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生涯学習通信

「風の便り」(第88号)

発行日:平成19年4月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 「教育公害」の発生を助長する教育論の特性(2) 「単眼」の教育論−「Single Issue主義」

2. 「教育公害」の発生を助長する教育論の特性 (2) (続き)

3. "年寄りは死んでください国のため"

4. 出口のない癒し−「子育てサロン」の行方−

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

"年寄りは死んでください国のため"
−The Active Senior:これからの人生−熟年の危機と「安楽余生」論の落とし穴−
(学文社、2007.4.15発行、¥1、575;税込み)

  表題の言い回しにはどきっとするでしょう。これは、医療費でも、介護費でもますます高齢者の負担を増加し続けている国の高齢者政策を評した川柳だそうです。大分県のある町の講演会で大会の実行委員長さんが筆者の提案に対する感想とご挨拶の中でご披露されたものでした。筆者は、"親孝行したくないのに親は生き"をお返しに紹介しました。

  この話を地方雑誌「嘉麻の里」編集長の大庭星樹さんにお話ししたら、彼が笑って、自作の川柳を紹介してくれました。下関市の高名なお寺を訪ねた吟行会のとき、「延命水」なる名物があってみなさん競い合ってお飲みになったそうです。2007年問題でメディアが騒がしい昨今ですから、見ていた大庭さんには、俳句の代わりに川柳が出来たそうです。いわく、"延命水、飲んで家族を困らせる"。現行の高齢者施策は大いに間違っています。高齢社会は今後ますます混沌の度を増すことでしょう。

  つい最近、表記副題の通り、筆者の2007年問題への提言を1冊にまとめて学文社から出版しました。現行政策への批判の論理と語勢がいささか足りなかったかな、という反省はありますが趣旨は理解して頂けるであろうと満足しています。「ですます」調で書いたことも良かったのではと思っています。昨日、高齢者大学の講義にもって行ってみたらすべて売り切れました。社会と切れたところで生涯学習だけやってもダメだ、という指摘が刺激的だったのでしょうか?それとも、「ですます」調の文体が柔らかいということだったのでしょうか?今後は論文調は控えようと思った次第でした。
  この東京一極集中の時代に、地方の引退研究者の著作をよくも世に問うてくださったと学文社の三原多津夫氏には感謝の気持ちでいっぱいです。一層の精進を約束し、来年は「教育公害がやってくる」を書かせていただくことをお願いしたところです。

  ところで現行の高齢者問題については、関係者の診断も処方も極めて甘く、現行行政の分業と縄張りにとらわれているので、複合的な問題を部分的にしか見ていません。健康体操やメボリック・シンドローム対策だけで年寄りの健康を守れるはずはないではないですか!?医療費も、介護費も早晩破綻に直面し、増税か高負担の時代が来るでしょう。施策は直接間接に、多くの年寄りに「早く死んでくれ」と言わんばかりですから、表題の川柳もうなずけるというものです。

  新著の提案の視点は基本的に以下の3点に集約できます。
  1  年寄りの増加が問題の根源ではない、何もしない年寄りの増加が原因なのである。
  2  元気だから活動するのではない、活動を続けるからお元気なのである。
  3  熟年活力の処方は「読み、書き、体操、ボランティア」の総合、なかんずく、社会貢献の継続が熟年を支える。

  向老期の人生地図を書きたいと渾身の力を込めました。生涯学習施策が何をすべきか、高齢者福祉はなぜ生涯学習と統合されなければならないのか、ご興味のある方はどうぞご一読をお願いします。 

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