今日が誕生日でした

 オフィスで業務の打合せをしていたら、サプライズで部門のスタッフの皆さんに誕生日を祝っていただきました。Facebook上でもいろんな方からメッセージ頂きました(皆さんありがとうございました)。
IMG_0505_2.jpg
 今日で41歳なのですが、あらためて考えると、これは見事に中年領域ですね。さまざま考えさせられるものがあります。40歳の一年間は、一心に日々仕事をしていたら過ぎて行った感じでしたが、今年に入ってからだいぶ仕事の立場や役割的なものが変わってきて、面白く思うところも多い反面、雑多なことをモチベーションを保ってどうにか乗り切っている局面もあり、心境は昨年の今頃に比べてだいぶ違う感じがしています。
 日々の業務にストレスを感じる場面も少なからずあるのですが、ストレス値が一定ラインを超えるとその状況が可笑しくなってきて、逆にモチベーションが上昇して仕事が進むというサイクルが続いています。そのうちパンクして停滞するのか、突き抜けて別世界へ逝ってしまうのか、精神的に未知の領域で仕事をしている感があるところは、40代の微妙な新感覚です。
 最近は細かい調整業務的なものが尋常でなく増えてきて、雑務に忙殺されて研究の時間が持てない、でも研究業績は出さないといけないという月並みな閉塞状況にあるのですが、そういう状況を不満に思うと本当につまらない思いをするので、雑務を独創的に進めながら研究も勢いで前に進めることに活路を見出そうという毎日です。身体が不調だとそれも長続きしないので、体調管理が優先事項ということは30代の頃よりも意識させられている気がします。
 今年はイレギュラーな業務を確実にこなせるように意識して守備的な構えで活動していることもあり、楽しい話題はさほど多くありませんが、周りの人々や、僕のような立ち位置でがんばっている人の励みになるような仕事ができれば、それが次につながるし、自分にとって幸福な状態につながると思いつつ、さらに仕事に励もうと思います。
追記:
このブログを書いた後開催したLudix Labのシリアスゲーム開発WSの参加者の皆さんにもサプライズでお祝いしていただきました。これまで誕生日何もしないことの方が多かったですが、今年はたくさん祝っていただいて、とても嬉しい一日でした。皆さんどうもありがとうございました!
LudixLab_01_2.jpg

「自動車技術」寄稿論文と「人材教育」インタビュー記事掲載のお知らせ

 最近、雑誌掲載が2本ありましたのでお知らせします。
 まず、先日発行された「自動車技術」Vol.68 No.5に、藤本が寄稿した論文「シリアスゲームとゲーミフィケーション-これまでの展開と今後の課題-」が掲載されました。
 本稿では、シリアスゲームとゲーミフィケーションをはじめ、これまでに登場したゲームの社会的利用に関する変遷とその概念の違いを整理して解説し、今後国内でゲームの社会的利用の成果を高めていくための課題を検討しました。シリアスゲームとゲーミフィケーションは何が違うのか、という論点について、現時点での知見を整理して論じました。シリアスゲームは「はたらく自動車」のような、「はたらくゲーム」であるという議論や、なぜゲームの教育利用の研究が進まないのか、という今後の課題となる論点を提示しました。
 本誌の「人を活性化させる技術」と題した特集は、普段は文字通りの自動車技術を扱っている自動車業界誌らしからぬ、かなり強力なゲーミフィケーション特集です。立命館大のサイトウ先生、日大の古市先生、東京工科大の岸本先生、ゆめみの深田さん、ユニティの簗瀬さんなど、豪華執筆陣が寄稿していて、自動車業界に関係なく、シリアスゲームやゲーミフィケーションに関心のある方には魅力的な誌面になっています。
詳細は下記で参照、購入できます。
http://tech.jsae.or.jp/hanbai/list.aspx?category=102&year=2014
 次に、Facebook等では紹介済みですが、先日発行された「人材教育」5月号の特集「めざせ!プレイフルカンパニー」に「OPINION 3 ゲームに見る「楽しい」学びの可能性」と題した藤本へのインタビュー記事が掲載されました。ゲームを研修の場で活かすことについて、ゲームの楽しさや楽しければ何でも学べるわけではないといった話題で語った内容です。こちらも普通の書店には置いてない業界誌ですが、職場や図書館など手近にある方はどうぞご笑覧ください。
「人材教育」5月号紹介ページ
http://www.jmam.co.jp/productservice/jinzai/backnumber/issue/201405.html

