習慣的にブログを続けていると、ある時急に書けなくなる時期を経験する。そういう人は多いらしく、有名ブロガーでもスランプについて語っているのをよく見かける。物書きのスランプ状態の「ライターズ・ブロック」という言葉を使う人もいるのだが、そこで語られているスランプの感覚とは違う症状な気がしていた。
自分の場合どういう感じで書けなくなる症状が生じるのか考えてみると、緊急度が高くて時間のとられる仕事に直面している時、「ブログに費やす時間があるくらいなら、その仕事をやるべき」という感覚が働く時が多い。15分くらいで軽く書けるネタがあればよいのだが、書きたいことを書いていると発想が広がってつい長くなるし、自分の納得する形でまとめようとすると時間が取られて15分では終わらない。なんだかんだで一回更新あたり30分から1時間はかかる。
そういう状況下でも、書きたいネタは日々思いつく。というか、そういう時ほど書きたいことが思いつく。ブログが自分にとっては「試験前の掃除」のような位置づけで、逃避行動として機能している面があるからだと思う。以前はそういうものを思いつくままに書いていたが、そうするといろいろと支障があるので、最近はメモだけ書いて放置するようにしている。
すると、ブログのネタストックは貯まる。だがそれが逆効果になる時もある。いざ書くときになって、「これを書くなら、こっちを先に書いた方がいい」みたいなことを考え出す。すると結構その空き時間には収まらないネタだったり、頭を使わずに気軽に書きたい気分なのに、それでは書けない重たいネタだったりする。そしていろいろと書いているうちに発想が広がって結局いまいちまとまらずに消化不良になったりする。つまり、書きたいネタはあってもそれがうまくアウトプットにつながらない状態になっている。
この症状は「ライターズ・ブロック」などという品のよい表現では十分に形容できてなくて、汚い感じで申し訳ないが、むしろ「便秘」に近い状態だと思うようになった。似たような描写で「産みの苦しみ」という言い方もできるが、そんなたいそうなものを日々生産している訳でもなく、もっと日常的に出すものが溜まる感じだ(別にブログに書いているものがウ○コレベルだとか、そういうアウトプットの質の話ではなくて)。日常的に摂取したものが溜まる感じと出す感じを形容すると、これが一番近い。ネタを入れる量に比して出す量が十分でなく、体内に溜まった状態で居心地が悪い。出すものを出さないと気分が悪い。そういう感じ。
おそらく毎度しっかり書きたいタイプのブロガーに共有できる感覚なのではないかなと思って、ちょっと検索してみたら、「Blogger constipation(ブロガー・コンスティペイション)」という言葉を使っているブロガーがいた。constipationとは、「便秘、不活発」という意味で、まさにそういう身体の不活性な感覚をアナロジーとして形容している。
ブログが書けない症状というのは人それぞれあって、摂取するネタの質や日々の生活習慣などのさまざまな要素が影響していると思う。これはリアルなコンスティペイションに共通するところが多そうで、この二つのコンスティペイションをアナロジーとして考えていけば、書けないブロガーの症状を改善するのに参考になるアイデアが出てくるんじゃないだろうか。