『これからの人生:The Active Senior-「安楽余生」論の落し穴』
表題の通り、本年4月に「2007年問題」の本を東京の学文社から出版することになりました。本屋さんに林立する他書との違いは熟年に趣味や娯楽や「安楽な余生」を勧めてはダメだ、という主張を全面に出したことです。生涯学習施策から福祉政策まで、熟年に「楽しみ」と「安逸」のプログラムを提供し続けたことは、行政の失敗です。高齢社会を予測しながら、行政は熟年の活力維持に対する助言の根本を間違えたと思います。これ以上の医療費と介護費の負担は自治体財政が耐えられないでしょう。責任は関係者の不勉強にあると言ったらお叱りを受けるでしょうか!?
過日、山口県生涯学習センターの赤田先生のご縁で岩国市美和町のまちづくり事業の応援にでかけました。その時25年に亘って季刊『ふるさと紀行』の発行を手掛けて来られた佐伯清美さんにお目にかかり平成18年「冬の号」を頂戴いたしました。思わず吹き出したのは編集を担当された畑山静枝さんの替え歌でした。上記の拙著は「読み書き体操ボランティア」を具体的処方として提言していますので、社会学の冗長な論理を一言で笑い飛ばされたような楽しい気分になりました。少し長くなりますが、ご紹介します。
(どんぐりころころ♪で)
1 団塊 ごろごろ 団塊よ
定年迎えて さあ たいへん
明日からまい日 おやすみよ
ぼっちゃん いっしょに
あそびましょ!
2 団塊 ごろごろ 団塊よ
しばらくいっしょに
あそんだが
やっぱり仕事が 恋しいと
泣いては 職安 困らせた!
3 団塊 ごろごろ 団塊よ
まだまだ元気だ さあやろう
今度は世のため
ボランティア
ぼっちゃん いっしょに
里山で!
(註)ちなみに佐伯、畑山の両氏は山口市の"桂谷"というところで里山の保存と再生に取り組み、「ヒュッテ桂谷ランプの宿」を営んでおられます。詳しくは?083ー972ー8848まで。
今回も出版は学文社の三原多津夫氏のご理解とご支援によって可能になりました。地方の時代も、地方分権もまだまだ日本の偽りです。地方の執筆者が自著を世に問うためには中央の優れた出版事業者の評価をいただくしか道がありません。今後一層の精進を約束し、特記してお礼申し上げる次第です。
本書は独立の小論文を組み合わせて構成しています。各論文は福岡県立社会教育総合センターを会場にして行ってきた月例研究会「生涯学習フォーラム」に発表したものを加筆・修正いたしました。収録論文の多くは研究同人正平辰男氏のご推薦で福岡県飯塚地方の月刊誌「嘉麻の里」(大庭星樹編集長)に掲載して頂きました。別記「報告」のとおり、「風の便り」も、「フォーラム」も福岡県の行政との関係を断ち、名実共に自立します。良い区切りになりました。 |