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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第94号)

発行日:平成19年10月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 「基本的生活習慣」と「コミュニケーション能力」をつければ「生きる力」がついたことになるか!?

2. 「基本的生活習慣」と「コミュニケーション能力」をつければ「生きる力」がついたことになるか!? (続き)

3. 別記  鳥取県大山町の挑戦

4. しつけの回復、教えることの復権 ―幼少年のしつけ原理-「他者」を前提としたしつけー

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

●●● お知らせ ●●●
第81回沖縄移動フォーラムは下記の通りです。ふるってご参加ください。詳しくは次号で!!
日時: 平成19年12月22日(土)−23日(日)
場所: 琉球大学
主催: 琉球大学井上研究室主催
テーマ: 『スクール・コミュ二ティ(学びの共同体)』はいかにして可能か ?
 


■■■■■ 編集後記 要約能力はオリジナリティー創造性につながらないか!?  ■■■■■

  福岡県みやこ町の出前講座の依頼に応えるため再び男女共同参画の勉強に取り組み始めました。残念ながら抽象的な議論が多く、今のところ具体的な政策論や行動計画に結びつく自分の執筆意欲が高まってきません。日常生活の言動に翻訳できない「論」には関心が湧かないのです。
  図書館から借りて来た本の中に論客の上野千鶴子さんの「サヨナラ、学校化社会」がありました。読み進んでいるうちに、筆者が関心を抱いて来た「型の教育」に関係する部分に当たりました。タイトルは「講義を要約しただけのレポート」という小論です。彼女が担当した東大生のレポートがほとんど「講義を要約しただけ」ということに上野さんは大きなショックを受けたということでした。これでは「オリジナルなレポートが出てくる確立がぐんと低い」・・だけではなく、「私の授業を聞いてフェミニズムを理解したのではなく、たんに教師に適応しただけ」だという感想でした。上野さんの反省は、「大学の教師には二種類いて,レポートに自分の言った通りのことを書かないと怒る教師と,自分の言った通りのことを書くと怒る教師とがあって、キミたち,『傾向と対策』ぐらいちゃんと考えよ」と、ガイダンスをしておくべきだったということでした。
  本を通読してこの方のきざとうぬぼれには何とも恐れ入りますが,私の関心は「講義を要約しただけのレポート」を出す学生にはオリジナリティ:創造性はないか、ということでした。なぜなら上野千鶴子さんほどの論客の論点を正確に要約できるということは重要な能力だからです。批判であろうと,提案であろうと批判の基になる論点を正確に理解できなければ,評価も分析もできないでしょう。要約能力は文脈理解の「型」を踏んでいない限り育たない力です。批判や追加修正の分析は次の段階です。
  上野さんがレポートの課題を出すときに「私の講義の論点を踏まえて批判や追加修正の提案をしなさい」と付け加えるほんの少しの親切があれば学生たちはがんばってフェミニズについて考えた筈です。オリジナルな意見ももっと出た筈です。「傾向と対策」が足りないのは上野さんの方なのです。まじめに授業を聞いてくれた学生諸君を「たんに教師に適応しただけ」という観察はなんと傲慢でうぬぼれた姿勢でしょうか!彼女も知っている筈でしょう。大部分の日本の教室は「異論」や「批判」を許さないのです。ご自分は「自分の言った通りのことを書くと怒る教師」であると言いたいのでしょうが,あまり格好を付けるのはみっともないことです。
私のかかわっている子ども達もきちんと「型通り」にやれるようになった後は,工夫してやって見なさいと言えば様々な応用力を見せるものです。「型通り」にできたらまずは褒めてやってください。我々の日本語も,我々の思考も習い覚えた文型や分析・思考法の応用の結果です。あなたも同じ道を通って来た筈ですよ。「型」より入りて「型」より出でよ、です。
* 上野千鶴子、サヨナラ、学校化社会、太郎次郎社、pp.12−15


平成20年の更新のご案内  (第1回)

  今年も11月になりました。早いものですね!平成20年の第1回の更新のご案内です。
  今年も一生懸命生きたつもりですが、時の流れの余りの速さにやり残したことが多く、これからの季節を思えば切ないものがあります。区切りの100号が近づきました。いろいろ迷いましたが、止めずに続けることにいたしました。「やれるところまでやる」と言ったろう、とお叱りを受けました。昨年もお願い申し上げましたが、途中で倒れた時は郵送料はお返しできませんが、お許しください。100号まではこれまで通り大学時代の最後の教え子の九州共立大学永渕美法准教授の全面的な協力をいただきます。しかし、101号からは、節目を理由にアウトソーシングを実行します。いささか負担が大きくなり、応援者に対する迷惑の度合いが大きくなりすぎました。
  自立の準備も兼ねてコンピューターレッスンに通いました。編集やメールマガジンの作り方を習いました。
  クロネコ宅急便の輸送革命によって、「風の便り」を折らずに80円で送れるようになりました。  101号からはダイレクトメールのサービス会社を探してアウトソーシングの道を探ります。現在調査中です。そこで平成20年の「風の便り」の更新は方式を変えて2種類にします。

●1● メールマガジンをご希望の方は「風の便りーメールマガジンを希望する」というタイトルで三浦までメールを下さい。平成20年1月号(97号)から「メルマガ」をお送りします。一切の費用は必要ありません。

●2● 平成20年も、これまで通り「風の便り」の実物(ハードコピー)をご希望の方は郵送料と外部委託料の合計年間2,000円をお送りください。実費が値上がりして誠に恐縮ですが、まずはアウトソーシングの実験を開始してみます。
(三浦清一郎)

『編集事務局連絡先』  
(代表) 三浦清一郎 E-mail:  kazenotayori (@) anotherway.jp

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