5年間のキャッチアップ

 新しい職場に勤め始めて2週間余りが過ぎました。今日ようやく新しい名刺が届いたり、IDカードの発行待ちだったり、仕事の仕込みに追われて机周りの整理が全然追い付いてないままの状態だったりと、落ち着く間もなく端から仕事を片付けるうちに一日が過ぎていきます。忙しいと言っても苦痛ではなくて、良い環境で力いっぱい研究ができるということがとてもありがたく、どこをとっても充実した楽しい仕事の時間を過ごしています。
 今日は同じ東京大学所属の同僚となった中原先生のお誘いでランチをご一緒してきました。中原さんに初めてお会いしたのは彼が東大に完全に移る前で、たしか2005年に一時帰国した時だったと思いますが幕張のNIMEでお会いしました。そして、僕の現所属のBEATが主催するBEATセミナーに呼んでいただいたのが2006年夏なので、ほぼ5年前のことです。呼んでいただいた当時、そういえばこんなことを書いていました。
http://www.anotherway.jp/archives/000726.html
 彼はもう、僕が当時予想した以上のペースで着実に自分の研究分野を切り拓いて、オンリーワンな研究者キャリアを歩んでいて素晴らしいことです。BEATセミナーの時以降も、何度か学会の会場でお会いすることはあったのですが、二言三言話す程度でなかなかゆっくり話す機会もないままだったので、今回久々にゆっくり話せる機会でした。
 いつも中原さんと話す時に面白いなと思うのは、普通は誰かとしばらくぶりに話をする時は、会ってすぐの話し始めはエンジンがかかるまで、かみ合わせを整える時間を経て調子が上がってくるわけですが、中原さんと話す時はなぜかすぐにトップギアに入って、しょっちゅう会って話す相手と話すような感じがすることです。これは僕側の感じなので、中原さんからは違った感じを持たれていると思いますが、そういう感じで話せる人は少ないので、つい話し込んでしまいます。
 今回は5年分のキャッチアップなので、話したいことがたくさんあってあれもこれも話したかったんですが、昼飯の間だけではとても足りずに、そのまま研究室まで押しかけてしまいました。結局、ごく近況の話や職場環境の話を一通り話したら時間切れという感じで、研究の話でいろいろお聞きしたかったことは聞けず仕舞いでした。それで、オフィスに戻ってツイッター見てみたら、中原さんは昨日の僕の授業の話を読んで、落ち合う直前にリツイートしていただいてたようで、リツイートがすごいことになってましたが、出がけにチェックしそびれてたせいでその話題もできず仕舞いだったのも残念でした。
 この5年間でお互いの研究の見え方が変わっているところとか、もっと議論してみたいのですが、そういうことを語り尽くすにはもう少し時間が必要そうです。同じ大学でも別部局で仕事に追われているとなかなか話す機会を作るのも気を遣ってしまいます。用事を作ったとしても、たいがい用事を済ますくらいの時間しかないわけで、歳を取るにつれて学生の頃のようにとことん話す機会というのはなかなか作りづらくなってくるのかなと思います。でもまた次回、また中原さんとお話しする機会を作れるのを楽しみにしています。