Ludix Lab研究会参加者募集のお知らせ

 藤本が主宰するLudix Lab(NPO法人Educe Technologiesのゲーム学習研究ユニット)で、以下のような自主ゼミ形式の研究会を企画しましたのでご案内いたします。
 一つはゲーム学習に関する文献講読を中心とした理論重視の研究会、もう一つはシリアスゲーム開発ワークショップです。以下のような要領で、交互に隔週で4月~7月の木曜夜に開催します。意欲ある方は両方とも参加いただくこともできますし、片方だけの参加も可能です。ご関心に応じてご検討ください。
 東京大学の学生に限らず、このテーマに関心のある学生・社会人の方はどなたでも受け入れます(大学の正規授業枠ではなくNPO法人で行うメリットです)。ただし、参加にはいずれの研究会も事前準備や時間外の作業が伴いますので、ある程度コミットする覚悟をもってご参加ください(これまで行ってきた公開研究会もこの研究会とは別枠で開催しますので、もう少し気軽な機会をご希望の方はどうぞ公開研究会へご参加ください。また準備でき次第ご案内いたします)。
 なお、今回は試行的に行うため、参加費は無料です(今後活動を充実させて継続展開するために原資が必要ですので、資金的に余裕のある社会人・法人の方は、下記にご案内する形でご寄付をご検討ください)。
 以前からこのような場を創りたいと考えていたのですが、この度ようやく始動する準備ができました。ゲーム学習文献研究は4月10日開講、開発ワークショップの方は4月17日開講です。ゲーム学習に関するテーマで研究、開発を行いたい方はぜひ参加をご検討ください(4月3日でいったん参加者を確定しますので参加希望の方はお早めにお申し込みください)。

Ludix Lab 研究会(2014年前期)概要:
(1)ゲーム学習文献研究
★活動概要:
・ゲーム学習の理論、デザイン枠組、評価に関する英語基礎文献、最新研究論文を読んで議論する、文献講読主体の大学院ゼミ形式の研究会です。
・各章の担当を決めて、担当者は事前にレジュメにまとめてきて発表、全員でディスカッションします。
★開催日時: 隔週木曜18時30分~20時30分(予定詳細は調整中)
1.4月10日: オリエンテーション
2.4月24日: Squire Ch1&2
3.5月8日: Squire Ch3&4
4.5月22日: Squire Ch5&6
5.6月5日: Squire Ch7&8
6.6月19日: Squire Ch9&10
7.7月3日: ゲストセッション(予定)
8.7月17日: ラップアップディスカッション
★取り上げる文献:
Squire, K. (2011). Video Games and Learning: Teaching and Participatory Culture in the Digital Age. New York, NY: Teachers College Pres. ISBN 0807751987
http://www.amazon.co.jp/dp/0807751987
・デジタルゲームを通した学びや文化的側面からのゲーム学習に関する理論的背景や研究課題を概観した文献です。
(※後期はゲームの学習評価に関する文献を扱う予定です。)
★対象者:
社会人、学生を問わず、ゲーム学習の理論的知識を高めたい方全般を対象。毎回参加が前提(前提スキルとして、英語文献をある程度読める読解力が必要です)
以下のような方の参加を想定しています:
・このテーマで研究を進めたいが、指導してもらえる教員や研究者が身近にいない大学院生(学部生も可)
・シリアスゲーム、ゲーミフィケーションの開発のための理論的な補強をする機会を求めている開発者、企画者
・このテーマで研究を始めたい、または研究継続するための機会がほしい研究者

