この10月から中原淳先生と担当する、東京大学駒場キャンパスの後期科目「メディア創造ワークショップ」の授業概要の詳細がかたまってきましたのでご紹介します。
この授業では、社会問題をテーマとしたデジタルゲーム開発を行います。ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンさんにご協力いただいて(関係者の皆さまに感謝いたします。よろしくお願いします!)、Unityを開発ツールとして、ゲーム開発未経験の東大1、2年生がチームを組んで、授業最終回までにプレイできるゲームを作り上げてもらおうという、なかなかチャレンジングな授業を企画しました。
さすがに開発経験のない学生たちだけでは心もとないので、経験豊富なゲーム開発者の方々にファシリテーターとしてプロジェクトに参加していただき、学生たちをビシバシ指導していただきながら成果を出してもらうという設えにしています。受講する学生たちにとってはブートキャンプか虎の穴のように厳しくも、ここを生き残ればその先にさらなる将来の可能性が開けそうな学びの場を提供しようと、心を込めて仕込みをしました。
この授業に関連した特別セッションは公開で行いますし、東大TVでも配信する予定で準備してます。学生たちの作るゲームも一般公開します。お楽しみに!
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東京大学駒場キャンパス開講2013年度後期
全学自由ゼミナール科目「メディア創造ワークショップ」授業概要
火曜4限(14:40-16:10) 駒場キャンパス
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*科目名:
全学自由ゼミナール 2013年後期
「メディア創造ワークショップ」
社会問題をテーマとしたデジタルゲーム開発
*開講日時:
火曜4限(14:40-16:10)
*教室:
東京大学 駒場キャンパス駒場ラーニングアクティブスタジオ
(KALS : 17号館 2F)
*担当教員:
藤本徹、中原淳
*主催:
東京大学 大学総合教育研究センター
教育課程・方法開発部門
*支援:
東京大学 教養学部 教養教育高度化機構
*協力:
ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン
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★授業の趣旨・目的:
社会問題の啓発や問題意識の喚起は、古くから活字、
映像メディアを駆使した手法で取り組まれてきた。
近年のデジタルゲーム技術の発達とともに、ゲームが
従来のエンターテインメントを超えて、教育や社会問題
解決のツールとしてのメディアとして捉えられるようになった。
そのような取り組みは90年代のエデュテインメント、
2000年代のシリアスゲーム、2010年代にはゲーミフィ
ケーションと呼ばれる流れを作り、さまざまな分野で
ゲームを用いた社会活動に関心を呼んでいる。
この授業では、社会問題として(1)防災、(2)環境問題、
(3)国際問題をテーマとしたゲームの企画・開発を通して、
作り手として社会問題への理解を深めるとともに、
新たな社会問題とユーザーとの接点を生み出す
メディア創造スキルの学習機会を提供する。
ゲーム開発はグループプロジェクトで行い、経験豊富な
開発者がファシリテーターとしてプロジェクトに参加し、
ゲーム開発のアドバイス・指導を行う。
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★参加条件:
*定員:16名(希望者多数の場合はレポートで選抜)
*ネット接続可能なノートPCを持参できること(機種は問わない)
*プログラミング等の開発経験は問わない
(この授業で学べる範囲のスキルで開発することを前提)
・調査・企画・開発の活動はグループで行うため、協調的な
作業やコミュニケーション、開発に必要なスキルの習得を厭わないこと
・授業時間以外の時間にもグループワークやスキル学習の
時間を確保すること
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★参考図書
・藤本徹(2007) シリアスゲーム:教育・社会に役立つゲーム.
東京電機大学出版局
・ジェイン・マクゴニガル(2012) 幸せな未来は『ゲーム』が創る.
早川書房
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★授業スケジュール(予定):
※ゲストセッションなど一部日程変更の場合あり
第1回(10月8日): オリエンテーション
・授業概要の説明、昨年度までの活動紹介
・受講希望多数の場合、選抜レポート提示
第2回(10月22日):
シリアスゲーム:教育や社会のためのゲーム開発
・シリアスゲーム事例調査課題
第3回(10月29日):
シリアスゲーム事例調査結果報告
・企画検討会議
・グループプロジェクト開始
第4回(11月12日※夕方シンポジウム開催:こちらに参加):
・社会問題を題材にしたゲーム企画の考え方
(ゲスト講師: 山本貴光氏)
第5回(11月19日):
・企画検討セッション(ゲーム企画案グループ発表)
第6回(11月26日※夕方シンポジウム開催:こちらに参加):
・開発ツール導入(1)
(ゲスト講師:Unity 伊藤周氏)
第7回(12月3日):
・開発ツール導入(2)
(Unity 伊藤周氏によるハンズオンセッション)
第8回(12月10日):
・企画案中間報告・相互評価セッション
第9回(12月17日):
・ゲームメカニクスのデザイン
第10回(1月7日):
・プロトタイプ評価(プロトタイプ相互レビュー)
第11回-14回:
・開発演習
第15回(1月28日): 作品デモセッション・まとめ
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