プリングルズ食べて学習

 日本で売ってるのかどうか知らないが、「プリングルズプリンツ」というのをこの間買ってみた。「エジプトのミイラがミイラになる前はなんだった? 答:ファラオ」なんていうトリビアクイズが書いてあるプリングルズのポテチである。これを見て、みんなまず思い出すのはドラえもんの「暗記パン」だと思うが、残念ながら食べただけで記憶に残ることはない。


 食べたらもう読めないと思うと、ちょっと一生懸命読んでから食べたりすることもあるし、そのうち面倒になって全く読まないでむしゃむしゃ食べることもある。でも、このポテチのせいで、トリビアクイズが私の生活に入り込んでいるのは確かである。
 暗記物を楽に覚えるには、ドリルの数をこなす機会を増やすことも有効な戦略の一つで、食べ物にも書いてあるというのはなかなかいいアイデアである。せっかくだからトリビアクイズなんてやらなくて、試験対策に使えばいい。英単語でも歴史年号でも漢字検定でも公務員試験でも情報処理検定でも、暗記ものなら何でも応用が利く。ポテチやクラッカーのように気軽にむしゃむしゃ食えるものが望ましい。せんべいでもいいが、数をこなす方がいいので、えびせんべいみたいな軽いせんべいの方がいい。のび太がミスったように、パンとかは数がこなせないのでだめ。「菓子に文言を印刷する製法云々」なんて特許がとられたりしなければ、お菓子会社でシリーズ化して売れば結構な製品に成長するかもしれない。
 まあ、そうやって考えてみてわかることは、日本の受験や資格対策なんて、ほとんどはちょっと面倒なだけのトリビアクイズでしかないということである。そのこと自体は悪いことではなくて、トリビアにできるようなものはどんどんそうすればいいのであって、問題はそれで学習が終わってしまうことにある。そこから先が教育産業の仕事のはずなのだが、たいがいは一生懸命クイズを作るところで終わってしまっている。 クイズはポテチでもできるのだから、教育者はその先の教育をしよう。