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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第87号)

発行日:平成19年3月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 「教育公害」の発生を助長する教育論の特性

2. 「教育公害」の発生を助長する教育論の特性 (続き)

3. 学校の挑戦ー「サバニ」で宍道湖を横断

4. 研修効果を問わなくていいか−『公金投資のアカウンタビリティ』

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

● お知らせ:第77回生涯学習「移動」フォーラム ●

  次回は新しい「移動フォーラム」への挑戦です。先日はパイロット調査を兼ねて,熊本の宇城の公民館連合会の年度末総会に出させて頂きました。感触をつかみましたので,もう少し時間をいただいて77回「移動」フォーラムを企画します。現在決まっているのは、8/4?5(土?日)山口県セミナーパークです。主催は山口県生涯学習推進センターの研修生で構成する生涯学習グループ「VoloVoloの会」になる予定です。事前にスケジュールを確保しておいてください。
  5月は恒例の第26回中・四国・九州地区生涯学習実践研究交流会がありますので,各地のみなさんと相談させて頂きます。今のところ77回の開催は6月頃になる予定です。
  現在当方関係者で相談している候補地は沖縄の井上先生のところの研究会との合同開催、飯恷sの森本教育長のところでの勉強会,佐賀の関先生や紫園さんにお願いして企画する佐賀フォーラムなどです。どうぞお楽しみに。
  企画が決まりましたらメールまたは「風の便り』の紙上でお知らせいたします。メールによる案内をご希望でしたら事務局でメールアドレスをグループ化して一斉発信をいたしますので,『87号を読んで、移動フォーラム案内を希望』と注記の上メールで事務局三浦までご連絡ください。


●●● 編集後記 ●●●
  一年の締めくくりで、公民館で教えて来た「むなかた市民学習ネットワーク事業』の英語講座のスピーチプレゼンテーションを実施しました。この事業はすべて市民の"ボランティア指導者"によって行なわれています。モデルはアメリカの「自由大学」(Free University; A Model for Lifelong Learning, William Draves/AP/Follet, 1980)です。
  最大の特徴は受講生の受益者負担と指導者に対する「費用弁償』制を組み合わせて事業が最少限"自転"出来るようにしたことです。宗像市ではすでに20年を超える歴史があり、100人を超えるボランティア指導者を有しています。受講生の一回の負担は350円、指導者への「費用弁償』は2,500円です。私のクラスには15人の生徒さんがいますのでネットワーク事務局への収入は「15人×350円」=5,250円になります。それに対して講師の指導に対する「費用弁償』は一律2,500円ですから、1回の指導ごとに差額の2、750円がネットワークの事務局の運営費の一部に回る仕組みです。
  英語指導は今年で6年目が終わり、まとめのスピーチプレゼンテーションは4年目、4回目になりました。。中学生の指導から始めましたが,結局若者の応募はなくなって現在は成人学習者のみになりました。人生に未熟な中学・高校生に比べれば,成人のクラスの面白さは格段の違いがあるのですが、「教育公害」の発生を予測している筆者としてはいつか英語の指導を通して中高生に学習の「型」や社会の規範を教えたいという望みは捨てていません。
  人生の経験を分かち合える大人の学習者とはすぐに仲好しになれます。しかし,問題はいつも「英語学習の成果」でした。「仲好しクラブ」でない以上、英語が話せるようになって初めて講座の目的が実現します。試行錯誤の末に,私の英会話指導法は『豊津寺子屋』と同じ「音読」ー「文型の分析」ー「和英両文への瞬間的翻訳練習?「暗唱・朗唱」?「人前でのスピーチ・スタイルでの単独発表」のサイクルを反復するという形に落ち着きました。時間の経過から言うと、豊津寺子屋の「型』の指導が英語指導法に倣ったと言った方が正確でしょうか!
  基本形の暗唱と和英両方の瞬間的翻訳練習によって、応用力のつかなかった人々に自在の応用力が付き始め、教材についての英語問答が出来るようになりました。また、スピーチの練習によって、人前での単独発表によって経験のなかった人々に自信と表現力が現れ始めました。「表現力』とは英語で物語を語る力であると定義しています。各人がほぼ完全に暗唱する教材は年間2?3種類ですが,15人のクラスが交代で題材を提出し,暗唱して発表し、その大意を踏まえて発表者以外の参加者も当該テーマについて英語で概要のスピーチが出来るようになるまで練習を徹底します。すべての教材を全ての生徒さんが発表することは出来ないのですが、最低でも、一人が年間15回から20回程度のスピーチをすることになります。生徒さんに暗唱を要請する以上、指導者も例外なく暗唱してみせる必要があり、これが筆者に精神の緊張をもたらし、頭の体操になっています。結果的に、生徒さんの英会話力が向上し、指導の自信を維持することにつながっています。英語には"老いた犬に新しい芸は仕込めない;No new tricks for an old dog!"ということわざがあるのですが、生涯学習の可能性はこのことわざが間違いであることを証明しました。今回は外部から数人の見学者が来てくれました。一様に筆者と同じく成人学習者の奮闘ぶりに魂を揺り動かされるものがあったと聞きました。生徒さんもそれぞれにがんばった仲間に同じような感想を持って頂けたと想像しております。まさに「志縁」の人間関係が出来上がって行く瞬間を体験いたしました。生涯学習を人生のなりわいとする幸運を実感しています。


『編集事務局連絡先』  
(代表) 三浦清一郎 E-mail:  kazenotayori (@) anotherway.jp

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