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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第104号)

発行日:平成20年8月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 朗唱の教育機能と練習の構造

2. 朗唱の教育機能と練習の構造 (続き)

3. 市民参加型事業の組み立て・メンバーの組織化 -日本文化の制約条件-

4. 市民参加型事業の組み立て・メンバーの組織化 -日本文化の制約条件-(続き)

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

お知らせ  

1 生涯学習フォーラムin福岡 (再開)

 福岡県社会教育総合センターを拠点とした生涯学習フォーラムin福岡を再開します。実行委員会代表は森本精造(福岡県飯恷s教育長)です。再開第1回は9月27日(土)午後3時からです。テーマは「小学校教育を革新する」を予定しています。第2回は11月29日(土)です。場所と時間は同じです。

2 福岡県桂川町 桂川東小学校創立50周年記念発表会

 日程:11/22(土)9:00AM-
 場所:福岡県桂川町立桂川東小学校
 内容:「子どもの生きる力」をどう表現するか―「桂東朗唱組曲」ほか

3  生涯学習移動フォーラムin SAGA
 日程:12/13(土)−14(日) 
 場所と中身:佐賀市勧興公民館「まちの駅」
 →佐賀市富士生涯学習センター(古湯映画祭会場)

4 生涯学習移動フォーラムin OKAYAMA
 日程:平成21年1月26日(日)-27日(月)
 場所:未定 、 内容(仮):「熟年者マナビ塾」と「シニアスクール」

5 第4回人づくり・地域づくりフォーラムin山口
 日時:平成21年2月14-15日(土-日)
 場所:山口市秋穂 セミナーパーク
 


■■■■■ 編集後記: セレンディピティ(Serendipity):「幸せな偶然」 ■■■■■

 過日、福岡県桂川町の桂川東小学校のサマースクールを訪ねました。5日間の日程の三日目でした。図書室では秋の発表会に向けた朗唱の練習が始っていました。校長先生は、生憎というか!幸い!というか、ご出張でお留守でした。"しめた"と思ったのは、"鬼の居ぬ間の洗濯"で、子どもの直接指導が出来るかもしれないと期待したからです。
 筆者は当校の"押し掛け"顧問です。筆者は現代の学校教育に対して、子どもの欲求と主体性を混同するな、と異議申し立てをし、子どもの自主性は創るものであって、初めから子どもに「自主性」があるはずはないと公言してはばかりませんでした。筆者の"恫喝的"な指導を警戒された校長先生のご配慮(?)は無理もないのですが、それにしても1学期の訪問以来、未だ一般教員にも、児童にも会ったことがなかったのです。
 朗唱指導は5年生担任の女の先生でした。1年生から6年生までのサマースクール参加者が揃い、いい声が出始めていました。たまたま教材は筆者が選んだものの中で最も難しい「万葉集」でした。内容的に小学生に歯が立つ筈はないのです。
 教頭先生が紹介して下さるというので筆者は咄嗟にかたわらの椅子に飛び乗りました。同行した准教授の教え子が横に直立して控えてくれたので、従者を従えた白ひげの老師の雰囲気になったと思います。教頭先生は、"校長先生の先生です"、と紹介して下さいました。瞬間的に筆者は自己紹介に代えて、椅子の上から朗唱指導を取って代わろうと決心したのです。姿勢を正させ、一拍の拍手の同調練習をさせ、大声で朗唱のモデルを示し、1年生だけを集合させて"先生の言うとおりについて来なさい"と威圧し、有無を言わせぬ指導をしました。1年生は見事に万葉集の朗唱の課題をやり遂げたのです。次は、1年生の後を全学年が続くようにリフレイン形式の指導に移りました。競争と共鳴が始まりました。この時の指導からあるひらめきが訪れたのです。そのまとめが巻頭の小論文です。つくづく現場を持つことの幸せ、セレンディピティの幸運であったと実感しています。
 「朗唱」は筆者が一貫して子ども集団や学校指導に活用して来た方法です。これまですべての実践で大きな成功を納めて来ました。しかし、なぜ「朗唱」なのか、ということは言葉で十分に説明出来ていませんでした。朗唱の教育機能について論理的に分析をしたことはなかったのです。今回初めて、その意味と意義が分かった気がします。初めて出会った桂川東小の1年生にお礼を言わなければなりません。彼らのひたむきさが生み出した筆者にとって幸運な研究上の偶然でした。

Serendipity:日本語が発明した「もののあわれ」や仏語が発明した「デジャヴ(既視感)」のように、セレンディピティは英語が発明したユニークな概念」です。「当てにしていないものを偶然に発見する才能」とか、「偶然によって思いもよらぬ発見・発明をする能力」という意味に使われています。


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(代表) 三浦清一郎 E-mail:  kazenotayori (@) anotherway.jp

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