する可能性があります。
参照: IGDA日本ウェブサイトでの開催案内
http://www.igda.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1128

メディア創造ワークショップ特別公開セッション「社会のモンダイを遊びに変えるゲームデザインの考え方」開催のお知らせ

 東大駒場キャンパスで開講中の「メディア創造ワークショップ」の一環で、11月12日(火)に特別公開セッションを開催します。どなたでもご参加歓迎ですので、このテーマにご関心のある方、どうぞご参加ください。

メディア創造ワークショップ特別公開セッション
「社会のモンダイを遊びに変えるゲームデザインの考え方」
趣旨:
近年、社会問題の改善のためにゲームの力を活かそうとするシリアスゲームやゲーミフィケーションの取り組みに関心が高まっています。社会問題を題材にして優れたゲームを企画し、デザインしていくには、普段の考え方やモノの見方と異なる切り口で社会問題を捉え直すことが求められます。本公開セッションでは、ゲーム作家の山本貴光氏をお招きして、ゲームデザイナーの問題を捉える枠組みやアイデアの組み立て方など、実例を交えながら解説し、議論して理解を深めます。
本セッションは、東京大学駒場キャンパスで開講中の「メディア創造ワークショップ」の特別公開セッションとして開催します。
学外の方の参加も歓迎いたしますのでどうぞお申し込みください。
講師: 山本貴光 氏(ゲーム作家)
講師プロフィール:
ゲーム作家、文筆家。慶應義塾大学環境情報学部卒業。1994年よりコーエーにてゲーム制作(企画/プログラム)に従事し、2004年からフリーランスとして活動。著書に『心脳問題』、『問題がモンダイなのだ』、『ゲームの教科書』、『デバッグではじめるCプログラミング』『コンピュータのひみつ』など。最新刊はサレン+ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』(訳書)。ゲームの代表作は 『That’sQT』『戦国無双』『三國志VII』他。
日時: 2013年11月12日(火)18時30分~20時15分(18時より開場)
会場: 東京大学駒場キャンパス21KOMCEEレクチャーホール(B1F)
http://www.komcee.c.u-tokyo.ac.jp/access
参加費: 無料
定員: 100名(学内生を優先しますが、一般からも参加歓迎いたします)
参加申込方法: 下記の参加申込フォームよりお申し込みください。
http://bit.ly/mcw2013-sp
主催: 東京大学 大学総合教育研究センター 教育課程・方法開発部門
お問い合わせ:(担当講師:藤本・中原宛)
mcw<at> tree.ep.u-tokyo.ac.jp

「学校をゲームの力で楽しく変えるアイデア創出ワークショップ」開催のお知らせ

 下記のワークショップを開催しますのでお知らせします。「学校あるある」的な学校の残念な不具合をゲームの力で楽しく変えるアイデアをみんなで考えるセッションです。開催日が近いですが、ご都合よろしければどうぞ気軽にご参加ください。

「学校をゲームの力で楽しく変えるアイデア創出ワークショップ」
趣旨:
ゲームの力を社会のために活かす、シリアスゲームやゲーミフィケーションの考え方への関心が教育分野でも高まっていますが、関心ある人が集まって気軽にアイデアを議論できる場はそれほど多くありません。皆さんと学校の中でゲームの要素を必要としている点を一緒に議論する場を増やしていければと考えて今回のセッションを企画しました。
今回は、誰しもが感じている「学校あるある」的な題材で、みんながある種そういうものだと思って諦めて(呆れて)いる学校の不具合や残念な状況に焦点を当て、ゲームデザインの発想で学校での活動をよりよく変えていくためのデザインアイデアを検討します。
現在開発中のアイデア図解アプリを使って、事前に各自でゲーム的な要素を用いて学校生活を楽しくするためのアイデアを考えて、みんなで共有して、議論を深める参加型セッションです(科研費助成を受けて開発中のアプリの評価実験を兼ねて実施します)。教師や生徒・学生の立場に関わらず、学校をもっと楽しい場にしたいと考える方はどうぞご参加ください。
日時: 2013年10月30日(水)19時~20時45分
(受付開始18時30分で、開始前に軽いお食事をご用意してます)
場所: 東京大学本郷キャンパス福武ホールラーニングスタジオ1(B2F)
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access/
ファシリテーター:
藤本 徹(東京大学 大学総合教育研究センター助教)
千葉 順(株式会社HEART QUAKE 代表取締役)
主催:
Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)
募集定員:24名(定員に達し次第締め切ります)
参加費: 無料
参加条件:
以下の参加条件についてご確認ください。
* 開催前日までにお送りする開発中のアイデア図解化ツールへのアクセス、事前事後アンケートへの協力いただけること
* アンケート回答、活動で作成したデータを研究目的で利用することへの承諾
* Facebookを本活動に使用すること(Facebookアプリを利用するため)
* Wifi接続できるノートPC(Google Chromeを利用できれば機種は問いません)を持参できること(ノートPCを当日持参できない方は、事前に自宅等でPC上で作業できること)
参加申込方法:下記のGoogle documentのフォームから申込
http://bit.ly/ludix1030
問い合わせ先:
contact01@ludixlab.jp

