AECTで発表

 オーランド二日目。とりあえず寝坊せずに6時半に起きて朝食。朝食と無線インターネット無料のホテルにしておいたので、メールは読めて、朝飯にもあぶれずに済む。自分の発表は昼前だが、ルームメートは朝一の発表で、一緒にレンタカーを借りているので、早いほうの彼のスケジュールに合わせて早めに移動。二人とも10年物のパワー不足な車に乗っているので、ピカピカのレンタカーのパワーに感動しながら移動した。途中若干道に迷ったが、遅れずに無事会場入り。AECT参加はおととしのサンディエゴ以来2年ぶり。サンディエゴもオーランドも、ディズニーがあって、AECTの偉い人たちはよほどディズニー好きなのかと思ったが、AECTでは学会と併催でスチューデントメディアフェスティバルというのをやっていて、小学校から高校までの生徒たちが制作したビデオ作品コンペの授賞式をやっている。なのでたぶん子ども達が来たくなるようなところが選ばれやすいのだろう。
 学会の会場では、ペンステートの同僚たちにちょくちょく顔をあわせた。ペンステートはAECT参加大学の中でも大勢力な方で、大学院では年次が進むとたまにしか会えなくなる友人も多いので、久しぶりにあって近況報告をする場面が多かった。
 一本目の発表はラウンドテーブルで、2年前にやった日本語教育プログラムのニーズ調査プロジェクトの事例報告。ちょうど昼飯時に、あまり人気の無いインターナショナル部門のラウンドテーブルとあって、来場者はみんなお昼を食べる時間にあてているようで(ランチタイムは設定されてない)、ほんとに人が来ない。どこのテーブルも閑古鳥状態で、まばらに来る人をつかまえながらセッションをやるという感じだった。全部で4人を相手に説明したが、みんなアジア人だった。まあトピックがトピックだけにそんなところか。
 二本目の発表は30分のプレゼン。「ゲームとオンライン学習」というスロットに入れられて、「多人数参加型オンラインゲームにおける社会的相互作用:オンライン学習開発への知見」というタイトルで発表した。会場には30人以上が入り、満員状態で、用意した論文のコピーは足りそうに無いので最後に配ることにした。内容的には日本の教育システム情報学会でやったものをバージョンアップしたものであり、発表自体は練習も含めて何度かやっていてプレッシャーは少なかった。ただ、やはり寝てないと頭の回転がやたらに鈍く、普段は出てくるものが出てこない。最初はよいテンポで話し始めたものの、たちまちかみまくり、もたついた感じになった。途中で何人か抜ける人がいて、「あーあ」と思いながらも何とか最後まで話しきって終わったところ、いい感じの拍手。何かいまいちだから論文はイラね、という人もいるかと思ったら、みんな持って行ってくれて、即座に売り切れ。説明がまずくても内容には関心を持ってもらえたようだった。
 自分の発表以外にも、教育用ゲームに関連した発表は十数件あって、ゲームへの教育工学分野での関心の高まりがはっきりと示されていた。他の発表の多くはまだ関心のもち始めといった感があって、「ゲームってすごい可能性があるんです、でも詳しくは今後がんばります」系の発表だったが、中には本格的な研究プロジェクトの成果を発表しているものもあった。自分の発表も、いちおうは質的研究の論文発表であり、テーマのユニークさもあって、注目されたらしい。おかげであちこちの研究者と知り合った。教育用ゲームはAECTでも主要なテーマとして認識され、今後も盛り上がっていきそうな状況だ。