(2)シリアスゲーム開発ワークショップ
★活動概要:
特定テーマを設定して、シリアスゲームのプロトタイプをグループで開発し、プレイテストを行います。
海外のシリアスゲームコンテストへの出展、国際会議での開発成果発表や、商品化につながるプロトタイプを開発します(ゲームの形態はデジタル、アナログを問いません)。
★開催日時: 隔週木曜18時30分~20時30分(予定詳細は調整中)
1.4月17日: オリエンテーション
2.5月1日: 企画セッション(1)
3.5月15日: 企画セッション(2)
4.5月29日: プロトタイピング(1)
5.6月12日: プロトタイピング(2):α版発表
6.6月26日: テストプレイ(1)
7.7月10日: テストプレイ(2):β版発表
8.7月24日: 成果報告会
★対象者:
社会人、学生を問わず、シリアスゲーム開発の機会を求めている方全般を対象(毎回参加が前提)
以下のような方の参加を想定しています:
・シリアスゲーム、ゲーミフィケーション開発の経験を積みたい方
・この分野の専門家や開発者からアドバイスをもらいながら開発成果を出したい方
・この分野で開発を共にする仲間を求めている方
—-
★会場:
東京大学本郷キャンパス福武ラーニングスタジオ1
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access/
★定員:
・各12名(参加希望多数の場合、ご記入いただいた参加動機や経験等をもとに選考を行います)
★参加費:
・無料(ただし、文献購入など活動参加に必要な経費は自己負担)
(社会人の方、法人単位でご参加の方には、下記に記載する要領でご寄附をお願い致します。)
★備考:
・FacebookグループまたはサイボウズLiveなどで情報共有しながら活動を進めます。
・毎回参加可能であることを前提とします。
・参加希望者多数の場合、この機会を必要としている方、本研究会の趣旨に合致した参加意欲を持った方を優先して選考します。
・学生からの研究相談の希望にはできるだけ応じますが、担当の指導教員の先生に必ず了解を取ってください。
★主催:
Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)
(企画責任者: 藤本 徹)
問い合わせ先:
contact01@ludixlab.jp
■参加申込方法:
以下の参加申込フォームにご記入の上お申し込みください。【募集を終了しました】
http://bit.ly/ludix03190214
ご寄付の申込方法は下記のページをご覧ください。
http://bit.ly/ludix-donation
(今回の研究会には参加しないけど、ご寄付のみご協力いただけるという方ももちろん歓迎です。どうぞよろしくお願いいたします。)

「第1回シリアスゲームジャム」を開催しました

 2月22-23日の2日間、東京工科大学メディア学部主催の第1回シリアスゲームジャムを開催しました。会場はGreeさんのご協力で会議室をお借りしました。とても眺めの良い快適な環境でした。(Greeご関係者の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。)
 ゲームジャムというのは、短時間でゲームを開発するハッカソン形式のイベントで、世界同時に同じテーマで48時間でゲームを開発する「グローバルゲームジャム」がよく知られています。
http://globalgamejam.org/
 今回は「Serious Game Jam for Happy English」と題して、英語学習をテーマにしたシリアスゲームを2日間で開発する形で行いました。通常のゲームジャムは会場に来てから昼夜通して48時間作業する形式ですが、このシリアスゲームジャムでは、開催当日の活動は午前から昼間のみと短い代わりに、事前にFacebookグループ上で企画準備の活動を行いました。一般公募で集まった36名の参加者が1ページの企画案を出して好きな企画に投票する「ペラ企画コンテスト」を行い、上位の5つのゲーム企画を開発する5チームを結成して、事前にグループで企画を練ってから当日の開発に臨みました。
2014-02-23 09.43.06.jpg
2014-02-22 11.09.13.jpg
 私は初日のオープニングトークを担当しました。この10年のシリアスゲームの国内外の動きや、社会からの期待の高まりについて話しました。トークのスライドは公開してますのでご覧ください。