MOOCが機会となる人、脅威となる人

 先日、10月11日に「日本オープンオンライン教育推進協議会(JMOOC)」が設立されました。海外の高等教育界に大きな変化をもたらしているMOOC(大規模公開オンライン講座)の動きに対し、国内でも主要大学や大手企業が大規模に連携して、この分野で本格的に活動開始する動きと言えます。
大学のオンライン講座の無料化を目指す「JMOOC」発足–ドコモがシステム開発(CNET Japan)
http://japan.cnet.com/news/business/35038431/
 MOOCに関して、1年前にどういう状況だったかちょっと確認してみたところ、コーセラへの東大の参加検討や今年3月に開催したBEATセミナーでコーセラのダフニー・コーラー教授の講演企画が動き出したのはもう少し後のことで、実は国内での動きがここまで来るのにまだ1年経っていないのでした。
BEAT特別セミナー 変革期を迎えた学習プラットフォーム
講演:ダフニー・コーラー氏(Coursera共同創設者・スタンフォード大学/教授)
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/archives/beat/seminar/052-2.html
 昨年秋頃には、海外の動向に目を向けているわずかな人たちを除き、国内ではほとんど関心を持たれていなかったMOOCでしたが、今年2月22日に東京大学がコーセラで講座配信を開始することがアナウンスされた頃から関心を集め出しました。
東京大学とコーセラ(米国)が大規模公開オンライン講座(MOOC)配信に関する協定を締結
http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_250222_j.html
 今年初めに準備を進めていた段階ではどうなることかと思いましたが、9月から村山斉先生の「ビッグバンからダークエネルギーまで(From the Big Bang to Dark Energy)」を開講し、先日無事に講座配信が終了して、ようやく最初の履修証を修了者に届けられるところまで来ることができました。
 そして明日10月15日からは、藤原帰一先生の「戦争と平和の条件(Conditions of War and Peace)」が開講します。この週末も開講準備に追われていました。世界中の受講者からの反応が楽しみでもあり、最初の試みで不安なところもあり、とにかくも無事に最後まで講座提供ができることが第一です。
Coursera: Conditions of War and Peace
https://www.coursera.org/course/warandpeace
 そして今回のJMOOC協議会の設立となり、すでにMOOCは国内の高等教育界においても主要な関心事となってきた感があります。立場によっていろいろな見方があり、大きな機会として捉えている人もいれば、脅威と感じている人もいると思います。ここまでの動きを見てきて、どういう人にとって機会となり、どういう人にとって脅威となるかという話題を提供したいと思います。
MOOCが機会となる人
1.オリジナルな教育コンテンツを持っている人
 まず、この人にしか教えられない、この人に教わりたい、というキラーコンテンツやニッチなコンテンツを持っている人にとって、MOOCは大きな機会となることでしょう。MOOCの特徴の一つは、Massive Open Online Coursesの名称通り、大規模な受講者数にリーチできるプラットフォームが提供されることです。今までは教室単位で数十人、数百人で提供していた授業を、数万人、さらには十万人規模の受講者に届けることができる機会が生まれます。教室での授業が小規模なライブハウスでのライブだとすれば、MOOCとして提供される授業はスタジアムやドーム球場でのコンサートイベントを提供するようなイメージでしょうか。
 これまでは提供する手段が限られていたために埋もれていたニッチなコンテンツが多くの人に届くことで、新たな価値を生み出す動きも出てくると思います。そのようなコンテンツを持った人には、MOOCの展開が大きな機会となります。たとえば、有名大学や大企業のブランドに頼らずとも、地域ニーズに合ったニッチなコンテンツや、特定テーマにリソースを一点集中して開発した講座で注目を集めて新たなブランド構築を行うような戦略もとりやすくなるでしょう。
2.関連するノウハウや経験のある人
 次に、MOOCのベースとなっている技術は必ずしも新しいものではなく、以前から進んでいるオンライン教育やオープン教育で行われてきたことが土台になっています。そのため、eラーニング講座の提供や映像授業の配信などの経験はかなりの部分で有効で、これまでに類似の取り組みの経験がある人はその経験を活かしてさらにスケールする機会となり得ます。
