11/13(土) 気の利かない性分

 昨日まで天気が悪くて、今シーズンの初雪もちらっと降ったりしたのだが、今日は快晴だったので、日光を楽しもうと思って勉強の合間に外に出てみた。しかしやたら寒くて五分後には撤収。寒いはずで昼でも摂氏0度、日が暮れると氷点下になった。もう冬である。


 夕方、ワインショップにて酒を購入。たまたまプログラムの後輩の韓国人に出会った。ワインに詳しいか?と聞いてくるので、よく飲むから多少はわかるがどうした?と聞くと、今日はワイフの誕生日だからスペシャルなワインを探している、とのこと。どんなのがいいのか聞くと、甘いのがいいというので、ホワイトジンファンデルはまあ甘くて手ごろだけどあまりスペシャルではない。それじゃあということで、アイスワインコーナーに連れて行った。アイスワインはハーフボトルで30ドル台のが多く、彼は値札を見て、ゲッ、という反応を出さないように振舞っているように見えたので、これならどうだい?と15ドルのボトルを示した。するとややほっとしつつも迷いながら、これにしようと言っている。あまり気に入らないんだったら悪いなと思いつつ、急いでもいたので、先に別れを告げてその場を離れた。
 そのワインを勧める時に「このワインはいいよ。そんでとても甘いよ。」というようなことを言ったのだが、それがなんかいまいちだなーと帰り道に運転しながら思った。たぶん、彼が甘いワインを探していると言ったからそういう反応になったのだと思うが、彼が探していたのは、奥さんが喜ぶワインであって、甘いワインというのはこの際あまり問題ではない。なんだけど私はどうしてもスペックで物事を考えるくせがあるのでそのような反応になってしまった。デジカメやパソコンを買ってるんならまだしも、奥さんの誕生日に飲むワインを選んでるんだから、「この種のワインは女性に人気があって、きっと奥さんも気に入るぞ」くらいのことを言ってあげれば、彼も自信を持っていい気分でそのワインを買っていたことだろう。
 どうでもいいことだが、私は毎度こんな調子で気が利かない。こういう時に聞かれて人に勧めるとたいてい好評なので、いいものを選んでいるはずなのだが、決め手となるような売り文句をいいタイミングで出すのは苦手である。もともと、その場で何かをゴリゴリと売り込む能力というのが非常に低いこともあって、日頃から売り込まなくても買いたい人にしか売らない、あるいは売り込まなくても買いたくなってしまうような状況作りに腐心する、そんな生き方をしてきた。それでうまく行くところはうまく行き続けて、苦手な売込みを求められる局面ではほぼ全敗して今に至っている。その状況はこれからもそんなに変わらないだろう。自分の得意でないところを期待されて、期待通りの成果が出ずにがっかりされることもあるだろうし、たまたまうまく行くこともあるだろう。そういう自分は想像がつくのだが、アグレッシブな営業パワー全開で人に売り込みをかけている自分像はまるで想像できない。そんなところまではできなくてもいいので、せめてちょっとした気が利くようにならんもんかと思ってしまう。
 こんな長文を書くネタでもない他愛のない話なのだが、ふとしたことが引き金でいろいろ考えさせられた。