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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第66号)

発行日:平成17年6月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 「参画」・「発言」・「相乗効果」・「創造」の実感 −KJ法の威力−

2. 公設民営理念の登場と運営方法の革新

3. 異年齢の集団あそび

4. 第57回生涯学習フォーラム報告

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

★MESSAGE TO AND FROM★

   メッセージをありがとうございました。今回もまたいつものように編集者の思いが広がるままに、お便りの御紹介と御返事を兼ねた通信に致しました。みなさまの意に添わないところがございましたらどうぞ御寛容にお許し下さい。

★ 沖縄県琉球大学 井上研究室の皆さん
   「南風の国から」(第19号)を拝見いたしました。第24回中・四国・九州地区生涯学習実践研究交流会の全分科会を網羅して報告が行なわれたことに感激しています。同時進行の4分科会28事例をすべて聞くことは大会参加者の誰にも可能なことではありません。皆さんが分担執筆された報告は大いに参考になりました。これまでの24年間、大会事務局でもこのような作業の必要を痛感しながらも、結局、全分科会に分担出席できるだけの人数と要約の能力を欠いていたため実行することができませんでした。散漫に「言うは易く」、簡潔にまとめて「書くは難し」です。署名入りで人前に文章をさらすことは世間の評価を問うことです。皆さんの要約を各地の発表者がご覧になる日も来るでしょう。書評でも、実践の分析でも材料は何でも良いのです。これからも今回の報告のように、分析「素材」の「胸を借りて」皆さんの「腕」を試して見て下さい。「研究室便り」の真髄がここにあると感じました。大会初の試みを紙上に実現していただき誠にありがとうございました。このような力こそが大学の力です。井上先生、学生諸君はお見事でした。教師冥利とはこういうことを言うのではないでしょうか。

★ 福岡市 松田 久様
   生涯学習とまちづくり及び「自治協議会」解散に至る総括を拝見いたしました。認めるのは辛いことですが、自治会の多くは「爺会」であり、ご指摘の通り、一方で、前年踏襲、他方では規約、契約、協議による運営は出来ていないのが実情でしょう。上の方に行けば行くほど、限りなくボス支配をくり返す傾向も残っています。それは多くの社会教育委員会でも、あるいは社会教育関係団体でも起っていることです。しかし、上部役員を年寄りが占めて、しかも交替しないというような組織は必ず滅びますよ。「自治会」が「爺会」だからこそご指摘のような、女性のグループに圧力をかけるなどということも起るのだと思います。
   乱暴な話であることは百も承知ですが、このように変化の激しい時代には、過去の経験も、学習もほとんど役に立ちません。それゆえ、まちづくりも、合併も、学校の統廃合も、個別プログラムの進行も、若い世代に任せるべき良い機会がおとずれているのです。60才を越えた人間は、どんどん発言し、どんどん提案もするべきですが、私自身も含めて、決定は若い世代に任せて、投票権を持つべきではないのです。まして、予算配分や人事などについての「既得権」の乱用はご指摘の通り誠に時代錯誤の批判を免れないでしょう。しかし、それが世間の実態であり、皆さんが「自治協議会」を解散した背景であることも想像に難くありません。町内会も自治会も、災害時対策とか、衛生・ごみ処理など必要最低限のものを残して、ボス支配や一斉行動はやがて衰退します。その代わりに、志を同じくする「志縁の人間関係」が生まれ、選択による活動がそれぞれに始まると思います。準公的な「自治協議会」組織を離れて、あなたが続けている同志によるまちづくり活動がまさにそれです。ボランティアは「輸入された」概念ですが、やがて日本の風土にあうように工夫され、狭い自治会や町内会の境界線を越えてお互いを支えあうようになるでしょう。生涯学習はその先駆けに成れれば、一つの任務を果たしたことになるのだと思います。
 

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