Ludix Lab研究会参加者募集のお知らせ

 藤本が主宰するLudix Lab(NPO法人Educe Technologiesのゲーム学習研究ユニット)で、以下のような自主ゼミ形式の研究会を企画しましたのでご案内いたします。
 一つはゲーム学習に関する文献講読を中心とした理論重視の研究会、もう一つはシリアスゲーム開発ワークショップです。以下のような要領で、交互に隔週で4月~7月の木曜夜に開催します。意欲ある方は両方とも参加いただくこともできますし、片方だけの参加も可能です。ご関心に応じてご検討ください。
 東京大学の学生に限らず、このテーマに関心のある学生・社会人の方はどなたでも受け入れます(大学の正規授業枠ではなくNPO法人で行うメリットです)。ただし、参加にはいずれの研究会も事前準備や時間外の作業が伴いますので、ある程度コミットする覚悟をもってご参加ください(これまで行ってきた公開研究会もこの研究会とは別枠で開催しますので、もう少し気軽な機会をご希望の方はどうぞ公開研究会へご参加ください。また準備でき次第ご案内いたします)。
 なお、今回は試行的に行うため、参加費は無料です(今後活動を充実させて継続展開するために原資が必要ですので、資金的に余裕のある社会人・法人の方は、下記にご案内する形でご寄付をご検討ください)。
 以前からこのような場を創りたいと考えていたのですが、この度ようやく始動する準備ができました。ゲーム学習文献研究は4月10日開講、開発ワークショップの方は4月17日開講です。ゲーム学習に関するテーマで研究、開発を行いたい方はぜひ参加をご検討ください(4月3日でいったん参加者を確定しますので参加希望の方はお早めにお申し込みください)。

Ludix Lab 研究会(2014年前期)概要:
(1)ゲーム学習文献研究
★活動概要:
・ゲーム学習の理論、デザイン枠組、評価に関する英語基礎文献、最新研究論文を読んで議論する、文献講読主体の大学院ゼミ形式の研究会です。
・各章の担当を決めて、担当者は事前にレジュメにまとめてきて発表、全員でディスカッションします。
★開催日時: 隔週木曜18時30分~20時30分(予定詳細は調整中)
1.4月10日: オリエンテーション
2.4月24日: Squire Ch1&2
3.5月8日: Squire Ch3&4
4.5月22日: Squire Ch5&6
5.6月5日: Squire Ch7&8
6.6月19日: Squire Ch9&10
7.7月3日: ゲストセッション(予定)
8.7月17日: ラップアップディスカッション
★取り上げる文献:
Squire, K. (2011). Video Games and Learning: Teaching and Participatory Culture in the Digital Age. New York, NY: Teachers College Pres. ISBN 0807751987
http://www.amazon.co.jp/dp/0807751987
・デジタルゲームを通した学びや文化的側面からのゲーム学習に関する理論的背景や研究課題を概観した文献です。
(※後期はゲームの学習評価に関する文献を扱う予定です。)
★対象者:
社会人、学生を問わず、ゲーム学習の理論的知識を高めたい方全般を対象。毎回参加が前提(前提スキルとして、英語文献をある程度読める読解力が必要です)
以下のような方の参加を想定しています:
・このテーマで研究を進めたいが、指導してもらえる教員や研究者が身近にいない大学院生(学部生も可)
・シリアスゲーム、ゲーミフィケーションの開発のための理論的な補強をする機会を求めている開発者、企画者
・このテーマで研究を始めたい、または研究継続するための機会がほしい研究者

