シリアスゲームサミットDC二日目

 引き続きシリアスゲームサミット二日目。今日はなんと行ってもメインは自分の発表。今年はすでに日米あわせてこれで6本目の発表なので、発表自体も慣れてきた。前日によく寝ないとパフォーマンスが大幅に低下することも前回のAECTで痛感したので、今回はしっかり寝た。AECTでは満員だったので調子に乗って、今回もどれくらい客が入るかなと期待していたら、30人そこそこといったところ。3月のGDCでも似たような感じだったのを思い出して、まあこんなもんかなとややがっかりしながら開始した。でもとにかく話すネタは豊富にあって、しかも優れた日本のゲームの話ばかりなので、聴衆の反応もとてもいい。前日よく寝たおかげもあって、話のテンポも崩さずに話すことができた。後で聞いたら、プレゼンはすべて収録されていて、MP3でネット上で公開されるらしい。ひー。プレゼン終了後、何人もの人がステージに詰め掛けてきてあれこれ問い合わせしてきた。プレゼン中に「ニンテンドッグ持ってきてる人いたらデータ交換しようね」とネタで言ったら、ほんとに持ってる人がいて、データ交換しようとしたが、残念ながら日米のDSは違う周波数を使っているか何かのせいで通信ができなかった。ショック。でも日本のDSで米国版のDSソフトを走らせることはできるということはわかった。
 今日のセッションのハイライトは、カーネギーメロン大で開発された消防士訓練用ゲーム「ハズマット」のセッションだった。ステージにはニューヨーク消防署のえらい人から消防士がずらっと並んでいて、ハズマットを使った訓練デモを見せてくれた。こうやって使うんだというのを実際に見せられるとなかなか迫力があった。消防署のえらい人たちがこのゲームへの期待を述べるなど、このゲームがシリアスゲームの中でも一番の目玉として今も健在なことをアピールしていた。
 もう一つのハイライトは、二日目の一番最後のセッションで「インストラクショナルデザインはシリアスゲーム開発に必要か?」といった趣旨のディベートだった。不要派のマークプレンスキーと必要派の大学の研究者がそれぞれに議論を戦わせ、超満員の場内は大いに盛り上がっていた。個人的には結論の出ているテーマで、議論もその範囲を超えてはいなかったので、余興として楽しんだ。
 セッション終了後は、オープンスペースに場所を移してのゲームスタジオ各社のシリアスゲームショーケースをやっていた。フリードリンクだったが、帰りの運転があったのでやむなくクラブソーダなど飲みながら、参加者たちと情報交換した。カンファレンスディレクターのジャミールがいたので挨拶した。何気ない彼の振る舞いにとても感銘を受けた。普通にニコニコしたインド人といった風貌なのだが、他の人に話を振るタイミングとか、話を終わらせるタイミングとか、いちいち彼の振る舞いは洗練されていて、さすが大舞台を仕切るディレクタだなと納得した。
 帰りも遅くなるので、早めに会場を後にして、ステートカレッジに向けて車を走らせた。DCエリアを抜ける前に案の定、道に迷って一時間くらいロスした。しかもいきなり隣の車線から車が突っ込んできて、危うく大事故になるところを間一髪無傷で済んだ。性能のよいレンタカーだったおかげで助かった。奥様2名を載せて事故ったのでは、だんな様たちに八つ裂きにされてしまうところだ。ともあれ、あとは何事もなく12時前に帰宅。今回の遠征も無事に終わった。