 JMOOCが当初目指す登録者数を100万人としていますが、放送大学の受講者数が全体でも約8万人、他のeラーニングサービスも数千や数万人規模のところを、一気に数十万人のユーザーにリーチする機会が生まれます。これまでのオンライン教育のノウハウや経験を活かしてさらに大きな仕事ができる機会となるでしょう。JMOOC協議会には放送大学をはじめ、すでに映像授業やeラーニング講座を提供している企業や大学が参画しているのはそうした事情を反映していると思います。
 少々話がずれますが、関連するノウハウやリソースを活かして成功した例として、ニンテンドーDSの「脳トレ」ブームが起きた2000年代中頃のことを思い出しました。当時、多くの企業が学習ゲームや実用ソフト市場に参入しましたが、任天堂や既存のマーケティングチャネルを持っていた大手教育出版社以外で成功できた企業はわずかで、流行に乗って参入した企業のほとんどは成功をつかめませんでした。その中で成功をつかんだのは、DS登場以前からPC市場などで学習ソフトを提供していたノウハウを活かして、いち早くDS版を提供してスタートダッシュできた中小の開発会社でした。
3.教授スキルが抜群に高い人
 MOOCは多くの人にアクセスできる機会を提供する反面、映像コンテンツや遠隔教材で人を引き付ける魅力的な授業を行うのは容易ではなく、高度な教授スキルやノウハウが必要です。工夫のない退屈な授業を単にMOOCに載せても教育効果は上がりません。これまでにもたとえば大学受験予備校の業界では、大手予備校が映像授業を全国の塾や予備校に配信する事業を長年行っていますが、そこでは大教室でも飽きさせない魅力的な授業を行うスキルの高い講師は貴重で、大手同士で講師人材の獲得競争が行われてきました。
 MOOCにおいても映像授業が用いられる点はこれまでのオンライン授業と共通しており、魅力的な授業を行うことのできる講師が活躍する機会はさらに広がります。他の大学や企業が提供する講座と比較されて話題となり、無名だった地方の講師がスター講師となって多くの受講者を集め、講師のタレント化やアイドル化といった現象も今まで以上に起きやすくなるでしょう。
MOOCが脅威となる人
1.一般的な教育コンテンツしか持ってない人
 一方で、MOOCの展開が脅威となるタイプの人もいくつか考えられます。まず、誰でも教えられる代わりの効くコンテンツしか教えられない人には、仕事の口が減るような重大な脅威をもたらしかねません。海外の大学でMOOCに対する反発がみられるのは、この危機感によるところが大きいようです。高等教育界には、肥大化した教育コストを下げるためにMOOCに期待する面も大きいため、この流れの中でコスト削減にMOOCが利用される動きも出てくることが予想されます。その変化に対して今からどう準備していくか、組織としても個人としても問われている面があります。
2.旧来のブランドに守られていた人
 次に、これまでの教育産業の構造やブランドイメージに守られてきたおかげでやってこれた大学や企業にとって、このMOOCの動きが既存市場縮小や市場環境の変化の加速につながり、今までの延長線上でやっていくのはさらに厳しくなるかもしれません。既存の産業構造の中で何となくごまかしてやってこれたものがごまかしが効かなくなっているのは、すでに他の業界では珍しいことではありません。高等教育の世界での変化の動きをMOOCが象徴していて、JMOOCに参加する大学も企業もおそらくそのような危機感を共有していることと思います。
3.変わりたくない人
 対面授業の講師もオンライン教育の講師も、今までのやり方を変えたくない、という人にはMOOCの動きは脅威になるでしょう。MOOCを経由して提供される教育コンテンツを使った反転授業のような教育方法が普及すると、講師は少なくとも個人的なスタンスとしてそれらをどう捉えて、どう関わるか見識を持つことが求められるでしょう。オンライン教育提供者も、すでに一事業者が提供するプラットフォームは立ち行かない状況になっており、プラットフォームとの関わり方を決める必要に迫られます。今起きている変化を見なかったことにして、目を伏せてやり過ごすのが最もハイリスクな状況になっていると捉えた方が生き易くなると思います。
 もちろん、みんながMOOCに参加してコンテンツを提供しなければならないわけではありませんし、そんな状況にはならないと思います。利用する側として付加価値を高める戦略もありますし、他の組織と連携して付加価値の高いコンテンツを開発することもでき、工夫次第で様々な手が打てます。今のMOOCの流れがそのまま普及するかどうかは別としても、オンライン教育がコンテンツ提供の一手段として普及する中で、それに立場や戦略を考えて準備を進める時期に来ていると捉えた方がよいでしょう。
 なお、MOOCに関する基本的な情報や東京大学の取り組みについてだいぶ端折って書きましたので、わかりにくいところは少し前に書いた「大学教育と情報」の拙稿もご参照ください。
「世界的な大規模公開オンライン講座(MOOC)の動向と東京大学の取り組み」大学教育と情報, 2013, No.1
http://www.juce.jp/LINK/journal/1303/02_02.html

