DiGRA Japanの大会が終わってひと段落したので、シリアスゲームジャパンに「ゲーミフィケーション」の話題で記事書きました。こちらでも多少補足を。
海外サイトで “serious games” についての記事は日に1件あるかないかというところなのだけど、”gamification” についての記事は毎日数件ヒットする。リンクだけ放り込んだEvernoteの切れはしがたまってきて、チェックが追い付かなくなっているような状況にある。
ゲーミフィケーションは、考え方としてはゲームデザインの要素を社会的な活動に取り入れるものなので、シリアスゲームの延長線上にあるものの、シリアスゲームは従来のゲーム産業に近いところで取り組みが進んできたので、あくまでメディアとしての「ゲーム」の枠の中で考えられてきた側面がある。ゲーミフィケーションは、開発対象がゲームそのものである必要がないため、さらに適用範囲が広く、対象とするすそ野が広いと言える。昨今、ソーシャルゲームが新興勢力となって隆盛し、従来のゲーム産業の枠組みを変えつつある流れと同様に、ゲーミフィケーションがシリアスゲームのメディアの枠を拡張する動きとなっているという解釈ができる。
ゲーミフィケーションの手法自体は、個別にはあまり目新しくはないものが多いのだが、これからノウハウ開発が進んでいけば面白い展開になる期待はできる。ただ、やや懸念されるのは、以前の「セカンドライフ」ブームにやや似た動きをしている感がやや見られるところだ。セカンドライフの時も広く関心を集めたが、焦点が拡散してしまい、コンセプト先行で技術面での未成熟さや活動が期待においつかないまま推移したこともあって、残念ながらすぐに盛り下がってしまった。ゲーミフィケーションもノウハウ開発が追い付いていかないままに騒いでいると、「優れたゲーミフィケーション」が出ないうちに「ダメなゲーミフィケーション」が市場を覆ってしまってすぐにしぼんでしまうだろう。それに4Gamerの奥谷さんも指摘しているように、皆が同じようなことをやりだしたら目新しさがなくなってしまって付加価値がなくなってしまうことも考えられる。
最近のシリアスゲーム動向もボリュームが増えすぎて十分キャッチアップしきれてないというのに、さらに新たな展開が出てきて、この動きの速さには参ってしまうのだけども、日本の我々も遅れを取らないようにやれることはやって行こうと思う。
これまで集めた資料が豊富にあるので引き続きそれらを読み解きつつ、もう少し知見を深めたらまた解説します。