 各チームとも、事前に仕込みをしてきたことで、開発は着々と進んで、2日目冒頭の中間報告の段階で5チームとも画面イメージやゲームの動きを見せる段階まで来ていました。最後の成果報告の際には、プレイできるレベルまで完成させたチーム、基本動作のデモまでのチームそれぞれでしたが、開発時間が短い中で5チームともゲームを形にするところまで持っていくことができていて素晴らしかったです。
 見学に来られた方(学生運営スタッフのお父さん)が、個人ハッカソンでこのシリアスゲームジャムのプロモーションビデオを制作してくださったので、みんなで鑑賞して盛り上がりました。下記のFacebookグループでこのビデオや会場での様子の写真など掲載しています。
https://www.facebook.com/groups/1392487234342662/
 今回開発された5本のゲームは公式ウェブサイトで後日公開されます。サイトには事前の活動で制作された22案のペラ企画も掲載されていますのでご覧ください。
http://www2.teu.ac.jp/media/~kishimotoy/SeriousGameJam/
 今回は、主催の東京工科大学メディア学部の岸本先生、三上先生とともにIGDA日本の小野代表と、藤本の4名で準備委員会として企画準備を進めてきました。どれくらい参加者が集まるか全く手探りな感じでしたし、会場の確保や、運営面の細かい調整など準備作業は結構ありましたが、短期間で進めて実現できました。数年前はこのようなシリアスゲームの国内イベントをいつ開催できるか見通しも立たない感じでしたが、徐々に積極的に活動してくださる仲間も増えてきて、ようやくこれから国内のシリアスゲームの動きも力を増していけそうで楽しみです。
 これまでもこのような機会が創れたらよいなと思っていましたが、ようやく実際にやってみて、思った以上に多くの示唆を得ることができましたし、シリアスゲームに関心を持っている人たちが集まって、アクションを起こせる場を提供していくことが、次につながる力を高めていくということを感じました。シリアスゲームがゲームジャムというアプローチと組み合わさると、多様な立場の参加者がゲーム開発に関われるようになり、ゲームと社会がつながる場になりました。「ゲームの力」を活かすアプローチの一つとして期待が持てました。
 参加者の皆さま、運営スタッフや関係者の皆さま、どうもおつかれさまでした。また次回開催に向けて動きましょう。

Ludix Lab公開研究会: 「すれ違いだらけのゲーム研修」(1/25)開催のお知らせ

 1月25日(土)にLudix Lab主催の公開研究会を開催しますのでお知らせします。
 Ludix Labフェローの高橋興史さんの企画で、フェロー全員総出でゲーム研修のさまざまな「すれ違い」にまつわる話題を提供して、参加者の皆さんとよりよいゲーム研修のあり方を議論するセッションです。営利組織で人材開発を担当され、ゲーム型研修の導入に関心のあるけどなかなかうまくいかない、体験型学習を導入したが思うような成果が出ない、といった悩みをお持ちの方を主な対象としています。
 会場は東京大学本郷キャンパス福武ホールラーニングシアターです。このテーマにご関心ある方、ご参加お待ちしてます。
以下、開催案内ページより抜粋
http://ptix.co/1kusMAn