(2)シリアスゲーム開発ワークショップ
★活動概要:
特定テーマを設定して、シリアスゲームのプロトタイプをグループで開発し、プレイテストを行います。
海外のシリアスゲームコンテストへの出展、国際会議での開発成果発表や、商品化につながるプロトタイプを開発します(ゲームの形態はデジタル、アナログを問いません)。
★開催日時: 隔週木曜18時30分~20時30分(予定詳細は調整中)
1.4月17日: オリエンテーション
2.5月1日: 企画セッション(1)
3.5月15日: 企画セッション(2)
4.5月29日: プロトタイピング(1)
5.6月12日: プロトタイピング(2):α版発表
6.6月26日: テストプレイ(1)
7.7月10日: テストプレイ(2):β版発表
8.7月24日: 成果報告会
★対象者:
社会人、学生を問わず、シリアスゲーム開発の機会を求めている方全般を対象(毎回参加が前提)
以下のような方の参加を想定しています:
・シリアスゲーム、ゲーミフィケーション開発の経験を積みたい方
・この分野の専門家や開発者からアドバイスをもらいながら開発成果を出したい方
・この分野で開発を共にする仲間を求めている方
—-
★会場:
東京大学本郷キャンパス福武ラーニングスタジオ1
http://fukutake.iii.u-tokyo.ac.jp/access/
★定員:
・各12名(参加希望多数の場合、ご記入いただいた参加動機や経験等をもとに選考を行います)
★参加費:
・無料(ただし、文献購入など活動参加に必要な経費は自己負担)
(社会人の方、法人単位でご参加の方には、下記に記載する要領でご寄附をお願い致します。)
★備考:
・FacebookグループまたはサイボウズLiveなどで情報共有しながら活動を進めます。
・毎回参加可能であることを前提とします。
・参加希望者多数の場合、この機会を必要としている方、本研究会の趣旨に合致した参加意欲を持った方を優先して選考します。
・学生からの研究相談の希望にはできるだけ応じますが、担当の指導教員の先生に必ず了解を取ってください。
★主催:
Ludix Lab(NPO法人Educe Technologies)
(企画責任者: 藤本 徹)
問い合わせ先:
contact01@ludixlab.jp
■参加申込方法:
以下の参加申込フォームにご記入の上お申し込みください。【募集を終了しました】
http://bit.ly/ludix03190214
ご寄付の申込方法は下記のページをご覧ください。
http://bit.ly/ludix-donation
(今回の研究会には参加しないけど、ご寄付のみご協力いただけるという方ももちろん歓迎です。どうぞよろしくお願いいたします。)

「第1回シリアスゲームジャム」を開催しました

 2月22-23日の2日間、東京工科大学メディア学部主催の第1回シリアスゲームジャムを開催しました。会場はGreeさんのご協力で会議室をお借りしました。とても眺めの良い快適な環境でした。(Greeご関係者の皆様には大変お世話になりました。ありがとうございました。)
 ゲームジャムというのは、短時間でゲームを開発するハッカソン形式のイベントで、世界同時に同じテーマで48時間でゲームを開発する「グローバルゲームジャム」がよく知られています。
http://globalgamejam.org/
 今回は「Serious Game Jam for Happy English」と題して、英語学習をテーマにしたシリアスゲームを2日間で開発する形で行いました。通常のゲームジャムは会場に来てから昼夜通して48時間作業する形式ですが、このシリアスゲームジャムでは、開催当日の活動は午前から昼間のみと短い代わりに、事前にFacebookグループ上で企画準備の活動を行いました。一般公募で集まった36名の参加者が1ページの企画案を出して好きな企画に投票する「ペラ企画コンテスト」を行い、上位の5つのゲーム企画を開発する5チームを結成して、事前にグループで企画を練ってから当日の開発に臨みました。
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 私は初日のオープニングトークを担当しました。この10年のシリアスゲームの国内外の動きや、社会からの期待の高まりについて話しました。トークのスライドは公開してますのでご覧ください。

 各チームとも、事前に仕込みをしてきたことで、開発は着々と進んで、2日目冒頭の中間報告の段階で5チームとも画面イメージやゲームの動きを見せる段階まで来ていました。最後の成果報告の際には、プレイできるレベルまで完成させたチーム、基本動作のデモまでのチームそれぞれでしたが、開発時間が短い中で5チームともゲームを形にするところまで持っていくことができていて素晴らしかったです。
 見学に来られた方(学生運営スタッフのお父さん)が、個人ハッカソンでこのシリアスゲームジャムのプロモーションビデオを制作してくださったので、みんなで鑑賞して盛り上がりました。下記のFacebookグループでこのビデオや会場での様子の写真など掲載しています。
https://www.facebook.com/groups/1392487234342662/
 今回開発された5本のゲームは公式ウェブサイトで後日公開されます。サイトには事前の活動で制作された22案のペラ企画も掲載されていますのでご覧ください。
http://www2.teu.ac.jp/media/~kishimotoy/SeriousGameJam/
 今回は、主催の東京工科大学メディア学部の岸本先生、三上先生とともにIGDA日本の小野代表と、藤本の4名で準備委員会として企画準備を進めてきました。どれくらい参加者が集まるか全く手探りな感じでしたし、会場の確保や、運営面の細かい調整など準備作業は結構ありましたが、短期間で進めて実現できました。数年前はこのようなシリアスゲームの国内イベントをいつ開催できるか見通しも立たない感じでしたが、徐々に積極的に活動してくださる仲間も増えてきて、ようやくこれから国内のシリアスゲームの動きも力を増していけそうで楽しみです。
 これまでもこのような機会が創れたらよいなと思っていましたが、ようやく実際にやってみて、思った以上に多くの示唆を得ることができましたし、シリアスゲームに関心を持っている人たちが集まって、アクションを起こせる場を提供していくことが、次につながる力を高めていくということを感じました。シリアスゲームがゲームジャムというアプローチと組み合わさると、多様な立場の参加者がゲーム開発に関われるようになり、ゲームと社会がつながる場になりました。「ゲームの力」を活かすアプローチの一つとして期待が持てました。
 参加者の皆さま、運営スタッフや関係者の皆さま、どうもおつかれさまでした。また次回開催に向けて動きましょう。

