先週、社会生活シミュレーション「セカンドライフ」のバーチャル世界に、一つキャンパスが開設されて、そのグランドオープニングイベントが開催されたので参加してきた。このキャンパスは、ニューメディアコンソーシアムという非営利機関で、名前の通りに新しいメディア活用の研究プロジェクトに取り組んでいる。
イベントは、キャンパスツアーとステージでの催し、最後にダンスパーティという流れで行なわれて、昼と夜の2セッションで延べ150人以上が参加したとのこと。私は夜のセッションに参加して、その時は常時20数人はいた感じだった。会場に着くと、みんなステージの方に集まっていた。キャンパスの建物はリアルの大学のようなデザインで、ホールや講義室、ミュージアムに図書館と、とても雰囲気のよいキャンパス環境ができあがっていた。リアルのオープンキャンパスみたいに、キャンパスのスタッフはおそろいのオレンジTシャツを着て、質問に答えたり参加者を誘導したりしていた。そしてお土産の資料が入った手さげ袋やロゴの入ったフリーTシャツまで配布しているところまで、リアルのオープンキャンパスの運営を細かく実践していた。
イベントでの案内は、セカンドライフの音声配信機能の主に使っていたが、これは一方向なので、フリーの電話会議ツールを使うことで参加者からの質問などを音声でやり取りできる形にして、双方向コミュニケーションを実現していた。ソフトのインストールやマイクの準備とかテクニカルな面倒さもあるため、参加者からはあまり利用されていなかったようだが、ツールの併用の仕方はいい工夫だと思った。
下記の写真のように、キャンパスの主だった建物を見てまわり、最後に夜のセッションでは、ホールでダンスパーティが催された。セカンドライフ内でも有名らしいミュージシャンがやってきて、音楽を演奏し、参加者はダンスのアニメーションが埋め込まれているフロアをクリックして、ダンスのモーションをダウンロードし、その場で踊り始める。シャンパングラスまで用意されていて、グラスを片手にアバターが踊りながら会話している姿はゆかいな感じで新鮮な体験だった。
キャンパスツアーの時にはあまり参加者同士のインタラクションはなくて静かな感じだったのだが、ダンスパーティーになると急ににぎやかになって、みんな楽しみながら、フレンドリストに登録したり、イベント情報やデータを交換したりしていた。この辺もリアルな人々の動きとかなり共通していた。バーチャルでもコミュニケーションを円滑にするには懇親会のような場は必要だということらしい。
セカンドライフ内では、今学期だけでも16大学以上がこのバーチャル世界を利用して授業を行なっている。建築学や心理学、社会学、文化人類学、教育学などなど、それぞれ研究テーマの宝庫である。英語学習者からすれば、実践的な英語学習環境にもなる。無料でプレイできるので、興味を持った方はぜひ挑戦してください。
以下、イベントでのスナップショット。
キャンパスの中央にある案内板。建物をクリックすると、テレポートでその建物に移動できる。
アートミュージアム。建物のデザインがセンスいい。
屋外ステージ。スクリーンではビデオをオンデマンドで見れる。
ホールでのダンスパーティの様子。みんなダンス用の衣装なんて持ってたりして、変な格好の人がたくさんいた。