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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第96号)

発行日:平成19年12月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 2008年の実験-アップルコンピューターの地平線

2. 『前書き』と『あとがき』 - しつけの回復、教えることの復権

3. 『前書き』と『あとがき』 - しつけの回復、教えることの復権(続き)

4. 『前書き』と『あとがき』 - しつけの回復、教えることの復権(続き)

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記


 


■■■■■ 編集後記: 講談-石川啄木  ■■■■■

 現在、小学校の顧問をしていることは前にも書きました。3月の発表会は学力向上,改革実践を締めくくる1年の総括です。子どもにも,学校の歴史にも何か記念になることを提案したかったので、2学期に成功した「朗唱」の特別形態を提案しました。 保護者と子どもと地域の熟年のみなさんの「合同朗唱」です。そうしたら校長先生から"教員も全員参加します"と宣言がありました。胸の中でコトリと音がした気がしました。久々に見ることになる「師弟同行」の風景に胸が高鳴ったのです。
 この合同発表はこれまでの学校教育ではほとんど見たことのない「風景」です。来年の3月7日(金)はどうぞ空けておいてください。コミュニティ・スクールの「形」と「風景」をお見せすることができることを夢見ています。
  さっそく朗唱資料集の編集に取りかかりました。素材は短歌,テーマは『父よ,母よ、ふるさとよ』と決めていました。万葉集から始めて,古今集、新古今集、山家集、金槐集近代歌集、昭和万葉集、現代歌集と調べました。これだけたくさんの人の歌を集中的に読んだのは初めてのことでした。
ようやく30首ほどの歌を選びました。万感の思いが籠った歌ばかりですが,特定の場所や,特定の人に関わらないものだけを取り出すのは簡単ではありません。子どもの諳んじる能力に鑑みれば,50首ぐらいが必要でしょうが,初めての試みですから今回は30首程度に抑えました。資料集は子どもに照準を合わせて,漢字の「ふりがな」、意味の要約、背景の説明文に苦労しています。
  資料を読み返す過程で再び手に取った啄木の歌の新しさに改めて驚き、今でも変わらずに胸を打って来るひびきに感動しています。「資料集」を個人の好みで編集してはならないでしょう。子ども達にたくさんの歌人を紹介しようという教育的配慮も不可欠です。
 しかし、そうした教育的配慮を投げ捨ててもいいのであれば,啄木だけでも「資料集」がつくれるな,と思ったことでした。本気でシナリオを書いて講談-「啄木-歌物語」を編んでみたいと思いました。新年には山口研修の同窓会があります。今回は移動フォーラムではないので論文の提出はありません。論文に割く時間とエネルギーをシナリオに割いて,代わりに文学講談をご披露してみようかと考えているところです。

病みてあれば心も弱るらむ!
さまざまの
泣きたきことが胸にあつまる

そんならば命がおしくないのかと
医者に言われて
だまりし心!

病み上がりの身に滲みました。
 


『編集事務局連絡先』  
(代表) 三浦清一郎 E-mail:  kazenotayori (@) anotherway.jp

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