日本から戻ってきて以来、毎日論文を読んで、研究計画を書き、頼まれ原稿を書き、メシを食い、また原稿を書き、翻訳を進め、とパソコンに向かって書いてばかりの単調な日々が続く。ブログ書きも以前ほどの息抜き手段にはならなくなってきた。ごくたまに遊ぶゲーム(最近はDDR Super Novaと真・三国無双3。でも最近うちのPS2の調子が悪い)と、不在中にTivoで録りためた番組を食事中に見るのがささやかな息抜きのひと時となっている。
Tivoのおかげ(過去記事参照)で、以前は長期不在の時は泣く泣く見逃していた番組も見れるようになり、録画管理にのための時間もほとんどゼロに近くなった。
それで、まとめて見ているところで、見ているうちにこの夏クールのドラマやリアリティショーも終盤に差し掛かってきた。期待ほどに盛り上がらない番組も、安定した力を見せる番組もある。
リアリティショーでは、事前の告知がやたら力が入っていたのに反して、ずいぶん盛り下がって進行しているのが、マーク・バーネット(サバイバー、アプレンティスのプロデューサー)プロデュースで、映画監督オーディション番組の「On The Lot」。若手映画監督たちが、ドリームワークスと契約してスピルバーグ監督と一緒にハリウッド映画を取れる座を目指して、毎週異なるジャンルの短編映画を撮って披露し、視聴者の投票で一人ずつ脱落していくというおなじみのフォーマット。
1週間の即興制作とはいえ、作品はまあまあ面白いし番組自体もそこまで悪くないのだけど、視聴率は地を這うように低迷。アメリカンアイドル並みの番組を目指していた感じで始まったものの、だんだんとテンションが下がっている。作品制作にはハリウッドのリソースをふんだんに使っているので、コストは他のリアリティショーに比べてかなり割高なのは想像できる。しかもアプレンティスでやっているような企業タイアップの仕掛けもないので、おそらく営業的にもあまりうまみがなさそう。メインジャッジの二人(スター・ウォーズの「レイア姫」役のキャリー・フィッシャーと「プリティ・ウーマン」監督のゲイリー・マーシャル)のコメントの切れがもう一つで、週代わりのゲストジャッジでなんとか体裁を保っている。
番組の構成や演出と毎週の推移を見ていると、最初の企画段階で意図したセッティングができなかったところや、製作段階でかなり妥協や縮小を余儀なくされていっている感じ。スピルバーグを売りにしながら、本人は一度も出てこないし、途中から番組枠も削られている。でも出てくる映画監督たちは才能豊かで、将来が楽しみ。
不振な番組といえば、ザ・ホワイトハウスのアーロン・ソーキンが脚本とプロデュースを手がけた、テレビ局の舞台裏ドラマStudio 60 on the Sunset Stripも、事前告知の勢いに反して急速にしぼんで、放送休止をはさんで再開され、次のシーズンがあるのかないのか微妙な感じで終わった。主演のマシュー・ペリー(フレンズのチャンドラー役)と、ブラッドリー・ウィットフォード(ザ・ホワイトハウスのジョッシュ役)の二人は、うまいのだけど、どうもインパクトというか主役としては魅力に欠ける所があって、ザ・ホワイトハウスを思い出させる軽妙な会話と早いストーリー展開の演出が、この番組では微妙に空回りしている感じでだんだんと盛り下がっていった。この番組も、面白いのだけど制作のどこかでボタンを掛け違えた感じ。お金を掛けて必勝体制で臨んだ番組も、いろんな要素に左右されて成功することもあれば失敗することもあるというはかなさが醸しだされる。
この夏よい感じだった番組についてはまたいずれ。