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風の便り

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生涯学習通信

「風の便り」(第105号)

発行日:平成20年9月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. つくられた「女性性」−男女共同参画ノート−

2. 人生80年時代の「死に方講座」

3. 教員研修会覚え書き−「他律」と「負荷」の教育論再考 -幼少年教育の革新-

4. 教員研修会覚え書き−「他律」と「負荷」の教育論再考 -幼少年教育の革新-(続き)

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

お知らせ  

* スケジュール変更のお知らせ

1 第86回生涯学習フォーラムin福岡 
 第86回生涯学習フォーラムin福岡は11月29日(土)とお知らせしていましたが, 福岡県桂川町 桂川東小学校創立50周年記念発表会(午前)と組み合わせて,11月22日(土)に実施することになりました。

午前の部:桂川東小学校創立50周年記念発表会
日程:11/22(土)9:00AM−
場所:福岡県桂川町立桂川東小学校
内容:「子どもの生きる力」をどう表現するか―「桂東朗唱組曲」ほか
午後の部:第86回生涯学習フォーラムin福岡 
日程:11/22(土)13:30−
場所:飯恷s穂波公民館

2 第88回生涯学習移動フォーラムin OKAYAMA
こちらも日程を変更しています。ご注意下さい。
日程:平成21年1月25日(土)−26日(日)
場所:未定
内容:「熟年者マナビ塾」と「シニアスクール」(仮)

3  第87回生涯学習移動フォーラムin SAGA
日程:12/13(土)−14(日) 
場所:(午前)佐賀市勧興公民館「まちの駅」
  →(午後)佐賀市富士生涯学習センター(古湯映画祭会場)

4 第4回人づくり・地域づくりフォーラムin山口
日時:平成21年2月14−15日(土−日)
場所:山口市秋穂 セミナーパーク

5 第89回生涯学習フォーラムin宗像:
日程: 平成21年3月14日(土)
場所: 宗像ユリックス
内容: 「むなかた市民学習ネットワーク」発表会見学と論文発表
 


■■■■■ 編集後記: 老いた「ニート」を問わなくていいか! ■■■■■

敬老の日
 敬老の日を巡っていろいろテレビのチャンネルを廻してみました。「老いたニート」こそが問題であるという感想を持ちました。「ニート」は職業にも、学業にもかかわらず、社会に参画しようとしない人々を意味しています。世間も、通常は親に寄生した若者のことだと思い込んでいるでしょうが、社会に参画することのない老いた「ニート」もまた家族や社会の負担が大きいことに気づかざるを得ません。医療費の高騰も、介護費の大赤字も高齢者の肉体の老衰にだけ原因があるのではありません。「行く所もない」、「会う人もいない」、「やることもない」という「世の無用人」となって、「安楽」と「過去」にしか生きるすべがなくなるライフスタイルに原因があるのです。

安楽の社会福祉
 趣味と稽古ごとの『生涯学習』や「安楽」だけの「老人いこいの家」も、それなりの意味はあるでしょう。しかし、他者に尽くさず、世の中に具体的に還元・貢献することのない老後の日々から生き甲斐や活力が生まれてくるとは到底考えられないのです。そこには自分が試される「戦場」がなく、他者からの感謝の辞も、拍手も、社会の承認もありません。"人はパンのみに生くるにあらず"とは、信仰に限らず、人が生きるためには、精神の渇きを癒さなければならないという意味の筈です。
 年金も介護も大事なことですが、それだけでは「健康寿命」を延ばすことにはならないでしょう。定年後のアフターケアを掲げた高齢者福祉も生涯学習施策も大いに間違っていたのではないか、と疑います!定年後10年程度は最低賃金の枠外を設けてでも、再雇用や費用弁償を伴う社会貢献活動の仕組みを整え、高齢者もまた可能な限り社会を支え続けるというシステムが必要ではないでしょうか?お元気な方々を見て下さい!大部分が社会に関わって活動しているのです。「活動しているからお元気なのだ」という原理は明らかだと思います。

社会参画の工夫
 日本社会は、定年者の社会参画を漸減させてゆく工夫を施さなければ、熟年は一気に老け込み、社会保障の負担は一気に増大するのです。職業の「労苦」の果てに「安楽」を欲することは分からぬでもありませんが、「安楽な余生」は決して「安楽」だけをもたらすものではないのです。高齢者が社会に寄りかかって、精神の自立を失った時、老いた「居候」と「厄介者」が増加することは確実でしょう。「安楽」が高じて高齢者の心身の「堕落」と「墜落」に通じてしまうのです。

老いたキリギリス
 社会を支えようという「意志」を放棄すれば,現世の存在資格が軽くなり、安楽を追い求める老いたキリギリスはこの世のアリ達から疎まれることは必然です。皮肉なことですが、このままでは高齢社会が来て,年寄りを尊敬する文化は死滅します。若者の高負担が続き,高齢者が安楽の余生に甘んじ続ければ,若者が年寄りを憎み始める日が来るであろうことを恐れます。年寄りに安楽を勧め、目標にこだわるな、無理はするなというたぐいの助言は、本人にとって有害であるばかりでなく、地域にとって反社会的です。頑張るべき目標を持たずに、どうして人が前向きに生きられるでしょうか!

己の戦場
 夏休みが終わって、筆者の秋の講演活動が始まります。肩書きがない以上,しくじれば2度と「出番」は巡ってこないでしょう。毎朝の体操を怠らず、背広のちりを払い、レジュメを見直し、発声の練習を始めています。夜半に目覚めてこの文章も書きました。自分の「戦場」で戦い続けることを止めれば、あっという間に『過去に生きる人』になって、介護をお願いしなければならなくなる日が来ることを恐れます。


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(代表) 三浦清一郎 E-mail:  kazenotayori (@) anotherway.jp

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