SFCよ、悪かった

 そういえば、大学を卒業して、もう丸10年になる。大学は慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス、通称SFCの出身なのだけども、卒業以来、大学そのものとはほとんど接点がない。遠い藤沢市にあるキャンパスにも、仕事がらみの打ち合わせか何かで何度か足を運んだきりで、ホームカミングやリサーチフォーラムのようなイベントにも全く参加していない。
 気分的に何となく、あまり関わりたくないような、近づきたくないような気がしていたのも正直なところだった。それは在学中や就職してすぐの頃の、SFC卒業生についてのベンチャー志向で云々といったメディアでの喧伝やら企業や他の大学の過剰反応のようなものにうんざりしたさせられていた気持ちから来ているのかもしれない。

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肩のコリ和らぐ

 今回の日本滞在もあと数日になってしまって、なんだかあっという間だったなと思いつつ、残りの予定も順調に消化中。おかげさまで実りの多い日々を過ごしてます。
 研究準備の打ち合わせのための移動中、ふと渋谷のファイテンショップの前を通りかかった。先月地元の温泉に行った時に普段身につけていたRAKUWAネックx30を失くしてしまっていて、それ以来つけてなかった。ここ数日、重たい鞄を抱えて歩き回っていたためか、肩や腕の疲れを感じていたので、また同じのを買おうと立ち寄った。
 店員さんが無料のパワーテープを腕の疲れたツボに貼ってくれて、最近の商品の説明を聞きつつ、以前失くしたのと同じタイプのネックレスを購入。早速身につけて一日過ごした。夜になってふと気付くと、腕と肩の疲れが和らいだ感が。これはよかったと思ってパソコンに向かっていると、また腕の疲れがぶり返してきた。疲れをとるには結局のところ、休むに勝ることは無いということか。ファイテンのネックレスは、薬のように効き目がはっきり感じられることはないにしても、つけてないでいるよりも疲れがたまる度合いが軽減されている気はする。それに2000円程度という買いやすさがよい。この気軽さが気に入っている。

ダイエットのコツに関する実証研究

 ペンステートの栄養科学の研究者による研究で、ダイエットのコツに関する実証研究の結果がニュースになっていた。
Calorie density key to losing weight(Penn State Live)
http://live.psu.edu/story/24624
 研究結果を端的に言うと「ダイエットの時は食べる量を減らすよりも、低カロリーで嵩(かさ)の多い食品中心の食生活にする方が効果がある」とのこと。野菜や果物など、水分が多くて一グラム当たりのカロリーが低いものをたらふく食べた方が、ダイエット時の空腹や欲求不満を抑えることができて、長期的な減量効果を得やすいそうだ。

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中学校授業見学

 学会でお世話になっている先生の紹介で、都内のある公立中学校の授業見学に行ってきた。学校公開期間中で、保護者はもちろん、見学したい人は誰でも見学できることになっていた。平日だったので、見学者は少なめだったものの、こういう形で学校の活動を知るための機会が提供されているのは有意義だと思った。今回は、紹介してくれた先生が担当している2年生の社会科の授業と、総合的学習の時間を主に見学してきた。

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ビザ更新

 先日、今回の帰国の目的のひとつだった、ビザの更新手続きをしてきた。留学前の2002年と違い、面接が必須になったので米国大使館まで面接に行ってきた。オンラインで面接時間の予約をして、申請書類をそろえ、申請料をATMで支払って、予約の日時に大使館へ。
 大使館の外にはビザ手続きで来た人の行列で、セキュリティチェックを通って中に入るまでに20分待ち。面接時間の予約はだいたいの集合時間のようなので、多少前後しても関係ない感じ。セキュリティのところで電子機器類は預けないといけない。窓口で申請書類を提出してから待合室で1時間待ち。ケータイもipodもDSも持ち込めないので、時間つぶしには本か何かを持ってくるべきだった。
 面接というと、個室でじっくり話を聞かれるような風に聞こえるが、面接は普通の窓口ブースで立ったまま行われるので、面接というほどかしこまった風でもない。日本国籍で通常の用件できちんと書類をそろえてビザ申請している人は、一言二言やり取りしたら面接は終了。面接に時間がかかっているのは、日本でビザ申請した外国人ばかり。それもせいぜい数分。入口のセキュリティが物々しい以外は、自動車免許の更新と大して変わらない。面接も日本語のわかる人がやっているので、英語が苦手でもほとんど問題ない。むしろ書類の不備を出さないように気をつけることの方が重要だろう。
 ビザの発行まで1週間ほどかかると言われたが、3日後には手元に届いた。エクスパック500という速達便のような封筒を使う(事前に封筒を購入して宛名書きしたものを申請書類として提出する)ので郵送自体も早い。
 というわけで、無事にビザも更新できて、もうしばらくアメリカ滞在を公式に続けることができるようになった。最初はこのビザ更新をせずに5年で正式帰国するのがゴールだったのだけど、もう少し延長。その分いい研究をしてよりよい状態で帰国できると思うので、残りの留学期間もがんばります。

ゲーム研究をすると優れたゲームが作れるようになるか?

