2011年の抱負など

 だいぶ遅くなってしまいましたが、今年もよろしくお願いいたします。
 今年は、博論に苦しみながら先行き不透明な状態で過ごしていた昨年の冒頭よりもはるかに希望に満ちた新年を過ごしています。これまで以上にどんな1年になるかとても楽しみです。4月からは自分の活動の幅が広がる多くのチャレンジができそうです。今までやってきたことがどれだけ通用するか、どんな貢献ができるか試しつつ、さらに腕を磨いていきたいと思います。
 具体的なタスクは新年度からの状況を見て優先順位を決めていく必要がありますが、今年の方針としては次のようなことを考えています。
「場数を踏む」
 とにかく新ネタを書くためにインプットを続けること。既存のネタのブラッシュアップを図ること。そして、小規模なライブ活動で腕を磨き続けること。質を語るにはまず数をこなして経験値を積み上げていくことが不可欠なので、教育と研究の両面で活動のペースを上げていきます。具体的には、昨年担当した東京工芸大と慶應SFCの授業のバージョンアップ、新たなワークショップやデザイン活動に着手すること、学会発表機会を増やすことです。たとえば、昨年試しにやってみた「シリアスゲームデザインワークショップ」が面白くなってきたので、もっと磨いていって次のレベルに高めたいと思います。
「急がば回れ」
 自分の生き方の基本姿勢として「善き手抜き主義」というのがあって、義務的なタスクはなるべく効率よく、自分がやらなくてよいことをいかにやらずに済ませるか、というようなことを信条にしてきたところがあります。これはこれで処世術としてはいろんな局面を切り抜けるために地味に機能してきましたが、その反面じっくり腰を据えてやるべきことが疎かになったままになった部分も結構あって、それが弱みとなっている部分も認識しています。一つには、基礎文献の読み込みや考察の徹底ができてないところが足を引っ張っているので、そこをリカバーしていくことが今年の課題です。ただ読むだけだと続かないので、アウトプットと関連付けて読み進めていくことを自らに課したいと思います。
 この点、新年早々に一つテーマが見つかりました。正月休みに90年代中盤のマルチメディア学習やエデュテインメントの開発事例や文献をいくつかあたっていたのですが、ゲームデザイン的にも研究の論点的にも、今シリアスゲームの文脈で議論されていることは当時盛り上がった時にかなり議論されていることに改めて気づきました。前に読んだ時は理解が浅かったのだなと思い知ったのと同時に、読み直すことで得るものが大きそうだと感じました。
 教育工学分野では新しい技術が出てくるたびに同じような無駄な研究が繰り返されているという批判がありますが、実際、技術の目新しさだけ追っていると見えてこないことがあります。また、研究分野の違いや関わる人の入れ替わりのせいで、以前の研究のせっかくの知見が活かされずに埋もれてしまっているものもあります。新しい技術を基点に、古い文献に立ち戻って捉え直すことで、以前は越えられなかった壁を越えることのできる研究ができるのではないかと思います。こういうことは前からやりたいと思いつつも自分の手に負えなそうで二の足を踏んでいましたが、ようやく着手する意志が持てるくらいには自分のベースができてきたというところでしょうか。今年一年かけて、何か世に問えるようなものを準備していきたいと思います。
「海外に出続ける」
 博論執筆に入ってから2年あまり、海外での活動が不活発になっている状況を打開したいと思います。当面は、海外の学会へ論文投稿と発表各一本を目標にします。まずはウォーミングアップとして、今年は久々にシリアスゲームサミットに参加してきます。他にもチャンスがあれば出てきたいと思います。留学先だったこともあってこれまで主戦場はアメリカだったのですが、今後はアジア向けの活動が増えてくるのかなと予想します。アメリカで活動していたことが呼び水になってアジアでお声がかかることが何度かあったので、良いサイクルができるように海外を見据えた活動を続けたいところです。
 他にも考えるうちにやりたいことはいくらでも出てくるのだけど、あれもこれもはできないので、地道に成果につながることをやってくかなという感じです。何も成果と関係ないこともたくさんあって、たとえばいつかヒストリーチャンネルとディスカバリーチャンネルの好きな番組を見て丸一日過ごしたいのですが、そういうことは病気した時かリタイアしてからの話になりそうです。
 それと、今のままではゲーム研究者の名折れになるので、ゲームはもう少しプレイ時間を増やしたいです。Red Dead Redemption とか、StarCraft IIとか研究に関係なくやってみたいゲームもいっぱいあるんですが、Civilization Vに手を出せれば上出来でしょう。まずは研究につなげやすそうなKinectを必須課題にして、Restaurant Empire IIとかいくつかSim系を中心に試してみたいタイトルに手を出せるようにがんばります。
 当ブログも徐々に更新頻度が減ってきてますが、その時々で考えたことや近況など書きながら地道に続けていきたいと思います。今年も当ブログをどうぞよろしくお願いいたします。