Ludix Lab公開研究会: すれ違いだらけのゲーム研修
趣旨:
社員研修向けに、ゲームやゲーム要素を取り入れた体験型活動を通じた学習を提供する研修サービスが増えています。ところが、「楽しさ」ばかりが前面に出ていて、本来の学習目的とゲームの内容がかみ合っていなかったり、学習成果につなげるための設計が十分に行えていない研修プログラムも少なくありません。
また、従来の講義形式の研修の効果測定手法では対応できないことが多く、体験型の学習の評価に悩みを抱える企業も多いようです。その原因として、研修企画者(人材開発担当や研修事業者)の間や、研修企画者と研修参加者の間の学習観のすれちがいが挙げられます。また、効果測定の「効果」という言葉ひとつとっても立場によって大きく考え方にすれちがいがあります。
今回の公開研究会では、LudixLabフェローの高橋興史氏が代表取締役を務めるカレイドソリューションズの協力により、同社の顧客企業の人材開発担当者及び研修事業者を対象にした調査結果から示された「ゲームを取り入れた体験型研修の導入にまつわる人材開発担当者のよくある悩み」を題材に取り上げます。 ゲーム学習研究の専門家が人材開発担当者のよくある悩みに答えながら、ゲームを取り入れた体験型研修を考える上での指針を提供し、それを通じて成果を高めていくための手掛かりをつかんでいただくことをねらいとして企画しました。
<主な論点>
セッション1:「学びのすれ違い」
・研修企画時によくある「すれ違い」
・ゲーム学習のタイプとアプローチ
・ゲームがもたらす「タメになる楽しさ」と「ダメになる楽しさ」
・ゲーム研修をレベルアップするための基本概念
・ゲームを通した学びを深めるファシリテーション
・気付きを促す問いかけ
セッション2:「評価のすれ違い」
・ゲームを通した学びを実務につなぐ考え方
・学習成果の測定と評価(評価方法のタイプ)
・フォローアップでわかること
★登壇者:
池尻良平(東京大学 大学院情報学環 特任助教)
為田裕行(フューチャーインスティテュート株式会社 取締役)
福山佑樹(早稲田大学人間科学研究科博士課程)
藤本 徹(東京大学 大学総合教育研究センター 助教)
★モデレータ:
高橋興史(カレイドソリューションズ株式会社代表取締役)
★日時:2014年1月25日(土)14時00分~18時00分
★会場: 東京大学本郷キャンパス福武ラーニングスタジオ1(B2F)
★参加費:一般:前売4500円、当日5000円
★定員: 20名(定員に達し次第〆切)
★詳細、参加申込は下記の案内ページをご参照ください:
http://ptix.co/1kusMAn

年頭のご挨拶 2014

 今年もスロースタートですが、新年あけましておめでとうございます。
 年末年始は仕事から完全に離れて、実家で家族とゆっくり過ごして充電してました。中途半端に休むと疲れが出るようで(あるいは単に飲み疲れか)、東京に戻ってからも休養優先でおとなしく過ごしていました。
 昨年は前厄の年でしたが、特に不運な事故なく、大病もせず健康に仕事に励むことができてよかったです。
 一番大きな出来事は、東京大学のコーセラ参加、MOOCの新規立ち上げがどうにか無事に完了したことでした。大学教育の大きな変化の契機に立ち会えて、その動きに貢献できたのはとてもありがたいことでした。2月に準備でコーセラを訪問し、また4月に参加大学が一同に集まるパートナーカンファレンスに参加した際に、世界の大学の活発な動きや、それを設立されたばかりのベンチャー企業が起こしている状況を目の当たりにして、その動きの激しさに圧倒されるばかりでしたが、得難い経験でした。
 MOOCの今後については、国内外でいろいろと議論されていますが、現在のスタイルでそのまま拡大して定着するということはないと思います。前にも述べましたが、今提供されているものは完成形ではありませんし、今見えているものだけでその価値を評価すると行く先を見誤ると思います。今の盛り上がりがクールダウンして、体力のないところや意欲を失ったところから淘汰され、形を変えつつも、公開型オンライン教育サービスという手法自体は社会に定着することになるでしょう。その時には現在のように意欲の高い学習者しか続かないサービスではなく、学習支援方法や利用される技術も今とは異なるものが提供されていると思います。ゲーム学習、ゲーミフィケーション的な手法もその中で貢献できるところがあるはずです。
 さて、昨年は職場も変わって、業務内容や仕事に関わる立場も変化して、変化に対応しながら合間を縫って、研究者としての活動に残りの体力を全投入して過ごした一年でした(一年分の勤勉さを前半で使い果たして、後半はかなり出涸らし状態でした)。ゲーム学習の研究拠点を創ることを目指し、Ludix Labを立ち上げて活動を開始しました。フェローや研究会にお招きした講師の方々とのコラボレーションの機会を得て、学会や周辺の活動で一緒に活動できる仲間も増えてきました。手応えは感じていますので、今年もさらに研究拠点としての受け皿を拡げていきたいと思います。
 40代に入り、だんだんと頑張れなくなる自分とどうつき合っていくかが課題に思えてきました。何かを我慢して続ける気力や、とにかく無理やり前に進める馬力のような力が落ちてきている分、別の力で補わなければ良い仕事を続けていくことができない気がしています。それに今の自分の力量では、50代になっても研究者として活躍できているイメージがわかないので、40代前半のうちにもう一段階、自分の頼みとするスキルを磨いておこうと思います。学びたいことも研究として進めたいこともたくさんありますが、何をしようか考えるにつけ、実は手持ちの時間は案外多くないことを思い知らされます。
 今年も変化ある一年になりそうですし、仕事を詰め込み過ぎずに、大事なことにリソース投入できるように、なるべく身体を空けて地道にインプットとアウトプットを進める方向で身を処していこうと思います。
 それでは皆さま、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

