AECT二日目

 オーランド三日目で、AECTは二日目。ルームメートは発表が済むや否や、奥さんを連れてディズニーへ向かい、今日も朝から気合を込めて出かけて行ったようだ。すでに丸4日間で4つのテーマパークを回るつもりらしい。彼の気合は今回は発表ではなく、ディズニーに100%向かっている。テーマパークの飯は高いからと、奥さんは出発前日の夜中まで、まんじゅうやら煮物やら、ずっと料理をしていて、6日分の食料を準備していた。こちらに着いたら着いたで、レンタカーをしたのだが、駐車場代がバカらしいと無料シャトルバスを使い倒してテーマパークめぐりをしている。節約にかける彼らの熱意は並大抵でない。その辺は国の経済状況の違いからくる文化の違いがあるんだなと思わされる。
 昨日で発表も終わり、気が抜けて朝はややゆっくり目に学会会場へ向けてレンタカーで移動。会場に着いて、ゲーム系のセッションを中心に、面白そうなセッションをいくつか見て回った。空き時間に、子ども達のビデオコンペの授賞式をやっていたのでのぞいて見た。ニュースとか音楽ビデオとか部門別に表彰されていたが、どれもレベルが高くて楽しかった。こういうのは教える方も学ぶ方も楽しいそうでとてもよい。最後に、一人の中学生ビデオアーティストの、自身のガン闘病記録をドキュメンタリー化した作品が流されていた。幹細胞移植に入る前のところまでの未完の作品で、幹細胞移植のあとその少年は亡くなってしまい、その追悼での作品公開だった。会場の子ども達にはどんなメッセージとして伝わったのだろうか。
 夕方、AECTの功労者や論文賞の受賞式典が行なわれた。式典のみだと参加者も少なくなることもあり、例年はパーティと組み合わせたりしているが、今年は軽食で来場者を引き寄せる作戦だった。ねらい通り、拍手が賑やかになるには十分な人が食べ物に引き寄せられて集まっていた。学会のレセプションは産業系のカンファレンスと違って貧しくて、アルコールはキャッシュバーが通常であるため、この会場に用意されたワインバーに集まる人も少なかった。しかし実はワインも無料だったというのが後でわかり、後半はみんなでワインを傾けながらの歓談となった。
 夜はプログラムの仲間と酒でも飲みに行こうということになり、いったんホテルへ戻ることにしたが、大いに道に迷った。実は前日の夜、韓国人の同僚にホテルまで送ってもらったのだが、誤った方向を指示してしまい、30分ほど余計にドライブ。またそれと全く同じ間違いをして、同じように30分余計にドライブしてようやく帰り着いた。今回の旅行はどうも方向感覚が悪く、こっちだと思った方向に行くとまず間違っていた。
 ホテルに戻り、しばらくして落ち合い、近所のバーレストランへ。集まった顔ぶれはアメリカ人、ブラジル人、ロシア人、ベトナム人、インド人、それと日本人、と全く多国籍なのがゆかいだった。研究を離れての素の状態で接する機会というのは案外少ないので、こういう場はなかなか貴重だ。飲みニケーションではないが、何か利害の関係ないことを共有して楽しむことは、どこの国の人でも、いわゆる潤滑油になる。