 シリアスゲームジャパンで開催中のサイバー勉強会のテキストであるゲーム研究書「Half-Real: Video Games Between Real Rules and Fictional Worlds」の著者、Jesper Juul氏が最近手がけたゲーム、「High Seas – The Family Fortune」がリリースされている(プレスリリース)。
 このゲームは、テトリスやぷよぷよのような落ち物パズルゲーム、落ちゲーと呼ばれるジャンルのゲームで、カジュアルゲームパブリッシャーのGame Trustから発売されている。上記のゲーム紹介ページから無料デモ版がダウンロードできるので試してみてほしい。
 テトリス以来、さまざまな落ちゲーがリリースされていて、市場には類似のゲームはたくさんある。このゲームも見た目はビージュエルド風で、あまり目新しさはない。だがプレイしてみると、このゲームのルールがよく工夫されていて、ゲームプレイの心地よさを与えるためのさまざまなデザイン上の工夫をしていることがわかる。ゲームの面白さの基本となるメカニズム、すぐにゲームに入って楽しめるインターフェイス、心地よさを引き立たせる効果音やグラフィック、継続性を高めるための要素など、いずれも綿密なゲーム研究に裏打ちされたデザインとなって表れている。
 ゲーム研究者として知られる一方、Juul氏は研究だけでなく自らの会社Soupgamesで、10年以上もゲーム開発に取り組んでおり、数々のゲームを世に送り出している。そのため、必ずしもこのゲームの出来の良さは、ゲーム研究の知見から来るものではなく、これまでのJuul氏の経験からくるものでもあることがわかる。

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「消えた年金」問題を題材に

 最近、「消えた年金」問題報道で賑わっているが、これはビジネススクールの問題解決やリスク管理などの授業では恰好の議論ネタになる。たぶんもうやっているところもあることだろう。自分が安部首相や柳沢大臣のような立場にいたとしたら、まず何を考えてどう対処するか。テレビを見て怒ったり萎えたりしているだけでなくて、自分が当事者だったらどうするのかを考えた方が有意義だろう。
 ビジネススクールなどでやっているケースメソッドのような教育法は、基本的には仮定のシナリオの中でどう対処するかを当事者の立場で本気で考え、教師や他の学習者とのやり取りの中で学びを深めていく作業だ。その作業に熟練していくに従って、自然と普段からそういう思考スタイルが身について、問題を切り分けたり段取りをつけて考えたりすることができるようになる。ビジネススクールなどの社会人教育機関は、何かを教えてもらう場というよりも、気づきや学びにつながる作業を真面目に一緒にやれる場として価値があるのだと思う。
 ビジネススクール的な問題解決思考法も少しは一般に広まってきたような気もしていたが、みんな5000万件のインパクトに飲まれて、問題の実態に切り込んで考えている当事者は報道で見る限りは出てこないところをみると、あまり普及していないのか、それとも当事者たちが目にしている問題はそれ以上にものすごく深刻なのか。いずれにしても、社会的な問題を題材に、もし自分が当事者になったらどう対処するかを考えておかないと、いざという時にはあたふたして大臣たちと同じようなヘマをしてしまうだろう。

「テレビゲーム教育論」7月に出版

 出版準備中の翻訳書の校正作業が終わって、ようやく訳者の仕事はひと段落。
 原題の訳を副題にして下記のようなタイトルに決まり、7月10日発行予定で進行中です。お楽しみに。
「テレビゲーム教育論 - ママ,勉強してるんだからジャマしないでよ」
(原題:Don’t Bother Me Mom-I’m Learning!: How Computer And Video Games Are Preparing Your Kids for Twenty-First Century Success – And How You Can Help!)
マーク・プレンスキー 著/藤本 徹 訳
発行元:東京電機大学出版局
ISBN978-4-501-54230-6
発行 2007年7月10日