11月・12月の主催イベントのお知らせ

今月、来月に開催するイベントの告知が出揃いましたので、まとめてお知らせします。東京大学駒場キャンパスで開催する「メディア創造ワークショップ」特別公開セッション2本、本郷キャンパスで開催するLudix Lab公開研究会2本の計4本を企画しました。
一つ目は既にお知らせ済みですが、12日に駒場キャンパスで山本貴光さんをお迎えしての特別公開セッションです。開催間近で定員はほぼ埋まりましたが、まだ少しお席ございます。

メディア創造ワークショップ・特別公開セッション
「社会のモンダイを遊びに変えるゲームデザインの考え方」
日時: 2013年11月12日(火)18時30分~20時15分
会場: 東京大学駒場キャンパス21KOMCEEレクチャーホール(B1F)
講師: 山本貴光 氏(ゲーム作家)
参加費: 無料
定員: 100名
主催: 東京大学 大学総合教育研究センター 教育課程・方法開発部門
参加申込等詳細:
http://www.todainavi.jp/?p=4710

二つ目も先日からお知らせしておりますが、駒場キャンパスで11月26日開催の、デジタルゲームの開発技術を教育や社会的活動に応用する取り組みについて議論するセッションです。

メディア創造ワークショップ・特別公開セッション
「社会問題に対応したデジタルゲーム開発の技術」
(セッション1) Unity の開発環境が生み出す可能性
講師:
伊藤 周(いとう まこと)氏(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 エバンジェリスト)
(セッション2) Unityを用いた教育コンテンツ開発事例
講師:
清水 宏一(しみず ひろかず)氏(株式会社キャドセンター 取締役社長)
曽我 光厳(そが みつよし)氏(株式会社キャドセンター インタラクティブコミュニケーショングループ)
日時: 2013年11月26日(火)18時30分~20時15分
会場: 東京大学駒場キャンパス21KOMCEEレクチャーホール(B1F)
参加費: 無料
定員: 100名
主催: 東京大学 大学総合教育研究センター 教育課程・方法開発部門
参加申込等詳細:
http://www.todainavi.jp/?p=4796

3つ目は、Ludix Labの公開研究会として企画しました。翻訳者の山本貴光さんに「ルールズ・オブ・プレイ」を使い倒してデザインスキルを高めようという趣旨のセッションです。

Ludix Lab公開研究会:
「意味ある遊び」を生み出すルールとデザイン
-『ルールズ・オブ・プレイ』で学ぶデザインの発想と方法-
ゲスト: 山本 貴光 氏(『ルールズ・オブ・プレイ』翻訳者、ゲーム作家)
日時:2013年11月29日(金)19時00分~20時40分
(18時半開場で簡単なお食事をご用意しています。)
会場: 東京大学本郷キャンパス福武ラーニングスタジオ1・2(B2F)
参加費:
一般:前売2500円、当日3000円
学生:前売1600円、当日2000円
定員: 40名(定員に達し次第締切)
主催: Ludix Lab (NPO法人Educe Technologies)
参加申込等詳細:
http://ptix.co/17OkQaK

4つ目は12月6日、立命館大学のサイトウアキヒロ先生をゲストに、先ごろ上梓された「ビジネスを変えるゲームニクス」(日経BP)でも論じられている「ゲームニクスがビジネスを変える力」について議論します。