日本教育工学会全国大会での発表予定

 直前の告知になってしまいましたが、秋田大学で開催される日本教育工学会の全国大会で発表してきますのでお知らせです。最終日の午前に、昨年度開発した数学学習ゲームプラットフォームの発表と、その後午後に「ゲーム型学習の導入と実践の評価」と題した課題研究セッションのモデレーターを担当してきます。
 セッション概要は以下の通りです。ご参加される皆さま、秋田でお会いしましょう。
学習コンテンツ開発・評価(2)
9月23日(月) 9:00 ~ 10:40 会場:1-305
座長: 菅原 遼介 (岩手県立大学) , 藤本 徹 (東京大学)
https://www.jset.gr.jp/taikai29/program/program_session.php?tp=3a#a_3a-1-305
3a-1-305-03
学習ゲーム開発者とユーザーをつなぐオンラインプラットフォームの開発
○藤本 徹 [東京大学], 岸本 好弘 [東京工科大学], 西村 圭一 [東京学芸大学], 高橋 薫 [東京大学], 高橋 淳 [ベネッセコーポレーション], 谷内 正裕 [ベネッセコーポレーション], 山内 祐平 [東京大学]

社会問題をテーマにゲーム開発を行う「メディア創造ワークショップ」10月開講

この10月から中原淳先生と担当する、東京大学駒場キャンパスの後期科目「メディア創造ワークショップ」の授業概要の詳細がかたまってきましたのでご紹介します。
 この授業では、社会問題をテーマとしたデジタルゲーム開発を行います。ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンさんにご協力いただいて(関係者の皆さまに感謝いたします。よろしくお願いします!)、Unityを開発ツールとして、ゲーム開発未経験の東大1、2年生がチームを組んで、授業最終回までにプレイできるゲームを作り上げてもらおうという、なかなかチャレンジングな授業を企画しました。
 さすがに開発経験のない学生たちだけでは心もとないので、経験豊富なゲーム開発者の方々にファシリテーターとしてプロジェクトに参加していただき、学生たちをビシバシ指導していただきながら成果を出してもらうという設えにしています。受講する学生たちにとってはブートキャンプか虎の穴のように厳しくも、ここを生き残ればその先にさらなる将来の可能性が開けそうな学びの場を提供しようと、心を込めて仕込みをしました。
 この授業に関連した特別セッションは公開で行いますし、東大TVでも配信する予定で準備してます。学生たちの作るゲームも一般公開します。お楽しみに!
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東京大学駒場キャンパス開講2013年度後期
全学自由ゼミナール科目「メディア創造ワークショップ」授業概要
火曜4限(14:40-16:10) 駒場キャンパス
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*科目名:
 全学自由ゼミナール 2013年後期
 「メディア創造ワークショップ」
 社会問題をテーマとしたデジタルゲーム開発
*開講日時:
 火曜4限(14:40-16:10)
*教室:
 東京大学 駒場キャンパス駒場ラーニングアクティブスタジオ
 (KALS : 17号館 2F)
*担当教員:
 藤本徹、中原淳
*主催:
 東京大学 大学総合教育研究センター
 教育課程・方法開発部門
*支援:
 東京大学 教養学部 教養教育高度化機構
*協力:
 ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン
