Design Star: 内装デザイナーのオーディション番組

 アメリカのテレビ番組の特徴的なところの一つは、家のリフォームや日曜大工の番組が人気があるというところ。古い不便な家を1週間で丸ごと建て替えてプレゼントする「Extreme Makeover: Home edition」という番組は、この手の番組では一番人気で、視聴率も安定して上位にランクされている。HGTV (Home & Garden Television)というケーブルチャンネルは、その名の通り家や庭の手入れやリフォームの番組ばかりやっているチャンネルで、このようなチャンネルが存在すること自体がさすが日曜大工率の高いアメリカというところ。


 このHGTVのこの夏の目玉番組「Design Star」は、「American Idol」に代表される’オーディション系のリアリティ番組で、全米から選ばれた9人のデザイナーが毎週リフォームや内装デザインの課題に挑んで、ジャッジが一人ずつ落としていって、最後に残った優勝者がHGTVで自分の番組のホストの座を獲得できるという形式。
 インテリアデザイン、大工、設計、リフォーム、などそれぞれに異なる専門性を持ったデザイナーたちがチームまたは個人で、3日間で一つの部屋のデザインプランを立てて、改装に必要な作業をすべて行う。番組ホストの座を争っているので、出来上がった部屋をカメラの前で紹介するスキルも評価対象となる。デザインの腕がよくてもタイムマネジメントが弱ければダメで、カメラを前にしてプレゼンスキルが低ければそれもマイナス評価になる。他の類似のリアリティ番組と同様、チーム作業では他の挑戦者とのコミュニケーションスキルも大きく左右する。みんな本職のデザイナーやセミプロたちなので、自分のスタイルがある中で、異なるスタイルのチームメイトとのチームワークが取ることも重要になる。
 番組ホームページには、番組プロモーションのアドバゲームがある。ゲーム自体は単によくある倉庫番タイプのパズルゲームのグラフィックを付け替えたものなので、ゲームデザイン的にはもう一工夫してこの番組の肝の部分が表現できればよいのに惜しいところ。
 番組の方は他の類似のリアリティ番組と比べても面白い方の部類に入ると思う。こういうスキル系のオーディションは、参加者の動きやプロセスがよくわかるのがよい。もう次のシーズンの挑戦者募集の告知も始まっていて、この番組もしばらく続く様子。
 2004年にドナルド・トランプの「The Apprentice」が始まった頃、このフォーマットを使って違うテーマで横展開されたのが出てくるだろうと思っていたら、ここ数年予想以上にほんとにいろんなオーディション系のリアリティ番組が出てきた。その辺りのことはまた別エントリーで書くことにする。