大人気ドラマ24に引き続き、こちらもFOXの看板番組として名高い、歌手オーディションリアリティショー「アメリカンアイドル」のシーズン5が始まった。十万人以上が全米各地の予選会場に詰め掛けたというのはすごい。このオーディションでは、トップ12の最終オーディションで視聴者の電話投票で結果が決まるのが売りだが、その投票数が100万を超えるというのもすごい。初回放送の推定視聴者数が5500万人というのは、いくらなんでもサバ読み過ぎだろと思うが。
このオーディション番組は、プロセス自体がプロモーションを兼ねていて、最後に優勝者が決まる頃にはもう露出十分で、CDを出せばヒット間違いなしの状態になっている。そして、それに応えられるだけの実力を備えた歌手が優勝する。優勝できなくてもトップ12のうちの数人はCDを出せるし、残りの人たちの人生もそれまでとは別の道が開ける。それを見て憧れた人たちが我も我もと参加する。人が集まるので地元メディアも取り上げる。みんな注目して、地元からの参加者が勝ち残ると盛り上がってみんなで応援する。その盛り上がりを見てまた憧れる人が増える、という感じで好循環で盛り上がっている。マーケットの大きさがその受け皿になっているし、そこで育ってプロになる素質を持つ人の層も自然と厚くなる。どの分野にしてもアメリカの産業は、このマーケットの大きさというのがものを言っている。
ところで、この番組はそんな規模なので、おそらくこの日のコカコーラのCMで、グラスにアイスクリームを入れて、その上からコーラを注ぎこむのを見て、試してみたくなった人も何十万人もいることだろう。購買行動に直結する美味そさ感満点のCMだった。