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★授業の趣旨・目的:
社会問題の啓発や問題意識の喚起は、古くから活字、
映像メディアを駆使した手法で取り組まれてきた。
近年のデジタルゲーム技術の発達とともに、ゲームが
従来のエンターテインメントを超えて、教育や社会問題
解決のツールとしてのメディアとして捉えられるようになった。
そのような取り組みは90年代のエデュテインメント、
2000年代のシリアスゲーム、2010年代にはゲーミフィ
ケーションと呼ばれる流れを作り、さまざまな分野で
ゲームを用いた社会活動に関心を呼んでいる。
この授業では、社会問題として(1)防災、(2)環境問題、
(3)国際問題をテーマとしたゲームの企画・開発を通して、
作り手として社会問題への理解を深めるとともに、
新たな社会問題とユーザーとの接点を生み出す
メディア創造スキルの学習機会を提供する。
ゲーム開発はグループプロジェクトで行い、経験豊富な
開発者がファシリテーターとしてプロジェクトに参加し、
ゲーム開発のアドバイス・指導を行う。
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★参加条件:
*定員:16名(希望者多数の場合はレポートで選抜)
*ネット接続可能なノートPCを持参できること(機種は問わない)
*プログラミング等の開発経験は問わない
(この授業で学べる範囲のスキルで開発することを前提)
・調査・企画・開発の活動はグループで行うため、協調的な
 作業やコミュニケーション、開発に必要なスキルの習得を厭わないこと
・授業時間以外の時間にもグループワークやスキル学習の
 時間を確保すること
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★参考図書
・藤本徹(2007) シリアスゲーム:教育・社会に役立つゲーム.
 東京電機大学出版局
・ジェイン・マクゴニガル(2012) 幸せな未来は『ゲーム』が創る.
 早川書房
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★授業スケジュール(予定):
※ゲストセッションなど一部日程変更の場合あり
第1回(10月8日): オリエンテーション
・授業概要の説明、昨年度までの活動紹介
・受講希望多数の場合、選抜レポート提示
第2回(10月22日):
シリアスゲーム:教育や社会のためのゲーム開発
・シリアスゲーム事例調査課題
第3回(10月29日):
シリアスゲーム事例調査結果報告
・企画検討会議
・グループプロジェクト開始
第4回(11月12日※夕方シンポジウム開催:こちらに参加):
・社会問題を題材にしたゲーム企画の考え方
(ゲスト講師: 山本貴光氏)
第5回(11月19日):
・企画検討セッション(ゲーム企画案グループ発表)
第6回(11月26日※夕方シンポジウム開催:こちらに参加):
・開発ツール導入(1)
(ゲスト講師:Unity 伊藤周氏)
第7回(12月3日):
・開発ツール導入(2)
(Unity 伊藤周氏によるハンズオンセッション)
第8回(12月10日):
・企画案中間報告・相互評価セッション
第9回(12月17日):
・ゲームメカニクスのデザイン
第10回(1月7日):
・プロトタイプ評価(プロトタイプ相互レビュー)
第11回-14回:
・開発演習
第15回(1月28日): 作品デモセッション・まとめ
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「ゲームの力をビジネスに活かす」という考え方が受け入れられにくい理由

