DDR+ビリーズブートキャンプ

 秋学期も終わり、はたと気づけばもうクリスマスになっていた。毎年この時期は冬ごもりのように一日中パソコンに向かって仕事するばかりの日々が続く。運動不足にならないために、大学のプールに行ったりすることもあるものの、冬休み中は大学の施設も休みが多いので、うちで何か代用するものを探す必要が生じる。
 一昨年は、PS2のアイトーイ用のフィットネスソフト「EyeToy: Kynetic」を利用した。昨年の今頃はちょうどWiiを買ったところだったこともあり、Wii SportsとDDRで適度に運動することができた
 今年は何をしているかというと、昨年に続いてDDRと、先日つい安売りに釣られて衝動買いしてしまったビリーズブートキャンプを組み合わせたメニューを取り入れている。組み合わせると言っても、それらを同時にやるわけではなく、その日の気分で適当にDDRをやってビリーのレッスンを一つこなすといったことをやっている。
 最初は筋肉痛がかなりキタのがきつかった。それとビリーばかりだと続かなそうだったが、DDRをアクセントに入れて無理せず適当に休み休みやって、なんとか続いている。1週間で効果が出ると書いてあるが、確かに身体が引き締まった感じがした。適当にやっている割には、この1ヶ月ほどで2キロ体重を落とすことができた。
 ビリーズブートキャンプは日本ではさんざん話題になって流行っていたので、今さらな感もあるのだけど、確かにあれだけ流行ったのもまあ納得な感じ。プログラムとしてペース良くデザインされていて、運動した気にさせられるところと、ビリーのコーチとしてのキャラクターの良さが組み合わさっているところに人気の理由があると感じた。一昨年やったEyeToy:Kineticも、プログラムとして悪くはなかったのだけど、どうしてもペースが遅いというか、ソフトウェアの読み込みやら場面に切り替えのせいでつなぎが悪くなりがちなのが運動のペース作りを妨げていて、使い心地がもう一つだった。このソフトはただ流すだけになってしまうビデオ教材の制約の範囲の中で、ビリーの語りや後ろにいる人たちを使うことで擬似的にインタラクションを取り入れることができている。
 このことは、教育メディアの使い方としてみれば、インタラクティブなメディアを使うよりも、制約はあっても使い慣れた古いメディアを使いこなした方が結果的に質のよいものができるという点で示唆的なところだ。
 最近発売されたWii Fitがヒットしていることもあり、これからWii用のフィットネス関連ソフトが注目されることだろう。でも新しいメディアを使えば効果が上がるというものではなく、目新しさに頼るばかりで使用感のよくないソフトはすぐに飽きられる。履歴管理や複数人プレイのような機能を売りにしたとしても、それらはオマケでしかなく、なんと言ってもまずはエクササイズのペース作りが一番重要になる。
 既存のゲーム型フィットネスプログラムはプログラム自体の質の面やデータの読み込みなどのテクニカルな面で肝心なエクササイズのフローを阻害しており、そのせいで従来のビデオ型プログラムに及んでいない。その部分でビリーズブートキャンプと同等かそれ以上のものができてしまえば、それはもう間違いなく従来のビデオプログラムを超えた次世代のフィットネスプログラムになるだろう。