Ludix Lab公開研究会: ゲームニクスが変えるビジネスで、日本は世界トップに立てる
ゲスト: サイトウ アキヒロ 氏(立命館大学映像学部教授)
日時:2013年12月6日(金)19時00分~20時45分
(18時半開場で簡単なお食事をご用意しています。)
会場: 東京大学本郷キャンパス福武ラーニングスタジオ1・2(B2F)
参加費:
一般:前売4500円、当日5000円
学生:前売2500円、当日3000円
定員: 40名(定員に達し次第締切)
主催: Ludix Lab (NPO法人Educe Technologies)
参加申込等詳細:
http://ptix.co/1dccFVY

Ludix Labの公開研究会二つは有料となりますが、このテーマに関心のある方にはお得感のある機会になると思います。軽いお食事も用意してお待ちしてますので、ゲームの教育利用、シリアスゲームやゲーミフィケーションに関心のある仲間との交流の機会も兼ねてぜひお越しください。

メディア創造ワークショップ特別公開セッション「社会問題に対応したデジタルゲーム開発の技術」(11/26)開催のお知らせ

 先日ご案内しました11月12日の「社会のモンダイを遊びに変えるゲームデザインの考え方」に続き、11月26日に開催するメディア創造ワークショップ特別公開セッション第2回のお知らせです。
 会場は同じく駒場キャンパスの21KOMCEEです。
 ゲーム開発エンジン「Unity」を活用したシリアスゲーム開発の入門編的なセッションです。このテーマにご関心のある方はどうぞご参加ください。

メディア創造ワークショップ・特別公開セッション
「社会問題に対応したデジタルゲーム開発の技術」
趣旨:
近年、ゲームエンジンなどのデジタルゲーム開発のために開発された技術が、娯楽以外の社会的な用途のゲームやシミュレーション(シリアスゲーム)の開発に利用される事例が増えており、ゲーム産業と社会をつなぐ新たな可能性を示しています。中でも近年ゲームエンジン「Unity」が採用される例が多くなり、教育や医療、さまざまな社会活動のためのデジタルゲーム開発にも貢献しています。この公開セッションでは、ユニティ・テクノロジーズ・ジャパンの伊藤周氏をお招きして、Unityが提供する開発環境の概要と、教育用ゲームや訓練用シミュレータの開発事例やヘッドマウントディスプレイ等の技術との組み合わせによる新たな経験を生み出す可能性について解説していただきます。
本セッションは、東京大学駒場キャンパスで開講中の「メディア創造ワークショップ」の特別公開セッション第2回です。
学外の方の参加も歓迎いたしますのでどうぞご参加ください。
(セッション1) Unity の開発環境が生み出す可能性
講師: 伊藤 周(いとう まこと)氏(ユニティ・テクノロジーズ・ジャパン合同会社 エバンジェリスト)
(プロフィール)
株式会社セガでアーケードゲーム「頭文字D」「ガンダムカードビルダー」やモバイルゲーム「三国志コンクエスト」を開発。その後Unity Technologies Japan合同会社に転職し、Unityエバンジェリストとして今に至る。個人(@warapuri)としてもOculus Rift用ゲーム「Titan」を開発。短時間でゲーム開発を競うWEG:ゲームクエスト市川チャレンジの初代優勝者。
(セッション2) Unityを用いた教育コンテンツ開発事例
講師:
清水 宏一(しみず ひろかず)氏(株式会社キャドセンター 取締役社長)
曽我 光厳(そが みつよし)氏(株式会社キャドセンター インタラクティブコミュニケーショングループ)
日時: 2013年11月26日(火)18時30分~20時15分
会場: 東京大学駒場キャンパス21KOMCEEレクチャーホール(B1F)
http://www.komcee.c.u-tokyo.ac.jp/access
参加費: 無料
定員: 100名(学内生を優先しますが、一般からもご参加いただけます)
参加申込方法: 下記の参加申込フォームよりお申し込みください。
http://bit.ly/mcw2013-sp02
主催: 東京大学 大学総合教育研究センター 教育課程・方法開発部門
お問い合わせ:(担当講師:藤本・中原宛)
mcw<at> tree.ep.u-tokyo.ac.jp