 「ゲームの力を社会に活かす」という考え方は、以前より受け入れられてきた感がありますが、最近のゲーミフィケーションの流れを引っ張ってきた「ゲームの力をビジネスに活かす」ということは手放しで歓迎されていないところがあります。
 一般からすれば、そもそもどちらもそんなに受け入れられてないだろう、という話になってしまいますが、教育から一歩離れて、マーケティングや組織活動にゲームを取り入れる、というフィールドを見てみると、そこには教育の分野とはまた異なる温度差が存在しています。端的に言えば、そこには「ゲーム」が持つネガティブなイメージが影響しているということなのですが、ではそのネガティブさというのはどこから来ているのでしょうか(外は暑いので、家の中にこもってそういうことを整理して考えてました)。
 古典的なカイヨワの遊びの分類を援用すれば、遊びには競争、運、模倣、スリルといった要素があり、スポーツやギャンブルやテーマパークのような娯楽として文化の中で形成されてきました。テレビゲームも娯楽として発達し、それらがゲームに対するイメージの一端を形成しています。そのようなゲームが娯楽以外の領域、特にビジネス活動に入り込んでくることへの拒否感は、多分に娯楽として形成されたゲームのイメージから来ているところがあります。中でも案外影響が大きそうなゲームの性質として、次の3点について考えてみます。
1.ゲームには常に勝者の背後に多くの敗者がいるということ
2.ゲームには常に明示化されていない勝ち方があること
3.ゲームには常に好みが伴うこと
 まず1.については、社会に定着しているゲームの多くが競争要素の強いゲームで、ゲーム=競争というイメージが形成されています。競争に勝って金メダルや優勝の栄光を手にできる勝者はごく一部で、残りの大半の参加者は悔しい負けと挫折を経験する敗者です。悔しい負けを突きつけられても割り切れるのは、ゲームの世界が日常と切り離されているからであって、日々の生活と切り離されていない所にいきなりゲームが入り込んできて、勝ち負けを明示されるのは、負ける側からすればあまり気持ちのよいことではありません。
 人間、生きていればいろんなことで負けますし、勝てないゲームに無理やり参加させられるのは実に嫌なものです。そうでなくても、出世競争や受験戦争や市場競争のような、至って真剣で、生きていれば強制的に参加させられるゲームがあり、理不尽な思いをさせられて生きています。そういう「やらされるゲーム」のなかで嫌な思いをしている人々が大半を占める社会の中で、チョコレートで包むようなゲームの使い方を取り入れようとしても、そこにはある種の空々しさへの違和感を生み、それがゲーミフィケーション的なものを忌避する気持ちになっていても不思議ではありません。
 2.についても1.と同様、ゲームに参加していて、なぜか上手く勝ち上がっていく人と要領を得ないで遅れを取る人がいて、普通の人はよくわからないうちに損をするのがゲームであるという認識が根底にあるように思います。下手をするとゲーム提供者がはじめから勝てないように設定していたり、ズルい仕掛けに乗せられて参加して、気がつくと負けてお金を巻き上げられて悔しい思いをする、ギャンブル的なゲームの性質がゲームに対するイメージがついています。
 日々を普通に生きていると、わけもわからず負け組になり、その中で要領よく勝ち上がっていくコツはほんの一握りの人が知っている、という社会の現実のなかで、またつまらないゲームに乗せられるのは勘弁してほしい、という明示化されてないゲームへの嫌気が社会の中のゲームに対するイメージとして少なからずあります。パチンコ業界や最近のソーシャルゲームのガチャ問題への社会的な嫌悪感でゲーム全体が語られがちなのも、ゲームの胴元はズルをするという、ダーティなイメージがベースにあることも影響していると思います。
 3.については、ゲームについて語られている時に案外見落とされていることです。ゲームといってもいろんなタイプのゲームがあり、ゲームが好きと言う人でも、どんなゲームもオールマイティに好きな人というのはあまりいなくて、好きなゲームや得意なゲームは楽しいけど、そうでないものはあまり興味が無い、という人がほとんどです。楽しさの要素を取り入れることを考えた時点で、人が持つテイストや好みといった要素に左右されるようになり、それが案外影響していることはあまり語られません。
 競争が好きでない人には競争的なゲームは向かないし、逆に競争的でない協力ゲームも好みが分かれます。また、面白さを評価の基準に入れた時点で「面白くない」で切られる余地を与えてしまうこともゲームの持つ弱みと言えます。たとえゲームが好きな人であっても、嫌いなテイストや世界観のゲームが生活の中に入ってきても、あまりうれしくはなく、余計なゲームならやりたくないから放っといてほしい、という反応が起きても仕方ありません。
 これらの点を考慮すると、ビジネス活動へのゲーム要素の導入は簡単ではなくて、安易にやってしまうと逆効果になることも無理からぬことです。なので何でもゲームにすればよいのではなく、どんなタイプのゲームでも効くわけではありません。ゲームの好みを超えて受け入れられるためには、優れたゲームを提供することが必須ですし、目的とする活動の改善や付加価値に対して、より適切なゲームの手法や要素は何かをよく考えて取り入れることが必要です。また、ゲームに限らずどのような普及活動においても当たり前のことですが、あまり考えずに万能薬のような過剰な期待を持った人にこそ、適切にゲームの強みや弱みを説明するための言葉を磨いていく必要があります。
 この辺りのことは、さらに文化的な問題としての「遊び」と「真面目さ」に関する認識の問題や、ゲームの性質としての自発性の問題、さらにはゲームの参加者のゲームの構造を見抜く力の問題なども絡んでくるので、それぞれ議論を深める必要がありますが、ここまでで十分長くなったのでここから先は次の機会に回したいと思います。

