「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップを開催しました

 先週16日に、「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップを開催しました。ご参加者の皆さまありがとうございました。
 今回のワークショップは、教育分野のゲーム研究に関心がある院生や学部生たちと一緒にやっている勉強会、CLG(Community for Learning and Games)研究会のメンバーで企画しました。最初の公開イベントということもあって小規模な開催にしたのですが、おかげさまで定員の倍以上のお申し込みをいただきました。そのため、ご参加いただけなかった方も多数出てしまいました(申し訳ありませんでした)。
 今回のワークショップの模様は、下記ツイートまとめをご覧ください。
「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップのまとめ
http://togetter.com/li/228844
 発表を担当したQuest to Learnの事例は、以前から興味を持っていたのですが、今回調べてみてさらに興味が増しました。カリキュラムや学習活動に関する資料は豊富に公開されていて、資料を読みこむほどに、ゲームデザイナーと教育研究者のコラボレーションによって入念にデザインされた学校なのだということが伺えます。産学官連携のプロジェクトの組み方や予算確保の進め方についても、ただお金があればできるというものでもなく、教育改革プロジェクトとしてよく考えられたものであるということを理解しました。藤本発表のスライドはSlideshareで下記のように公開しましたのでご覧ください。
 個人的にも気づきの多い充実した時間でした。一緒に発表した院生の池尻くん、福山くんの事例も面白かったし、後半のグループセッションも参加者の皆さんが熱心にワークに取り組んでくださり、最後の全体ディスカッションはゲーム要素を取り入れた教育のデザインについて示唆にあふれた議論ができました。このテーマに関心のある方たちがつながる機会を作れたことが何より嬉しいことです。
 次回開催を希望する声もたくさんいただきましたので、今後も学習とゲームに関連したテーマを設定して、不定期に開催したいと思います。

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「ゲームフルな教育をデザインする」ワークショップ
趣旨:昨年来の急速な「ゲーミフィケーション」への関心の高まりは、教育分野へも波及しています。既存のゲーム的な要素を含んだ活動をゲーミフィケーションの枠組みで捉えて評価し直す動きとともに、ゲームデザインの手法を用いた新たな教育カリキュラムや学習環境を生み出そうとする試みも、欧米を中心に進められています。
今回の研究会では、「教育のゲーミフィケーション」をテーマとしたワークショップを開催します。ゲームデザイナーと教育専門家が協力してカリキュラムを開発した米国ニューヨーク市の公立チャータースクール「Quest to Learn」やニューヨーク公共図書館で行われたイベント「Find the Future」などの事例を紹介し、ゲーム要素を取り入れた学びの場のデザインするためのアイデアや工夫の仕方を議論します。
主な対象者:
教育・人材育成関連企業の方、学校や教育機関教職員の方で、新しい学習活動デザインアプローチを模索している方
内容:
1.イントロ、趣旨説明
2.事例紹介
・Quest to Learn:学校カリキュラム全体のゲーミフィケーション事例
 発表者:藤本徹(東京大学大学院 情報学環)
・Find the Future(ニューヨーク公共図書館で行われたゲーミフィケーションイベント):学習活動のゲーミフィケーション事例
 発表者:池尻良平(東京大学大学院 学際情報学府 博士課程)
・Games for Learning : ゲームを用いた学習の事例
 発表者:福山佑樹(早稲田大学大学院 人間科学研究科 博士課程)
3.グループワーク
4.全体セッション~ラップアップ
日時:12月16日(金)18時30分~21時
会場:東京大学本郷キャンパス 福武ホール地下2階・ラーニングスタジオ1
主催:CLG(Community for Learning and Games)研究会
共催:東京大学ベネッセ先端教育技術学講座(BEAT)