日本人英語:Engrish

 先日、You Tubeにアクセスしたら「ALL YOUR VIDEO ARE BELONG TO US」という変な表示が出るだけでアクセスできなかった。ダウンしたのかメンテ中なのかと不思議に思っていたら、そのことを書いた記事が出ていた。どうやら表示されていたメッセージは、以前流行ったEngrish(「日本人が使う変な英語」を意味するスラングで、EnglishのLがRになっているのは、RとLの発音の区別ができない日本人の特徴を示しているとのこと)のフレーズ「All your base are belong to us」をアレンジしたジョークだということだった。
 笑える半面、なんだかこういうのを見ると日本人として、「むかー!バカにすんな!」という気もする。それに加えて、そういう間違いを日頃重ねている自分への皮肉もこもった苦笑がこみ上げてくる。
 LとRについて言えば、普段何気に手が覚えていて間違えないで済むスペルでも、ある日急に「これLだったかな、Rだったかな??」とあやふやになることが結構ある。パソコンで作業していればスペルチェックや辞書サイトでカバーできるし、Googleも「これのことですか?」とスペル間違いを指摘してくれる。
 しかし、手書きで何かやらないといけない時は、そうもいかず、適当に書いて後で違っていたのに気づいて恥ずかしい思いをしたりとか、そういうことを数えていたらきりがない。それに、間違っていれば教えてくれるスペルチェックも、たまたまその間違えたスペルの単語も存在する場合は、スルーされてしまって機能しない。そしてそういう時に限ってひどい間違いだったりする。
 前にコース課題で簡単なオンラインテスト教材を作った時にそんなことがあった。「空欄を埋めなさい」の意味で「Fill in the brank」と表示させた。クラスのプレゼンでその教材を見せながら説明して、席に戻ったらクラスメートがすました顔でメモを渡してくれた。そこには「からかうつもりではないのだけど、brankというのは、大昔の拷問の道具のことだよ。」と書いてあった。一瞬何のことかわからなかったけど、”Blank” と書いたつもりで、何度も”Brank” を使っていたのに気づいた(Googleのイメージ検索をして見ると、どんな道具か出てくる)。気づいた時は恥ずかしさ以上に、可笑しくてしょうがなくて、その後ずっと笑いをかみ殺して授業を受けていた。
 このBrankをGoogleで日本語ページ検索してみると、66200件もヒットする。そのほとんどがBlankのつもりで間違って使っていて、拷問道具のことを書いているページというのは見当たらない。あぁ、これぞEngrish。。なわけだが、こんなことで脱力している場合でもない。
 どの言語圏にも苦手な発音というのはある。韓国人も「ふ」が全く発音できず、全部「ぷ」になってしまうし、同じ英語圏でもそれぞれの地域のアクセントの特徴をからかってみたり揚げ足を取ったりということはいくらでもやっている。日本語でも、中国人の日本語を「。。ナイアルヨ」と誇張してみたり、「インディアン、ウソつかない」みたいなステレオタイプなことで遊んでいることはいくらでもやっているし、田舎の方言をまねて遊んでみたりすることは普通なので、それと同じことである。
 LとRの混同の話は、日本人英語の話ではまず出てきて、これが直らないと英語はいつまでたっても上手くならない、みたいなことがよく言われるけれども、決してそんなことはない。もちろん、きれいな英語を使わなければならない職業につくのであれば、直す必要があるだろうし、直した方が英語の吸収も早くなるのかもしれない。でも多くの場合は、直せないままでもなんとかやっていけるし、慣れていく中で自然と直っていく部分もあるので、考えすぎないのがいいと思う。
 「日本人のヘンな英語」については、これもGoogle検索するといろいろ出てくる。Tシャツの意味不明な英語とか、お菓子やジュースのカタカナ英語が実はすごい変な意味だったりするとか、笑いのネタは果てしない。でも同じようなことをアメリカ人もいっぱいやっていておたがいさまなので、これもあまり気にしなくてもいいのかなという気もする。日本食レストランのヘンなインテリアとか、若い兄ちゃんのヘンな漢字のイレズミとか、これも笑いのネタが果てしなく続く。
 日本人は「恥の文化」なので、からかわれるとマジにキレる人とか、恥ずかしさの余りトラウマになってしまう人とか、そういう恥ずかしい目に合わないようにガードが固くなりすぎる人とか多くなりがちだけど、アメリカ人の文化として(これもアメリカに限った話ではないけれど)、親しくなるために人をからかったり、揚げ足を取ったりするところがあるので、その辺の文化の違いを考えて、あまりシリアスに受け取りすぎないのがいいんじゃないかと思う。からかわれるのは自分が集団の中で認められてきた証拠、くらいの気分で楽しんでいくくらいの方がよいと思う。
 私自身、そういう風に捉えられるようになったのは、こちらに来てずいぶん経ってからなので、それまでは何かあるたびに恥ずかしくて立ち直れないような思いをしたことは数知れない。でもだんだんどうでもよくなってくる。それが慣れということなのかもしれないし、それが学習を阻害している面もあるかもしれないけど、全てを完璧に学べるわけでもないし、どこかの部分の学習を安定させるためには、他の部分をある程度切り捨てるというか、ある種の割り切りも必要なのだろうと思う。

日本人英語:Engrish」への2件のフィードバック

  1. 英語ネタ大好きなので、また遊びにきました。
    私も「ALL YOUR VIDEO ARE BELONG TO US」のニュースみました。で、その日に早速、オフィスメートやチームメイトに聞くと、皆いっせいに大笑いしてました。
    さすが、ゲーマー。皆その話題は知っていたようで、どんなゲームなのかも見せてくれました。
    お互いの癖や文化をからかうのは、どの国でも一緒かもしれませんね
    というのも、かなり前の話ですが、日本人の友人が遊びにきたので、皆で日本のお笑いのビデオを借りてみました。黒人のタレントがでていたのですが、皆で彼をからかってそれを笑いのネタのしていたのです。それを見て正直ぞっとしました。他国の文化やおかしなアクセントをからかうジョークって日本の方が強い感じがしたのです。
    それを一緒に見たアメリカ生活の長い友人も「これ、かなりやばいなぁ」と言ってました。
    「揚げ足を取る、からかう」ことで笑いを取るという文化はどこにでもあるのですが、何をからかうかが問題なんだろうなぁと思いました。
    といいながら、日本にいたころはその手のジョークで笑っていた無知な私でした・・・・。

  2. >きのこさん
    >「揚げ足を取る、からかう」ことで笑いを取るという文化はどこにでもあるのですが、何をからかうかが問題なんだろうなぁと思いました。
    そうなんでしょうね。
    アメリカでもエリアが違えばまたノリが違ったりするんでしょうし。
    文化が排他的だと、揚げ足取りにもその排他性が反映される面もあると思います。

コメントは停止中です。