学習会議@NHKに参加

 百式ブログで有名な田口元さんプロデュースの「学習会議@NHK」に参加してきた。
 ブロガーと学習ってどんな感じの内容なのかな、とイメージがわかないままに、教育番組の制作の話が聞けるというので参加してきたが、参加してみて納得。ブロガーと協力企業の双方のニーズの落としどころをリンクさせた、コラボ×プロモセッションだった。
 冒頭の趣旨説明、4月から始まるNHKのテレビ中国語講座「テレビで中国語」の制作者の方による番組紹介と制作の話、番組出演者のタレントさんが出てきての中国語ミニレッスン、参加者ディスカッションと共有、懇親会と、約2時間半の間にギュッと詰まった、密度の濃いイベントだった。途中に2回休憩やグループ作業を入れても、きちんと仕切れば短い時間でこれだけできるのだなと感心した。田口さんの仕切りもNHKエデュケーショナルの関係者の方のサポートも細やかに気が利いていて、楽しんでいるうちになんだかあっと言う間に終わった感じの、参加していてとても気持ちのよいイベントだった。
 議論の題材となったNHKの「テレビで中国語」制作の話として、中国語学習を普及させる際に障壁となる課題と、その対策としてどのような制作上の工夫を盛り込んだかをご紹介いただいた。
1. 発音の難しさ=>ラップ音楽にのせて発音練習するおまけコーナー
2. 文法の難しさ=>文法の構造をビジュアル表現
3. ネガティブな対中感情=>文化紹介コーナーの充実
4. 話す機会の少なさ=>書き込み式テキスト、NHKの語学学習サイト「ゴガクル」で練習教材の提供
5. 飽きやすさ=>小池栄子を起用して中国語学習してもらう
 いずれも、テレビというメディアの制約、少人数のスタッフで大量のボリュームを制作しなければいけないという制約の中で、経験ある制作者の方たちが最大限に知恵を絞って考えているという感じで、実行可能な範囲で最大限のチャレンジ、かつソツなくまとめられている感じなのがさすがプロ。
 ただ、気をつけないといけないのは、楽しませるための要素は冗長になりやすく、時間あたりの学習密度が薄くなりがちだということだろう。番組自体は見ていないので評価できないが、今回拝見したラップ音楽のコーナーの学習の密度は薄い感じだった。25分という限られた枠内で、視聴者を楽しませてひきつける工夫をしつつも、学習のチャレンジの度合いをキープしておく必要がある。そのため、学習密度の薄い時間は極力減らす必要がある。
 あと、テレビの語学講座では、学習ペースの遅い人を置いていかないように配慮しつつ、進行をゆっくりめにして、学習の負荷を下げて丁寧に進める感じにしているのかなと思うが、熱心な人、ペースの速い人向けのコンテンツを増やす方向で考えてみてもよいかなと思う。たとえば、番組のスキットだけでなく、出演者の会話すべての中国語と日本語の対訳をウェブサイトに載せるとか。聞き落としたところの確認もできるし、関心を持ったフレーズを中国語で見直すことができる。出演者の間で交わされる生の会話がコンテクストとして提供されるので、スキットの対訳とは違った学習効果が期待できる。この手の対応はおそらく手間のかかることだと実現が難しいと思うが、洗い出していけば実行可能で効果の高いものがいくつか出てくると思う。
 私も一応、教育メディアの研究者の端くれなので、教材制作のアイデアを出し始めるときりがなく、やりだすといつまでたっても書き終わらない。なのでまた機会があればいずれ書きたい。
 今回参加したブロガーの皆さんはさすがのもので、写真やイベントログもきっちり素材集めをされていた様子で、まるで取材のよう。どんな記事を書いているのかとても楽しみだなと思っていたら、もうすでに皆さん詳しいレポートをあげているし、田口さんは裏側のタネあかし的な話を披露してくださっている。
『学習会議@NHK』ではどんな準備をしていたのか?(&参加ブログへのリンク集)
http://www.ideaxidea.com/archives/2008/03/nhk.html
 会の詳細レポートは、参加ブロガーさんたちがまとめてくださってるのでそちらを参照いただいた方がよさそう(たとえば同じグループだったdeltamさんの記事)。
 皆さんそれぞれ、熱気ある雰囲気がレポートされているが、ミニレッスンで登場したローラ・チャンのことになるとやたらに熱を帯びているところも、場の雰囲気を伝えている。(自分も含め)参加した男性陣の反応たるや、みんなローラ・チャンを見るために一年間視聴継続してしまいそうな勢いだった。皆さんのために、こちらからも撮った写真を一枚投入、と思ったのだが、デジカメの接続ケーブルが見当たらなくて今日は断念。また明日にでも。
 この会の参加条件として、ブログでフィードバックすることとのことだった。それで参加ブロガーは、みんな同じ時間を共有した後に各自で課題に取り組んでいるわけだけども、その取り組みの姿勢というか、ブロガー魂のようなものを学ばせていただいた。記録を取る際の基本動作が違う。全体会議でグループで議論していた時も、自分が一人で考えても思いつかないようなアイデアがたくさん出ていて、コラボレーションの醍醐味を味わえた。それにイベント後のブログを通して学べることが多い。コンテクストを共有しているおかげで同じことを聞いても得るものが多い。まさにオンラインとオフラインを組み合わせた集合知で、ブレンデッドラーニングもこういうブレンドなら大歓迎だ。
 ブロガーという層は、アクティブなユーザー層であり、自分でメディアを持っているという点で、今回の企画に意味があったのだと思う。参加した企業側からすれば、フォーカスグループをやってユーザーデータを集めながら、新製品のプロモーションも手伝ってもらえるというお得感がある。こういう仕掛けはネットというメディアやブロガーという存在をよく理解してないとできないわけで、そこはさすが田口さんというところ。おかげさまでいろいろとよい経験ができました。参加ブロガーの皆さん、ありがとうございました。

学習会議@NHKに参加」への4件のフィードバック

  1. 『学習会議@NHK』ではどんな準備をしていたのか?

    さてNHKさんにご協力いただき、『学習会議@NHK』を開催しました。中国語講座を制作されている方々とブロガーで直接対話する機会を設け、双方にとってメリットのあるコミュニケーションとは何か?を探りました。 会場は渋谷の放送センターの会議室。30名ちょっとのブロガ…

  2. こんばんは。
    先日はイベントへのご参加、ありがとうございました。
    ところでこの学習会議、僕も参加したかったんですよー。いいなー、楽しかったのかー…行きたかったなー。
    今度、ご飯でも食べながらじっくり話をきかせてください!

  3. >tame さん
    こちらこそ、お世話様でした。楽しかったです。
    学習会議も楽しかったですよ。
    またゆっくり話しましょう。

  4. 百式主催『学習会議@NHK』ローラ助手の中国語ブロガーセミナーをWebスカウター付きでまとめてみた

    中国語という自分の専門分野でもある?のだが
    アンテナに引っかからずにセミナーには行けなかった!にもかかわらず
    Webスカウターを使いながら参加者の動向を探っていこうと思う。
    『学習会議@NHK』ではどんな準備をしていたのか?
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