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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第63号)

発行日:平成17年3月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 『むなかた市民学習ネットワーク』の20年

2. 中・四国・九州地区生涯学習実践研究交流会第24回大会のご案内

3. 「アホな総合的学習」と「アホでない総合的な学び」

4. 第55回生涯学習フォーラム報告

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

★MESSAGE TO AND FROM★

メッセージをありがとうございました。今回もまたいつものように編集者の思いが広がるままに、お便りの御紹介と御返事を兼ねた通信に致しました。みなさまの意に添わないところがございましたらどうぞ御寛容にお許し下さい。


★ 広島県広島市 細川 洋様、中村由利江様

 過日は前の晩から翌日一杯までおつき合いをいただきありがとうございました。各地の事例は大変参考になると同時に文科省が考える現行の「子育て支援策」では「支援」にほど遠く、子どもの活動も延べ日数で考えれば極めて不十分であることも良く分りました。ボランティア・コーディネーターの皆さんの奮闘にもかかわらず、補助事業の達成基準が低いため、折角のお金と時間とエネルギーが届くべきところに届いていないという感を強くもちました。今年度の自分の仕事の方向は「保育と教育」を統合したシステムをつくることと明確に決まりました。いずれ近い内に、広島の感想を本「便り」の小論にまとめてみたいと考えております。中村さん、お怪我を十分にいたわって余りご無理をなさいませんように。
 

★ 長崎県壱岐市 霞翠小学校の先生方

 3年間ありがとうございました。充実した、やりがいのある3年間でした。皆様との出会いは、人生の一期一会を実感させる3年間でした。皆さんが指導された子ども達は見事に期待に応えました。懸命に走る姿をご覧になって、音頭朗々と発表する様をご覧になって、教師冥利をお感じになったことでしょう。高い会費をお払いになって沢山の保護者の方々が「感謝の夕べ」を組織されました。保護者も皆さんの献身と努力を認め、わが子の成長を実感されたのです。学校に対する風当たりの強い中で、保護者が自前の「感謝の夕べ」を催すなどということは、近年、寡聞のことです。「子宝の風土」にあって、学校は「守役」。保護者の付託を受けて先生方は子どもを全面的に任されているのです。労働に貴賎はないとしても、この国において、やはり教職は特別の仕事なのです。懇親の席で私は子ども達に成り代って、「仰げば尊し」を歌いたい欲求を抑え切れませんでした。
 

★ 福岡県宗像市 赤岩喜代子様

とうとう20年が経ちました。「市民学習ネットワーク」事業も成人式ということでしょうか?会長としてのご苦労に敬意を表します。「市民による、市民のための生涯学習」のあり方を実証したことはすごいことですが、大人になった「ネットワーク」は、今までのように自分達大人の楽しみや学習だけに守備範囲を限定すべきではないと感じました。「ネットワーク」の「人材」概念は結果として、人々を「人材」と「人材でない人」に2分してしまいました。人材の概念はもう少し範囲を拡大して沢山の方々が生涯学習ボランティアに参画できるよう工夫すべきであったと反省しております。また、「ネットワーク」の未来は子ども達の支援を引き受けた時に拡大すると思います。高齢社会を支えるのは未来の生産人口であることを思えば、生涯学習も子育て支援と少子化対策に一役買うべき時期に差し掛かっていると思います。この時、狭い教育行政の中のさらなる縦割りによって、学校支援ボランティアと市民のための生涯学習ボランティアを分けて考えるぐらい無益で、無駄なことはありません。そのくせ、学社融合などと空疎な論理を振りまわす、行政の浅智恵が事業の将来を阻害しないことを切に祈ります。
 


 

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