IGDA日本オンラインセミナー「欧州教育シリアスゲーム最前線」開催のお知らせ(11/5)

 先週10月30日に「学校をゲームの力で楽しく変えるアイデア創出ワークショップ」を開催しました。参加者の皆さんのこのテーマへの思い入れや熱意のおかげもありとても楽しいワークショップとなりました(ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました)。
 順次告知しておりますが、ここ1か月ほどの間にあと5本の主催・共催イベントを行います。まず明日11月5日(火)18時半より、IGDA日本オンラインセミナー「欧州教育シリアスゲーム最前線」に出演して。先月参加した「ECGBL2013」の報告をUstreamで配信します。
 ECGBL(European Conference on Game-Based Learning)2013はポルトガルで10月3日・4日に開催された教育向けシリアスゲームの国際会議です。このセミナーでは、欧州のシリアスゲーム研究発表が活発に行われたこの会議の模様をご紹介します。
<配信予定日時>
2013年11月5日(火)18:30-20:00(予定)
<配信アドレス>
Ustream http://www.ustream.tv/channel/igda-jp-ustream
<司会進行> 小野憲史(IGDA日本理事長)
<出演> 藤本徹(東京大学、Ludix Lab代表)
*内容は後日USTEAMで録画配信される予定です。なお、機材・回線トラブルなどで予告なく放送を中止・中断する可能性があります。
参照: IGDA日本ウェブサイトでの開催案内
http://www.igda.jp/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=1128

メディア創造ワークショップ特別公開セッション「社会のモンダイを遊びに変えるゲームデザインの考え方」開催のお知らせ

 東大駒場キャンパスで開講中の「メディア創造ワークショップ」の一環で、11月12日(火)に特別公開セッションを開催します。どなたでもご参加歓迎ですので、このテーマにご関心のある方、どうぞご参加ください。

メディア創造ワークショップ特別公開セッション
「社会のモンダイを遊びに変えるゲームデザインの考え方」
趣旨:
近年、社会問題の改善のためにゲームの力を活かそうとするシリアスゲームやゲーミフィケーションの取り組みに関心が高まっています。社会問題を題材にして優れたゲームを企画し、デザインしていくには、普段の考え方やモノの見方と異なる切り口で社会問題を捉え直すことが求められます。本公開セッションでは、ゲーム作家の山本貴光氏をお招きして、ゲームデザイナーの問題を捉える枠組みやアイデアの組み立て方など、実例を交えながら解説し、議論して理解を深めます。
本セッションは、東京大学駒場キャンパスで開講中の「メディア創造ワークショップ」の特別公開セッションとして開催します。
学外の方の参加も歓迎いたしますのでどうぞお申し込みください。
講師: 山本貴光 氏(ゲーム作家)
講師プロフィール:
ゲーム作家、文筆家。慶應義塾大学環境情報学部卒業。1994年よりコーエーにてゲーム制作(企画/プログラム)に従事し、2004年からフリーランスとして活動。著書に『心脳問題』、『問題がモンダイなのだ』、『ゲームの教科書』、『デバッグではじめるCプログラミング』『コンピュータのひみつ』など。最新刊はサレン+ジマーマン『ルールズ・オブ・プレイ』(訳書)。ゲームの代表作は 『That’sQT』『戦国無双』『三國志VII』他。
日時: 2013年11月12日(火)18時30分~20時15分(18時より開場)
会場: 東京大学駒場キャンパス21KOMCEEレクチャーホール(B1F)
http://www.komcee.c.u-tokyo.ac.jp/access
参加費: 無料
定員: 100名(学内生を優先しますが、一般からも参加歓迎いたします)
参加申込方法: 下記の参加申込フォームよりお申し込みください。
http://bit.ly/mcw2013-sp
主催: 東京大学 大学総合教育研究センター 教育課程・方法開発部門
お問い合わせ:(担当講師:藤本・中原宛)
mcw<at> tree.ep.u-tokyo.ac.jp