Iron Chef America

 以前書いたことがあるかもしれないが、USA版「料理の鉄人」、「Iron Chef America」がケーブル局のフードネットワークで放送されている。少し前まで、フジテレビでやっていたオリジナル版料理の鉄人を買い付けて放送していたが、昨年から同じフォーマットを使って制作したものを放送するようになった。
 この番組、オリジナル版を忠実に完コピしている。おそらくフォーマットを買う時にそういう契約をしているのだと思うが、フォーマットは全くそのままに、演出もオリジナルを尊重したつくりになっている。あと以前にいじりすぎてファンの不評を買って失敗した局があるそうで、その反省もあって現在のスタイルになっているようだ(番組周辺の詳しい情報はWikipediaを参照)。
 オリジナル版のテイストを方向付けていた美食アカデミー主宰の鹿賀丈史の代わりは、主宰の甥という設定で若いアクション俳優がつとめている。最初はアクションが空回りして浮いてる感じで違和感があったが、慣れてくるとそれほど気にならなくなってきた。番組自体も、初期はオリジナルを再現するのに躍起になっていた感じだったのが、今は制作側も回数を重ねてやり方を自分のものにしたようで、USA版独自の味が出てきている。
 こうしてUSA版を見ていると、オリジナル版の完成度の高さをあらためて感じる。同じ型で別の人がものを作ると、その型のよさの部分と、作り手のよさの部分の輪郭が見えてくる。この辺りをじっくり見ていくことは、何かものを作る技術を向上させたり、パフォーマンスする技を磨いたりする上で重要な知見を与えてくれると思う。