空気を読み始めると人は沈黙する

 今の職場に移って2か月半が経ちました。業務から学会からいろんなレベルの仕事が集中していて、なかなか本業の研究で攻めの活動を行い難い日々に追われています。
 以前も決して暇ではなかったのですが、特任の立場で研究中心で仕事できた頃とはだいぶ違い、今は組織の運営や担当業務に関わる細かい調整や、各所からの依頼事項への対応が毎日発生します。学会の活動も査読や原稿の締め切りや、大会準備の作業依頼が常時入ってきて、学会関係の調整メールを送らずにすむ日はないような状況です。
 少しでも時間を作って、このブログのように何か発信していく時間を増やしたいと思いつつ、何か発信する時に気を付けないといけない「シガラミ」のようなものが増えていることを少し前から感じています。
 こういうことを書くと誰々が嫌な顔するんじゃないかとか、この人たちに失礼なんじゃないかとか、あれこれ気にしながら「政治的に適切な」文章を書こうとすると、結構時間がかかるし楽しく書けない。だからなおのこと、気軽に書けなくなります。
 書き手として訓練されたスキルの高い人はそういう問題もうまく乗り切っているのでしょうが、自分程度の書き手としてのスキルではなかなかうまくいきません。
 このブログも留学した頃に書き始めたので、気が付くともう10年ほど書いていることになります。昔の方が空気を読まずに好き勝手書けたのに、気が付くと、以前のように気軽に書けなくなっていました。
 以前は気晴らしに書いていたブログが、以前ほどに書いても気が晴れないし、あれこれ気にして書いていて、書いていて創造のスイッチが入って気持ち良くなるようなことが減ってきたということもありますし、歳を取って以前よりも集中力が落ちていることもあるかもしれません。
 少し前は、ツイッターやフェイスブックにちょこちょこと書いたら書きたい気分が満たされて、ブログで長い文章を書くのが億劫になっているという気がしていました。確かにその側面もあるのですが、最近はそのツイッターもフェイスブックも手が止まることが増えてきました。
「そんなこと書いてる暇があったら、こっちの仕事やってくださいよ」って思われるのではないかという自意識が働くこともあれば、口を開けば「忙しい」と言うような状況で何か書いても、忙しさ自慢みたいでみっともない、と思われそうだなとか、やっていることを書いたら、自慢すんなよとか思われたら嫌だなとか、あれこれと自意識なのか空気なのかわからないレベルで読み手のことを気にしていると手が止まります(笑。人によっては変なこと書いて炎上したら嫌だとか、変な人が絡んで来たら嫌だなとかいう気持ちで発信することがストレスになってやめてしまうこともあると思います。
 相手を慮って空気を読んでいる会議ほど沈黙の時間が多いように、空気を読み始めると、発信することがストレスになり、楽しくなくなってきます。そうすると人は沈黙し、発信することをやめてしまうのだと身をもって感じます。
 ブログやSNSの普及で、せっかく誰もが発信でき、発信する楽しさを享受できるようになったのですが、普及が一巡すると、メディアの利用され方も使い手側の文化的な要因に規定されるということでしょうか。
 最初に書こうと思って書き始めたことが書けなかったので、手が止まる自分を内省しつつ考えたこと自体を記してみました。たまに意識して書かないと表現力が落ちて書くこと自体がストレスになりそうだったので、リハビリ的にこういうことをたまに書いていこうと思います。