HOME

風の便り

フォーラム論文

編集長略歴

問い合わせ


生涯学習通信

「風の便り」(第74号)

発行日:平成18年2月

発行者:「風の便り」編集委員会


1. 夢の過疎対策構想 「森林ボランティア」は可能か!?

2. 夢の過疎対策構想 「森林ボランティア」は可能か!?(続き)

3. 第64回フォーラムレポート 『みんなちがってみんないい』

4. 子育て支援−「ボランティア指導者」の評価と意見

5. MESSAGE TO AND FROM

6. お知らせ&編集後記

★MESSAGE TO AND FROM★

   お便りありがとうございました。今回もまたいつものように編集者の思いが広がるままに、お便りの御紹介と御返事を兼ねた通信に致しました。みなさまの意に添わないところがございましたらどうぞ御寛容にお許し下さい。


★ 大分県香々地青少年の家 宮崎克己 様  
  子育てネットワークの大会資料ありがとうございました。孤立を免れ、「子縁」と「志縁」の人間関係に巡り会った方々の興奮と熱気を想像しています。子育ての充実感に加えた幸福な出会いの会であったであろう事は容易に読み取れるご報告でした。しかし、自己責任の時代というものは辛いですね。諸々の条件によってこのようなネットワーク集会に参加できない方々と参加者との「交流格差」も「情報格差」もますます拡大しますね。また、大部分の参加者は女性でしょうから、子育てはますます女性の役割として固定化されて行くような気もします。政策的な観点から言えば、少子化の防止も、女性の支援も、恐らくは幼少年の教育の変革ですらも「養育の社会化」からしか実現できないと確信するようになりました。合併の後に福岡県穂波町の「子ども学び塾」や同県豊津町の「寺子屋」プログラムがどのような政策上の評価を受けるのか、期待と不安をもって見守っております。
  これからの子育ては「自分流の保育と教育」にこだわる保護者のネットワークと「社会の養育システム」に依存せざるを得ない「共稼ぎの親」やネットワークに参加できない「孤立した保護者」に2極化して行くと予想しています。いずれの場合も生涯学習行政はほとんど関わって来なかった領域ですから「コーディネート」の機能が不十分である事は免れません。結果的に、国の政策予算は「次世代育成支援」の看板の下に教育経験が蓄積されていない福祉分野に移行すると思います。教育と福祉を統合して「保教育」の実践システムが重要になる所以であると思います。果たして政治や行政は理解するでしょうか!?それとも従来の路線を固執して「子育て」は「親の責任」(「女の責任」)だと言い続けるのでしょうか?

★ 高知県野市町 山中節子様              
  人の世は人が作ると言う事を垣間見せていただきました。お集りの皆様の連帯も協力もお見事の一語に尽きました。福祉と教育の共同も拝見いたしました。惜しむらくはこのような「形」が行政では「プロジェクト」にもならないということですね。「偽装」や「粉飾」が続いて「民」は世間の信用を失っていますが、皆様の活動を拝見して、「民」に移した方が活性化するものは「民」に移すべきだという「総論」は間違っていないと思いました。校長先生も、保健所長も、町会議員さんも、塾の経営者も初めてお会いしたとは思えないほどに「志縁」を感じました。再び皆様とお会いできる事を楽しみに5月の25周年大会の準備を進めます。「高知『本』と『お話』ネット」の"修学旅行"とお考えになってお揃いでお出かけ下さい。

★ 福岡県北九州市 仲道正昭様                  
  毎月お目にかかるのに誌上のお便りはいささか変ですが、報告書の中の受講者の感想を拝見して様々に感じるところがありました。当日のテーマであった「論語」に託して申し上げれば、最初は『まず行う、その言はしかる後に之に従う』と思いました。実践をせずに口ばかりでものを言う人に怒りを感じます。2番目は『近きものよろこべば遠きもの来たる』でした。第3者の評論に惑わされず、自分に与えられた「寺子屋」や「生涯学習フォーラム」の実践を大事にしたいと思いました。第3はイデオロギー的な感想に接して『天を怨みず、人をとがめず』は自分にはできそうもない、と思いました。また、『備わらんことを一人に求めることなかれ』という「言い訳」も発見いたしました。最後は『徳は孤ならず、かならず隣あり」です。機会を与えていただいた上に、報告書まで作成いただきその熱意に満腔の敬意を表します。ありがとうございました。

★ 福岡県筑紫野市 鹿下 仁 様        
  お便りからご奮闘の様子が立ち上ってきます。学校便りを拝見いたしました。立派なものです。しかし、最大の心配は先生のメッセージはそのメッセージを必要とする保護者には届かないということです。上記の宮崎さんへの便りにも書きましたが、自覚的な保護者にだけ働きかけても教育の崩壊は食い止められません。「子育てネットワーク」論の落し穴はネットワークを選択しない保護者を置き去りにし、「格差」を更に拡大する事です。学校はいわゆる「加配教員」を時差出勤にしてでも基本的生活習慣が確立できていない子どもの放課後や休暇中の指導を開始すべきだと考えています。できるでしょうか!?「穂波子どもまなび塾」や「豊津寺子屋」の発想を学校は受け入れるでしょうか!?月例フォーラムでの再会を楽しみにしております。
 


 

←前ページ    次ページ→

Copyright (c) 2002-, Seiichirou Miura ( kazenotayori@anotherway.jp )

本サイトへのリンクはご自由にどうぞ。論文等の転載についてはこちらからお問い合わせください。