アメリカン・インベンター

 つい最近、発明家オーディション番組の「アメリカン・インベンター」(ABC)が始まった。一言で言えば、アメリカン・アイドルの発明家版といった内容。アメリカン・アイドルのジャッジの一人であるサイモン・コーウェルがエグゼクティブプロデューサーに名を連ねていて、番組フォーマットはアメリカン・アイドルとほとんど同じで、地方予選で勝ち残った発明家が自分の発明をブラッシュアップしていって、最後まで勝ち残った一人がアメリカン・インベンターに選ばれ、100万ドルの賞金と、発明品の商品化の栄誉に預かることができる。今はその地方予選をやっているところ。
 地方予選の回はアメリカン・アイドルもかなり面白いが、この番組の方が挑戦者のユニークさの幅が広いので格段に面白くなっている。いろんなレベルの街の発明家が挑戦してきて、ジャッジにけちょんけちょんにけなされたり、発明への想いを訴えて感動の場面を生んだりして、楽しさの幅が広い。こんな全国ネットのテレビで自慢の発明を公開してもいいのかなと思いつつやり取りを聞いていると、どうやら全部ではないと思うが、出てくる発明の多くは特許をすでに取っているようである。すごくくだらない発明品や、王様のアイデアに売ってそうなアイデア商品もどきのものもあれば、ホントに売れそうななかなかの発明までさまざま出てくる。全財産つぎ込んでこの番組に賭けているという挑戦者が何人かいたが、あっさり落とされた人も、次に進めた人もいた。アメリカンアイドルと同じく、挑戦者達の熱意と自信はものすごいものがあって、発明家という人々の持つある種の胡散臭さも相まって、出てくる人々の人物描写が番組の一つの売りになっている。
 まだ番組は始まったばかりなので、これから次のステージに進んで、決勝ラウンドまでどういう風に進むのか楽しみである。