先週CNNで、米国の大手メーカーのキンバリー・クラークが「コアなし(Tubeless)トイレットペーパー」を発売するというニュースを伝えていた。
USA Todayの記事:Kimberly-Clark rolls out tube-free Scott toilet paper
http://usat.ly/cCl4L9
メーカー側が言うには、これが米国のトイレットペーパー業界の「イノベーション」なのだそうだ。そう言われればば、たしかに留学中にはコアなしロールは一度も見たことがなかったが、これは日本で言うところの「コアノン」トイレットペーパーで、すでに生協が80年代半ばに家庭用ロールとして展開している(ソース)。それ以来、日本ではかなり普及している製品で、何がイノベーションなのかわからない。アメリカが環境にやさしい取り組みを進めていると言っても、この程度のこともまだこれからの話だとすれば、日本に比べればずいぶんスタートラインは後ろの方にあるように思える。
この件が象徴しているように、米国の国内市場を少し見てみると、日本の取り組みに比べれば驚くほどに遅れていることがいろいろと目につく。健康志向もここ数年の話で、最近ではノンシュガーのグリーンティも普通に見かけるが、僕が留学してすぐの2000年代前半は、スーパーで甘くない飲み物を見つけるのは大変だった。
大きな市場を自国に持っている国というのは非常に内向きで、市場の変化が非常に遅い。ちょっと他国のマーケットを調べに行けばすぐに気付きそうなことだけども、そうではないのだろうか。そういう努力をしなくても儲かるところはわざわざやらないのだろうし、環境志向の流れになってきてようやく腰を上げたというところだろうか。市場を牛耳っている大企業を動かすには、外圧や世論のプレッシャーで事業環境を変化させることが必要で、それはどこの国でも同じことなのだろう。