3/12(土) サンフランシスコ観光

 せっかくサンフランシスコまで来ているのにホテルと会議場の往復だけで帰途に着くのはもったいない。幸い、飛行機は深夜発だったので、土曜日を一日観光にあてることができた。


 結構疲れもたまっていてあまりいろいろ見て回る元気がなかったので、市内バスツアー+黄金橋クルーズのツアーパッケージを利用した。4時間ほどで市街地から山の方、黄金橋とぐるりと一回り。座席に座ってボーっとしていれば運転手のガイドつきでいろいろ見れるというこの受身さ具合がなんともよい。運転手はやたらゲイネタのジョークを飛ばしていた。さすがサンフランシスコ。バスツアーが終わって、クルーザーの待ち時間の間に、名物のパンに入ったクラムチャウダーを食べた。ちょっと肌寒い空の下、暖かいチャウダーが身体に心地よかった。身体が温まったあと、クルーザーに乗って、黄金橋の下まで入って、アルカトラズ島の周囲を回って帰ってきた。
 港近辺は、いかにも観光地という雰囲気を醸し出していた。バスで山の方を回っていたときにどこか見覚えがある風景だと思ったら、私の田舎の別府市の風景だった。ちょうど半島に湾があって似た地形のせいだろう。街の大きさは全く違うが、山の上の方の建物の立ち方とか景色は似た美しさを持っていた。これで温泉もあるのだから、さぞかし別府は栄えていてもいいようなものだが、ずいぶん寂れて駅前などは見る影もない。もったいない話である。もっと手と足と頭を働かせて、きちんと観光資源を開発して、うまいものと楽しいものと観光スポットのラインアップを揃えれば、サンフランシスコまでは行かずとも、もっとましな観光地になっていても不思議はない。ただ風呂屋をやって客を待つだけでなくて、その間をつなぐサービスが必要である。駅前を歩いても買い食いできるものがたこ焼き屋と焼き芋屋くらいしかないようでは客もくるわけがなくて、ちょっと考えれば、他ではやってなくて、観光客が四、五百円くらいポンと喜んで出しそうな買い食いメニューもできなくはないだろう。それに、とりあえず立ち寄れるのがどこでもあるファミレスでは興ざめだし、屋外を回って楽しめるものが何もない。これでは観光地として栄えようもない。流行りものや奇をてらったものに金を掛ける必要は全くなくて、観光資源として持っているものを楽しめるようなサービスを少し増やせば、好循環に変わって人が集まってくる。きれいな海を楽しめるクルーザーもやればいいし、気球でも、トロッコバスツアーみたいなのでもなんでもいい。そういうイベントごとの待ち時間に楽しめるちょっと気の利いた買い物エリアがあって、その間を練り歩く時に楽しく飲み食いできるものがあればいい。そういう空間を地道に作ろうとせずに、変な箱物ばかり立ててきて今の不景気な街に至っている。そういえば昔、動かなくてちっとも楽しくない豪華客船なんてのもあったな。
 ふと、何でこんなことを一生懸命書いているのかと我に返った。サンフランシスコの話だけ書くつもりだったのだが。これでおしまい。仕事に戻る。