Ludix Lab公開研究会: 「すれ違いだらけのゲーム研修」(1/25)開催のお知らせ

 1月25日(土)にLudix Lab主催の公開研究会を開催しますのでお知らせします。
 Ludix Labフェローの高橋興史さんの企画で、フェロー全員総出でゲーム研修のさまざまな「すれ違い」にまつわる話題を提供して、参加者の皆さんとよりよいゲーム研修のあり方を議論するセッションです。営利組織で人材開発を担当され、ゲーム型研修の導入に関心のあるけどなかなかうまくいかない、体験型学習を導入したが思うような成果が出ない、といった悩みをお持ちの方を主な対象としています。
 会場は東京大学本郷キャンパス福武ホールラーニングシアターです。このテーマにご関心ある方、ご参加お待ちしてます。
以下、開催案内ページより抜粋
http://ptix.co/1kusMAn

Ludix Lab公開研究会: すれ違いだらけのゲーム研修
趣旨:
社員研修向けに、ゲームやゲーム要素を取り入れた体験型活動を通じた学習を提供する研修サービスが増えています。ところが、「楽しさ」ばかりが前面に出ていて、本来の学習目的とゲームの内容がかみ合っていなかったり、学習成果につなげるための設計が十分に行えていない研修プログラムも少なくありません。
また、従来の講義形式の研修の効果測定手法では対応できないことが多く、体験型の学習の評価に悩みを抱える企業も多いようです。その原因として、研修企画者(人材開発担当や研修事業者)の間や、研修企画者と研修参加者の間の学習観のすれちがいが挙げられます。また、効果測定の「効果」という言葉ひとつとっても立場によって大きく考え方にすれちがいがあります。
今回の公開研究会では、LudixLabフェローの高橋興史氏が代表取締役を務めるカレイドソリューションズの協力により、同社の顧客企業の人材開発担当者及び研修事業者を対象にした調査結果から示された「ゲームを取り入れた体験型研修の導入にまつわる人材開発担当者のよくある悩み」を題材に取り上げます。 ゲーム学習研究の専門家が人材開発担当者のよくある悩みに答えながら、ゲームを取り入れた体験型研修を考える上での指針を提供し、それを通じて成果を高めていくための手掛かりをつかんでいただくことをねらいとして企画しました。
<主な論点>
セッション1:「学びのすれ違い」
・研修企画時によくある「すれ違い」
・ゲーム学習のタイプとアプローチ
・ゲームがもたらす「タメになる楽しさ」と「ダメになる楽しさ」
・ゲーム研修をレベルアップするための基本概念
・ゲームを通した学びを深めるファシリテーション
・気付きを促す問いかけ
セッション2:「評価のすれ違い」
・ゲームを通した学びを実務につなぐ考え方
・学習成果の測定と評価(評価方法のタイプ)
・フォローアップでわかること
★登壇者:
池尻良平(東京大学 大学院情報学環 特任助教)
為田裕行(フューチャーインスティテュート株式会社 取締役)
福山佑樹(早稲田大学人間科学研究科博士課程)
藤本 徹(東京大学 大学総合教育研究センター 助教)
★モデレータ:
高橋興史(カレイドソリューションズ株式会社代表取締役)
★日時:2014年1月25日(土)14時00分~18時00分
★会場: 東京大学本郷キャンパス福武ラーニングスタジオ1(B2F)
★参加費:一般:前売4500円、当日5000円
★定員: 20名(定員に達し次第〆切)
★詳細、参加申込は下記の案内ページをご参照ください:
http://ptix.co/1kusMAn